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2月2日にお便りを紹介した読者かおりさんの「捨てられないモヤモヤ」の解消法をお伝えします。
まず、かおりさんの問題を簡単にまとめます。
モヤモヤする
・もったいない精神が強く、まだ使えるものを捨てることに抵抗がある
・不要なものはなるべく誰かに譲りたいので、メルカリ・ジモティー・リサイクルショップを活用
・人に使ってもらえそうなものは少しずつ処分できているが、時間がかかる
・譲ることもできず、リサイクルもできないもの(例:子供の文房具)を処分しにくい
・「使えるけど使わない」「他人に譲れない」ものが残り、モヤモヤが解消されない
お便りを紹介した記事にも書きましたが、価値観を変えるとスッキリ手放せると思います。
今回はもやもやの背景にある5つの心理とその解決策を紹介します。
かおりさんのお便りを紹介した記事はこちら⇒ものを減らして得た自由と静けさ~読者の感想を紹介
1.損失回避の心理:「捨てる=損をする」と感じる
「せっかくお金を出して買ったのに、捨てるなんてもったいない」
「ほとんど着ていないからこのまま捨てたらお金をドブに捨てるようなもの」
このように、「捨てることで何かを失う」と考えていると、手放すのが難しくなります。
人は「何かを得る喜び」よりも「失う痛み」の方を強く感じるので、つい「損したくない」と思ってしまうのです。
物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる
失うのではなく何かを得ると考える
失うものにフォーカスするのではなく、捨てることで得られるものに意識を向けてください。
手放すことで 時間や空間、心の余裕が増えます。
モヤモヤしているその時間がもったいないし、気分も重いですよね?
多くの人が不用品を捨てると身軽になったと言いますが、「捨てようかどうしようか考えている時間」から解放されるからです。
「今、持ち続けることの方が損では?」と自問しましょう。
2.捨てるのは悪いことだ(罪悪感)
まだ使えるものを捨てるのは人間としてするべき行為ではない。こんな価値観があると不用品を手放すことに罪悪感を抱いてしまいます。
日本では「もったいない精神」が根強く、「使えるものを捨てるのは無駄遣い」「ものを粗末にするのはよくない」と教えられて育った人が多いです。
しかし、「使える=持ち続けるべき」ではありません。
ものが多すぎることで生活が窮屈になったり、必要なものが見つけにくくなったりするなら、その方がもったいないことではないでしょうか?
ものはいくらでもあるけれど、自分の時間は取り返しがつきません。
役目を終えたと考える
「捨てるのは悪」ではなく、「ものの役目が終わったから手放す」と考え方を変えましょう。
かおりさんは「ありがとう」と言って手放すことができないと書いていましたが、これまでそのアイテムが自分や家族にどんな風に役立ってきたか考えてみるといいでしょう。
感謝の気持ちがあると罪悪感が軽減されます。
ものは本来私たちの生活を快適にするために存在しています。
持ち続けることがストレスになるなら感謝して手放し、新しい環境を作った方がいいのです。
3.未来に対する不安:「いつか使うかもしれない」
「もしかしたら、これが役に立つ日が来るかも……」
「捨てた後で必要になったらどうしよう?」
こんな気持ちから、不要なものを手放さないことも多いです。
「まだ使える」と思うと、捨てたあとの後悔を想像してしまうでしょう。
期限を切る
「いつか」使う気がするものは自分で使用期限を決めましょう。
たとえば、例えば「1年間使わなかったら不要」と判断するのはどうでしょうか?
