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お金に関するストレスが多い人におすすめのTEDトークを紹介します。
タイトルは、How This One Simple Method Set Me Financially Free (このシンプルなひとつの方法が、いかに私を経済的に自由にしてくれたか)。
お金とビジネスのコーチ、Emily King(エミリー・キング)さんの講演です。
経済的に自由になるシンプルな方法
収録は2021年の5月。動画の長さは10分。自動生成の英語字幕あり。動画のあとに抄訳を書きます。
☆TEDの記事の説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
キングさんは明るいエネルギーの持ち主ですね。
このスピーチには、お金の金額がいくつか出てきます。現在、1USドルは、155円ぐらいですが、100円と考えておけばいいでしょう。1ドル100円と考えれば、1万ドルは100万円です。
ずっとお金について考えてきた
6歳のとき私はとても美しい赤毛のロングヘアの持ち主で、皆によくほめられました。
家族の集まりで大叔父が、私の髪が大好きだと言ったので、「じゃあ、1ドルで買ってくれる?」と聞いたんです。
詳しいことは忘れましたが、私は大叔父から1ドルをせしめ、ほかの親戚にも、買ってくれるか聞いてまわりました。
その晩、4ドルか5ドル稼いだと思います。
このときから私はお金に魅せられ、お金の意味や目的を考え、結局今は、女性たちにお金に関するコーチングをしています。
でも、いつもお金といい関係だったわけではありません。ずっとお金を貯めることに熱心だったのに、2011年の終わり、MBAのプログラムを修了したとき、数万ドルの借金がありました。
お金を貯める人間だったのに、預金残高を見ては、ため息をつく人間になってしまったのです。
この時、私は変わらなければいけないと感じ、お金との関係を変えようと決めました。
お金といい関係をもつ
お金との関係を変える過程で、「マネーマインドセット」と呼ばれるお金に関する心理的な要素があることを学びました。
お金についてどう考え、どう感じているかが重要なんです。
今、自分のお金が隣に座っていると想像してください。お金が人間になったところを想像し、その人とどんな関係をもっているか考えてください。
その人を見て、皆さんは何と言うでしょう? そして、お金は皆さんに何を話すでしょう?
私が皆さんのお金の肩をたたいて、これまで皆さんがお金をどんなふうに扱ってきたのか聞いたら、お金は何と言うでしょう?
お金は一生涯の友でしたか? ずっと無視してきましたか? それとも愛憎関係にありますか?
その関係がどんなものであれ、お金とポジティブな関係を持つことは、可能だし、満ち足りた人生を生きるのに欠かせないことです。
カナダでは半数以上の人が、毎晩、お金に関する心配事のために眠れないでいます。
お金は、ストレスをもたらす一番の要因です。健康や人間関係、仕事のストレスよりも多いんです。
お金に関するコーチングを始めた
私はお金との関係を見直して、2011年、数万ドルの借金があったのに、数年後には、数百万ドルの貯蓄を作ることができました。
そして、2015年にマネーマインドセットのメンターであり、ビジネスコーチとして自分の仕事を立ち上げました。
女性たちが、お金のブロック(money blocks マネーブロック)を乗り越え、自分が好きなビジネスをし、得るのに見合ったお金を稼ぐ手伝いをしています。
タブーだとされているお金の話をする扉を開けているのです。
私はおもに女性をコーチングしています。女性は、これまでずっと男性より稼ぎが少なく、自分は価値がないんじゃないかと悩んだり、よりたくさんお金を稼ごうとすることに罪悪感を抱いてきたりしました。
そんな女性たちを力づけたいんです。
マネーシェイムを手放す
お金に関してもっと力をもつためには、マネーシェイムを手放さなければなりません。
シェイム(恥の気持ち)があるところでは、変化が起きないからです。
著名なTEDスピーカーで、シェイムを研究している、ブレネー・ブラウンはこう言っています。
シェイムをシャーレに入れると、それが大きく成長するために3つの材料が必要です。
「隠すこと」、「沈黙」、「ジャッジすること」。
そのシャーレに、「共感」を入れると、シェイムは生き延びられません。
では、どうやってマネーシェイムを克服すればいいのでしょうか?
