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片付けが苦手な小学校4年生の息子さんに関する相談をいただきました。
ちゃんと片付けるようになってほしい、という主旨です。
今回はこの質問に答えますね。まずメールをシェアします。トロさんからです。
息子の机のまわりはゴミだらけ
件名: 息子の机が片付きません。子どもにわかりやすく「捨てる技術」を身につけてもらうには、どう教えたらいいでしょうか?
いつも楽しみに見ています。
2018.06.3の記事で「ガラクタを捨てられるようになった」と載せてもらったトロです。
あれから、時々休憩しながらも、日々行動しています。
今は、コントロールジャーナルを作成したり、「1000個捨てチャレンジ」をしたりしています。現在55個捨てたところです。
筆子さんに質問です。
子どもに、わかりやすく「捨てる技術」を身につけてもらうには、どう教えたらいいでしょうか?
我が家は3人きょうだいで、上の2人に子ども部屋として1室、勉強机を2つ並べて与えています。
上の子(小6)はきれい好きで、勉強机や周りを整理整頓して使っているのですが、真ん中の子(小4)の机は、モノが散乱し、机の引き出しは開けっ放し、周りもゴミだらけなんです。
引き出しの中は壊れたおもちゃから、紙切れ、プラスチックのスプーン、大量の使いかけの短すぎる鉛筆など、私からみたら「ゴミ」ですし、使っていないでしまっているだけなのに、本人は「すべて大事、捨てられない」と言っています。
明らかに「それって必要?」なモノなのに、「これいらないんじゃない?」と聞くと、「これはいる!! 工作にいつか使うかも」とか言って、捨てようとしません。
そして、自分が管理できないくらいモノが多いせいで本当に必要なもの(宿題プリントや名札など)をよくなくして、「一緒に探してー」と泣いてお願いしてきます。
「こんな散らかった部屋には友達が呼べないから片付けて!」と、上の子が言ったり、「探し物があるなら片付けながら探しなさい!」と、私が見かねて言うと、捨てずに引き出しにすべて押し込んで、きれいに片付いている風にはできます。
でも、案の定、次の日には散らかってしまいます。
自分に管理できるだけの「モノ」を持ってほしい。
子どもですから「遊び」の部分はあるのは当然ですが、できれば、「これは使っていないし、いつか使うかも!のいつかなんてこない」という風に思ってもらいたいと思っています。
今日、私は、映画『365日のシンプルライフ』を参考に、息子と一緒に机の中の物を全部袋に詰め込み(本人も認めるゴミだけ捨てました)、「いるものがあったらここから出してね」と言って、机を空っぽにしました。
夏休みの宿題のプリントを早々となくしてしまって、私が怒って思いついてしたという感じです。(ちなみに、プリントは机の上から見つかりました。モノが多すぎて探せなかった模様)
夏休みの間、そうしようと思っています。
きっと息子は、その袋からほとんどモノを出さないと思います。それは、あれば使ったり、遊ぶけど、なければ思い出すこともない、大切ではないであろうガラクタだからです。
でも、夏休みが終わって、使わなかった袋の中のモノはどうする?と聞いたら、「全部いる!」というと思うのです。
たとえガラクタだとしても、見るだけでうれしくなる宝物はあってもいいと思います。でも、存在を忘れた、今の息子には必要ないもの(短すぎる鉛筆、壊れたおもちゃ、キャンディーの空袋、読み切れない雑誌などなど)は、捨ててほしいのです。
他人を変えることはできないと筆子さんは言っていますが、片づけが苦手な我が子に、何か伝えられることはあるでしょうか?
トロさん、お便りありがとうございます。男の子が3人いるんですね。にぎやかで楽しそうですね。
息子さんは片付けが苦手だから、ちゃんと片付けられる人間になってほしい、どうしたらいいか?
という質問ですよね?
