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断捨離しようと思って、物を引っ張り出しても、結局捨てられない。捨てたいけど、捨てられない。
こんなジレンマに陥る人はたくさんいます。
こうなってしまうのは、多くの場合、恐怖のせいです。
そんな恐怖を1つひとつチェックしていくシリーズ、今回は、お金を無駄にするかもしれないという恐怖を取り上げます。
実は、不用品を捨てても、そこまでお金は無駄になりません。以下のように考えてください。
1.それは大事な物じゃない
買ったお金がもったいない…こんな気持ちにさいなまれる人は、目の前で山となっている物が本当に大事な物なのか考えてください。
「どれも、私が働いて得たお金で買ったのだから、大事な物ばかり。捨てるわけにはいきません。それを捨てろなんて言わないでください」
こんなふうに、被害者的発想のもとに書かれたメールを受け取ることがあります。
被害者的発想をやめる7つの方法(前編)、悪いのは私じゃない誰かだと思い込みすぎていませんか?
いやいや、もしそれらの品物が、本当に大事な物だったら、もっと大事に扱っているんじゃないですか?
本当に大事なら、部屋の片隅に、大事なのかどうかわからない物たちといっしょくたに山にはしないはずです。
自分で働いて得たお金で買ったからといって、その品物が自動的に大事な物に格上げされたりはしません。
誰が買おうと、どうやって得たお金で買うと、長年使っておらず、ただ放置しているならガラクタです。
捨てましょう。
2.もうお金は戻ってこない
物を買ったときに支払ったお金は、その時点で使ってしまっているのでもう戻ってきません。
使わずに、そこにずーっと置いておいても、一銭にもならないのは、冷静に考えればわかるはずです。
以前、こんな記事を書いていますが⇒高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません
これは、本当のことです。
繰り返します。不用品を取っておいても、お金はかえってきません。
持ち続けると、「ああ、高いお金を出して買ったのに、全然使ってないじゃん。私、バカだ」という罪悪感がつのる一方です。
使ったお金のことは、きれいさっぱりあきらめましょう。
失ったものを取り戻したいと思うな:部屋が物だらけになる理由(その7)
3.お金以外の損失に目を向ける
高いお金を出して買ったコートやジャケットを捨てるのは、お金の損失だと思うなら、ほかのリソースのことも考えてみましょう。
不用品を持ち続けていると、時間やスペース、管理の手間ひま、意識など、お金以外のリソースを失うことになります。
物だらけの部屋で暮らしていると、生活の質が落ちる理由(その1)~リソース編
なぜ、ほかのリソースの損失に目を向けないのでしょうか?
いくらお金があっても(不用品を持っていても、お金は生み出されませんが)、時間や精神的余裕がなかったら、人生、楽しくありません。
私はお金より、時間やスペースのほうが大事だと思いますが、どうでしょうか?
どうしてあなたは、お金ばかりをえこひいきするのですか?
4.もったいないと思うなら使えばいい
捨てるなんて、お金がもったいなさすぎる。
それなら、そこに置いたままにせず、いい加減、使ってください。
そうすれば、買った行為が無駄にならないので、「もったいない」とう気持ちから解放されるでしょう。
それが本なら、今日から毎日15分ぐらい使って、せっせと読みましょう。
勉強に使う本なら、15分ずつ勉強してください。
服なら、1着ずつ順番に会社に着ていってください。
お茶やスパイス、おかずの瓶詰めなら、きょうの夕食からかかさず食べてください。
お義母さんやお母さんにもらったアクセサリーも、外出につけていきましょう。
ボールペンや付箋なら、実際に使い始めましょう。
実際は、こう言われても、実際に使うことはなかなかできないものです。
使わない・使えない理由があるからこそ、使っていないのですから。
・趣味に合わない
・別のがある
・使い道がない
・好きじゃない
・興味がない
・なんかピンと来ない
こんな理由があって、使っていないのです。
今後も使うのは至難の技です。
それを使うためには、知恵や工夫、時間、我慢など、新たなリソースの投入が必要になるでしょう。
つまり、無理して使うことになります。
そこまでして、使いたい物でしょうか? さっさと捨てたほうが、いいと思いますが。
