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「断捨離し物欲が減り、家計簿もつけているのに何故か思ったほど貯金ができず、むしろマイナスで自分はダメな主婦だ、と家計簿をつける度にひどく落ち込み、しまいにはレシートの記入だけになってしまいました」
というメールをいただきました。
この方は、無駄遣いをやめる方法が書かれた本を読み、多少は心の平安を得られたようです。
しかし、このようは発想をしている限り、たとえ貯金ができても、また落ち込むと思います。
なぜか?
すっかり「足りないマインド」「自分は充分ではない」という考え方に陥っているからです。
「足りないマインド」については、以前も記事にしていますが、とても重要なことなので、改めて、この考え方をやめる方法をお伝えしますね。
復習:足りないマインドとは?
足りないマインドとは、足りないもの、できないこと、充分ではないことにフォーカスする考え方です。
「足りない」と考える傾向が強い人は、いつも、自分のできないことや、自分にはないもの、欠落しているものを探しています。だから、何をやるにしても、自分で勝手にハードルを上げ、自分で自分を苦しめてしまうのです。
きのうある方から作り置きのおかずについてお話をうかがう機会がありました。
日本では、ここ数年作り置きのおかずを作ることが流行っているそうです。
はじめは、作り置きのおかずがあると、忙しいときも「もう一品」をさっと出せて、便利、という動機で作り始めます。
ところが、中には、なぜか作り置きのおかずを作ることに異様にがんばりすぎて、土曜日や日曜日をまるまるつぶし、かえってストレスをためている人がいるそうです。
家事をラクにするために始めた、作り置きおかずプロジェクトのせいで、かえって自分は不幸になっているわけですね。
このようにふうにがんばりすぎてしまうのも、「自分はもっとしっかりおかずを作らなきゃ」「まだまだ、こんなんじゃだめ」と、まるで昔のスポ根ドラマやアニメの主人公みたいな発想をしてしまうからです。
おかず作りだけではありません。断捨離もそうです。最初に紹介した人のように、家計簿をつけたり貯金をしたり、節約したりということも同じ。仕事、家事、勉強すべてに言えます。
完璧主義なのか何なのか、自分で自分にプレッシャーをかけ、無理な目標をかかげ、それができないと落ち込んで、せっかく始めたことをやめてしまう人が少なくないのです。
それも、これも「足りない」と思っているから。
「私はだめ」「まだこんなんじゃだめ」「もっとがんばらなきゃ」と考えてしまうのは、実はとても恐ろしいことです。
先日、進路に関する相談をいただきましたが、この方のように、まだまだ遠い未来のことを心配してしまうのも、「自分はだめ」と心の中で思っているからです。
自分を信じることができたなら、この先、何か困ったことがあっても、自分でなんとか解決できる、と思えるので、先のことで思い煩ったりしません。
ずいぶん先の心配を今からしている人の話⇒自分の進路に関して上手に親を説得する方法←質問の回答
足りないマインドが初耳の人は過去記事をごらんください。
こんな考え方が貧乏を引き寄せる。お金がたまらない恐怖のマインドとは?
貧乏人の「足りないマインド」から金持ちの「たっぷりあるマインド」へ変換する方法。
足りないマインドがある以上、どんなに貯金があっても、どんなにおかずを作っても、どんなに断捨離しても、どんなに物を買っても、どんなにやせても、自分は不幸です。自分でどんどんハードルをあげてしまうのですから。
そこで、がんばりすぎたり、できなくて落ち込んだり、不安を感じたり、焦ってしまう、なんてことが多い人は、何よりも先に、「足りないマインド」を手放しすべきなのです。
それだけで、気持ちがラクになり、豊かな気分になります。
では、どうしたら、足りないマインドのワナにはまらないでいられるでしょうか?