1日1ドルメソッド
そこで、1日1ドルメソッドを紹介します。
2018年、家を大々的に改築して、また数万ドルの借金をしてしまったときに、私が考えた方法です。
クレジットカードの明細を見ながら、一見、何の害もなさそうな、少額の消費が、たくさん集まって、毎月、何千ドルにもなっていることに気づきました。
ショックでした。
無意識の消費が積み重なると、こんなにも大きな消費になるんです。
毎日、無意識にお金を使うかわりに、逆のことをしたらどうなるでしょう?
毎日少額のお金を貯めるんです。
1日にたった1ドルでも、貯金をして借金を返していったらどうなるか?
そう思って実際やってみました。そうしたら、1ヶ月で、1万ドル(現在のレートで155万円ぐらい)の借金を返すことができたんです。
税金の還付金も借金の返済に回し、全体的にお金を使わないようにして、ベースメント(地下室)にためこんでいた物を売って作ったお金もすべて借金を返すのに使いました。
毎日、自分の借金を注意深く見ることで、自分を力づけて、お金にコントロールされないようにしました。
自分のお金を毎日チェックする
意外なことに、この1日1ドルメソッドは、マネーシェイムを克服させてくれました。
毎日自分のお金を、思いやりの気持ちをもって見たからです。
そのおかげで、「知らぬが仏(Ignorance is bliss 知らないことが幸せ)」というマインドセットを手放すことができました。お金の問題を扱うとき、知らないことは、決して幸せではありません。
毎日自分のお金を見ること、請求書や、オンラインの明細、預金残高をチェックすることは、もっとも自分の助けになる習慣です。
著名なファイナンシャル・アドバイザーでベストセラーの著者、スージー・オーマン(Susie Orman)は、ライブの会場で、聴衆にすばらしいワークを紹介しました。
その場で立って、隣の人に、自分がいくら借金をしているか話すワークです。
自分の真実を誰かに話すことはすごく効果的なんです。
すごく気まずいワークですが、知らない人に、自分の借金の話をすると、解放された気分になります。シェイムを育ててしまう、「隠すこと」を克服できるワークですから。
お金は皆さんをコントロールしません。皆さんがお金をコントロールするのです。
このことに気づけば、預金残高も変わります。
マネーブロックをはずす
わかっています。お金との関係を変えることはそんなに簡単ではありません。
マネーブロックという、自分の人生を生きるのをはばんでいるリミッティングビリーフ(limiting beliefs 自分を制限している信念)をはずさなければなりません。
私たちはマネーブロックを成長させる言葉を聞いて育ちました。
-お金を得るために、一生懸命働かなければならない。
-お金は諸悪の根源だ。
-あなたは、金持ちになる資格がない。
-もっと欲しがることはわがままなことだ。
-金の成る木はない。
皆さんはどんな言葉を聞いてきましたか? もし、経済的に豊かになりたいなら、マネーブロックをリセット(unlearn アンラーン)し、自分を力づけるマインドセットを手に入れる必要があります。
そうすると、すばらしいことが起きます。
たとえば、十分な貯蓄がある状態になる、頭金を払うのに十分なお金を得られる、借金がないから夜ぐっすり眠れる、職場で昇給を頼むことが平気になる。
もしくは、1日1ドルメソッドをやって、1万9千ドル以上の借金を返した女性のようになれるかもしれません。
大事なのは決めること
人生を大きく変えた人は、そうするまえに、2つの重要な言葉を口にしています。
「私は決めた(I decided)」です。
決心することが本当に力をもたらします。
そして、それは本当に小さなことから始まるんです。
ずっと無視していた請求書の封筒を開けるとか、銀行の人と会う予約をするとか、マネーマインドセットに関する本を読んでみるとか。
それが何であれ、皆さんはこの場で決意して始めなければなりません。
このような、一見、たいして影響がなさそうな行動は、複合作用をもたらし、知らないうちに、ずっとそこにあったマネーブロックを取り除き、自分のためになる考え方ができるようになります。
