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以前たくさん集めていたお香をほぼ断捨離するまでのお話をします。
50歳になってから「持たない暮し」をめざしてこれまで以上に熱心に捨てていましたが、収集癖が完全に抜けたわけではありませんでした。
この頃私が必要以上に集めていたものが3つあります。
1.紅茶
2.石けん
3.お香
特にお香は、買うのに消費が追いつかず、1本使い終わったら「よし、きょうはお香を使い切った」とうれしがっていました。最初からこんなに買わなければ「使い切ること」にがんばらなくてもよかったのに。
最盛期は小さな段ボール箱にいっぱい持っていました。これをほとんど手放すことができたのは、去年の6月のことです。
いったん集めてしまうとなかなか捨てにくいということを身をもって体験しました。
「香り」商品に興味を持ったきっかけ
私はもともと「香り」の商品が好きでした。
若いころ「香り」にこって、調香師になろうと思っていたことがあります。その動機はきわめて単純で、あるテレビドラマを見たから。
「平岩弓枝ドラマシリーズ」の「花祭」というドラマです。調べたら1982年のドラマでした。昭和57年ですね。
このドラマ、十朱幸代がヒロインだったのですが、彼女は香水研究所みたなところに勤める調香師だったのです。
確か、出張で香水の街であるフランスのグラースに行くシーンがあったと思います。
「おお、こんな仕事があるんだ。フランスにも行けるし、なかなかよさそう」。
そんなふうに思い、ポプリやアロマオイルなど「香り」グッズを買い集めたり、「香り」に関する本を読んだりしました。
しかし自分自身に香水をふりかけるのが好きになれず、そのうち調香師になることはあきらめました。
第1次お香ブーム
10年以上前のこと。
懸賞でたくさんお香をもらい、お香を焚くようになりました。
懸賞にはまった話はこちら▶筆子の物を増やした3つの危険な習慣とは?~ミニマリストへの道(10)
もともと香りグッズが好きだったので、いろいろなお香を焚くのが楽しみになりました。
しかし使っているうちに煙が気になり、健康に悪いからやめることに。好きなお香は使いきり、残りのお香はコミュニティの寄付センターに寄付しました。
☆私の収集癖について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ⇒人はなぜ物を集めたがるのか?~私はこうして収集癖を断捨離しました
第2次お香ブーム
2007年頃、あるお香のネットショップでサンプルのお香をもらいました。その店でこんな文章を目にしました。
「お香は残り香を楽しむもの。換気をしながら、自分のいる所から遠いところでお香を焚きましょう」。
これを読んでから、遠くの玄関脇のはしっこで焚くようにしました。それまでは、自分のすぐそばで焚いていたので煙たかったのです。
確かにこうすると煙が気になりません。またお香を使うようになりました。
当時、以前住んでいた家に引っ越したばかりの頃。この家はたいへん虫が多かったので、虫除け効果も期待してました。
お香のネットショップでさらにサンプルをもらい、製品も買い、福袋まで買ってしまいました。
風水ではきれいにした玄関やトイレでお香を焚くと気の流れが浄化され運気がアップするといいます。
そこでいつも掃除をしてからお香を焚いていました。
きっちり掃除をしたあとにお香を焚くのが楽しみで、実際、気力もみなぎる気がしていました。
ところがあるとき、お香のせいでひどく夫に怒られるという事件が起きました。
カシスのお香で嵐の夜に
ある夜のこと。
夫がおやつにガーリックトーストを作って食べました。彼はバゲットの間ににんにくとバターがぬってあるパンが好物で、よく買ってきていました。
適当に切ってオーブントースターで焼けばすぐに食べられるパンです。
台所がすごくにんにく臭くなり、私は耐えられなくなりました。
「そうだ、お香で匂いを消そう」。
たくさんあるコレクションから「カフェタイム インセンス 静かな夜に」というコーンのお香を焚いてみました。
大手の日本香道の商品です。
2種類入っていたのですが、紫色の「カシスの香り」をキッチンで焚いてみました。
そうしたら・・・。
夫の嫌いな匂いだったらしく
「なんだ、この匂いはっ?すぐに、消せ!」
「家がくさくなったじゃないか!」
「どうしてせっかくきれいな家の空気を汚すんだ!?」
「こんなくさいお香は、今すぐ全部捨てろ!」
「ほら、ぐずぐずするな、さっさと捨てろ!」
怒鳴りつけられました。お香1つに、ものすごい怒りようです。
すぐにお香を消し、寝室に閉じこもり、夫の怒りがおさまるのを待ちました。
「静かな夜に」なるはずなのに、「嵐のような夜に」なったのです。
夫自身も安いお香を買ってきて、自分の部屋で焚くことがあるので、お香が嫌いというわけではないのです。
単に、「カシスの香り」の匂いが苦手だっただけでしょうね。
この時は知らなかったのですが、五感のなかで嗅覚だけは考える脳を通らず、感情を司る脳へ直接入るのです。
感情を司る脳とは大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)のことで、ここでは本能や喜怒哀楽、情緒なども管理されています。
香りの好みは理屈抜きというわけです。
お香のヘビーユーザーから脱却
このことがあってから、家族が家にいるときはお香を焚くのをやめました。
それでも留守中にお香を焚けば、外から戻ってきたとき煙っぽいのでわかります。焚く量も1度に半分とか3分の1に減らし、さらに頻度も減らしました。
焚かないなら焚かないでべつに平気です。結局お香を使うのも、日々の習慣なのです。
こうして、私のお香の消費量は一気に減りました。また、自分の好みもわかってきて、インド香では特に好きなトゥラシのグリーンティーのみ、あとは煙の少ないエステバンのお香に落ち着きました。
☆「ミニマリストへの道」を最初からじっくり読む方はこちらへ⇒なぜ私は断捨離をしてミニマリストになったのか?(1)~物がたくさんあっても幸せではなかった
この続きはこちら⇒寝る前が大事。家事上手の主婦が身につけている小さな習慣~ミニマリストへの道(37)
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手持ちのお香はなかなか捨てられませんでしたが、段階的に断捨離し、去年の6月にかなり捨てて、今は4種類持っているだけです。
現在の家は換気があまりよくないのでめったに使いません。
残したお香を見ていると、「以前の執着は何だったんだろう」という気がします。結局、ある物に執着するのも、単なる「習慣」ではないか、と最近は思っています。
習慣なら、ちょっと努力するだけで改めることができるのです。