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「思い出の品」の増殖がはなはだしい。捨てる判断基準がよくわからない。そんな方のために、「思い出の品」を、残す物と捨てる物にわけるプロセスをステップ・バイ・ステップでお伝えします。
思い出の品には感情がからみついているので、一度に全部やろうとせず、少しずつやるのがコツです。
1.パッと見た時、それがなんであるのかわからないなら捨てる
思い出の品が入っている箱を1つ取り出してください。外側からだけでは何が入っているかわからないことも多いでしょう。
実用品ならば、中身を忘れている段階で捨ててもいいと思います。思い出の品が多すぎる人もこの段階で捨てても困ることはありません。
それができないなら、フタをあけて、ちらっと中を見てください。
それが何なのかよくわからないものは断捨離してください。
カゴの中にがさっと入っているものや、書類上になって山と積まれている場合も同じです。
ちらっと見て、その正体がわからない時はもう捨ててください。
この段階でできるだけたくさん捨てたほうがあとがラクになります。というのも、このあとは、1つ1つチェックする作業が発生するからです。
繰り返します。
なんだかよくわからない物はこの段階でみんな捨ててください。
2.実用品と純正思い出の品を区別する
「思い出の品物」入れに実用品が入っていたら取り出してください。
もちろん、今は誰も使っていないワープロを何らかの理由で、思い出の品として取っているのなら、それは思い出の品の範疇(はんちゅう)に入るでしょう。
ですが、いわゆる実用品は雑多な「思い出の品入れ」に混ぜてはいけません。実用品は使ってこそ意味があります。
使いやすい場所に置いてください。
何年もその箱に入っていたのなら、たぶんそれはもうガラクタです。使っていないのですから。断捨離してください。
3.思い出の品がもたらす感情を確認する
「思い出の品」と思っている、その品々が、本当に大事な思い出の象徴なのか、確認します。この作業は今回の肝です。
思い出の品物の入っている箱の中には、おうおうにして、昔使っていただけの物がまざっています。
「思い出の品」と「単なる古い物」がいっしょくたになっているのです。
別に大事な思い出を体現するからそれらを持っているのではなく、捨てることを先延ばしにしていたものがいっぱい入っているのです。
そこで、1つ1つ手にとって、思い出を確認する作業をしてください。
●これはそもそも何であるのか?
●これがあるとどんな感情になるのか?
特に強い記憶や感情を引き起こさないものは、「ただの古い物」ですから断捨離してください。
●その感情はポジティブなものか?
ネガティブなことを思い出すなら、捨てたほうがいいです。ポジティブな感情とネガティブな感情はしばしば表裏一体となっているので、決められないかもしれませんが。
見てて笑顔になったり、元気な気分にさせてくれるものを取っておいたほうがいいのではないでしょうか?
そういうものはこんな時に使えます⇒嫌な気分や落ち込みを2分で解消できる7つの簡単な方法。
私なら明らかにいやなことを思い出させる物は捨てます。
わざわざ思い出したくもないことを思い出させる品々は、この段階で捨ててください。
●その感情を思い出させるものは、これでなくてはいけないのか?
「8年前に家族とカリフォルニアのディズニーランドに行って楽しかった」。この気持ちを思い出したいがために、ずっと写真を持っていたとします。
しかし、その気持ちを思い出すために、50枚も100枚も写真は必要ないです。特に好きな写真1枚だけを残せばいいのではないでしょうか?
●その感情は、物がなければ思い出せないのか?
「10年前、子供がクリスマスのプレゼントにスノーマンのついたツリーのオーナメントをくれてうれしかった」。この気持ちを残すために、ツリーはとうの昔にこわれたのに、オーナメントを持っていたとします。
ですが、その気持ちはオーナメントがないとよみがえらないのでしょうか?スマホで写真を撮っておけば、その頃の歓びはいつでも簡単に思い出せるかもしれません。
●これがなくなると、私の人生は変わってしまうのか?
その「思い出の品」が自分の暮らしに本当に必要なのか考えてください。もしそれを捨ててしまったら、あなたの人生は崩壊してしまうのでしょうか?
