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やってみたいことがあるのに、カッコ悪い気がして踏み出せない、続けられない。
そんな人におすすめのTEDトークを紹介します。
タイトルはTo Be Cringe Is To Be Free(恥ずかしくあることは、自由であること)。
スピーカーは、Peter Le(ピーター・リー)さん。
恥ずかしい気持ちはその行動を避ける理由にはならない。それは、成長の入り口かもしれないと教えてくれます。
恥ずかしさを、成長の途中と捉え直す
収録は2026年5月。
オーストラリアのシドニー大学で行われたTEDxのトークで、長さは約11分30秒です。
日本語の字幕はありません(自動生成の英語字幕は表示できます)。
■TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
ピーターは医学生で、SNSで発信するコンテンツクリエイター、起業家でもあります。
2026年6月時点で、TikTokのフォロワーは110万人を超えています。
学生らしい、まっすぐなトークです。
まだ早いという言葉の裏に恐怖がある
英語では、見ていて痛々しい、恥ずかしいふるまいをcringe(クリンジ)と呼びます。
ピーターはこの言葉を「成長の途中で、誤解されている状態」と定義し直します。
彼自身、こんな経験をしました。
TikTokが人気になり始めたころ、自分の部屋でスマホを立てて、歌う動画を録画して投稿したのです。
新しい自分に出会えたようで、わくわくしました。
ところがその動画の再生回数は、1週間ほどで600回止まりでした。
世界じゅうに、自分の失敗を見られている気がしたと振り返ります。
投稿する前、頭の中ではこんな声がしていました。
もう少しうまくなってからにしよう。今はまだそのときじゃない。
でも本音は違いました。
人に下手だと思われるのが怖い。人前で失敗したくない。それを、まだ早いという理屈にすりかえていただけでした。
脳には、感情的な恐怖を、もっともらしい言葉に言いかえてしまう力がある。ピーターはそう指摘します。
同じ行動でも、環境が変われば見え方は変わる
ここで、ピーターは2つのオレンジの丸を見せます。

まわりを大きな青い丸で囲んだほうは小さく、小さな青い丸で囲んだほうは大きく見えます。でも囲みを外すと、2つはまったく同じ大きさです。
この錯視から、ピーターは教訓を2つ引き出します。
ひとつは、脳は平気で嘘をつくということ。
新しいことに挑もうとすると、脳は危ない、やめておけとささやきます。でも実際には、何も危なくなっていません。脳が状況を大げさに解釈しているだけです。
もうひとつは、クリンジになるかどうかを決めるのは、行動そのものではなく、まわりの環境だということ。
夢を語る人がいない部屋で夢を語れば、その情熱は生意気だと受け取られます。
正直に話す人がいない場所で本音を言えば、大げさだと言われます。
では、私たちは何をそんなに恐れているのでしょうか。
失敗そのものではなく、失敗を見られることだ、とピーターは言います。
だから私たちは、失敗と恥ずかしさをひとまとめにしてしまいます。
でも、その不格好な姿について、ピーターはこう言います。
Growth is not supposed to look impressive. It’s supposed to look like you being a beginner.
(成長は、立派に見えるものではありません。初心者に見えるものなのです。)
うまくできている姿ではなく、まごついている姿。それが成長するスタート地点です。
守っているのは夢ではなく、自分のイメージ
ピーターは、1998年に発表された、子どもを対象にした研究を紹介します。
2つのグループに難しいパズルを解かせる前、グループAは頭のよさを、グループBは努力をほめられました。
すると、賢いとほめられた子どもたちは、難しいパズルを避けたのです。
失敗すれば、賢いというイメージが崩れてしまうからです。
一方、努力を評価された子どもたちは、解く過程そのものを楽しみました。
人の目が怖くて動けないとき、私たちはこの子どもたちと同じことをしています。
守っているのは夢ではなく、これまでの自分のイメージなのです。
では、どうすればいいのか。
ピーターが提案するのは、恥ずかしさの羅針盤(cringe compass)と呼ぶ、自分にする3つの質問です。
何を恥ずかしいと感じているのか、その感じ方を誰から学んだのか、最後に、しばらく誤解されてもいいなら何をするかを考えます。
この最後の質問には、とても力があるとピーターは言います。
多くの人に足りないのは、新しいやり方ではなく、誤解されてもいいという自分への許可だからです。
あなたの挑戦をクリンジだと言うのは、ときには家族や友人など、身近な人たちです。
彼らは、自分が覚えている昔のあなたを守ろうとしている。だから、わかってもらえないまま進む時期が必要なのです。
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人にどう見えるかより、自分がやりたいかで決める
新しいことをするのをためらうとき、頭にあるのは、これをやったら人にどう思われるだろう、という考えではないでしょうか。
でも、人の評価を基準にすると、判断する軸を他人にわたすことになります。
正解だと認めてもらえなくても、自分の望む暮らしに合うほうを選ぶ。
そうすれば、悔いが残りにくくなります。
私が37歳になる直前に留学したときも、まわりから見れば遅い挑戦で、応援してくれる人はほとんどいませんでした。
それでも私は留学しました。行かなければ、ずっと心に引っかかったままだったと思います。
以前、仕事でやってみたいことがあるのに、SNSが苦手でためらってしまう、というお便りをいただいたことがあります。
その方に私はこう返信しました。
SNSは仕事そのものではありません。やらなきゃと勝手に思い込んで、それを理由に前に進まないでいるだけですよ、と。
これはまさに、ピーターの言う、脳が恐怖を理屈にすりかえている状態です。
SNSが嫌なのではなく、人に見られて何か言われるのが怖い。それを、SNSが苦手だという言葉に置きかえていたのです。
やりたいかどうかで決めたら、次の関門は、初心者の自分を人に見せることです。
下手なまま、人に見せてしまう
さまざまな経験を積んだ人や、年齢を重ねた人でも、新しいことを始めれば、その分野では初心者に戻ります。
でも多くの人は、いきなりうまくなろうとします。ぶざまな自分を見せたくないからです。
こんなとき、できる人のふりをするより、できない自分を隠さないほうがずっとラクです。
たとえば、わからないことは、その場で聞く。練習中のものを、人に見せる。気になっていたアプリを、とりあえず触ってみる。下手でも、外国語を声に出す。ずっとやってみたかったことを、一度だけ試してみる。
私の趣味は語学ですが、長くやっている英語ですら、今でもふつうに間違えます。
間違えると少しばつが悪いものの、外国語なのだから当然だと考えています。
自転車も、大人になってから練習しました。子どものときに、乗る練習をしなかったからです。
よろよろと乗っている私は、はたから見ればさぞおかしかったでしょう。
正直、今もうまく乗れませんが、必要になったらまた練習するつもりです。
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恥ずかしい思いをすれば、必ず成長するとは限りません。
それでも、人の目だけを理由に避けているのなら、やってみる価値があります。
初心者に見える時期を通らずに、何かをマスターした人はいません。
やってみたい、楽しそうと思うなら挑戦してみてください。














































