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1日中、断捨離のことを考えているのに、物を捨てることができないと苦しんでいる読者の質問に回答します。
まず、メールをシェアしますね。自らを断捨離マニアだと呼ぶ、か那こさんのお便りです。
捨てたいのに捨てられない
件名:断捨離という呪いから助けてください。
初めまして、断捨離マニアの ”か那こ” と申します。
断捨離を本格的に初めて約3週間が経ちます。
寄付をしたり、フリマアプリを使用して、元の6割くらいの荷物は処分できましたが、残りの中途半端なものに対する判断が出来なくなってしまいました。
断捨離エネルギー切れでしょうか。
断捨離を終わらせたくて本やサイトを調べ始めたがために、朝から晩まで断捨離のことばかり考える生活になり、断捨離の呪いにかかった、と自分で感じています。
終わらせたいのに、終わらない。
進みたいのに、進めない、、
このようなモヤモヤ期(呪い)を突破する方法はありますでしょうか。
お忙しい中大変恐縮ですが、お答えいただけると幸いです。
か那こ
か那こさん、メールありがとうございます。
呪われてる、と感じるのは自分の勝手な思い込み
お便りのタイトルが、「断捨離の呪いから助けてください」ですから、まず、この点について私の考えを述べます。
「呪い」という言葉の使い方が間違っているような気がします。「呪い」とは「呪うこと」です。
「呪う」とは、誰かに災難がふりかかるように、神仏に祈ったり、特殊な呪術法を用いたりすることです。たいてい人間が別の人間(恨みや憎しみを抱いている人)に対して、呪います。
断捨離は、たんに不用品を捨てたり、いらない物が家に入ってくるのを避けたり、執着から離れることです。「ある行為や考え方」にすぎないので、断捨離自体に人間を呪うことなんてできません。
断捨離の定義を知りたい方はこちらをどうぞ⇒ミニマリスト、断捨離、シンプルライフの違いを探る
よって、「自分は断捨離に呪われている、というのは、か那こさんの思い込みにすぎません。しかも、かなり馬鹿げた思い込みです。
その思い込みを捨てさえすれば、「呪われてるぅ~~~。やだ~~~っ」なんてストレスを感じなくてすみます。
お便りを拝見した限り、たんに捨てやすいものを捨て終わった状況にいるだけだと思います。残っている物は、か那こさんにとって捨てにくい物ばかりだから、捨てられずに止まっているだけじゃないですか?
視点を変えれば、簡単に捨てられると思いますが、捨てる必要があるかどうかは私にはわかりません。
大事な物やいま使っている物まで捨てることはないですからね。
か那こさんには以下のことをおすすめします。
1.片付け本や断捨離本を読むのをやめる
実は、か那こさんのメールには、引用してほしくない部分として、自己紹介が書かれていました。
それによると、か那こさんは28歳で「片付け・断捨離系の本のほとんどは読破」されたそうです。
そういう本を読みすぎるから、片付けられないんじゃないですか?
いろいろなノウハウを頭に入れすぎて、迷ってしまいますから。先日も書きましたが、アナリシス・パラリシス(分析しすぎて行動できない状態)に陥ってしまうのです⇒他人と比較する文化を超越して生きろ(TED)
どうしても、片付け本を読みたいなら、「これだ!」と思う本を数冊だけ、何度も読んだほうがいいと思います。
私自身は、物を捨てるとき参考にしたのは、実質3冊だけです。
吉本由美さんの本⇒吉本由美の「一人暮し」術が、シンプルライフの参考書として威力を発揮した事情
中古本で買ったこれ⇒断捨離生活のモットーは『収納』するより『捨て』なさい:ミニマリストへの道(12)
カレン・キングストンの本⇒『ガラクタ捨てれば自分が見える』で衝撃のスペースクリアリングに出会う~ミニマリストへの道(20)
近藤麻理恵さんの本も読んでいますが、彼女の本を読んだときは、もう大方捨て終わっていました。
片付け本を読むことと、実際に片付けることは、2つのまったく違う行為です。
情報を仕入れることにエネルギーをかけすぎているから、捨てるほうにまわすエネルギーがないのだと思います。
こちらにも同様のことを書いています⇒いくら断捨離本や片づけ本を読んでも部屋が片付かない本当の理由
2.一歩下がって捨てられない理由を考える
明らかなゴミを捨てるのは簡単ですが、そうでない物を処分したいとき、人はいろいろなことを考えるものです。
