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しっかり貯金はあるのに、お金に関する心労が絶えない。もっと明るく生きるにはどうしたらいいですか、という質問をいただきました。
この記事で回答します。
まずメールをシェアします。Nさんからいただきました。
投資で大損してしまいました
件名:お金の断捨離!?
こんにちは、はじめてお便りさせていただきます。
昨年から筆子さんのブログを知り、断捨離が思うように進まず悩んでいた折りでしたので過去の書き込みから一気に拝読しました。
差し迫った状況でもないことから、思い切った物の廃棄はなかなか進まないものの筆子さんの考え方に刺激を受け、少しずつ物を減らしております。
今日、メッセージを送らせていただいたのは、お金に関することです。
私は、年齢53歳(2月で54歳)、独身、子なし、独り住まい、親も二人とも他界し遺品整理なども完了しております。
大した能力もないのですが、幸い大学卒業の時代は就職売り手市場で、大した苦労もなく大手企業に就職し、今までなんとか無難に過してきました。
親も堅実であったため、そこそこの金融資産を残してくれました。
私も親の考え方を引き継ぎ、子金は貯まっても贅沢はせず、堅実な生活が性分にあっています。
そろそろ老後が気になる年ですが、老後の備え、という事に関しては、幸いなことに世間で一般的に言われる備えは既に達成しています。
そんな私ですが、ここ数年、お金の事では心労ばかりです。
何故か!?
それは、準備ができたらできたで、維持しなければ、という脅迫観念が生まれるからです。
ここ数年、各種のセミナーや個別相談会のようなものに足を運び、少し有利な情報があれば眠たい目をこすりながらネットで手続きをして、パスワードやカード類の管理は煩雑だし。。。。といった感じです。
そして、いろんな情報を集めていくと、少子高齢化の日本の危機を理由に恐怖を煽られ、海外への投資の道へと。。。
そしてやってしまったのです。どうやら信頼すべきではなかった業者を信じ、大きなお金を投じて失敗してしまいました。
全資産を投じた訳ではありませんので、今後も生きるのに困らないのですが、精神的な打撃は大きなものがありました。
筆子さんは、投資についてはあまり興味がないと書かれていました。
今日は、投資の相談がしたかったのではありません。
マインドセットを切り替えて、明るく楽しく前向きに生きていくためのエールがいただきたかったからです。
老子の「足るを知る」という言葉をかみしめました。
お金はあくまでも何かをする時の道具の一つであって、お金が生きる目的ではない、
とか、命を奪われた訳ではなく、今回の件で生活レベルを下げなければいけないわけではなく、
私は何も変わっていない、変わらない、とかとか。
だいぶ吹っ切れたのですが、いつも人生の考え方そのものを見直すきっかけとなる筆子さんの歯切れの良い言葉をいただき、すっきり忘れて立ち直りたいと思った次第です。
お金は自分が必要な以上に持っていても、ストレスにしかなりません。
タイトルはそんな思いから付けてみました(笑)。
自分でも答えは分かっているのです。
あともう一歩、気持ちをふっきるために、筆子さんの痛快なご意見、や新たな視点、ご感想がいただければ幸いです。
Nさん、メールありがとうございます。
「老後の貯金がないです」「貯金ができません!」というメールはよくいただきますが、「ちゃんと貯めているのに心配だ」という方のメールははじめてです。
お金はやってきては、出て行くものなので、また入ってくるんじゃないですか?
そういう面では全く心配することはないし、何が起こってもNさんはNさんである、というのも変わりません。
今回起きたことから、何かを学ぶことができれば、貴重な体験をしたわけです。
さて、特に痛快な意見でもなく、ごく常識的なことですが、以下のことを心に留めて暮らしていくと、お金の心配から解放されるのではないでしょうか?
1.お金に対する執着を捨てる
そこそこ貯金があるのに、お金にまつわるストレスが多いのは、お金に執着しているからです。
日々、お金のことを考えている時間が多くないですか?
お金を管理することに自分のリソース(時間、体力、気力など)をすごく注いでいるとしたら、お金にコントロールされています。
自分の人生の主役が自分ではなく、お金になっている状態です。
何事にも、執着してしまうと、それに支配されます。
人に対する愛情、物に対する愛情、地位や名誉に対することだわり。みんなそうです。しがみつけばしがみつくほど、その対象にコントロールされます。
コントロールされれば、苦痛が生まれます。本来人間は、「自由に生きたい」という気持ちを持っているからです。
それでなくても、人は何かを失うのが嫌いなのです⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる
ふつうにしていても、お金を払うときや、投資で失敗したときは、強い痛みを感じるんですね。
その痛みを拡大させないためにも、お金のことばかり考えるのをやめたほうがいいです。
人生、お金だけじゃないですから。
お金があまりなくてもすごく楽しく生きている人はいるし、逆に資産はたっぷりあるのに、暗い人生を送っている人がいます。
この違いは、お金や人生に対するアプローチの違いです。
問題はお金にあるのではなく、自分のあり方、考え方にあります。
執着の捨て方の例⇒物に執着してなかなか捨てられないあなたに。執着心を捨てる方法はこれです
2.「足りないマインド」を捨てる
資産は充分あるのに、なぜ「もっと増やしたい」と思ってしまうのでしょうか?
