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私の父はとても頑固で、物を捨てないため、実家の断捨離が進みません。どうしたらいいでしょうか?
この質問に回答します。
まずメールをシェアしますね。おたまじゃくしさんからいただきました。
紙を捨てない父
件名:実家の断捨離にめげそうです。
戦時中を知っているからか、溜め込みアンの頑固者です。
最近は少しずつ物忘れも増えています。
汚家は探し物が増えるし、精神的ストレスなので、うつや認知症にもなりやすいと感じています。
部屋がとにかく汚いです。
紙が地層のように部屋に20センチ位積み重なり、転びやすいので動線を確保しないと危険な状態です。
ヘルパーさんに水回りの掃除に入っていただき、本人の抵抗が大きい部屋の掃除は私が週に1回通って断捨離しています。
新聞の切り抜きからレシートまで、さわるな、捨てるなと、抵抗されます。
今日は家計簿転記の終わったレシートを捨てるよう伝えると、買った物がいつ買ったか判断するために置いている。と父は言い訳して、猛暑のなかコタツの周りにポイと置きました。
賞味期限は商品に書いてあるよ、と伝えましたが、書いてないこともある(多分自分で取り出したりもするのでしょう)し、こんな風に一覧で書いてある物はない。と主張していました。
不潔過ぎて嫌になります。
死んだら全部捨ててスッキリできるのになぁと思ってしまいます。ネズミの死骸の処理もしました。
少しでも快適に老後を過ごしてもらえたらと思って、週に1回1時間だけですが、お惣菜を持って行って、頑張って断捨離しています。
特に紙類、書類、情報系は、本人の抵抗が大きく、捨てられないようです。
実際、確定申告に使用するレシートもあります。確定申告をやりきれていないようで、遅れて提出したりやり残しが余計不安を増やしているのでしょう。
新聞の切抜きなども、自由にスマホで検索できないからか、こどもの手をわずらわさずに、自分でやりたいのでしょうね。
必要な時はいつでも業者調べとか調べてあげられるのですが。手当たり次第切抜いて、コタツ周りに散乱しています。
本人の抵抗の少ない掃除や台所の物(施設入所した母親の物)などを中心に、本人に分からないように少しずつ運んで捨てたり、コレちょうだい、などと使うフリをして捨てたりしています。
姉も病的な溜め込みアンなので、かえって足手まといになります。
本人の意思表示ができるうちは、こうやって私が少しづつ捨てていくしかないだろうなと思っていますが、めげそうです。
お忙しいでしょうが、もしも筆子さんのアドバイスいただけるようでしたら嬉しく思います。よろしくお願い致します。
おたまじゃくしさん、こんにちは。
メールありがとうございます。この暑いのに、片付けをがんばっておられるのですね。お疲れさまです。
おたまじゃくしさんのお父さん、私の夫に似てますね。
私の夫も、いろいろな紙切れを捨てずにたくさん持っています。
おたまじゃくしさんの質問ですが、どうしたら実家がきれいになるか? なのか、どうしたら、自分のストレスが減るか? なのか、それともその両方なのか、あいまいですが、おたまじゃくしさんのストレスを減らすためにできることをアドバイスしますね。
1.状況をコントロールしようとしない
お父さんの家や生活ぶりを自分の思い通りにしようとすればするほどストレスがたまります。
「まあ、好きなようにさせておこう」というスタンスでいれば、「めげそう」という気持ちは感じません。
親の価値観や生活の仕方を変えることはできないので、あまり、自分の思い通りにしようとせず、「できることだけやろう」という態度でいてください。
メールにもそう書かれていますよね?
お父さんが、紙ゴミの束にけつまづいて骨を折って入院したとしても、自業自得だし、紙ゴミがありすぎて、肝心の紙が見つからず確定申告ができないのも、本人の責任です。
お父さんは、物忘れが増えているそうですが、べつに認知症じゃないし、足腰もふつうに立つし(そうですよね?)、好きなようにやらせればいいのです。
おたまじゃくしさんのストレスが減れば、いいアイデアを思いつきますよ。
2.お父さんと腹を割って話す
おたまじゃくしさんは、「お父さんの部屋は汚すぎる」、「汚部屋に住んでいると、うつや認知症になりやすい」「お父さんが死んだら全部捨ててスッキリできる」、と考えいますが、この点について、お父さんに話をしたことがありますか?
もし話してないんだったら、一度、ちゃんと話をしたほうがいいですよ。
私は夫に「あなたが私より先に死んだら、あれもこれも、みんな捨てるからね。すぐにね。それがいやなら私より長生きするしかないわね」と宣言しています。
お父さんは、「自分が必要だから置いてある紙きれを、娘が勝手にさわったり、捨てようとする、いったい、なぜ、そんなことをするのだ?」と思っているんじゃないですか?
