自然

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気候変動はもう止められない、こう感じたときにすべきこと(TED)

相次ぐ異常気象に絶望感を感じているエコ不安症の人におすすめのTEDトークを紹介します。

タイトルは、What to do when climate change feels unstoppable 気候の変化は変えられないと思うときどうするべきか?

プレゼンターは、環境運動家であり、エコ不安症に関してリサーチをしているClover Hogan(クローヴァー・ホーガン)さんです。



気候変動は止められないと思ったら:TEDの説明

Today’s youth have inherited a big, unprecedented climate problem to solve — and the eco-anxiety to go with it. Gen-Zer and activist Clover Hogan knows the struggle firsthand, but she also understands the path to climate action starts with the one thing you can control: your mindset.

She explains why challenging the stories that keep you feeling powerless can help you take the first step to protecting the planet for generations to come.

今日の若者は、解決しなければならない前例のない大きな気候変動の問題と、それに伴うエコ不安を受け継いでいます。

Z世代の運動家、クローヴァー・ホーガンは、この困難を身をもって知っています。

しかし、彼女は、気候変動を防ぐ道は、自分自身がコントロールできる唯一のことであるマインドセットから始まるとわかっています。

そして、自分は無力だと感じるストーリーに立ち向かうことが、次世代のために地球を守る最初の一歩を踏み出させると説明します。

収録は2021年の2月。動画の長さは12分38秒。英語ほか数カ国語の字幕あり。動画のあとに抄訳を書きます。

☆TEDの記事の説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

とてもわかりやすく説得力のあるスピーチです。





ドキュメンタリーで現状を知った

私はオーストラリアのトロピカル・ノース・クイーンズランドで育ちました。

トイレでカエルを釣れるし、天井にへびがぶらさがっているような自然がいっぱいの場所で、自然の驚異の中で楽しく暮らしていました。

11歳のとき、ホラー映画を見ることを禁じられたので、代わりにドキュメンタリーを見るようになりました。

『ザ・コーヴ』『フード・インク』『不都合な真実』など。

はじめて胸がつぶれそうになったのは、イルカの大量捕獲のせいで、海岸線が真っ赤に染まるのをパソコンのモニターで見たとき。

ビッグマックを作るために樹齢100万年の木々がブルドーザーで伐採されるのを見たとき。

アル・ゴアが、私たちが急激に地球を破壊しているのをグラフで示したのを見たとき。

そして皆、そんなことは起きていないふりをするのがとてもうまいと知ったとき。

相次ぐ異常気象

2度めに心が痛んだのは、2019年の11月のことです。

母国が炎に包まれるのを見ました。

10億以上の動物が燃えました。友人たちは、屋根に登って、ホースで、自分の家を助けようとしました。煙と燃えカスが服にくっついてしまうまで。

絶望、悲しみ、もどかしさ、怒りを感じました。

かつて見たこともないほど高い炎の壁を見ながら、私は、自分は無力で小さく、火を止めることができない、愛する場所を守ることができないと感じました。

オーストラリアの黒い夏が終わると、今度はカリフォルニアで大火災が起き、ジャカルタでは洪水で10万人が避難し、アメリカの東海岸をさらに大きなハリケーンが襲い、東アフリカでは、イナゴの大量発生のため、何万人もの人々の食料を脅かされました。

