心配している女性

断捨離テクニック

最終更新日: 2022.02.3

だめな自分に向き合うのが怖い:物を手放すことに対する不安と恐怖(その2)

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不用品の片付けや断捨離を無意識に避けてしまう心理の背後にある不安や恐怖を取り上げて、一つひとつクリアしていくシリーズ。

今回、取り上げるのは、

片付けをすると、嫌な自分、だめな私、過去の失敗に直面してしんどいことになりそうだ、という不安です。



どこまでも悪いセルフイメージ

汚部屋に住んでいる人の多くはあまりセルフイメージがよくありません。

どちらかというと、自分を否定し、悪くとらえています。

たとえば、

・こんな物だらけでぐしゃぐしゃの部屋、とても人に見せられないわ。突然誰かが来たら絶対ドアを開けられない

・他の人は、ちゃんと家をきれいにしているのに、なんで私はできないんだろう

・片付けるべきだけど、今日もできなかった。こんな簡単なことができないなんて、私はなんて愚かなんだろう

・こんなにいろいろ買ったのに、ただためこんでいるだけ。こんなもったいないことしている自分は、どこかおかしいんじゃないのかな?

こんなふうに、自分に対して、かなりネガティブな見方をしています。

だからこそ、少しでも片付ければ、自信がついてセルフイメージがよくなりますが、ネガティブ感情が強すぎると、「片付け」と聞いただけで、底なし沼の中に落ちていきそうな気がして、片付けに着手できません。

耳が痛すぎて私のブログの記事を読めないとか、お母さんに怒られている気がする、というメールをもらうことがありますが、そういうふうに感じてしまうのも、自分のことをあまり評価していないからです。





ガラクタはよくない自分の象徴か?

汚部屋や片付けに対してマイナス感情をもっていたら、片付ける気になれないのは当然です。

ガラクタを見るたびに、「だめな自分」を思い知らされるのですから。

誰だって、いやな自分、愚かな自分、まずかった決断(失敗)に向き合いたくありません。

ほめられるとうれしいのでもっと言ってほしいけど、けなされるのは嫌ですよね?

私たちは、北風には吹かれたくない、できれば心地よい春風に当たりたいと思っています。

自ら北風の中に飛び込むような断捨離なんてやりたくないのです。

中には、「修行として」取り組む人もいますけど。

もちろん、ガラクタは何も言いません。何も言いませんが、自己肯定感の低い人は、ためこんだ物を見ながら、いちいち自分を責めます。

それはしんどいことなので、捨てる作業を後回しにしてしまうのです。

こんなときは、どうしたらいいのでしょうか?

考え方を変えれば、ぐっと断捨離のハードルが下がります。

べつに自分は悪くない、と思えばいい

物をたくさんためこんでしまったことに、強いネガティブ感情を感じているときは、「別に自分は悪くない」と、いい意味で開き直ってください。

なぜ、こんなに不用品をためこんでしまったのか?

自分がなまけものだから、だらしないから、掃除が下手、経済観念がない、こらえ症がないから(欲しい物をがまんできない)、そもそも私が欠陥品だから、と思うかもしれませんが、そうではありません。

物をためこむ一番の理由は、あなたが人間だからです。

ほかの動物は、今を生きています。

しかし人間は過去や未来のことを後悔・心配しながら生きる脳力があります。

人間は高度な脳を持ち、時間の観念があり、起きるかどうかわからないことに対して、みょうにリアルに心配し、もう使い終わったものに対して、「そのうち使うときが来るかもしれない」と期待し、ほかの人の仲間に入れてもらうために、物で自分を演出したりします。

すぐにドーパミンが出る行動にとても弱く、買い物も大好きです⇒買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。

スマホをいじったり、ジャンクフードを食べるのも大半の人が大好きで、嫌いな人は、むしろ少数派です。

その証拠に、物をたくさんためこんでいる人はたくさんいます。

自宅がガラクタだらけなのは、あなたが人間として生まれてしまっからなのです。

この部屋にいっぱい物があるのは、特に私に問題があるのではなく、私が人間だからなのだ、と考えてください。

ジャッジしない

次に、物を捨てるときに、いちいち自分の行動や自分自身をジャッジしないでください。

私たちは必要以上に自分を責める傾向があります。

その理由⇒自分自身の親友になる技術(TED)