私は週に1度、こういう理由で、掃除に来ているのだ、こういう理由で、私はこれを捨てたいと思っているのだ、ということをしっかり伝えてください。
そのために、掃除や片付けする時間以外に、ただ単にお父さんと話をしたり、一緒にテレビを見たり、散歩したり、食事をしたりする時間をもっと取るといいでしょう。
そうすれば、お父さんの考えていることを、もっと理解できるし、お父さんのほうも、おたまじゃくしさんの考えていることがわかって、もっと断捨離に協力的になるかもしれません。
おたまじゃくしさんは、実家の遠くに住んでいるし、仕事が忙しいから、1週間に1時間しかお父さんのために時間を作ることができないのかもしれません。
それならば、遠隔でできる方法をつかって、コミュニケーションをとればいいですね。
電話とか、メールとかいろいろあります。
お父さんはスマホも持っておられるみたいだし。
母と断捨離をしていた時に気づいたのですが、「なぜ、これを捨てたほうがいいのか」「なぜ断捨離をするべきなのか」、その理由に本人が納得しない限り、抵抗は続きます。
いったん納得すれば、お父さんは、部屋をきれいに片付けるのを手伝ってほしい、と思うかもしれません。
これは、自分が断捨離をするときも同じですよね。
捨てられない人は、なぜ捨てるべきなのか、どうして捨てたほうがいいのか、腑に落ちていないのです。
3.もっとも重要な問題にフォーカスする
おたまじゃくしさんには、実家の断捨離をすることによって解決したい問題がいくつかあると思います。
もっとも重要な問題の解決にのみフォーカスして、ほかの細かいことは、「まあできたらいいかな」、ぐらいで取り組むと、そんなにストレスになりません。
「お父さんが元気でいてくれること」が、もっとも重要なことなら、命にかかわりそうなもの(部屋にある紙束でしょうか?)だけうまく壁際によせて、動線を確保して、あとは手をつけずにおけばいいでしょう。
こたつのまわりに紙切れが散っているし、押入れの中にも、どうでもいい物がたくさん入っているかもしれませんが、こたつのまわりを紙切れが取り囲んでいても、押入れの中がガラクタだらけでも、いきなり死んだりはしません。
いまは、自分の基準にあてはめて、あそこも、ここもきれいにしたい、と思っているから、ストレスがたまるのです。
4.自分以外の人に介入してもらう
自分1人で片付けず、お姉さんや親戚の人などと協力しながら片付けると、気持ちの負担が減ります。
「姉もタメコミアンだから、足手まといになるだけ」と書かれていますが、お姉さんは意外と戦力になるかもしれませんよ。
人間は、自分の物は、たとえゴミみたいな物でも、大事に思えてためこみますが、他人のものは、わりと何でもガラクタに見えます。
これまで、自分のことは棚にあげて、実家が汚い、義理のお母さんの部屋が物だらけだ、他人の家が片付いていない、などと訴えるお便りを何通もいただきました。
自分の家に物があることには気づかなくても、他人の家がガラクタだらけなことはよくわかるのです。
お姉さんも、お父さんの部屋を見れば、物が多すぎることにと気づいて、せっせと掃除するかもしれません。
あまり利害関係のない親戚に入ってもらってもいいかもしれませんね。
親子だと、関係が近すぎて、言わなくてもいいことを言ってけんかになりますから。
実家の断捨離に関する過去記事もどうぞ
似たような質問に何度も答えているので、いくつかリンクしておきます。
古くなった実家の解体にさいし、仏壇の処理をめぐって母と大げんかに。
家具が多すぎる実家に住む母親に断捨離してもらう方法←質問の回答。
70代の両親が物を溜め込んでいてゆううつです。どうしたらいいですか?←質問の回答
実家がゴミマンション化。片付けられない母親をどうしたらいいのか。
物をためこむ母親にスッキリ断捨離してもらう方法。実録・親の家を片付ける番外編
私の実家の断捨離体験⇒「実録・親の家を片付ける」のまとめ
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読者の質問に回答しました。
今回は書きませんでしたが、それとなく物が少ない生活のよさをお父さんに伝えるのもいいと思います。
親子で実家を片付けるドキュメンタリーとか、子供が皆巣立って、配偶者も亡くなったから、ダウンサイジングする高齢者の様子をルポした番組とか、いま、いろいろありますよね?
そういうのを一緒に見たりするといいかもしれません。
おたまじゃくしさんのお父さんは、妻が施設に入所した段階で、自分の将来について切実に考えたはずです。
「このままじゃまずいかもしれない」と思ったんじゃないでしょうか?
けれども「物を捨てて、シンプルにすれば、暮しが楽になるし、老後の生活も充実する」ということに気づいていないのでしょう。
「減らせば楽になる」ということに気づいていない人、まだまだたくさんいます。
それでは、あなたも感想や質問などありましたら、お気軽にお寄せください。お待ちしています。