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「足りないと感じるマインドセット」(scarcity mindset、このブログでは「足りないマインド」と呼んでいます)を、「たっぷりあるマインド」に変える方法を紹介します。
日々、イライラや不安にさいなまれて、カリカリしている人は、たいてい足りないマインドにおちいっています。
足りないマインドだとストレスが増える
きのうある方から相談メールをいただきました。
この方は、ご両親はすでに他界、知的障害をもった弟さん(グループホームで生活中)がいて、子供はまだ小さく(0歳児と赤ちゃん返り中の小学生)、ご主人もあまり頼りになりません。
毎日、すごくがんばっているのに、ホームの人から、「もっと面会に来てあげて」などと言われて、なんで私ばかりがこんなに苦労しなきゃならないのか、と思ってしまうそうです。
断捨離をしたいと思っているのに、母親業と姉業で手一杯。現在、頭の中がぐしゃぐしゃだから、心の持ち方を教えてほしい、というご相談でした。
この方には、少し肩のちからを抜くようにと返事をしました。
確かに、世の中には、親兄弟の世話や、たくさんの仕事、責任ををかかえて、大変な状態の人がいます。ですが、そういう人でも、考え方を変えると、もっと楽に、希望をもって生きられます。
一番いいのは、「足りないマインド」を「たっぷりあるマインド」に変えることだと思います。
足りないマインドがあると起きること
足りないマインドは、あらゆるリソースに、限界があり、自分はそのリソースを世の中の人全員と奪い合っている、という考え方です。自分がもっているものすべてが、常に「足りない」と感じられます。
詳しくはこちらをお読みください⇒足りないマインドがあると、物が増え、片付けもできない理由。
会社で仕事中、同僚が深呼吸したとき、「あ、ちょっとやめて、私の空気が足りなくなる」とピリピリする人はいません。
それは、誰もが、空気は無尽蔵にたっぷりあると思っているからです(たっぷりあるマインド)。
ところが、もし、アポロ13号みたいに、酸素が足りなくて、二酸化炭素ばかりの宇宙船に自分と同僚が乗っていたらどうなるか?
まあ、宇宙飛行士は、メンタルが強く、酸素を奪い合うより、お互い助け合うでしょうが、ふつうの人は、「空気が足りないマインド」に陥って、誰かがちょっとでも余分に空気を吸ったように見えると、「ちょっと、何すんのよ!」と怒りにかられたり、「やめて、私の分がなくなる(涙)」とショックを受けます。
足りないマインドの持ち主は、ふだんの生活で、あらゆることに対して、「ちょっと、何すんのよ。私の分が足りなくなるわ」「やめて、私が損するじゃん」と思いながら暮らしているのです。
その結果、自分は被害者だと感じ、いつも緊張し、肩に力がはいり、不満、心配、恐怖、怒り、焦りを感じます。さらに、困惑し、混乱し、うまくいかないことにばかり目がいき、無力感を感じます。
無力感を感じると、「自分には力がある」と一瞬だけ感じさせてくれる買い物に走ることが多いので、きっと、ガラクタもいっぱい持っているでしょう。
「私ばかりが何でこんな目にあうの、私ばかりが損してる」と思う人は、足りないマインドを捨て、たっぷりあるマインドに変えればいいのです。
以下にたっぷりあるマインドに変える簡単な方法を7つ紹介します。
1.自分の思考に気づく
最初にすべきことは、自分が足りないマインドに陥っていることに気づくことです。
足りないマインドは、物、時間、友情、愛情、自分の能力などあらゆるものに発揮されます。
イライラがおさまらない、なんかスッキリしない、と思うときは、どうしてそう思ってしまうのか、自分自身で、考えてください。よく考えると、ちょっとゆがんだ考え方に気づくことができます。
思考のゆがみについて⇒今すぐ捨てたい根拠のない思い込み:10の認知のゆがみ、その1
自分の考え方のくせに気づかないかぎり、それを修正することはできません。
2.人をほめる
足りないマインドの人は、誰かを見ると、すぐに、相手に対する不満、ぐち、悪口が出てくると思います。そこをぐっとこらえて、できるだけほめるようにしてください。
