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一般人が、環境によいことをしたいと思ったとき、真っ先にできるのがゴミを減らすことです。
この記事では、ふだん、生活していくことで手一杯で、あまり環境について考える余裕がない、と思っている人でもやれることを7つ紹介します。
1.)5Rを意識する
自治体のホームページを見ると、循環型社会(有限な資源をできるだけ効率的に利用し、一度使用した資源を、再生産させながらまわしていく社会)にするために、5Rを提唱しているところが多いです。
ふだんの暮らしでこの5Rを意識すると、おのずとゴミは減ります。
5Rとは、
recycle (リサイクル、再利用):一度商品として社会に出て、それなりに役割を果たしたものを、べつのものに作り変えてまた使うこと。
たとえば、ペットボトルをほかの物に作り変えて使うなど。
reduce(リデュース、減らす):消費を減らすこと。よけいな物を買わないこと。
reuse (リユース、再利用する):あるアイテムを何度も使うこと。
refuse/reject(リフューズ/リジェクト、断る):環境に負荷のかかる商品を使うことを拒否すること。
repair/reform(リペア/リフォーム):物を修理しながら、できるだけ長く使うこと。
従来の、大量生産・大量消費・大量廃棄型のライフスタイルを変えてしまえば、おのずと循環型になります。
一度に、5つ全部やろうとせず、今月はリサイクル、来月はリデュースと、月ごとにターゲットを決めて実行するといいでしょう。
2.)使い捨て商品を使わない
1回使ってすぐ捨ててしまう商品を、できるだけ使わないようにすると、ゴミが減ります。
リサイクルできる物でも、新しい物に作り変えるとき、新たにエネルギーが必要だし、コストがかかります。輸送も必要です。
物によっては、捨てて燃やしたほうがコストがかからなかったりもします。
なので、たとえリサイクルできるものでも、最初から使わないのがベストです。
たとえば、ペットボトルは便利なものですが、べつにそれを使わなくても生活できるときは、使わないにこしたことはありません。
ゼロ・ウェイスト(ゴミなし)生活の始め方。1回しか使わない物の使用をやめてみる。
3.)キッチンで極力プラスチックを使わない
家の中でもっともゴミが出るところはキッチンです。
まず、台所のゼロウィエスト化を目指すと、家全体のゴミも減ります。
やれることはいろいろありますが、プラスチック製品の使用を控えることから始めてみてはどうでしょうか。
たとえばプラスチックラップや、ジップロック袋など⇒サランラップは使わない主義~ラップの代用品の工夫とアイデア
サランラップがないと、食品を冷凍するとき困るという声がありますが、ゼロ・ウェイストの人たちは、みなガラスのジャー(ふたつきの広口びん)を使って冷凍しています。
瓶の口までいっぱいに入れないようにすれば、ふつうに冷凍できます(フリーザーをガラス瓶だらけにすると、扉をあけたときに落ちてくる危険があるので、入れすぎないでください)。
パンは、布袋に入れればいいです。長期間冷凍しないなら、ワックスペーパーや紙袋でもいいでしょう。
もちろん、専用のガラスの器があるならそれを使ってもいいです。
ジップロックはとても便利ですが、ジップロックじゃなくてもいい場面ってありますよね?
昔、お菓子を作っていたころ、ジップロックコンテナに生地を入れて、電子レンジで加熱して作る超時短ケーキや、レンジで作るシナモンバンのレシピを試したことがあります。
一応ケーキやパンができましたが、オーブンで焼いたほうがずっとおいしいです。
何かをやろうとするとき、手間をかけないことや、時間をかけないことを追求すると、たいてい環境に負荷がかかります。
最初からそれをやらないか、やるなら、手間と時間をかけたほうが、循環型になります。
4.)細々とした物をもらわない
街のさまざまなところで配布される細かいものはいっさいもらわないようにします。
たとえば、名刺、チラシ、パンフ、記念品のボールペン、コンビニの弁当やスイーツについてくる箸、スプーン、ファストフード店でもらうストロー、ナイフ、フォーク、調味料の小袋、コスメのサンプル、おまけのおもちゃ。
紙類はべつにして、ほかはほとんどプラスチックです。
おまけは余分なものですから、たいてい使いません。
使わないまま、家庭で長期間保管されたあとゴミになるか、ちょっと使っただけですぐだめになってゴミになるかのどちらかでしょう。
すぐにゴミになるものをもらうのをやめれば、当然ゴミは減ります。
皆がこういう物をもらわないようになれば、企業も、別のプロモーション方法を考えるでしょう。
5.)使う種類を減らす
種類を減らすとは、同じ機能のものなのに、用途が少しずつ違うものをたくさん使わないということです。
たとえば、家庭で使う洗剤(洗浄剤)は、人間用、住宅用、衣料用と3種類にわかれますが、人間用のものだけでも、使う部位によってずいぶんいろいろあります。
シャンプー、リンス、コンディショナー、クレンジングフォーム、洗顔石けん、体用の石けん、ボディシャンプー、歯磨き粉。
体用だけでこんなにあります。住宅用、衣料用の洗浄剤も多種多様です。
このようにどんどんふくれあがっていくアイテムの種類ををできるだけ減らすようにすると、ゴミも減ります。
洗浄剤はたいてい、プラスチックのボトルに入っていますから。
