自己憐憫している女性

ミニマム思考

他人がうらやましい、私は不幸、という気持ちを手放す3つの方法。

毎日を楽しく生きるためにマイナス感情を断捨離するシリーズ。今回は、他人をうらやましいと思う気持ちを捨てる方法です。以前、妬みや嫉妬を捨てる方法を記事にしましたが、その続編です。

別にほかの人のことをうらやましいと思うのが悪いとは言いません。

私だって、「いいなあ、あの人」と思うことはよくあります。また、具体的に「あの人」がいなくても、「歯が悪くない人っていいなあ」とか、「ご主人がミニマリストの人っていいなあ」と思うことがあります。

うらやましいと思う気持ちは「あこがれ」でもあるので、必ずしもネガティブな感情ではないでしょう。

ですが、うらやましがる気持ちが高じて、誰かの真似をして必要でもないものを買ってガラクタを増やしたり、うらやましいと思っているうちに、貴重な時間が過ぎて何も楽しめなかったり、人の幸せを喜べないことに罪悪感を感じたりするのは好ましくありません。

他人がうらやましくて、心がちくちくしないように、私はこんなことをするようにしています。



1.自分のほしいものに向かって走る

端的に言って、人の持っているものをうらやましがっても、自分には何の恩恵もないのです。

A子さんと自分を比べて、自分のほうがきれいだ、自分のほうが給料がいい、自分の仕事のほうが充実している、自分の子供のほうができがいいしかわいい、と思って喜んだとしても、それは長続きしません。

なぜなら、B子さん、C子さんに代表されるその他大勢の人がいて、そういう人たちの中には、必ず、自分よりいいものを持っている人がいるからです。

他人と自分を比べて、安心感や優越感を得ることで、幸せ(まがいものです)な気分になる方式は、最初から破綻しているのです。

「あの人、いいなあ」と思って、暗い気持ちになっていたら、自分が本当に求めていることは何なのか、考えてください。

今、自分が求めているのは、「人のことをうらやましいと思ってうじうじする時間」ではないはずです。

ほしいのは、「心から楽しい時間」「幸せな気分」ではないですか?

そのような本当にほしいものに向かって、手を伸ばすべきです。

人のことがうらやましいと思ったら、今、この時にフォーカスすることで、毒々しい気持ちを手放すことができます。

今を生きる方法⇒マインドフルネスで実現する。今この瞬間を生きて幸せになる4つの方法。

2.他人をうらやましがる人とつきあわない

いくら自分で、「自分の幸せに向かって走ろう」と思っていても、人は、ついつい自分と他人を比べてしまいます。

人と自分を比べる傾向が強い人と一緒にいると、自分も同じことをしてしまうので、そういう人とは距離を置いてください。

こんな人は要注意です。

他人の噂話や悪口が好きな人
いわゆる毒を吐く人です。

まあ、私もけっこう毒舌なのですが、同じ毒舌でも、希望のあるのとないのがあります。あるいは愛があるのとないのがあります。

徹頭徹尾、ネガティブで、どこからも光がさしてこないような、悪意に満ちた噂話や悪口を、まるで息を吸うように話す人とはつきあわないほうがいです。

持っている物で人の価値を決める人
いつも他人の給料やボーナスの額を比べている人、あの人はこんなところに旅行に行ったとか、この人はこんな大きな家に住んでいる、あの人は最近こんな服やバッグや靴を買った。

そんな話ばかりして、喜んだりぶつぶつ文句を言う人たちの輪に入るべきではありません。

四六時中、こんな人たちと話をしていると、自分も持ち物を他人と比べるようになってしまいます。

人は、簡単に他人の影響を受けてしまうのです。

以前、人はもっとも一緒に時間を過ごしている5人の平均値になる、という話を書いたことがあります⇒知らないと本当に損をする、無駄遣いを防止する3つのワザ。「3.買い物は1人でする」のところです。

5人の平均値かどうかは別にして、周囲の人の影響を受けるのは本当です。

人は無意識に仲間の真似をしてしまうのです。仕草や話し方を真似します。

社会心理学では、これを「カメレオン効果」と呼びます。

なぜ真似するのかというと、無意識にその集団に受け入れてもらいたい、と思っているからです。

話すことや仕草を真似していると、行動や思考も影響を受けます。

今度友だちや同僚にあったら、相手の話す内容に注意深く耳をかたむけてください。その人が、物質的なものを重要視する価値観から生きていたら、距離をおいたほうがいいです。