若者に広がるエコ不安症

今日の若者がこの現実を作り出したわけではありません。私たちは、この事態を受け継いだのです。

同時に私たちは、人類の運命を救うことができる最後の世代だと言われています。

メンタルヘルスの問題が蔓延しているのも、無理はありません。

エコ不安症(eco-anxiety)が増えていて、若者がもっとも痛手を受けているようです。

2019年のリサーチによれば、英国では18歳から24歳の70%が、エコ不安を感じています。

彼らは、気候の変化に対して、無力感、悲しみ、パニック、不眠、罪の意識すら感じています。

環境災害は、生涯を通じて最大のメンタルヘルスの問題で、若い心は自然との戦いの巻き添えを食っています。

大人に対する不信感

私の所属するForce of Natureでは、この状態を世界規模で目の当たりにしてきました。

テルアビブからジャカルタ、ニューヨーク、マナグアまで50カ国以上の若者と話をしました。皆、夜も眠れないほどの恐怖を感じています。

自然破壊の規模だけでなく、大人が、特に、力のある大人が全く意に介していないという事実にも、恐れをいだいているのです。

初めて、私は、環境に関するドキュメンタリーを見た時、世界は、利己的で欲深い人々によって牛耳られていて、他の人々は何も気にしていないと思い込みました。

人類は、地球にとっての疫病神なのだと。

以来10年間、ビジネス、政策、市民社会の意思決定者に働きかけてきました。教室では学生たちと、役員室では最高経営責任者たちと働いてきました。

この経験からわかりましたが、私の考えていた悲惨な状況はある意味正しかったのですが、実はとても間違ってもいました。

否定に走る大人たち

あなたが巨大な多国籍企業の上級管理職だと想像してください。

25年間、出世の階段を上り続け、自分の仕事は、お金を稼ぎ、現状を維持することと株主に価値を提供することであり、自分の仕事を失うようなリスクは回避するよう言われ続けてきました。

あなたはリサイクルします。Linkedinで気候変動に関する記事をシェアします。

2年前、大量生産農業のドキュメンタリーを見てから、ベジタリアンになりすらしました。

でも、1日の終わりに家に戻ると、子どもたちが、自分のことを問題視しているのを感じます。

子どもたちは、あなたが、ビルの中に座っておらず、気候変動に対する抗議をしてほしいと思っているのです。

私が、権力のある人たちと働き始めたとき、彼らが、自分たちは無力だと感じていることがわかり、驚きました。リーダーたちの多くは、不快な感情から逃れるために苦労していました。

絶望も否定も役に立たない

今日の若者は絶望を感じ、大人たちは、否定することで、状況を理解しようとしています。

リーダーたちにどんな未来を思い描いているか聞いてみると、それはテクノ・ユートピアのような世界です。

空飛ぶ車が走り、致命的な病気はなくなった世界。

一方、教室で8歳や9歳の子供に同じ質問をすると、彼らの未来は、映画で見るようなディストピアです。

スーパーマーケットの棚はからっぽで、都市が水没している世界。大人になったとき、誰もこんな世界が待っているとは思いたくないような場所です。

あなたは、否定することで安らぎを得られるかもしれません。科学が、人類は絶壁に向かって走っていると示しても、超消費社会で、自分を麻痺させ、夢遊病者のようになって。

私の世代の多くのように、絶望を感じている人もいるでしょう。

不安や不満、怒りを感じることは、問題に対して目を覚まさせてくれますが、世界の重荷を背負うとつぶれてしまうからです。

実は、絶望も否定も、誰の助けにもなりません。

心を閉ざし、問題から目をそらすことになるだけです。

否定することは、責任を帳消しします。

絶望を感じることは、すべての責任を自分と一緒くたにすることです。

否定のストーリーは、こんな感じです。「私には関係ない。だって誰かが解決してくれるだろうから」。

絶望のストーリーは、こうです。「私には関係ない。自分で解決するには大きすぎる問題だから」

絶望と否定は無力感の現れ

2つのストーリーに共通点があるのがわかりますか?

否定と絶望は、世代の両極端にあるように思えますが、根っこは同じです。

ともに、いかに無力であるか感じているのです。私たち全員が。

気候変動よりもっと大きな脅威は、その問題に対して、私たちがどれほど無力か感じていることだと思います。

心配している両親、慎重な企業のリーダー、不安な11歳の子どもたち。

こうした心のままでは、この危機を解決することも、多くの機会を活かすこともできません。

では、どうしたら、絶望や否定から抜け出して、何か大きな違いを生み出せるでしょうか?