そして、みなさんの未来が変わるのです。
お金に関して力が持てて、教育も受けられる社会は、世界を変えることができます。
皆さんは、今、この場で、今晩、自分のお金に関するどんなプランを書くか決めるだけでいいのです。
//// 抄訳ここまで ////
補足
money block お金のブロック、お金をもらうこと、稼ぐこと、使うことに対する抵抗感や罪悪感
limiting belief リミッティングビリーフ、行動を制限するものの見方、信念、思い込み、心のブレーキ
unlearn アンラーン、すでに持っている価値観や知識を捨てる、リセットする
ブレネーブラウンのTEDトーク⇒不安な心(ヴァルネラビリティ)に秘められたパワー:ブレネー・ブラウン(TED)
マネーシェイムがよくわかるTEDトーク⇒自分のお金の問題についてもっと正直になろう(TED)
スージー・オーマンの著書(アマゾンへの広告リンクです)。
お金に関するほかのプレゼン
あなたの言葉がお金をためる能力に影響を与えている?(TED)
自分のお金に意識を向ける
1日に1ドル(100円)貯金をしても、数年で100万円以上の借金を返すことはできません。
1日1ドルメソッドは、100円ずつ貯めることが重要なのではなく、自分のお金をしっかり見るところに意義があります。
きょう収入がどれだけあって、今、貯金がどれだけあって、きょう、何にどれだけお金を使って、クレジットカードで買ったなら、それはいつ引き落とされるのか。
このように日々変わる資産状況に意識を向けることが重要なのです。
私もそうだったのですが、どんぶり勘定の人は、お金の動きに無頓着です。
ものすごく収入があり、とても自分だけでは、生きているあいだに使い切れない。
そんな状態なら、無頓着でもいいでしょう。
でも、いろいろ引き落とされたあと、あまり手元に残らないとか、買いたいものがあるけど、なかなかお金が貯まらない状況に陥る庶民は、自分の資産状況をつぶさに調べるべきです。
まずは、今、どれだけあるのか、月々、収入はどれぐらいなのか、何にどれだけお金を使っているのか。
これぐらいは把握するべきです。
私も、銀行のアプリでまめに数字を見ているし、お金の動きがあったら、スプレッドシートに入力しています。
記録するだけで、お金に意識が向くので、どんぶり勘定の人は、ぜひやってみてください。
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shame(シェイム) は「恥や羞恥心」と訳されますが、マネー・シェイムやブレネー・ブラウンの言っている shameはちょっと違って、自分自身に欠陥があるとか、自分は価値がないという強い気持ちです。
ブレネー・ブラウンは、shameを
the intensely painful feeling or experience of believing that we are flawed and therefore unworthy of love and belonging—something we’ve experienced, done, or failed to do makes us unworthy of connection.
(「自分に欠陥があるから、愛を受けることにも、どこかに所属することにも値しない」と信じることから生じる強い苦痛や体験。自分が経験したこと、行ったこと、失敗したことのせいで、自分はつながりをもつに値しないと感じてしまう)。
と定義しています。
簡単に言うと、自分は人間として欠陥があるので、誰からも愛されないし、誰かとつながる資格もないと感じてしまう気持ちです。
「どうせ、私なんて」と言うことが多い人は、シェイムが強いと言えます。
シェイムが強いと、皆に受け入れられてもらうために、嘘をついたり、無駄な買い物をしてしまったり、自分自身を出すのを恐れたりし、人生が複雑になり、傷つく一方です。
もし、あなたがそうなら、上でリンクしたブレネー・ブラウンのTEDトークを見たり、彼女の著書を読んだりし、
ありのままの自分を受け入れる努力をしてください。
そうすれば、今よりもっとシンプルに生きられます。