このように1つ1つの物が体現している「思い出」の正体に関して、しつこく掘り下げてください。
これはめんどくさい作業です。
時には、懐かしい写真や文集、卒業アルバムに見入って、断捨離作業が横道にそれ、何も整理できないうちに、1時間ぐらいたってしまったりします。
ですから、できるだけ1番と2番の段階で数を絞っておくことをおすすめします。
☆「思い出の品」を捨てたほうがいい理由はこちら⇒なぜ思い出の品まで断捨離しなければならないの?その理由は4つあります。
4.自分にとって意味のあるものだけを残す
「思い出の品」がもたらす「思い出」の正体を確認したら、次の確認作業に入ります。
捨てないと決めたその物たちは、はたして自分にとって意味のあるものなのか、考えてみてください。
私たちは、自分がそうしたいから物をキープするというより、そうしなければならないような気がするから、取っておくことが多いです。
なんとなく「思い出の品」は取っておかなきゃいけない、と思い込んで、ずっと持っています。
特に人からもらったプレゼントなんてそうですよね。大きくてかさばるものは、意外と断捨離できるのですが、小さなちょっとした物は、捨てそびれることがしばしば。
昔、子供がビーズで作ってくれた自分のイニシャルの入ったブレスレットとか、友達が旅行のおみやげとしてくれたパリのマグネットとか。夫に買ってもらったバッグとか。
さらに、多くの人は「思い出の品」は、昔の楽しかった記憶を思い出すよすがだから、大切なんだ、と思いこんでいます。
ですが、今、あなたの目の前にあるものは、自分にとって本当に意味があるものなのでしょうか?
「思い出の品」は昔の記憶や感情を再現させてくれるものですが、そのパワーは物にあるわけではありません。それを見て何かを思い出すのはあくまで自分です。
自分が、その物に「私に何か楽しいことを思い出させてくれるもの」という価値を与えています。
実用品であれば、物側が、自分にも他の人にも同等の機能を提供します。まあ、使いこなせないとか、自分には合わないという個人差はありますが。
一方、思い出の品は、自分にとってはすごく価値があるが、他人にとってはただの石ころ、という現象がしばしば起こります。
自分が勝手に、物に意味付けしているのです。
それはある意味美しいことです。
けれども、その意味付けによって、やたらと思い出の品が家の中に増えてしまい、居住スペースを圧迫したり、管理の手間を自分に強いているとしたら、自分で自分の首を絞めているようなものです。
その意味付けは、本当に根拠のあることなのか、今一度考えてください。これからもずっと、一定のスペースをそれに与えて、持ち続ける意味があるものなのか?
物がなくても思い出す方法はあります。品物の写真を撮ったり、思い出を文章にしたり、絵に描けばいいのです。
それに、これまでどこかに行ったことや、やったことをすべて覚えておく必要もありません。
☆思い出の品の捨て方、ライトバージョンはこちら⇒思い出の品をさくっと断捨離するコツ~6つの思考で今を生きよ
5.いつも手元に置きたいと思うものだけ残す
「思い出の品」は大事なものですから、事情が許せば、箱などには突っ込まず、家のどこかに飾りたいですよね?
ところが、おうおうにして、目障り、邪魔、そんな理由から、「思い出の品」として一緒くたになって箱に入れられるものがあります。
たとえば、子供の作文とか、連絡帳、自分が学生時代に使ったノートなど。
邪魔ならもう捨てたほうがいいです。
大事なものなら、邪魔だ、なんて思いません。自分が死んだら一緒に燃やしてほしいと思うのではないでしょうか?
邪魔だと思うのに取っておくのは、4番で書いたように、「なんとなく取っておかなければいけないから」という気持ちがあるからだと思います。
「こういうものって取っておくのが普通だよね」と勝手に思っているのです。なまじ、家の中に収納スペースが多いとこういう発想になりがちです。
邪魔だからとりあえずしまうのは、積極的に「思い出の品」とそれが体現している「思い出」を大切にする行為ではありません。なんとなく、状況に流されて、何でもかんでも、収納しているだけ。
捨てることを先延ばしにしているのです⇒片付かない理由は、収納という名の「決断の先延ばし」をするから
これを飾りたい、これについて語りたい、そんな気持ちが持てない「思い出の品」は断捨離候補と言えましょう。
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このぐらいしつこく「思い出」について考えると、大切なものはほんの少しで、ほとんどがゴミであることに気づくことができます。