よく考えてみると、そんなにいろいろな種類を使い分けなくても、基本的なものをいくつか持つだけで十分生活できます。
エコクリーニングを取り入れると、劇的にアイテムを減らせます。
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6.)リアルフードを食べる
リアルフードとは、本物の食べ物、つまり、原材料が1つだけの食べ物のことです。
じゃがいも、りんご、米なんかがそうです。野菜、果物、ナッツなど収穫されたままの形で買ってくる食べ物がリアルフードです。
肉は牛をそのまま買ってくるわけにはいかないので、切って売られていますが、リアルフードです。
要するに、昔の人間が何千年も食べてきた食品のことです。
こういう物を意識して食べるとゴミが減ります。
リアルフードでないものは、加工食品ですが、加工食品はたいていパッケージに入っています。個別包装されたお菓子なんて食べてしまったら、すごくゴミがでます。
人によっては、箱がかわいいから捨てられないと言いながら、ゴミをしまいこんだりします。
もちろん、リアルフードを食べたほうが健康にもいいです。
私が子供のころのおやつは、りんごや干し芋など、たいていリアルフードでした。
いつもおやつに加工食品を食べている人は、週に1度はリアルフードにするとか、週末はリアルフードにすることから始めると、体調もよくなるでしょう。
7.)買いすぎない
断捨離をしている人ならわかるでしょうが、買いすぎてしまった物が、使われないまま、家の中でゴミになります。
ということは、最初からいらない物は買わなければいいのです。
大量に買うから、大量のゴミが出ます。
ものすごく単純なことですが、現代人の多くはこれができません。あらゆる機会を見つけて、買い物をするのがクセになっていますからね。
シンプルライフをめざしている人でも、手持ちの物をグレードアップさせて(つまり新しい物を買って)心地よい生活を追求したいという発想をします。
そんなことをすると、まだ使える手持ちの物がゴミになってしまいます。
買いすぎない暮らしは、そのままゴミがでない暮らしになりますから、買わないことを意識してください。
買わないほうがいいもの
以下の物は必要じゃない限り、あまり買わないほうがいいです。
・環境に大きな負荷をかけて作られている物
ファストファッションなど⇒服の使い捨てをうながすファストファッションの罪。
・捨てたあと、循環させにくい物
プラスチック製品一般。
プラスチックのメリットは、簡単にいろいろな形に変えることができることなので、意外なところに使われています。
ちょっと高級な紅茶で、ピラミッド型のティーバッグが使われていることがあります。
テトラ型と呼ばれるティーバッグですが、従来のディーバッグよりも、大きめの茶葉を入れることができるし、中で茶葉がゆったり広がるから、おいしい紅茶が抽出できます。
しかし、このティーバッグは、ナイロンや、ポリエチレン(PET樹脂)で作られていることが多いので、そのままプラゴミになります。
そのティーバッグが紙かどうかは、破ってみればわかります。
私がいま飲んでいるハーブティのティーバッグは紙製です。
ティーバッグを使うなら、このように、ひももタグも糸もホッチキスもついてない紙製がベストです。
飲み物で思い出しましたが、コーヒーカプセル/カフェポッドとよばれる、1杯分のコーヒーが入っている製品が近年人気です。
専用のマシーンにセットしてボタンを押すだけで、おいしいコーヒーができあがりますが、このカプセルはプラゴミを増やすだけです。
ゴミを増やしすぎるので、ドイツでは、2016年に公共のビルでのコーヒーカプセルの使用が禁止されました。
カナダでは、このカップはリサイクルできます。ふた部分のアルミホイルをとって、中をきれいに洗い、リサイクル用のゴミ袋に入れろと指示されています。
でうが、小さくて軽いので、捨て方が甘いと、簡単にそのへんに転がっていくんじゃないでしょうか。
・マイクロビーズの入っているコスメ
マイクロビーズは、直径が0.5ミリ以下のプラスチック粒子で、化粧品や歯磨き粉に入っています。スクラブ剤、ボディウォッシュ、洗顔料だけでなく、口紅などほかのコスメにも使われています(海外では規制されつつあります)。
マイクロビーズは海洋汚染の元で、プランクトンと間違えて魚が食べてしまいます。
昔のスクラブ剤は、くるみやアプリコットの種など、天然のものを使っていましたが、最近はマイクロビーズを使っている商品が多いです。
そのほうが安価だからです。洗顔料の原材料のところに、「高融点ポリエチレン未」「ポリエチレン」「ポリプロピレン」と書いてあったら、それはマイクロビーズの可能性が高いです。
日本の大手の化粧品会社は自主規制しつつあります。花王のサイトを見たら、「2016年末までにすべて代替素材に切り替えました」と書いてありました。
つまり、それ以前は使っていたわけです。古い化粧品を持っている人は気をつけたほうがいいでしょう。
目や口から体内に入ることもあり、人体にもよくありません。
まあ、一般に化粧品は人体にも環境にもよくありません。
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ゴミを減らす方法を7つ紹介しました。
7つのうちで、もっとも簡単で、すぐにできることは買いすぎないことです。
何もしなくていいのですから。