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誰でも腹が立つことはあります。
圧倒的な社会的な悪に対してムカムカすることもあるでしょう。
しかし、多くの場合、べつに怒らなくてもいい場面で自分が勝手に怒っているだけです。
自分が怒ることを選んでいるのです。この記事では、怒りの感情に飲み込まれにくい人になる方法を7つお伝えします。
その7つとは?
1.思考を変える
2.言葉使いを変える
3.動作を変える
4.セルフエスティームをあげる
5.セロトニンレベルをあげる
6.前向きに考えるクセをつける
7.相手を許すことを覚える
以上です。順番に説明しますね。
1.思考を変える
「頭に来た!」と思ったら、自分の考え方を変えて、冷静になります。
怒りを感じているとき、相手や外的状況を変えようとすると徒労に終わります。
自分の考え方を変えたほうが、心の平安を得られやすいのです。
怒りは外的刺激に対する感情的な反応の1つです。
感情的な反応なので、むっとするのは止められないかもしれません。しかし、そのあとの反応(二次反応)は変えられます。
これ以上、状況を悪くしないために、まず冷静になってください。
社会的な悪と闘うときでも、カッカしたままの頭では、有効な戦略を立てることができません。
落ち着くために、2つの方法を提案します。
1)自分が何を怒っているのか掘り下げて考える
自分の怒りの正体を考えて紙に書き出します。
人はさまざま理由で怒ります。たとえば、
- 無礼な扱いを受けた(と自分が感じた)、大事にしてもらえなかった(と自分が感じた)
誰かに大事にされるのが当たり前だと思っている人は、相手が自分の期待した行動をとらないと怒りを感じます。
- 何かを失った
多くの人は、自分のものなら、なんでもものすごく大切にしているため、じぶんのものを失ってしまったり、粗末に扱われると、怒りを感じます。
特に怒りを呼ぶのは、「私の感情を傷つけた」「私のプライドをズタズタにされた」と思ったときです。
- 人のせいにしたい
本当は自分のせいか、あるいは誰のせいでもないのに、なんでも人のせいにしようとする人がいます。こういう人はわりとすぐ怒ります。
– 痛みを感じている
怒りを起こす現象が起きる前から、つらかったり、悲しかったり、ストレスを感じていたり、寂しかったり、空腹だったり、お金に困っていたり、ネガティブな状況にいると、ささいなことで怒りが湧き上がります。
自分が何に対して怒っているのかよく考えてみると、それは別に相手のせいではなく、自分の心の持ち方のせいである、とわかることが多いものです。
2)怒ることで得たいゴールを考える
自分はいま怒っているわけです。では何がどうなったら自分が満足するのでしょうか? これも紙に書いてください。
怒りを爆発させることで、達成したい目的を考えてみるのです。
こんなことが目的になりそうです。
- 自分が正しいことを相手に認めさせたい
- 無礼な行動をあやまってもらい、自分のプライドを回復したい
- 相手が嫌いだから、とにかく嫌な目にあわせたい
- 自分がみじめな気持ちでいるのと同じくらい、相手にも、みじめになってもらいたい
– とにかく相手を傷つけたい
- 八つ当たりをしたい
- 自分の苦しみをわかってもらい、「大変だったね」と言ってもらいたい
このような目的を達成できたとしても、それは自分のためになるでしょうか?
前回の記事に書いたように、怒っても、自分の目的は達成されず、状況はかえって悪化し、自分はどんどん不愉快になることが多いです⇒怒りっぽい人は要注意。怒りの感情のせいで失ってしまう3つの大切なもの。
怒らないほうが、ハッピーで楽しい生活に近づきます。
2.言葉使いを変える
自分の言葉使いは感情や思考に大きな影響を与えています。
自分はいつも自分の言葉を聞いているのですから。
怒っているときは、意識して、否定的な言葉を使うのをやめてください。
知らない、できない、わからない、聞きたくない、顔も見たくない、つまらない、疲れた、だるい、どうでもいい、めんどくさい、みっともない、
くだらない、最悪だ、本当に頭にくる、何とかならないの? そんなこともわからないの? そんなこともできないの? いい加減にしてよ、勝手なことばかり言わないでよ、ばかじゃないの?