ほめるためには、よいことを見つけなければなりません。こうすることが、足りないことではなく、足りているものや、よいできごとに目を向ける練習になります。
人の悪口ばかり言っている人は、自分についても、悪いことばかり探す癖がついているので、改めたほうがいいです。
3.感謝する
すでに持っているものや状態に感謝します。朝起きてすぐ、寝る前など、毎日、感謝できることを探す習慣をつけるといいでしょう。
過去記事に詳しく書いているので参考にしてください。
4.1つのことに固執(こしゅう)しすぎない
足りない、と思っている人は、目の前の問題や、自分の思い通りにいかないことに、すごくこだわっています。視野が狭くなっているのです。
しかし、人生を形づくっているのは、いま、目の前にある問題だけではありません。自分の人生には、ほかにもいろいろな要素があります。あまり1つのことに強くこだわらないほうがいいです。
こだわりをなくすためにおすすめなのは、気分転換です。深呼吸、散歩、瞑想などを日常生活に取り入れるといいでしょう。
瞑想のすすめ⇒『必要なのは10分間の瞑想だけ』~物より心が大切です(TED)
5.人に親切にする/与える
たっぷりある、と思えない人は、「私は足りないのだから、人にあげるものなどない、むしろこっちがもらいたいくらいだ」と感じています。
しかし、実際は、どんな人でも、他人に与えられるものはたくさんあります。その1つが、人に親切にすることです。
最初は抵抗があるかもしれませんが、あらゆる機会をみつけて、できるだけ人に親切にしてください。
親切を重ねていくと、次第に「自分にもいろんなリソースがある、足りてなんかいない」という気持ちになっていきます。
参考になる記事⇒あなたは与える人、それとも奪う人?:アダム・グラント(TED)
こちらもどうぞ⇒成功すると幸せになるのではなく、幸せだから成功する~ショーン・エイカー(TED)
6.言葉遣いに気をつける
自分が人に話す言葉、自分が自分に話しかける言葉に注意します。ここ数日間、自分が家族や同僚に言った言葉を思い出してください。
足りない話ばかりしていませんか?
言葉が現実を作ります⇒毎日を楽しく過ごす簡単な方法。それは言葉遣いに注意すること。
むりに何かがたっぷりある話をしなくてもいいのです。ただ、何かが足りないことばかり言うのをやめてください。
「時間がない」とか「お金がない」と人はよく口にしますが、ほかの言い方もできます。
時間はちゃんとありますし⇒時間がないんじゃなくてやる気がないだけ。大事なことに時間を使う方法(TED)
お金がないんじゃなくて、手持ちのお金で幸せに暮らすことを選んでいないだけなのかもしれません。
7.トラブルはチャンスと考える
何か困ったことが起きたとき、最初のショックがすぎたら、それをチャンスに変えられないか考えるようにします。
まあ、いきなりチャンスにはなりませんので、ここから自分は何を学べるか考えるといいでしょう。転んでもただでは起きない精神です。
ショックなできごとがあると、誰でも最初は動揺しますが、その気持ちは、60秒~90秒で消えるそうです⇒いやな気分こそ大事にして、自分の感情とうまくつきあう(TED)
それが終われば冷静になれます。そこでする選択が、足りないマインドにとどまるか、たっぷりあるマインドに変えるかの分かれ道です。
足りないマインドについて、もっと詳しく知りたい方は、「7つの習慣」をお読みください。
足りないマインドに関する過去記事もどうぞ
こんな考え方が貧乏を引き寄せる。お金がたまらない恐怖のマインドとは?
貧乏人の「足りないマインド」から金持ちの「たっぷりあるマインド」へ変換する方法。
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久しぶりに、「足りないマインド」に関する記事を書きました。
こういうマインドセットがある、と知っている人も、気づかないうちに、「足りない」と思う思考になっていることがあります。
私も買い物のレシートを見て、予想外の値段がついていると(想像より1ドル高かったときなど)、「えええっ!?、損した」と思うことがよくあります。
しかし、そのあと、「いやいや、おいしかったから、よかったよね。というより、これを買うお金があるのはありがたいことだ」と思うようにしています。