葬式の心配

ミニマルな日常

最終更新日: 2017.06.6

大がかりな葬式やお墓は必要でしょうか? シンプルな葬儀はこんな感じです。

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読者のお便りコーナー。今回は葬式とお墓特集です。お母さんをシンプルな火葬式で送った方、お墓に入るべきか悩んでいる方、ご主人が母親の遺影を捨てたという方、3通のメールを紹介します。

「こうではなくてはならない」という思い込みを捨てるきっかけになるかもしれません。

まず、お母さんを看取ったヒロコさんのメールです。2017年の5月にいただきました。



母の葬儀はシンプルな火葬式にしました

件名:母を看取りました&火葬式

筆子さま

何回目かのメッセージです。

今日は、母を看取った話をさせて下さい。

認知症のグループホームに入居していた母を先週の月曜日朝、看取りました。

母は15年前から、尊厳死協会会員でしたので、希望通りに、なんの治療も 点滴なども一切せず、口から水分を取るだけで、3日後に静かに息を引き取りました。3月に88歳になりました。老衰、自然死と言ってもいいでしょうね。

腸閉塞と思われる症状でしたが、嘔吐を1日のみで、痛みを訴えていなかったのが何よりでした。座薬の吐き気どめがきいたのか、亡くなる前2日間は静かに寝ていました。

私は一人っ子ですので、治療法はもちろん、葬儀に関することもすべて私が考え、実行出来たのが、なによりストレスが無かったです。もともと人の目も気にしない私ですけどね。

通夜、葬儀なども一切せず、直葬(火葬・家族)式といわれる、一番簡単な、亡くなったホームから安置所へ、そして火葬場で一瞬対面して、火葬、というプランです。立ち会いも家族(私と息子)のみ。海外赴任中の夫も、帰国せず。(焼くだけですから、みんなでお見送りの必要なし、という私の考え)

私の父、義父、ともに普通に、お通夜・葬儀をしたので、その大変さ、無駄なことは経験済みです。母の兄弟は、すでに亡くなっているので、親せきに対してもなんの不義理もありません。

2年前に、葬儀社から見積もりを取り、いざという時のイメージトレーニングはしていたのが、良かったです。

そして、母の遺品もばっさ、ばっさと処分しました。あぁ、すっきり。思い切りよく処分できたのは、筆子さんのブログのおかげもあります。思い出は、心の中に。物ではない。

母は5年半ホームに入居していました。幸い、私の家の近くでしたので、週に1度程度通い、自分なりの介護は出来ました。

生きているうちが花がモットーです。母は、私が子供の頃から、私のやることは全面的に肯定してくれていました。あの世からも、私のやることは一番、と笑って見ていることでしょう。(多少常識外れとしても)

こんな読者もいます。読んで下さってありがとうございました。

ヒロコさん、貴重な体験談、ありがとうございます。

お母様、残念でしたね。

けれど、ヒロコさまはしっかり看病できてよかったです。お母様もお喜びだったと思います。

火葬式というのがあるんですね。シンプルでいいですね。ふつうのお金のかかるお葬式より、そうしたシンプルで、必要最低限のことをするだけの葬式のほうが、好ましいと思います。

日本の葬式ってすごくお金かかりますよね。

あるサイトによれば、葬式1つ出すのに、全国平均は200万円前後だそうです。マイナビの記事によると、葬儀にプラスして、飲食代、お寺に払うお金、香典返しなどすべて合わせて170万ぐらいでした⇒一般的な「お葬式」にかかる費用はどれくらい?

そんなに払わなきゃいけないのか、と私などはびっくりです。

私も昭和8年生まれの母がいます。現在84歳ですが、母が亡くなったら、弟が葬式を出すことになります。私の知る限り、弟はあまりお金を持っていないので、そんなに払えないと思います。

先日、母が、「私が死んだら生命保険からあんたに100万円いくようにしてある」とメールに書いていました。弟にもそれ相応に残していくでしょうから、弟が、ふつうに母の葬式を出すならそのお金を使うかもしれません。

ただ、母は一軒家に住んでいるし、相変わらず物をたくさん持っているので、遺品整理にお金がかかりそうです。

そんな心配をする前に、母も要介護状態になれば、葬式代も残らないでしょう。

遺品の断捨離について

遺品を捨てられないというメールはよくもらうのですが、反対に、どんどん捨ててしまった、というメールももらいます。人それぞれですね。

遺品を捨てられないという方⇒思い出がありすぎて亡くなった両親の物を捨てられない、という相談の回答。

遺品はきれいさっぱり捨てた方⇒私がいらない物を捨てたい理由、シンプルで豊かな暮らしを求めて。 一番最後の、「急逝した妻の遺品を整理して思うこと」で紹介したお便りです。

