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幸せになりたいと願っている人に見てもらいたいTEDの動画を紹介します。
タイトルは、Happiness is All in Your Mind(幸せはすべてあなたの心の中にある)。スピーカーは Gen Kelsang Nyema(ゲン・ケルシン・ニエマ 読み方、間違っているかもしれません)さん。この方は、アメリカの女性の僧侶です。
僧侶らしくとてもゆったりとにこやかに、幸せについて、わかりやすく教えてくれます。
幸せはあなたの心の中に
シンプルだけど奥が深い動画です。最近イライラしてどうしようもない、という方で英語に抵抗のない方はごらんください。
動画は16分ほどですが、ケルシン・ニエマさんはとてもゆっくり話しているし、最後に短い瞑想をしますから、情報量はそんなに多くありません。
日本語字幕がないので、動画のあとに抄訳をつけます。
※TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
幸せとは良い1日が毎日続くこと
皆さん、こんにちは。
まず、皆さんにいくつか質問をします。とても簡単な質問です。心の中で答えてください。
最初の質問は、
良い1日をすごしていますか?(Are you having a good day?)
答えましたか?では次です。2番めの質問は、
なぜですか?なぜ、良い1日を過ごしているのですか?または、悪い1日を送っているのなら、なぜ、悪い1日なのですか?
最後の質問です。3つのうちでもっとも簡単な質問のはずです。
明日は、良い1日にしたいですか、それとも悪い1日がいいですか?
明後日はどうでしょうか?その次の日、日曜日、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日は?来週の今日はどうですか?
良い1日、それとも悪い1日がいいですか?
最後の質問は簡単ですよね。だれでも、毎日、良い1日になってほしいと願っています。月曜日は悪い1日がいいな、なんて思わないものです。
私たちが日頃願っている幸せはこういうものだと思います。良い1日なら、幸せだし、毎日幸せでありたい、と願っているのです。幸せになりたくない日はないのです。
ですが、その日が良い日か悪い日かは、2つめの質問の答えにかかっています。
良い1日、悪い1日を決めるものとは?
2つめの質問、覚えていますか?
なぜ、私は良い1日を送っているのか?なぜ、悪い1日を過ごしているのか?
これでしたね。
私の先生である、ゲシ・ケルシン・ギヤッツォはこう言っています。
「ほとんどの時間、私たちの心は風の中に浮かぶ風船のようだ。外的状況によって、あっちに行ったり、こっちに行ったりする」。
彼によれば、物ごとがうまくいっているとき、自分の思ったように進んでいるとき、私たちは幸せです。
ですが、何かがうまくいかない時、たとえば、嫌いな人と一緒に働かざるを得ないときや、自分の思い通りにことが進まないとき、幸せな気分は消えます。
「なぜ、私は良い1日を過ごしているのか」「なぜ、私は悪い1日を過ごしているのか?」という質問の答えもこれと一緒です。
たとえば、皆さんが、今日家に帰ったあと、「TEDはどうたった?良い1日だった?」と聞かれたら、こんなふうに答えるでしょう。
「うん、良い1日だったよ。ある人は、元囚人にやさしくしたほうがいいという話をしてくれたし、すばらしいビートボックスのパフォーマンスもあったし、ほかにもいろいろなプレゼンがあってね…」。
(※筆子注:ビートボックスとは口(くち)でパーカッションの音やレコードのスクラッチ音、シンセサイザーに似た音を出す芸)。
常に幸せでいるためにすべき2つのこと
このように、私たちが良い1日を過ごした理由が、外的状況にあるのなら、私たちが求めている、常に幸せな状況を得ることはできません。そうですよね?
私たちは、他人や環境を毎日コントロールすることはできません。幸せが外的状況によっていたら、それは自分以外のもので決まることになります。
ですから、もし本当に毎日良い1日を過ごしたいと願うのなら、私たちは2つのことをする必要があります。
1)幸せをアウトソーシングしてはいけない
最初にすることは、幸せをアウトソーシングしたり、自分の不幸を、他人や環境にアウトソーシングするのをやめることです。
(※筆子注:アウトソーシングとは、業務などを外部委託すること)。
別の言葉で言えば、外部で起こっていることのせいで、幸、不幸を決めない、ということです。
他人を非難するのをやめなければなりません。特に、他人のせいで自分が不幸なんだ、と考えるのはよくありません。
周囲の人や状況に、自分の幸せや不幸せを作らせていたら、私たちの幸せは実に不安定で、現実的なものにはなりえません。
2)インナーピース(心の平和)を作る
次にすることは、自分の心の中にある、平安と幸せの源(みなもと)を、自分で、熱心に育てることです。
ここで、皆さんにどうしても覚えてほしいことをいいます。これも、私の先生の本に書かれていることです。
“Happiness and unhappiness are states of mind; and therefore their real causes cannot be found outside the mind.”
