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ものを買うとき、使い心地やデザインを気にする人は多いのに、手放すときのことまで考えている人は少ないのではないでしょうか。
でも、じつはここが重要です。ものはいつか必ず処分する日が来るからです。
ものの持ち方や選び方をほんの少し変えるだけで、捨てるときにぐっとラクになります。
たとえば、書類をステープラーで止めるか、マスキングテープで止めるか。たったそれだけの違いで、シュレッダーにかけやすくなります。
この記事では、収納・素材・家具の3つの視点から、捨てやすさを意識した持ち方の工夫を紹介します。
捨てる前のひと手間をなくす使い方
まず見直したいのは、ものの収納のしかたです。
整理する段階で捨てやすさを意識しておくと、いざ処分するときにすんなり手放せます。
同じカテゴリーのものを一箇所にまとめる
ものを捨てるとき、意外と面倒なのが、家中からかき集める作業です。
電池がリビングにも寝室にも台所にもある、文房具があちこちの引き出しに散らばっている。こういう状態だと、捨てそこなうものが出てくるでしょう。
ふだんから、同じカテゴリーのものは一箇所にまとめておきましょう。
私は、デジタルガジェット系(電池、充電器、コードなど)で引き出し1つ、文房具系(インデックスカード、付せん、ペンなど)で引き出し2つ、というふうに分けています。
また、エコステーションに持っていかねばならないゴミ(使い終わった電池など)は、それ専用の袋に入れてクローゼットに置いています。
こうすると、不用品を手放すときもそこだけチェックすればよくて、まとめてリサイクルや回収に出せます。
書類はステープラーを使わずにまとめる
書類の束をステープラーで止めるのは、一見、手軽な方法です。
でも、シュレッダーにかけるとき、あの小さな針をいちいち外すのは本当に面倒です。
以前、元夫が長年ためこんだ大量の書類を、毎日シュレッダーにかけていました。かなり大きなシュレッダーで、小さい針なら大丈夫と書いてありました。
ところが、夫の書類についていたのは大きくて頑丈な針ばかりで、紙詰まりを何度も起こしていました。結局、1つずつ針を外すため、処分にものすごく時間がかかりました。
書類をまとめるなら、マスキングテープやクリップのほうがあとがラクです。
どうしてもステープラーを使いたい場面もあるでしょうが、個人情報が載っていてシュレッダーにかけたい書類には使わない、とルールを決めておくといいでしょう。
はがしやすい素材で留める・貼る
収納ボックスやファイルにラベルを貼る人は多いと思います。
ここで、はがしにくいラベルやシールを使うと、容器を再利用するときも処分するときも余計な作業が増えます。のりの残りを除光液をつけたティッシュでごしごしこすってはがす人も多いのではないでしょうか。
おすすめは、マスキングテープです。
私は、Scotchのベージュ色の家庭用マステをずっと使っています。娘が幼稚園に通っていたとき、先生がこのマステに生徒の名前を書いて持ちものに貼っていたのを見たのがきっかけです。
便利そうだなと思って真似してみたら、水筒やジップロックバッグに直接名前を書かなくてすむし、テープをはがせばきれいなまま使い回せるようになりました。
もともと捨てやすさを考えて始めたわけではありません。でも、今ふり返ると、容器や袋をすぐ捨てずに何度も使えたので、結果的に資源の節約にもなっていました。
同じ理由で、段ボール箱の封もガムテープではなくマスキングテープで留めています。フタを開けたいときさっとはがせるし、箱ごと古紙に出すときも手間がかかりません。
ごみの分別がラクになる素材を選ぶ
次に考えたいのは、使うものの素材です。
素材が複雑だと、捨てるときの分別が複雑になります。分別がややこしいと後回しにしがちで、結果的に断捨離が進みません。
以前、日本に里帰りしたとき、名古屋市のゴミ分別ルールを調べながらゴミを出した経験があります。
台所にいくつも種類別のゴミ箱を並べないといけなくて、正直、場所を取るなと思いました。でも、きちんと分別するには必要なことなんですよね。
ゴミの分別に苦労したくなければ、はじめから素材がシンプルなものを選んでおくと、苦労しません。
ノートやファイルは金具のないものを選ぶ
カナダではノートと言えば、リング付きのノート(coiled notebook)です。
ノートの紙の部分はリサイクルに出せますが、金属やプラスチックのリング、コーティングがしてある表紙は、外さなければなりません。
このリング部分を取り外すのがとにかく面倒でした。
娘が小学校で毎年使っていたアジェンダ(スケジュール帳)もコイル付きだったし、ふつうのノートにもコイルがついているものが多いので、たまると処分が大変でした。
使い終わったらそのまま古紙に出せるノートや紙製のフォルダ、バラで使えるルーズリーフなら、分別せずにそのまま捨てられます。いちばんのおすすめはデジタル化ですが。
キッチン用品は単一素材のものがおすすめ
キッチン用品を選ぶときは、できるだけ単一素材のものを選ぶと、処分のときに迷いません。
ガラス、ステンレス、アルミなどは、素材がはっきりしているので分別しやすいです。