ほとんどの方はその中間でしょうね。しばらく持っていて、何年かたったら捨てるんじゃないでしょうか。

私の母は、父が亡くなってから10年ぐらいは、背広やら何やら父の遺品を持っていましたが、ある時ばさっと捨てました。

それでも母は、父の靴下1足と足袋2足、それに折りたたみ傘を40年持っていて、数年前にそれも捨てました⇒遺品もありすぎるとゴミになるだけ~実録・親の家を片付ける(7)

父が44歳で亡くなったのは1973年でしたから、そんなに物は持ってなかったと思います。

父が毎日のように消費していたのは、ハイライト(タバコ)と会社のそばの喫茶店で飲むコーヒーぐらいです。

なぜ知っているかというと、父はずっと金銭出納帳をつけていたから。

父の死後、私は、たくさん残っていた金銭出納帳の内容を見たのです。中学生だったので、そんなにしっかり内容を把握できなかったと思いますが、「コーヒー」という文字はよく出てきました。

父はお酒を全く飲まなかったので、たまにまんじゅうを買っていました。1人で食べるのではなく、家に持って返って家族と食べました。

今のお父さんたちは、そんなふうにはいかないかもしれません。すごくたくさん物を持っていそうです。だから、残された人は、遺品の整理に頭を悩ませることになりますね。

生前整理をしておいたほうがいいかもしれません⇒生前整理のススメ~すべてを遺品整理に回すより、少しでも生前整理をしておくべき理由とは?

さて、葬式の話が出たので、以前、お墓について聞かれたメールを紹介します。2016年の4月にいただいたメールです。今ごろ紹介してすみません。ご本人には、メールをいただいあと、すぐに返事を出しています。

ラクシュミーさんからです。





お墓に入りたいと思う自分は物に執着しているのでしょうか?

件名:お墓について

こんにちは。いつも楽しく拝見しています。

昨年の今頃悲しい出来事があり、悲しみを紛らわせるため、色々な本やブログを読んでいるうちに、ミニマリストというライフスタイルを知りました。

始めは原始仏教の本を読みあさってたのですが、その後導かれるように、ヨガ、断捨離、シンプルライフ、瞑想を始めるようになりました。

筆子さんのブログを読み、全ての事が線でつながってる気がしてなりません。今では、まだ悲しみはあるものの、あの出来事がなければ、こんな風にシンプルライフを楽しめることはなく、むしろ嫌な過去に感謝してるほどです。

ところで質問ですが、筆子さんはお墓についてどう考えていらっしゃいますか? 私も国際結婚をしておりまして、数年後には連れの国に移住する予定です。その国では、死後、遺体を燃やし河に灰を流します。お墓はないんですよね。

私自身お墓参りに行けば先祖に会えるという錯覚があり、お墓に入るのも良いのかななんて思うのですが、反面死んだ後にまでお墓という物に縛られるのか…(所有するのは残された家族ですが)と、自分の死後どうして欲しいのか答えが出ません。

墓に入りたければ実家の墓に入れる。娘はまだ小さいので分からないが、旦那は私の意向を尊重してくれる。ただ墓のケアは、残った家族の負担になるかもしれない。またお墓に入りたいとはすごく自分という物質(骨)に執着してる?と悶々としてます。

答えはこれからの人生の中で探そうと思ってはいるのですが、筆子さんは何か考えていらっしゃいますか?

ラクシュミーさん、こんにちは。メールありがとうございます。

遺体を燃やして灰を川に流す…インドでしょうか?

私は別にお墓に入りたいとは思いません。子供のときから、墓参りが嫌いで、なぜ春分とお彼岸にみんなでいっせいに墓参りしなきゃならないのか、と思っていました。

私が20代のとき、父と祖父の墓(名古屋の平和公園にあり、隣り合わせ)にお参りに、母や弟、父方の叔母と一緒に行ったことがあります。春分かお彼岸か忘れましたが、ものすごく道が混んでいました。

弟の運転で行ったと思います。

あまりに道が混んでいたので、「こんな混んだ時期に、わざわざ墓参りするなんて、馬鹿げている」と主張したところ、叔母に、「おまえは、運転しているわけでもないのに、文句を言うな」と叱られたことがあります。

こんなふうに、さほどお墓や仏壇に思い入れはないです。

先祖のお墓に行って、花をたむけながら、近況報告したり、墓石に故人の好きだったお酒をかけたりする気持ちはわかります。ただ、別に墓石がなくても、そういうことはできると考えています。

