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突然の変化にとまどっている人、変化することを恐れている人の参考になるTEDトークを紹介します。
タイトルは、How changing your mindset can help you embrace change(マインドセットを変えることが、いかに、変化を大事にすることを助けるか?)
教育コンサルタントのManu Shahi(マヌ・シャヒ)さんのプレゼンです。
変化を受け入れる・TEDの説明
Change can be transforming, even if it feels devastating. This talk helps people everywhere manage crisis and difficult moments. Manu was a successful business owner until her child was diagnosed with cancer. Today she helps people reinvent themselves and navigate the four stages of change.
変化は人生を変える力をもちます。たとえそれがつらいものであっても。
このトークは、危機や難しい局面にいる人たちを助けます。
マヌは、子供ががんになるまで、成功したビジネスオーナーでした。
現在、彼女は、人々が生まれ変わることや、変化の4つのステージを進むことを手助けしています。
収録は2019年の2月、動画の長さは9分46秒。字幕はありません。動画のあとに抄訳を書きます。
☆TEDの記事の説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
とても勇気づけられるプレゼンですね。
変化は人生に必須
人は生まれたときから、変化することを求められます。
私たちは変化するようにできています。
変化することが得意な人もいれば、私のように、時間、経験、年齢を重ねて、変化することに慣れてきた人間もいます。
変化をすごく恐れる人もいます。
変化は強力ですからね。
皆さんのこれまでの人生で、あるできごとが、その後の人生を形作ったことがないか、考えてみてください。
その変化が起きたとき、あなたがどんな反応をしましたか?
今日は、変化によって起きる4つのステップを紹介します。
その変化によって、皆さんがどんな道筋をたどることができるか、です。
2種類の変化
変化には2種類あります。
自分で意図した変化と、想定外の変化です。
意図した変化は、自分でそうしたいと思って起こした変化です。
変化を起こしたのは自分ですが、その結果は、全く思いがけないものです。
私がこの国に移住したこと、会ったことがなかった男性と結婚したこと、復職したこと、自分のビジネスを売ったことは、私が計画して起こした変化でした。
この4つの変化は、それぞれ違った結果を生みました。
まだ進行中のものもあれば、さらなる変化を起こす必要があったものもあります。
復職したのは、私が意図したことですが、その仕事をやめたのは、意図していなかった変化でした。
娘の病気
2001年、当時2歳半の娘を、病院に連れていきました。骨折したと思っていたのです。
ところが、娘は白血病でした。
それを知ったとき、私は変化の最初のステージにいました。拒絶です。
これは、朝起きて、大切な人が亡くなったと聞いた時や、仕事に行ったら、いきなり解雇されたときに起きる現象です。
私は拒絶という最初の段階にいて、1日目は泣き、2日目も泣き、3日目も泣きました。
でも、ある人が、緊急病棟にいる私のところにやってきてこう言ったのです。
「感情的な痛みは20分続くだけで、その後の痛みは、自ら招いている。立ち上がって、あなたの助けを必要としているところに行きなさい」。
このとき、私は、2つ目の段階である、「受け入れること」に行くことができました。
受け入れるステージ
受諾というステージにも2種類あります。
人はそれぞれ違ったやり方で、受け入れます。薬物を乱用したり、アルコールに頼ったり、問題から目をそむけたり。
もう1つは、強くなって、問題に向かう方法です。
周囲の人や教会、その他のコミュニティ、本やオーディオブック、ポッドキャストの助けを借りて。
私は、Where There Is Light(光がある場所)という本に助けられました。
というのも、変化はとてもパワフルなコーチだから。人は変化から多くのことを学ぶことができます。
新しい生活をするステージ
そうやって、私は進み、2004年の1月13日、娘の治療が終わったことを家族で祝いました。娘は5歳になっていました。
ごちそうを食べているとき、電話がかかってきて、娘の病気が再発したことを知りました。
私はまた、拒絶の段階に戻ってしまいました。
どうしてまたこんな目にあうのか、いったい何が悪かったのか、と。
でも考えてみると、不幸が次々と降りかかってくる人は他にもいます。
このとき、私は、前より少し長く拒絶のステージにいましたが、受け入れなければならないと気づき、次のステージに進みました。
そして、またある人が私に言ったのです。