責任を引き受けることから始まる

スパイダーマンに、こんな言葉があります。「大いなる力は、大いなる責任が伴う」

もし、この逆が正しいとしたらどうでしょう?

本当は、「大きな責任には、大きな力が伴う」のだとしたら?

世界を動かす人たちが皆知っていることです。

彼らは生まれながらにリーダーだったわけではありません。単に、自ら責任を負う決意をしたのです。

気候変動を解決することは、あなたの責任ではありません。それは、私たちのコントロールの及ばないことだから。

あなたが責任を取るべきなのは、あなたがコントロールできること、つまりあなたのマインドセット(考え方)です。

人を無力にするストーリー

私たちは皆、役員室や教室で同じストーリーを何回も聞かされています。自分の動きを封じ込めるストーリーです。

「私は、78億人のうちの一人にすぎない。変化を作り出すには小さすぎる存在だ」

「私は、頭が悪い」「私には経験がない」「私は専門家じゃない」「社会システムはすっかりこわれていて、リーダーたちはあまりにも近視眼的だから、状況を変えることなんてできない」

こうしたストーリーは私たちを麻痺させます。

このようなストーリーを書き換えることが、地球や自分たちのために私たちができる唯一のもっとも強力なことなのです。

ストーリーを書き換える

自分に問いかけてみてください。

あなたが行動を起こすのを邪魔しているのは、どんなストーリーですか?

そのストーリーに挑むためにできそうなことを一つ考えてください。

もしあなたのストーリーが、「自分は頭が悪い」なら、手持ちの使えそうなスキルや才能に着目することで、そのストーリーに挑むことができます。

ファッションが大好きなら、服を完全に循環させる方法を考える。

料理が好きなら、1日に食料の3分の1が無駄になる現実を変える方法を考える。

才能あるミュージシャンなら、音楽を使って、気候変動を止める行動の緊急性を訴えることができないか考える。

「社会システムがこわれている、問題が大きすぎる」というストーリーを持っているなら、一つの問題だけにフォーカスするとどうなるか考えてみてください。

気候の危機は、さまざまな問題がからみあって起きていることです。食品の廃棄からファストファッション、社会的不平等、いかに人間が自然から切り離されてしまったか、など。

すべての問題に解決策が必要です。その解決策は、あなたのような人がもたらします。

自分の人生を振り返るとき、あなたは何を見たいですか?

絶望や否定? それとももっと別の何か?

地球の問題の傍観者である自分を見たいですか? それとも、解決するために何かをした人を見たいですか?

あなたのストーリーはどんなものですか?

//// 抄訳ここまで ////

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守るだけでなく働きかける

先日、世界で、異常気象が起きていて、どこまで備蓄しても不安だ、という方の相談に回答しました⇒先の心配をしだすといろいろ揃えなければならないと思ってしまう。

この人も、ある種のエコ不安に陥っていると思います。

不安すぎるから、あれもこれも揃えなければいけないと思っているのではないでしょうか?

不安がすごく大きいときは、セラピストに相談したほうがいいと思います。

ただ、自分を守ることばかりに意識を向けず、多少なりとも気候変動を防止する働きかけをすることで、不安がやわらぐのではないでしょうか?

見る方向を変えるのです。

ホーガンさんが言うように、私たちにはやれることがたくさんあります。

「私一人が消費を抑えたところで、何も変わらない」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。

今でもまだ、新しい物をどんどん買って、消費するのが主流の社会です。

あまり使い捨てをしない人や、プラスチックのゴミを出さない人が主流で、ばんばん消費する人が少数派になったら、この社会のあり方はずいぶん違うと思います。

そのために、ホーガンさんの言う「自分のストーリーの書き換え」はいい方法だと思います。

*****

責任を引き受けるから力が出る。

その通りですね。

部屋の片付けもそうです。

「この汚部屋は私が作ったんだ」と思えば、「私が作ったんだから正すことができる」と思えます。

他人や外的状況のせいでこうなってしまったんだ、と思っていると自分は無力のままです。





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