カナダは火葬か土葬か選べるようです。私はお葬式はなし、火葬、散骨、お墓なしがいいです。それが、一番遺族に負担がかからないですし。

とはいえ、自分のお墓に関しては、そこまで深く考えたことはありません。

最近、私が思うことは、自分が死んだあと、このブログはどうなるんだろうか、とか、日本にある私の銀行口座はいったい誰が閉鎖するのだろうか、なんてことです。

娘は日本語が全然できないので、私が死んだとき(夫は先に死ぬ可能性が高い)、カナダ側の処理はできると思います。

ですが、日本にある銀行口座や、日本のサーバーとドメイン会社を使っているブログに関しては何もできません。

サーバー代は3ヶ月に1回払っていますが、払わないとブログは閉鎖されます。私は無料ブログも持っているので、それは比較的、長く残るかもしれません。

そう考えると、私たちはこの世にちょっとの間だけ住まわせてもらってるんだな、家も物もサーバーと同じ借り物なんだ、と改めて思います。そしてやはり、生きているうちが花なのです。

次は、やはり2016年の4月にいただいた、びいなすさんのメールです。

捨ててはいけない物なんてない

件名:ブログに載せていただいてありがとうございます

こんにちは。

数日前、筆子さんのブログに私のメッセーッジを載せていただき、びっくりしています。

私が筆子さんに感謝のメッセージを送ったのはもう何か月も前のことですから、まさかの出来事でした。

後日談もお知らせしなくては、と思いつつ、なかなかメールできませんでしたが、筆子ジャーナルは拝読しておりました。

ランドセルと木馬を捨ててから、断捨離は加速しています。

いちばん大きいモノはなんといってもピアノです。

娘が小さいころ半強制的に習わせるために、私の母に無理を言って買ってもらったものなので、そうやすやすと処分できませんでした。なんといっても、まず母に承知してもらう必要があるのですから。

消音機能もついたなかなか立派なアップライトピアノです。

勇気を出して母に相談したところ、あっさり承諾してもらえて、めでたく手放すことができました。そのうえなんと18万円で売れたので、母と山分けしたというおまけつきでした。

ミシンも捨てました。子供が小さいころ、苦手なのに無理やり手提げバッグとか作ってました。いい母親ぶりたかったのですね。すっきりしました。

めったに使わないプリンターとCDプレーヤーも手放しました。

他にもいっぱい捨てたものがあって、紹介しきれません。

本当に背中を押してくれた筆子さんには感謝しています。

私がランドセルと木馬を捨てられなかったのは、存在を忘れていたのではなく、何かわからないのですが捨ててはいけないモノのような気がしてたのです。でも、捨ててはいけないモノなどないのですね。

私の夫は自分の母親(私には姑)の葬式が済むと数か月で遺影を捨ててました。仏壇も引き取らず処分です。長男なのに。まあ、文句いう兄弟姉妹がいないからできたことですが。

長くなりましたが、これからも筆子ジャーナル楽しみにしています。お体ご自愛下さい。

びいなすさん、こんにちは。

今回も、ものすごく後になってメールを紹介しておりますが、この記事を読んでいらっしゃるでしょうか?

びいなすさんの最初のメールはこちらで紹介しています⇒カチッ!断捨離スイッチが入ってもうどうにも止まらない 「たくさんのモノを処分したら押入れがスッキリしました」のところです。

娘さんが小さいころ、半強制的にピアノを習わせるために、お母さんにアップライトピアノを買ってもらったのですね。それは確かに、自分の裁量でほいっと捨てられないと思ってしまいますね。

でも、お母さんに聞いてみたら、あっさりと「いいよ」と言ってくれた。こういうこと、よくあるんですよ。人は自分で勝手に、障害を作ってしまうのです。まだ何も行動を起こしていないのに「だめに決まってる」と思ってしまいます。

けれども、他人の考えていることが、自分にわかるはずはないのです。勇気を出して聞いてみて正解でした。処分して、18万円得られたのも幸運でしたね。

「これは持っていて当然」「捨ててはいけないものなんだ」というのも、すべて自分の思い込み、というのがわかったのもよかったです。

びいなすさんのご主人は、捨てられる人のようですね。

ご主人のように一人っ子だと、親の世話は全面的に見なければなりませんが、死後は、自分の好きなように采配をふれます。

遺影は、必要な人は持っていればいいと思います。

私の母は、小さなころ、母親を亡くし(昭和10年代だと思います)、お母さんの写真は小さなスナップ1枚しか持っていませんでした。

だいぶあとになって、デジタル写真が生まれてから、そのスナップを大きく引き伸ばしてもらって、遺影がわりに飾っています。

私は母が亡くなったあと、自分の部屋に母の写真を飾ることはしないと思います。今も写真を飾っていません。心の中に母はいます(まだ生きてますが)。

びいなすさん、これからもシンプルライフを楽しんでください。

*****

いつもたくさんのメールありがとうございます。

いただいたお便りはすべてありがたく拝見しています。今回のように、お便り紹介コーナーのテーマをもうけて、ものすごくあとになって紹介することもあります。

あなたも、持たない暮らしにしてよかったこと、そうでもないこと、その他の雑談などお気軽にお寄せください。





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