相手や世の中に向かって吐いているこうした感情的な言葉のせいで、世界がそんなふうに見えてしまうのです。
世界を形作っているのは自分の思考ですから。
否定的な言葉を肯定的なモノの言い方に変える練習をするといいです。
「あんたなんか顔も見たくない」という言い方は、「1人で静かにしていたいの」に変えられます。
義務を可能性に変える言葉使いはこちらで紹介しています⇒「ガラクタ捨てれば自分が見える」から学んだ心の断捨離~ミニマリストへの道(25)
3.動作を変える
動作と思考、感情は密接につながっているので、ちょっと動作を変えると、怒りがおさまることがあります。
よく言われるのが深呼吸。気分を落ち着けるのに有効です。
心の中でゆっくり数を数えるのも効果的です。ほかにもこんなことをすると、気分が変わります。
- 上を向く
空や月を見ると、自分の小ささに気づきます。
- そのへんを歩く、散歩する
- ストレッチ
- 瞑想
瞑想のやり方⇒『必要なのは10分間の瞑想だけ』~物より心が大切です(TED)
- ジャンピングジャック
やり方はこちら⇒嫌な気分や落ち込みを2分で解消できる7つの簡単な方法。 「5.ジャンピングジャックを2分間する」のところです。
- 笑ってみる
- 歌を歌う
動作が感情に影響を与える話はこちら⇒幸せになれる動きとは? 姿勢や動作が気持ちに与える影響(TED)
4.セルフエスティーム(自己肯定感)をあげる
ふだんからセルフエスティームをあげておくと、やたらと怒ったり、相手を攻撃する人にはなりません。
怒りは外的刺激に対する防御反応です。
怒っている人は、何かを必死に守ろうとしているのです。
「自分の持っているものが脅かされる」と感じているわけです。
セルフエスティームが高ければ、むやみやたらと周囲のできごとに脅威を感じないものです。自信があれば、そんなに簡単に自分の世界が崩壊してしまうとは感じません。
セルフエスティームのあげ方はこちら⇒セルフエスティームを高めて自信を取り戻す10の方法
5.セロトニンレベルをあげる
セロトニンはトリプトファンというアミノ酸が代謝されたときにできる物質で、人の精神状態に影響を与えています。神経伝達物質の1つです。
すぐに怒る人、被害妄想気味になる人、うつうつとする人はセロトニンが少ない可能性があるので、日頃から、セロトニンレベルをあげることを意識してください。
セロトニンはおもに太陽の出ている昼間に分泌します。
現代は昼夜逆転ぎみの生活をすることが多いので、セロトニンが不足しがちです。
セロトニンの大部分は腸でできるし、もともとの原料がアミノ酸なので、栄養のバランスが悪かったり、腸内環境が悪いと、うまく分泌されません。
寝るべきときに睡眠をしっかりとる、ご飯をちゃんと食べる、適度に運動するなど、いわゆる健康的な生活がセロトニンレベルをあげるのに効果的です。
怒りなどのマイナス感情にコントロールされることが多いなら、生活が乱れていないかチェックしてください。
セロトニンを増やす具体的な方法はこちら⇒セロトニンを自然に増やす5つの方法。サプリは使わず幸せになる
6.前向きに考える練習をする
怒りはネガティブな感情の王様のような存在です。
ネガティブ思考の人は、ストレスがたまりやすいので、それだけでもう怒りっぽい状態になっています。
いろいろなことを寛容に受け止めることができず、ささいなことで気分を害します。そしてその状態からなかなか抜けられません。
ふだんから物ごとのいい面を見るようにし、さまざまなことに感謝し、心に余裕を持つようにしてください。
ポジティブに考えるのは、無理に明るい人になることではありません。思い込みにとらわれず、否定的な考え方に引っ張られないようにするのです。
前向きでいると健康にもいいし、周囲の人とのトラブルも減るし、自分の目標を達成しやすくなります。
ネガティブ思考は性格というよりも、考え方のクセです。一生変わらないわけではありません。性格は変わりませんが、考え方を変えることは学習できます。
私のもともとの性格はネガティブなほうだと思います。しかし多くの人に「筆子さんは前向きだ」と言われます。
モーニングページを書いたり、本を読んだりして、自分なりに、思考のクセを修正してきたからでしょう。
前向きになる方法はこちらに書いています⇒ポジティブ思考は学習できる。前向きになる4つのポイント教えます。
モーニングページの書き方⇒モーニングページの書き方、やり方を教えてほしいという質問の回答。
7.人を許すことを学ぶ
たとえ一瞬カチンときても、快く人を許すことができれば、その後怒りの感情に毒されてしまうことはありません。
できるだけ、相手を許し、起きたことを軽く流すようにします。
人間は失敗をする生き物なので、ときには、失礼なことを言ったり、したりするでしょう。
しかし、ほとんどの場合、わざとではありません。
それを自分が勝手に、「あの人は私を傷つけようとした」と思って、大きな問題にしてしまうのです。
怒っている内容にもよりますが、以下のように考えると許すことができるのではないでしょうか?
- 個人的に解釈しない
- 1つの現象で、すべてを判断しない
- 言論の自由、行動の自由があることを知る
- 人の意見はみんな違うのがあたりまえだと思う(実際、そうです)
- 相手が自分の意見に同意しないのはごく普通のこと
- 自分の常識は相手の常識ではない
- 相手の立場に立ってみる
特に、「相手の立場に立つ」というのはひじょうに重要です。相手には相手の事情があるのです。
怒っている人は、とても視野が狭くなっており、この地球上で、自分1人だけを優先し、特別扱いしてほしいという無理な願いを持っています。
別の言い方をすると、自分さえよければいいのです。
しかし他の人にはその人なりの優先事項があります。
ケンカや言い争いに勝つことや、自分の正しさを認めさせることに執着せず、相手を許して、さっさと次にいったほうがお互いの未来のためです。
こちらの記事も参考になります⇒日常生活の小さなイライラから解放されストレスを感じない5つの方法。
「相手がケンカをしかけてくるんです」という場合は、こちらの記事の最後に書いた釈迦のエピソードを読んでください⇒いらない贈り物をきっぱりと断る方法。プレゼントを受け取ってはいけない時もある。
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怒りにコントロールされない方法を7つ書きました。
取り組みやすいものから試していただくと幸いです。一番のポイントは、相手や外的状況ではなく、自分の思考と行動を変えようと努力することです。