陶器はリサイクルが難しい素材ですが、割れたら不燃ごみに出せるので、捨てどきはわかりやすいと言えます。
逆に、フタがプラスチックで本体がガラス、取っ手がシリコンといった複合素材の製品は、パーツごとに分けて捨てなければなりません。
私はエコの面と家事の省力化をかねて、最近はガラス製品を中心に使っています。食洗機で洗いやすいからです。
雑貨は素材がシンプルなものを選ぶ
キッチン用品は素材が見た目でわかりやすいですが、雑貨は意外と複合素材が隠れています。
紙、段ボール、木、金属など、単一素材でできたものは処分が簡単です。
反対に、プラスチック、金属、ゴムなど異素材が使われている便利グッズは要注意です。使うときは便利でも、壊れたり不要になったときに分解しないと捨てられないので、処分のハードルが上がります。
日本の多くの地域では、高性能な焼却炉があるためプラスチック混じりの雑貨も「可燃ごみ」として出せるかもしれません。ですが、環境への負荷や資源の再利用を考えたら、やはり素材ごとに分別して捨てるほうがいいと思います。
何かを買うとき、その製品がどんな素材でできているか確認して、特に理由がないなら素材が複雑でないものを選んでください。
衣類はシンプルなデザインを選ぶ
衣類の場合、素材に加えて、デザインのシンプルさも手放しやすさに直結します。
飾りや金具が多い服は、リサイクルに出しにくく、リメイクもしづらいです。
シンプルなデザインの服なら、人に譲りやすく、寄付にも出しやすく、最後はウエスにして掃除に使うこともできます。
私は長年、綿素材でシンプルなデザインの服を着ています。捨てやすさを意識してそうしたわけではなく、ふだんのケアが簡単だからです。洗濯がしやすくて、アイロンもいらないから、手入れが簡単です。
服がだめになったらウエスにして掃除に使い切れるので、処分で困ることがありません。
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自力で動かせることを基準に大物を持つ
最後は家具です。家具は大きくて重いので、処分のハードルがいちばん高いです。
選ぶ段階で手放しやすさを考えておくと、あとの苦労に大きな差が出ます。
まず必需品だけ持つ。1人で運べないものは持たない
家具を選ぶとき、一番考えるべきなのは、そもそも本当に必要かどうかです。
必需品だけ持つ。これが基本です。
さらに、1人で動かせないほど大きくて重い家具は、できれば持たないほうがいいです。
私は小柄で力がないので、前の家を出るとき、大きな家具はみんな置いてきました。デスクの上にのせていたスタンディングデスク用の台や、頑丈な本棚などです。
引っ越しのときに運べない、処分しようにも1人では動かせない。そういう家具を持っていると、暮らしの自由度が下がります。
構造がシンプルで分解しやすいものを選ぶ
家具を買うなら、分解しやすいシンプルな構造のものを選びましょう。
ネジで組み立てるタイプの棚なら、不要になったときにバラして粗大ゴミに出すのも、人に譲るときもハードルが低いです。
ひとり暮らしを始めてから、娘と一緒にイケアでカラーボックスを買って、そこに本を入れています。
カナダでは、格別こだわりがなければ、イケアで家具を揃える人が多いです。安くて、コンパクトで、そこそこおしゃれで、失敗しても金銭的ダメージが少ないからです。
小さなコンドミニアムや賃貸向けに、コンパクトで収納付きの家具や、モジュール式の棚が多いのもイケアが人気の理由のひとつです。可動棚や組み合わせ自在の収納シリーズなど、引っ越しや模様替えが多いカナダの暮らしに合っています。
こうした家具は分解も組み立ても自分でできるので、いざ手放すとき身軽に動けます。
移動させやすいかどうかも考える
家具を選ぶとき、もうひとつ考えたいのが、移動のしやすさです。
キャスター付き、軽い素材、分割できるソファなど、1人でも動かせるものを選ぶと、掃除や模様替えもラクだし、不要になったときの処分もスムーズです。
私はイケアで買ったキャスター付きのワゴンを使っています。
このワゴンには、段ボール箱を解体するためのグッズ(はさみ、レターオープナー、カッターなど)をまとめて入れてあります。
先ほど紹介したマスキングテープもここです。段ボールが届いたら、ワゴンごと作業する場所に持っていって解体できるので、とても便利です。
家具そのものの処分とは少し違いますが、こんなふうに移動できる家具を持っておくと、片づけの作業効率も上がります。
出口を意識すると、持ち方が変わる
すでに家にあるものも、捨てるときの作業量を減らすという視点で見直してください。
ステープラーの針を外す手間を減らせないか。ラベルのはがしやすさを変えられないか。そんな小さな見直しポイントがきっと見つかります。
この考え方ができるようになると、次に何かを買うときやもらうときに、手放しやすいかどうかという基準を1つ足せるようになります。
出口を意識して選び方や持ち方を少し変えるだけで、将来の片づけは確実にラクになるし、ゴミも増えにくくなります。
ものを入れるとき、出口を想像する。この習慣がつくと、もっと身軽に暮らせますよ。














