「あなたの娘さんの病気を治すのは私の仕事、娘さんを幸せにするのはあなたの仕事です」と。
彼が、私を変化の次のステージに引き上げてくれました。それは新しい自分になって、メンテナンス(維持)するステージです。
比べないことが重要
受け入れるステージにいるときに大事なことは、今の自分の状態をきのうの状態と比べないことです。
今の自分は新しい自分で、それは新しい人生だと考えるべきなのです。
今の生活をきのうの自分の生活や他人の生活と比べてはいけません。
自分のノーマルな生活は、他の人のふつうの生活とは違うのですから。
新しいノーマルな生活を築くべきなのです。
他の人の願いを叶える
このとき、5歳の娘が私に聞きました。
「ママ、私、また白血病と言われたから、メイク・ア・ウィッシュ(Make-A-Wish foundation、難病と闘っている子どもたちの願い事を叶えてくれるボランティア団体)に、もう1つ、願い事をできる?」
娘は絵の具で絵を描いていました。そして、私は娘に言ったのです。
「今度は、何かを変えないとね。モノクロの人生をカラフルにしよう。カラフルにして、この魔法をあちこちに広めよう」。
「どういう意味?」と娘は聞きました。
「私たちが他の子たちの願いを叶えるのよ」。
思いがけないことが起きた
このステージで3つのことが起きました。
5歳の娘が旅路を見つけました。回復、希望、人生、そして自分自身を見つける旅路です。
彼女は絵を描き、絵を描くことによって、希望を見つけて、速く回復することができました。
2つ目のできごとは、私が自分自身を見つけることができたことです。女性、母親、妻、友人として。
新しい自分を見つけました。
これまで、たいして大事でもないことに、時間を費やして忙しくしていたことに気づきました。
もしこの変化が起きなかったら、前と同じ仕事をしていて、今のように娘といい時間を過ごすことはなかったのです。
3つ目のできごとは、誰も予期していなかったのですが、娘の描いた絵があちこちに広まったことです。
はじめ、娘は絵を40ドルで売りたいと思っていましたが、最終的に9万ドルで売れました。
自分の絵を売るだけで、20万ドルも資金を集めることができ、それをメイク・ア・ウィッシュに寄付しました。
成長のステージへ
娘のカラフルな絵や、誰かに与えたいという気持ちが、多くの人を助けるとは想像もしていませんでした。
ある時、6歳の女の子がやってきて、その子が自分のテディベアに、私の娘の名前をつけたと教えてくれました。
この女の子が、私の人生で次のステージまで連れていってくれた3人目の人です。
それは、成長というステージです。
成長というステージに立ち、これまでのことを振り返ってみました。
私は、拒絶⇒受諾⇒拒絶⇒受諾⇒新しい人生の維持、とたどってきて、ようやく今、成長というステージに立ち、見ず知らずの人を変えることができているのだと思いました。
変化するから新しい自分になれる
このトークを、「金継ぎ」という言葉でまとめたいと思います。これは日本語で、陶器の割れ目を金で修繕することです。
どんな人の人生も、壊れるときがあります。
でも、事故にあったり、人間関係が壊れたりしても、修繕できるのです。
修繕することで、価値ある体験が得られ、それは金になります。
この機会を逃さないでください。
誰があなたを見ているかわかりません。誰があなたから学ぶかもわかりません。
そして、もっとも大事なことは、価値ある体験をしたとき、あなたは、次の予期せぬ変化に向かう準備ができるのです。
あなたは、一番大事な存在です。自分の傷を隠さないでください。こわれたものを、価値ある体験で埋めましょう。
変化はとてもパワフルで、誰もが変化することで新しい自分になれるのですから。
//// 抄訳ここまで ////
変化に関するほかのプレゼン
創造性:目まぐるしい変化に対応するにはスローな思考が必要(TED)
未来の自分が何を求めているかなんて今の自分にはわからない(TED)
危機を乗り越える人(レジリアントな人)の3つの秘密(TED)
人は変わり続ける。未来の自分に対する心理:ダン・ギルバート(TED)
変化をいい結果に結びつける
予期せぬ、そして、あまりうれしくない変化にうまく対応する方法を教えてくれるプレゼンを紹介しました。
子供が難病にかかるのはとてもショックなことですが、ここまで深刻でないにしても、人生は、対応しなければならない変化の連続です。
人生イコール変わり続けること、と言えるかもしれません。
たくさんの変化から人生が成り立っているとしたら、変化にポジティブに対応できるスキルは、充実した人生を生きるのに不可欠です。
ところが、人は、あまり変わりたいとは思わないんですよね。
コンフォートゾーンにいるほうが楽だから。
不用品を捨てることも、今の生活を変えることなので、何年も使っていない不用品でも、無料でもらった物でも、これから使うことがないとわかっている物でも、捨てることに大きな抵抗を感じます。
そのような人でも、マヌさんの言う、拒絶⇒受諾⇒新生活の維持⇒成長のステージを信じて、変化を起こしてください。
不用品を捨てることで、人は成長できると私は思っています。
もちろん、他のどんな変化からも、学びを得て成長できます。