それは、「足りないマインド」があるからです。
「足りないマインド」を持っている人は、いくらお金を持っていても幸せになれません。
足りないマインドとは?⇒こんな考え方が貧乏を引き寄せる。お金がたまらない恐怖のマインドとは?
この発想を変えてください。
私達は、「足りないマインド」を刺激される文化の中にいます。
その人の見た目や、所有している物、いくら稼いでいるか(月収や年収)を基準にして、人生のよしあしを判断しようとする人が多いです。
これは、ほぼ無意識で行われています。
多くの人は常に、いまの生活に必要なものか、欲しいもの、付け加えるべきものを探しています。
これだけでは足りないから、もっともっとお金がいる、地位をあげたい、スキルアップしたい、
愛されたい、家だって広いほうがいい、服もたくさんあったほうがいい、食品もたくさん買っておこう、
自分はもっと素晴らしい人間になるべきだ、仕事でいっぱい成果をあげよう、もっと認められたい
友達もたくさんいたほうがいい、旅行もたくさんすべきだ、
本だってたくさん読みたい、情報だっていっぱい仕入れなければ、寝る時間を削って朝活しよう、
子どもにはもっといい成績を取ってもらいたい、もっと子どもにお稽古ごとさせよう、
資産を最大限まで増やそう
こんな感じで、なんでもかんでもプラスしようとします。
モア・イズ・ベターの考え方です。
「もっと増やしたい」と思うものは人によって違いますが、この「もっとプラスしよう、上にいくんだ、上に」という考え方のせいで、ストレスをかかえてしまうんじゃないでしょうか?
よって、ストレスが多いときは、そのストレスの元を探し出し、逆の考え方をすればいいのです。すると、気持ちがラクになります。
足りないマインドを改善するには?⇒貧乏人の「足りないマインド」から金持ちの「たっぷりあるマインド」へ変換する方法。
足りないマインドを変える1つの方法として、ギバー(与える人)になることをおすすめします⇒あなたは与える人、それとも奪う人?:アダム・グラント(TED)
この記事も読んでください⇒お金がなくても豊かに楽しく暮らすたった1つの秘訣。
3.現状を受け入れる
最後におすすめしたいのは、現状をあるがままに受け入れることです。
Nさんは独身だから、老後の生活への不安が大きいのかもしれません。だから貯金や資産構築をがんばってしまうのでしょう。
ですが、家族がいれば、先が安心か、というとそんなことはありません。
日本では教育費にとてつもなくお金がかかるし、塾や学校に何年も行かせたわりには、なかなか子どもが経済的に自立しません。
学校に行かせすぎるから自立できないのかもしれません。
子どもがいる人のお金の心配も相当なものです。
その点、Nさんは、ご両親はすでに他界していて介護の心配はありませんし、世話をしなければならないお子さんもいません。
養うのは自分だけ。自分だけですから、この先、どうとでも、自分の好きなように生きていけます。
Nさんのお便りを読み、「うらやましい」と思う読者もたくさんいるはずです。
Nさんは、自分が持っているものに気づいてないだけなのです。
それに、独身だろうと、子どもがいようと、この先何起こることを、コントロールすることはできません。
万が一に備えて、みな貯金をするわけですが、完璧に準備しつくすことなんて誰にもできないのです。人には、将来起こることを予知する能力はないからです。
50代半ばで独身でも、60歳ごろ、しょうもない男性にひっかかって、全財産、しゃぶり取られる可能性だってあります。
どのみち、自分でコントロールできないことを、無理やりコントロールしようとするから疲れるのです。
現実的な線で、老後資金が充分たまっているのなら、それはそれでよしとして、日々を楽しむことに目を向けたほうがいいです。
完璧主義的な考えを手放してください⇒完璧主義を克服する7つの具体的な方法。
自分が人生でしたいことは何なのか、じっくり考えてみるといいでしょう。
貯金じゃないと思いますよ。
それからお金に頼るのではなく、もっと自分の力を信じてみてはどうでしょう? お金があろうと、なかろうと、Nさんは、この先、何があっても大丈夫なのです。
せっかく自分で何とかできる力があるのに、お金に頼りすぎているから、その力を発揮できないのです。
こちらはお金がなくて心配している人へのアドバイスですが、基本的な考え方は同じです⇒お金の心配で疲れているあなたに。経済的な不安を手放す方法。
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今回は、お金の心労が絶えないNさんの質問に回答しました。
お金中心の世の中だから、お金にふりまわされてしまうのも無理はないかもしれませんね。
ですが、自分の人生の中心はあくまで自分なのです。