幸せと不幸せは、心の持ち方である。幸不幸の真の原因は、心の外にはあり得ない。
つまり、もし私たちが、穏やかな気持ちでいられれば、他人や環境にかかわらず、幸せでいられるのです。
心の中がざわざわしていたら、たとえ、とてもよい状況にいても、幸せになれません。
できごとが、私たちを幸せにしたり不幸せにしているのではありません。外部で起きたことに対する、私たちの反応によって、幸せになったり、不幸せになったりします。
私たちの心の持ち方が、幸せと不幸せを決めるのです。
心の平安を得る方法
では、どうやって幸せになったらいいのでしょうか?
心の持ち方次第、ということを理解するのは難しくありません。「ああ、そんなの、もうみんな知ってるよ」という人も多いでしょう。
では、どうやったら、外的状況に惑わされない、心の平安を持てるのでしょうか?
瞑想がいいのです。
瞑想についてお話するためには、別のTEDのプレゼンをするべきですが、今回は、瞑想は、穏やかで前向きな心に集中するための行いである、とお伝えすることにとどめます。
瞑想するときは、平和でポジティブな心に集中します。
瞑想には、フォーマルなものもありますが、日常で簡単にできるものもあります。
今この場で、短い瞑想をやってみましょう。私の持ち時間はまだ3分あります。
ゆったりと座って足を床につけて、両手を膝の上に乗せます。目は軽く閉じて、呼吸に意識を向けてください。
息を吐くとき、ざわざわした気持ち、せわしない心、イライラ、不幸な気分を一緒に吐き出してください。汚れた煙を吐き出すように。
そして、息を吸う時は、澄んだ明るい光を取り込みます。これが心の平安(inner peace)です。澄んだ明るい光が心と全身を満たすのを感じてください。光を楽しんでください。
さて、これで終わりです。きょう1日この心の平安を持ち続けてください。
——– 抄訳ここまで ————
これまでに紹介した幸せになる方法7選
幸せはすぐそこにある:自然と美と感謝と~ルイ・シュワルツバーグに学ぶ(TED)
私たちが幸せを感じる理由~制限がある方が幸せ?ダン・ギルバート(TED)
『ものは少なく、幸せは多めに』~グラハム・ヒルに習う「小さく暮らす」メリット
キャメロン・ラッセルの「ルックスはすべてじゃない」に学ぶ本当の幸せ(TED)
『必要なのは10分間の瞑想だけ』~物より心が大切です(TED)
幸せをアウトソーシングするのをやめる
ケルシン・ニエマさんの説明はとてもわかりやすいですね。
自分のまわりのできごとが、自分の思い通りに進んでいるときは人は幸せを感じている。だから、いったん思い通りに進まなくなったら、不幸になる。
それならば、最初から、他人や環境に幸せを決めさせなければいい。幸せをアウトソーシングするのをやめて、自前で幸せを構築しよう、それを実現するためには、瞑想が効果的だ。
これが、このプレゼンの主旨です。
結局人は、自分の人生の質を、他人や物に決めさせようとするから不幸になってしまうのです。
いくらお金があっても、物がたくさんあっても幸せになれないのは、そもそもの出発点が間違っているから。
自分の幸福を、物や他人に外注するのをやめて、改めて自ら幸せを作り出す姿勢を持つ、これが幸せになるコツです。
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ケルシン・ニエマさんは、とてもにこやかにゆったりお話をしますが、これは修行と瞑想のおかげでしょうか?
こんなふうにゆったり暮らせたらいいですね。
いったん、心の平安を得ることができたら、外で何が起きても、平気ですから。
僧侶の境地に達するのは、難しいでしょうが、日常生活で、気分がうつうつとしたり、カリカリしたら、瞑想でも何でもして、幸せになる方を選んだほうがいいと思います。
人の悪口を言いそうになったら、すかさず、カジュアルな瞑想に入り、邪気を吐き出してみましょう。