私ならこうする、ということを以下にお伝えします。
1.子供はべつに片付けられなくてもいい
息子さんのくしゃくしゃな机は、彼にとっては、とてもなじみのある世界であり、アイデンティティみたいなものです。
それを無理やり変えさせようとがんばる必要はないです。
子供は、毎日いろいろな体験をしながら、世界の見方や価値観を育んでいます。日々成長しているわけです。
時期が来たら、「机の中がぐしゃぐしゃだと探しものが多くて、効率悪いかも?」「ママの機嫌が悪くなるから、片付けといたほうがめんどくさいないかも?」ということを勝手に学んでいきます。
たいていの人は、たとえパーソナルスペースがくしゃくしゃでも、会社の机のまわりはそれなりにきれいで、ほかの人と協力して仕事ができる大人になります。
散らかして、怒られたり、兄弟げんかしたり、失くしものして焦ったりしているうちに、だんだん片付けられる人になるわけです。
成長のスピードは人によってまちまちだし、興味の対象も人によって違います。
なかには、近藤麻理恵さんみたいに、5歳のときから主婦雑誌の収納記事を読むのを楽しいにしていた、という人もいますが、これはむしろ特殊な事例でしょう。 子供というのは、散らかす生き物なのです。
そのうち、片付けられるようになるので、今から捨てる技術を教えておきたい、なんてあまり心配しないほうがいいんじゃないですか?
息子さんは真正ゴミは捨てられるようなので、命にかかわるわけでもないですしね。
2.自分の価値観を押し付けすぎない
親は、子供にいろいろなことを教える存在ではありますが、あまり自分の価値観を押し付けないほうがいいです。
本人がさまざまな体験から自分で学んでいくのが理想です。
トロさんの前のお便りはこちらで紹介していますが⇒部屋は一見きれいだが、実はたくさんのガラクタを収納していた。筆子ジャーナルの使い方、、トロさんは、もともときれい好きな方ですよね?
しかも、「いつか使うかもしれない」と思っていた物がガラクタだと気づいて、がんがん捨てるのが楽しい時期にいらっしゃるのだと思います。
そのため、他人のものが必要以上にガラクタに見えるんじゃないでしょうか?
「存在を忘れた、今の息子には必要ないもの(短すぎる鉛筆、壊れたおもちゃ、キャンディーの空袋、読み切れない雑誌などなど)は、捨ててほしい」と書かれていますが、こういう物が、息子さんにとってガラクタだと決めつけるべきではないです。
こちらの記事に書きましたが⇒親と一緒に断捨離するとき、もっとも重要なこと、何がガラクタかは本人が決めることなのです。
もちろん、子供は片付け方を知らないから、ぬいぐるみやゲームがたまりすぎたら、「これはもう遊んでないし、ちゃんと遊んでくれるお友達にあげようか」と提案したりするのはいいと思います。
けれども、「私は息子のためを思って提案しているのか? それとも単に自分がガラクタを見たくないから、捨てさせようとしているのか?」と考えてみるべきです。
自分本位になりすぎないように気をつけてください。
この記事の⇒家族のガラクタが邪魔。そんな時平和的に断捨離を進める5つの方法「3.最適な片付け方は人によって違うことを忘れない」をお読みください。
3.まず自分の物の片付けにフォーカスする
お子さんに何か伝えたいことがあるなら、口でがんがん言うより、身をもって示すのが一番です。
家族が物をためこんで困る、散らかし魔で迷惑している、という質問をされる方に毎回言っていますが、まず、自分の物を捨てることにフォーカスしてください。
子どもは親の背中を見て育つといいますよね。これ、本当ではないでしょうか?
親がいつも、余計な物をためこない生活をしていたら、その姿を見て、「ああ、こういうスッキリ生活っていいな」という価値観をもつと思います。少なくとも、そういう生き方もある、と学ぶでしょう。
だからといって、今すぐ片付けるようになるとは言いません。
そした価値観にそった生活をするまでには、時間が必要です。
お子さんのことは長い目で見守りつつ、まずは、ご自身の生活をシンプルにすることを目指してください。
関連記事⇒家族に片付けを促す一番いい方法は、自分ができることにフォーカスすること。
4.子供が片付けやすい環境にする
1~3のポイントを踏まえたうえで、お子さんの物が散らかりすぎないように、環境を整えてください。
たとえば、こんなことをしてみては?