上でリンクを貼った、「たっぷりあるマインドへの変換方法」を書いた記事には、以下の4つの方法を書いています。
– 断捨離する
– 言い換え練習
– マスメディアから距離をおく
– 自分が持っているものについて語る
今回は、別の角度から、足りないマインドを手放す方法を紹介します。
1.ほっとくと足りないマインドになることを知る
たぶん、人間は、何も意識していないと、足りないもの、充分でないものに目がいきます。
日頃の自分が考えていることを考えてみてください(これをメタ認知といいます)。
朝起きていきなり、「ああ、ゆうべはよく眠れなかった」と思い、「着る服がない」と思い、「きょうの会議、準備不足。プレゼンがうまくいかない」と思い、「いつもの電車に乗るのに間に合わないかも」と思い、「服と靴とバッグの色があっていない」「ヘアスタイルが決まらなかった」とうんざりしながら、駅に向かいます。
仕事中も、うまくいかないことを考えたり、先の心配をしている時間のほうが多いのではないでしょうか? 給料が支給されても、少ないと感じます。たとえ給料が多いと感じても、「私はこんなお給料をもらうのにふさわしい仕事をしていない」と思います。
帰宅後も朝と同じ調子です。生活費が足りないとか、子供の成績がよくないとか、夫が全然昇進しないどころか、むしろボーナスカットされて、住宅ローンの支払いがきついとか、最近掃除ができてないとか、おかずが貧しいとか、まあ、そんなことを考えます。
趣味で語学をやっているなら、すぐに単語を忘れるとか、いつまでたっても上達しないと悩みます。
このように、人は、無意識のままだと、足りないものばかりを探してしまう、ということを知っておいてください。
私だって足りないものやないものに目が行くこと、ひじょうによくあります。
関連記事⇒人はネガティブ思考を引きずるようにできている話と、そこから抜け出す方法(TED)
2.コントロールできないこと・不確かなことを受け入れる
次に心がけることは、自分ではどうしようもないことをなんとかしようとして、悩まない、ということです。
この世には、自分の力ではどうにもならないことがたくさんあります。
先のことは、誰にもわかりません。
この先、何が起きるかわからないけれど、それはそれでいい、私ならなんとかできるから、と思うようにしてください。
特に、断捨離中、「これを捨てると後悔しそう」という悩みが深い方におすすめの考え方です。
自分にはコントロールできないことに、エネルギーを注がないほうがいいです。
そうすれば、家族が断捨離の邪魔をする、という悩みは消えます。他人ではなく、自分の考え方や行動を変えるべきなのです。
家族を変えようとすると、自分がストレスをかかえる例⇒後片付けをしないだらしない夫とケンカせず仲良く暮らす3つの秘訣。
3.自分は大丈夫だと信じる
とにかく、理屈抜きで、「私は大丈夫なんだ」と思うようにしてください。
結局、「足りないマインド」を手放すには、「自分はもう充分やっている」「たっぷり持っている」と信じるしかありません。
誰が何と言おうと、大丈夫なのです。
作り置きのおかずの種類が、インスタグラムで人気の誰かに比べて見劣りすると思っても、そんなことは全然大したことじゃありません。
一品作るだけでも賞賛に値するではありませんか。
大丈夫だと簡単に思えない人は、以下の行動を心がけてください
- 人と比較するのをやめる⇒人と自分を比べるのをやめる方法。比較をやめれば物を減らせる。
- 感謝する⇒幸せになる最強の方法、感謝する気持ちがうむ7つの効果。
– できたことに目を向ける
たとえば、ずっと家計簿をつけたい、と思っていたけど、なかなかできなかった人が、とうとう家計簿をつけ始めることができ、しかも、しばらく継続できたのなら、それだけで素晴らしいことなのです。そこに光を当ててください
このほかに、瞑想や運動も、マイナス感情を手放すのに有効だと言われています。
- 瞑想のやり方の例⇒『必要なのは10分間の瞑想だけ』~物より心が大切です(TED)
運動は、リズム運動がよいそうです。
- ウォーキングなら手軽に始められます⇒ウォーキングを開始して楽しく歩く4つの工夫:メリットとコツを知り継続する
- 私はスロージョギングをしています⇒50歳の私がスロージョギングを始めたらみるみる健康に~そのメリットとは?
4.合言葉はレス・イズ・モア
たまには、レス・イズ・モアという考え方をしてください。
レス・イズ・モアとは、少ないほうが、豊かである、という考え方です⇒レス・イズ・モア(Less is more)の真の意味とは?何もない部屋に住むことがミニマリストの目的ではない
モア・イズ・ベター(More is better より多いほうがよりいい)と思っていると、足りないものが次々と出てきます。
おかずはもっと作ったほうがいい、物はたくさんあったほうがいい、貯金はもっとあったほうがいい、
家はもっと大きいほうがいい、服もいろいろあったほうがいい、いろんなコーディネートをしたほうがいい、
お稽古ごともたくさんやったほうがいい、おまけはたくさんもらったほうがいい、友だちは多ければ多いほどいい、フェイスブックの「いいね!」の数もあればあるほどいい。
こんな発想をすることが多いなら、たまには、「少ないほうがいいんじゃない?」と考えて、実際に控えめにやったり、いつもより少しだけ減らしてください。
洋服の数を減らしたり、使う調味料の数を減らしたり、タスクを減らして、ゆったりしたスケジュールにしたり。
生活全般のシンプル化やダウンサイジングを試みると、ごく自然に「レス・イズ・モア」の良さがわかってきます。
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快調なときはいいですが、焦っていたり、不安なときは、「足りないマインド」になっていないか、振り返ってみるといいです。
たいていの場合、自分で問題をややこしくしていることが多いのです。
「自分は大丈夫、これで充分」と思うことは、ときに大きな勇気がいるし、恐怖心に打ち勝つ必要もあります。そんなに簡単なことではないかもしれません。
「足りないマインド」は完全には手放せないでしょう。それでも、時々、「あ、私、また、『足りないちゃん』になってるじゃん」と気付き、軌道修正をするだけでだいぶ違います。