「まだ使える物」「いつか使うかもしれない物」「思い出のある物」「値段が高かった物」など、一見、ガラクタに見えない物を捨てようとするとき、さまざまな思考が浮かび、思いもよらない感情や記憶が押し寄せてきます。
人は、物を手放すのが嫌いなので、そうした考えは、「いまは捨てない言い訳」を作り出します。
人は失うことを本能的に嫌う話⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる
すると、「捨てたいのに捨てられない状態」になります。
本当に捨てたいなら、そうした言い訳を断ち切る必要があります。そのためには、自分が考えていることを自分で検討する必要があります。
一歩下がって、なぜ自分はそんなふうに考えるのか、その点を考えてみてください。その考えは客観的に見て妥当なのか、いまの自分が採用すべき考えかどうか検討します。
その考えは自分の考えなのか、それとも他人(親、友人、メディア)が言っていることなのか識別するのも重要です。
3.気分転換をする
1日中、断捨離のことを考えているそうなので、煮詰まっていると思われます。
そんなときは、気分転換をしてください。
おすすめの方法は、外に出て自然を見ることです。空、月、樹木、池、湖、海、花などを見てください。
人間は、自然からパワーをもらうことができます。
木や花は、よけいなことを考えず、自分のいる場所でただ自分であり続けているだけです。過酷な状況でも、自分であり続けるためにベストを尽くし、寿命が来たら、枯れたり散ったりします。
自分以外の何かになろうしていない、その潔さがいいと思いませんか?
1人でぼーっとするのもおすすめです⇒自分1人の時間を持つ5つの方法。時には他人の声や視線を断捨離する。
4.簡単なものからゆっくり捨てる
家に残っている物の中で、捨てるのが簡単そうなものからゆっくり捨てて下さい。
か那こさんは3週間で所持品の6割捨てたそうですが、一気に100%やろうとしないほうがいいです。
それは完璧主義ですから。
完璧主義の問題点⇒完璧主義すぎるといつまでたっても部屋が片付かない理由
一気にやるとリバウンドします。なんでもそうじゃないですか?
断捨離を始められない人にもおすすめしていますが、小さな場所にあるものを少しずつ捨てるほうがいいと思います。
こちらに書いてあるプロジェクトのどれか1つ、やってみてはどうでしょうか?⇒めんどくさいから片付けができない。そんな人におすすめの5つの簡単プロジェクト。
こちらの記事も読んでみてください⇒断捨離を成功させる5つのコツ。はじめてでやり方がわからない人向け。
5.長い目で見て、プロセスを楽しむ
物を捨てることで、自分は何を手にしたいのか、いつもその先を考えることをおすすめします。か那こさんは、まだ20代でお若いですから、先は長いです。
あせる必要はなく、のんびりシンプルライフを構築していけばいいのではないでしょうか?
断捨離は、自分がしたい暮らしに近づくための方法論、またはツールだと私は考えています。
捨てること自体が究極の目的ではありません。
仮に短期間のうちに、持ち物を9割ぐらい捨てたとしても、それは単に家の中のものが減っただけで、自分はたいして変わっていません。
不用品をごっそり捨てたのに、頭の中はガラクタ思考でいっぱいだ、という人もたくさんいます。
そんなに急がず、じっくり考えながら、減らすプロセスを楽しむとよいでしょう。
断捨離が行き詰まっている人のための過去記事もどうぞ
行き詰まりを感じている人は要チェック。断捨離をめぐる5つの誤解とは?
何をやっても捨てられない、どうしたらいいの?という人へ7つの提案。
断捨離停滞中?見方を変えれば捨てられます~カレン・キングストンに学ぶ
断捨離に行き詰まったら、風通しのよい部屋にすることを意識してみる。
ゴミを出さないことを意識すれば暮らしは自然にシンプルになる。
もったいないから捨てられないという人へ。それは自分の人生で本当に大事なものなんですか?
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今回は、断捨離マニアの方の質問に回答しました。
「断捨離マニア」というぐらいなので、自分の中で、捨てることが至上命令になっているのでしょうね。ですが、命令しているのは自分です。
誰も、あなたにそのことを強要してはいません。