物を与えすぎない
まずできるのは、物を与えすぎないことです。
物が多いから散らかるわけです。散らかしてほしくない、と思ったら、できるだけ物を与えないことです。
おもちゃや雑誌を与えすぎていないか、振り返ってみてください。
おもちゃについて⇒子供のおもちゃが増えすぎて片付かない?極論を言えば買ったおもちゃは必要なし
定期的に一緒に片付けをする
毎週1回、年に2回など、定期的に一緒に片付ける時間をもうけると、物が増えすぎないので、散らかり度合いもましになります。
毎晩、リセットできるなら(床に落ちているものを拾ったり)そうしてもいいですが、抵抗するなら、週に1回、土曜の朝に片付ける、というふうにしてはどうでしょうか?
年に2回の大片付けは、誕生日の前後、お正月の前後、夏休みや冬休みなどの長期の休みの間がいいと思います。
片付けるときは、一緒にやってください。
参考記事⇒ぬいぐるみの捨て方。連休中に子供とやる断捨離プロジェクトにおすすめ
ゲーム化
子供はゲームが好きです。「床に落ちてるものを拾いなさい!」と言うよりも、タイマーを5分にセットして、「5分でどれだけ拾えるか、やってみよう!」と促した方が、喜んで片付けをします。
ほかにも、子供が楽しいと思えるゲームにできそうなことがあったら、積極的に取り入れてください。
片付けやすい環境にする
物のしまい場所がなかったり、あっても片付けにくかったりすると、物が散らかるのは大人でも同じです。
息子さんの生活ぶりをチェックして、できるだけ片付けやすい環境にしてください。
参考記事⇒物をしまいやすい収納にする5つのコツ。片付け方を変えて汚部屋脱出。
小さな片付けプロジェクトをやらせてみる
小さな子どもにとって、つねに自分の身の回りをきれいにしておくことは、荷が重いことです。
大人でもこれができずに、自分の部屋がくしゃくしゃな人は、たくさんいます。
そこで、年齢に応じた、ごく小さな片付けプロジェクトをやらせて、スキルをつけていきます。
たとえば、
・学校から帰ってきたら、ランドセルを置くべき場所に置く
・脱いだ靴をそろえる
・読んだマンガをちゃんと本箱に戻すようにする
こんな小さなプロジェクトです。どれか1つだけを(全部やらせようとしない)ターゲットにして、ちゃんとできるようにトレーニングするわけです。
お手伝いとして、何かタスクを与えるのもいいと思います。
ご飯の前にみんなのお茶碗を並べる、とか、新聞を取ってくる、といった小さなお手伝いです。子供は任せられるとうれしいと感じるし、うまくできると自信もつきます。
こうしたことを積み重ねることによって、責任感が育まれ、自分の環境を整えることができる人になっていきます。
☆関連記事もお読みください☆
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子供の物を捨てたいママに。子供と楽しむシンプルライフに関する記事のまとめ(1)
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トロさんの上のお子さんは、きれい好きだそうですが、ティーンエイジャーになったら、部屋がくしゃくしゃになるかもしれません。
子供は(大人もそうですが)、ずっといまのまま、ということはないですね。
私の弟は小学生のとき、きっちり整理整頓するタイプでした。
以前も書いた気がしますが、私は小学校4~5年あたりまで、弟と部屋(畳敷き)をシェアしておりました。弟は寝る前に、着ていた服をきれいにたたんで枕元に置いていました。
私はそのへんに脱ぎっぱなしだったので、よく父親に叱られました。
ところが、そんなふうに几帳面だった弟も、高校のときは部屋を散らかしていました。
牛乳瓶を持ったまま、昼寝していたこともあります。
子供の成長には、紆余曲折があります。長期的視野に立ちつつ、日々を楽しみながら過ごすことができるといいですね。