不用品を捨てるときは、いちいち自分を責めず、批判的にならず、淡々と捨ててください。

ジャッジしたり、恥じたりしても、何の助けにもなりません。

「なんてだめなやつなんだ、私は」と思ったからといって、目の前からガラクタは消えないし、過去の行動が変わることもないし、部屋がどんどん片付くわけでもありません。

いやな気分になり、自己肯定感がさがるだけです。

もちろん、過去の行動から学ぶことは必要です。

「あのとき、こんな物を買わなければよかったな。そうすれば、今ごろも片付けなんかにしんどい思いをすることはなかった」。こんな気づきがあれば、あくまでも、一つの気づきとして、心の中のメモ帳や、リアルのメモ帳に書いておくといいでしょう。

自分を責めることと、気付きをメモしておくのは全く違う行為です。

まあ私も、「なんでこんな物を買ってしまったのだろう。馬鹿だなあ」と思ったことは何度もあります。

今朝も、「こんな塗りにくい塗り絵本に、こんな使いにくいマーカーで毎日色を塗る行為は、まるで過去の行為の罪滅ぼしのようだ」と感じながら、フッと苦笑いしました。

しかし、だからといって、私は自分のことはそんなに責めません。

「ま、いいか、このこと、ブログに書こう」と思って、今、実際に書いています。

私はどちらかというと、転んでもただでは起きないタイプなのです。

考え方を変えれば誰でもそうなれます。

新しい生き方を学ぶと考える

自分を責めることが多く、断捨離に対して、負の感情を抱いているときは、ガラクタを「よくない自分の象徴」と考えるのをやめましょう。

そうではなく、「私に新しい生き方を教えてくれるありがたい物たち」、と考えてください。

あなたは人間ゆえに、これまで必要じゃない物をたくさん買いすぎて、使わず押入れにしまい込み、使い終わった物も捨てずに、やはり押入れにしまい込み、無料でもらった紙袋やタオル、タッパー、コスメのサンプルにも、ものすごく執着し、ろくに貯金しない人生を生きてきました。

そうするのが自分のためになると思っていたのです。

しかし、いつのまにかアパートは物だらけで、息苦しい部屋となり、貯金は全然増えず、宅配便のベルにおびえる日々(最近は置き配が多いと思いますが)。

物をたくさん買ってためこむのは、かえって自分のためにならないかもしれない、と思い、「筆子ジャーナル」を読んでいるうちにそれは確信に変わりました。

それならば、もっと自分のためになる生き方に方向転換すればいいのです。

あまり物を持たない生活は、これまで生きたことのない人生だから、いきなりうまくはできないと思います。

ちょっと失敗してしまうこともあるでしょう。

しかし、新しい生き方を学ぼうとしているからこそ、失敗するのです。

失敗するたびに、何かを学んでいます。

自分はだめな人間だと思うのはやめ、今、私はライフスタイルを正すために新しい生き方を学んでいる、と考えれば、「いやな自分に向き合うのが怖い」という恐怖や不安を感じなくてすみます。

それどころか、もっといい未来に対する予感があふれてきて、うれしい気分になるでしょう。

☆この続きはこちら⇒失敗するんじゃないか、という心配:物を手放すことに対する不安と恐怖(その3)

☆初回の記事はこちら⇒物を手放すことに対する不安や恐怖に向き合う(その1)~どこから始めたらいいの? という不安。

☆セルフエスティームに関する記事もどうぞ。

セルフエスティーム(自分を愛する気持ち)が高い人の12の特徴

セルフエスティームを高めて自信を取り戻す10の方法

もっと自分を好きになろう。ラディカル・セルフ・ラブのすすめ(TED)。

*******

「いやな自分と向き合うことになる」という恐怖との付き合い方を紹介しました。

ものすごく嫌なことを無理にする必要はありませんが、何かをやりたいのに、「ああ、でもちょっとこれが嫌だなあ」と思うことがあるとしたら、たぶん、それこそ、あなたがやるべきことだと思います。

行動して前進してください。





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