後悔しそうに思うものはどこかにまとめておいて1年後に判断しましょう。
この時「本当に必要なら、また手に入る」と割り切ることも必要です。
未来ではなく今を基準にして意思決定をしてください。
4.ものへの執着:「思い出があるから手放せない」
「これは大切な思い出が詰まっているから」
「好きだったものを捨てるのは、過去の自分を否定するみたい」
こんな気がするのは、ものに感情が宿っていると思うからです。そのため、手放すのがつらくなります。
記録に残して手放す
思い出の品を捨てられないのは、もの自体ではなく、「そのものにまつわる記憶」を手放しがたいからです。
記憶は全て自分の中にあるので、この記憶を引っ張り出すものが手元にあれば、大切な思い出も失われません。
思い出の品を、デジタル写真や文章などかさばらないものに変えて手元に残せば、記憶のきっかけを捨てなくてすみます。
実例あり:今の生活の中で、もっと思い出の品を楽しむ5つのヒント
5.譲る場所が見つからない
「リサイクルショップで引き取ってくれないし、どうしたらいい?」
「知人に譲りたいけど、欲しがる人がいない」
かおりさんのように「誰か別の人が使ってくれるなら捨てられる人」は譲る場所がないと手詰まりになります。
処分方法がわからずにいつまでも不用品を持ち続けてしまう場合もこのケースです。
自分で使い切る
譲る先がないものは自分で使い切りましょう。
先日の記事に文房具を使い切る方法を書きましたので、是非参考にしてください。
死蔵品全般を使い切る方法は過去にいくつか書いています。
しまいっぱなしの物を使うために、今すぐすべきこと~死蔵品活用プロジェクト2023
火曜日は死蔵品を活用する日~ちゃんと使うコツ、教えます。してるのは悪いこと
6.セルフイメージ:私は捨てられない人
かおりさんは自分のことを「根っからのもったいない症」と表現していました。
このように「私は捨てられない人」「いつまでも不用品を持っている人」というセルフイメージがあるとその通りの行動をします。
人は自分の過去の行動、態度、信念と一致する行動をしようとする傾向があります。
認知的不協和(自分の考えと行動が矛盾しているときに感じるモヤモヤ)を避け、自己イメージを保とうとするのです。
そのため「私はもったいない精神が強いから捨てられない」と思えば思うほど、捨てにくくなります。
セルフイメージを変える
セルフイメージは固定されたものではなく、自分で変えることができます。
「私は捨てられない人」という思い込みを手放し、「私は必要なものを選び、心地よい環境を作れる人」 と意識を変えてみましょう。
具体的には日々の言葉の使い方を変えてみてください。
「私は捨てられない人」→ 「私は必要なものを大切にする人」
「捨てるのが苦手」→ 「不用品の処分がだんだん上手くなってきた」
過去の成功体験を意識するのも効果的です。
「この間、○○を手放してスッキリした!」と振り返ります。
小さな成功体験を積み重ね、「私は手放せる」という自信をつけましょう。
「筆子ジャーナル」を読んでいるかおりさんは「捨てられない人」ではなく、「よりよい暮らしを選ぶ人」 です。
7.認知的不協和
6番で認知的不協和に触れましたが、モヤモヤするのは不協和が起きているからです。
たとえば、お子さんのほとんど使っていないノートが捨てられない場合、
「物は減らしてすっきり暮らしたい」(目標)
「でも、白紙のページがたくさんあるノートを捨てるのはもったいない」(現実)
こんなふうに、目標と現実に矛盾(不協和)が生じるのでモヤモヤするのではないでしょうか?
考えや行動を変える
認知的不協和が起きたとき、人は矛盾しているもののどちらかを変えて矛盾をなくそうとします。
したがって、考えか行動を変えればモヤモヤを解消できます。
・考えを変える(価値観のシフト)
「ノートの白紙部分を使う予定がないなら、持っていても意味がない」と考え直す
「たとえ使いかけでも新しい持ち主に使ってもらった方が、ノートも活かせる」と捉える
■行動を変える(具体的な処分方法を決める)
・残りのページを使い切ってから処分する
・もらってくれる友人や寄付できる場所を徹底的に探す
・考え込むのはやめ、捨てて、そのスペースを有効活用する
考え方もしくは行動を変える。かおりさんもこの方法を試してください。
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捨てられなくてモヤモヤしている読者の悩みの解決法を考えてみました。
あなたは 「捨てられなくてモヤモヤするもの」がありますか?
ぜひお便りで教えてください。