それができないなら、非建設的な話になりそうになったら、自分から全然関係のない話題をふってください。

そして、物ではないものを大事にする人や、自分自身に満足している人と話をする機会を増やしてください。

そんな人がそばにいないなら、そういう思考を持っている人が書いた本を読むといいです。





3.広告とSNSから距離をおく

次にすべきことは、広告をあまり見ないようにすることです。

広告を見ることで、他人をうらやましがる気持ちが増幅してしまうからです。

ほとんどの広告は「こんなものがあると、今よりもっと生活がよくなりますよ。ハッピーになりますよ」というメッセージを発しています。

裏を返せば、「あなたには、まだこれが足りないんですよ」という意味です。

広告は人が「他人の生活をうらやましく思う気持ち」をうまく刺激して、その商品を買ってもらおうとしています。

それはテレビコマーシャルを見ればわかるでしょう。

CMは、その商品のある生活は、なんだかとても素晴らしいものに見え、自分もそれを手にしたい、と思うように作ってあります。

広告業界の人や、会社でマーケティングをしている人は、AIDMA(アイドマ)の法則を知っていると思います。

アイドマは私たちの消費行動の順番を説明した仮説です。

これによると、人の消費行動は、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の順番で起こります。

長年、何かを売りたい人は、このモデルを規範として、マーケティングをしてきました。

デザイア(欲望)が入っていることに注意してください。すぐれた広告は、必ず人の欲望をかきたてるようにできています。

欲望をかきたてるときに、「うらやましがらせる」というのはとても有効なのです。「競わせる」というのも効果があります。

人と自分を比べないためには、「自分はもうたくさんもっている」「自分にはこんなにある」というゆるぎない自信が必要です。ところが、広告を見ていると、その自信がぐらついてしまうのです。

こちらに広告との賢いつきあい方を書いています⇒お金を貯めてガラクタを減らす。広告にのせられてうっかり買物をしない5つの方法。

この記事を読んでいただき、受動的に広告を見るのをやめてください。

企業はマーケティングに巨額の投資をしていますから、無意識に見ていると、他人の生活がうらやましくなり、いろいろなものが欲しくなります。

さて、アイドマの法則は1920年代にできたので「もう古い」と言われています。

その後、1990年代にAISAS(アイサス)というモデルができました。

これはAttention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(行動)→ Share(共有)です。

買う前にみんなインターネットで調べているんだ、ということを前提としたモデルです。最後のシェアですが、これはレビューやSNSで行われています。

ですから、SNSもあまり熱心に見ないほうがいいです。

SNSは、他人をうらやましがりたい人が見るためのもの、といってもいいぐらいです。

この点についてはこちらで詳しく書いています⇒SNS依存に注意。FOMO(フォーモー:取り残される不安)を捨てる方法

以前書いた、嫉妬や妬みの気持ちを断捨離する方法はこちら⇒妬みやひがみ、嫉妬の気持ちを解消する現実的な7つの方法

7つの方法とは以下のものです。

1.マイナス感情を無理に押さえつけない
2.妬みや嫉妬が起こるメカニズムを知る
3.妬みの原因を知り、それを解消
4.人と自分を比べることをやめる
5.足りないものではなく、持っているものにフォーカス
6.どのみち、すべてを手にすることはできないと知る
7.物質的なものを重要視しすぎない

======

自分の持っているものにフォーカスするには、感謝するのがいいのですが、感謝は無理にするものでもありません。

そこで、意識的に自分の持っているものを数え上げてはどうでしょうか?

断捨離中、捨てたものを記録している人は多いのですが、人をうらやむのをやめたい人は、自分が持っているものをノートに書いていったほうがいいように思います。

すると、文字通り、自分の持っているものを可視化できます。

「まだこんなに持っている(断捨離しなければ)」という気になるでしょうし、「こんなにあるんだ(私っていろいろ持ってるじゃん)」という気持ちにもなるでしょう。

持っているものは、部屋の中に置いてある物だけではありません。太陽、空気、家族、友だち、蛇口をひねれば出る水、平和な毎日、ほしい物を買うことができる社会など、いろいろあります。

こういうものが「あって当たり前」という思考を変えると、謙虚な気持ちをもつことができます。すると、所持しているものは何も変わらないのに、幸福度があがります。





断捨離中、決断に迷う人。残すものをうまく選ぶには?片付け中の決断を促す4つの考え方。前のページ

着ない服をたくさん持って片付けに苦しむ7つの理由。次のページ赤いドレスを持つ店員さん。

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