5.マネーシェイムの改善
マネーシェイムは、お金に対する不健全な考え方、自分のためにならない考え方です。
自分の人間としての価値や、人生の幸福のすべてをお金をベースに考えていると、マネーシェイムが生まれます。
詳しくはこの記事をどうぞ⇒自分のお金の問題についてもっと正直になろう(TED)
捨てるイコールお金がもったいない、お金が、お金が、と考えてしまう人は、ご自身のマネーシェイムを見直してください。
全然使っていない物や、ただでもらった物、その場の衝動だけで買った物(必要でも、欲しいわけでも、好きでもない物)であっても、「捨てるなんて、お金がもったいない!」と感じてしまうのは、お金に対する考え方がゆがんでいるせいかもしれません。
マネーシェイムの見直しをしておくと、お金に対する強迫観念から自由になれるので、お金の心配も減りますよ。
6.お金の代わりに経験を得たと考える
「支払ったお金が無駄になる」と考えてしまうのは、その商品を使っていないせいで、お金を払った対価を何も得ていないと思うからです。
そこで、お金を払った代わりに、貴重な経験を得たと考えてください。
事実、物を買ったあと、使わなかった体験からいろいろなことを学ぶことができます。
それが洋服ならば、「自分の好みはこうではなかった」とわかるし、日用品のストックなら、ストックの適正な量の見極めに役立ちます。
ほかにも、買い物習慣を変える記事で書いているように、買い方の傾向を調べれば、まずい買い方のパターンも見つかりますから、今後は、もう少しうまく買えるようになるでしょう。
「お金がもったいないから、これは捨てずにおこう。いつか使うときがくるかもしれないから」と思って、現状維持を選んでしまうと、過去の体験からうまく学びを引き出すことができません。
7.ほかの分野でお金を節約すればOK
買ったけど、全然着ていない服が、全部で30万円分ほどあり、これを全部捨てれば、単純に考えると30万円の損失です。
しかし、この30万円は、今後、べつの分野で節約することが十分可能な金額です。
5年でこの30万円を取り戻すとしたら、1年に6万円、月に5000円節約すれば取り戻せます。
ふだん無駄遣いの多い人ほど、簡単に節約できるでしょう。
ニーズとウォンツを考えるだけでいいのですから⇒ニーズ(必要なもの)とウォンツ(欲しいもの)に敏感になる:知らないうちにお金が貯まる行動案(その6)
その服を捨てないと(買い物の失敗を認めないと)、今後、節約するきっかけも生まれません。
番外:処分しながらお金を作る
7番まで読んでも、やはり、「捨てるのはお金を捨てることだ。もったいなさすぎる」という気持ちが続くなら、処分しながらお金を作ると多少は心が休まるかもしれません。
私は、不用品は全部、寄付センターに持ち込みますが⇒不用品を処分するときはお金にすることを考えないとシンプルにできる
寄付なんてもったいないと思うなら、売ればいいのです。
不用品を買取る業者やフリマアプリ、ガレージセールなどを利用すればいいですね。
とにかく、そのまま持ち続けているだけでは、1円もお金になりません。
「捨てるとお金がもったいない」と言うのなら、お金を作る行動をするべきです。
繰り返しますが、「もったいない」と思っているだけでは、お金は回ってきませんよ。
■この続きはこちら⇒あとで後悔したくない:物を手放すことに対する不安と恐怖(その6)
これまで書いた恐怖
物を手放すことに対する不安や恐怖に向き合う(その1)~どこから始めたらいいの? という不安。
だめな自分に向き合うのが怖い:物を手放すことに対する不安と恐怖(その2)
失敗するんじゃないか、という心配:物を手放すことに対する不安と恐怖(その3)
嫌な思いをしたくない:物を手放すことに対する不安と恐怖(その4)
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何かを捨てるとき、「お金がもったいない」と思うのは、ごくふつうの反応です。
とくに、経済的にあまり余裕がないときは、家にある金目(かねめ)の物は、何ひとつ捨てたくないでしょう。
まあ、金目だと思っているのは自分だけで、市場価値を調査すると、あまり金目ではないことがわかったりします。
捨てることに強い抵抗を感じるかもしれませんが、不用品はできるだけ早く手放したほうが、結果的に自分のためになります。
そして、今後は、できるだけ無駄な物を買わないでください。