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きょうは家事の効率化の話です。
ネットや生活雑誌には、よく時短家事のアイデアがのっていますが、こういうアイデアを、場当たり的に真似していると、余計なものが増えるし、かえって不便になることがあります。
それより、もっと根本的な家事の見直しをおすすめします。
何をすべきか、4つのステップに分けて説明しますね。前半では最初の2つのステップですが、ここがとても重要です。
1.自分の方針やスタンスの確認
まず、自分はどんな暮らしをしたいのか、どんなスタンスで行きたいのか、生活の上で何を大事にしていきたいのか、ポリシーを確認してください。
スタンスは「自分軸」と言い換えることもできます。
先日、「1ヶ月の食費の目標額として2万円をめざしてしまう人がいるのは、なぜか?」と聞かれましたが⇒食費は月2万円? なぜこんな話を真に受ける人がいるんですか?←質問の回答。
こうしたSNSで話題になっている情報に踊らされて、自己嫌悪に陥ることが本当にあるとしたら、それは自分のスタンスが定まっていないからです。
筆子のスタンス
参考までに私のスタンスを書いておくと(毎日、ブログを読んでいればわかるでしょうが)、私はミニマルに暮らすことを心がけていて、自分がやりたいことをする時間を確保するために、余計な物やタスクは取り入れないし、うっかり取り入れてしまったらどんどん捨てています。
また、「結果を生み出すものは、2割の要素である」という考え方も大事にしています⇒これで簡単に捨てられる、洋服を捨てる7つのルール~あなたの服の8割はいらない服です
家事などのタスクも、すべてやる必要はなく、大事なことだけを押さえればいい、と考えています。
私は家事全般がさほど好きではないので、夫が部屋に掃除機をかけたり、食事を作ったりすることに対しては、全く口出しせず、自由にやっていただいています。
それと、できるだけ環境にいい暮らし方を選択するようにしています。
今朝、ちょっと前に、掲載誌としていただいたこのムックを見ていました。
このムックは写真や文字が小さすぎないし、内容もなかなかおもしろいです。
私の「ゆる捨て」の記事もあります。
ですが、4ページの「家事をやめるってたとえばこんなことです」にあげられている項目には同意できることもありますが、「それは、違うな」と思うことも多々あります。
たとえば、「洗剤は量らないタイプを選ぶ」という項目に、「軽量いらずのジェルボール状の洗濯洗剤やタブレット型の食洗器用洗剤を使うのも一案」、とあります。
私は食洗器は使っていないので、こちらの洗剤についてはなんとも言えません。
しかし、洗濯機で使う洗剤を量るのに、いったいどれだけの手間と時間がかかるというのでしょうか?
量らないタイプの洗剤は割高だし、量の調節もできないから、洗剤を使いすぎて、環境によくありません。パッケージのプラごみも増えます。
というか、「洗剤なんてわざわざ量らなくても、ほんの少しだけ洗濯機にたらせばいいんだよ」と思います。それは私に確固たるスタンスがあるからです。
自分のスタンスを貫くことができれば、余計なストレスをかかえないので、家事もそこまでつらくなりません。
まだスタンスが定まってない場合は、こんな記事を参考にして⇒自分の価値観に沿った暮らしをするには?:心を満たす方法(その2)、自分がしたい生活、望むライフスタイルについて考えてください。
ちなみに、今、「やめる家事」のリンクを取りにアマゾンに行ったら、キンドル版は期間限定で399円でした。
2.現状の把握:いつもの家事の洗い出し
スタンスを確認したら、次は現状把握です。
ふだん、自分はどんな家事をしているのか調べるためにやっていることをすべて書き出します。
書き出し方は自由です。書き出すときのヒントとして、家事をいくつかの種類に分けて紹介します(あくまで例です)。
1)掃除
住環境をきれいにするためにする作業です。私の電子辞書にあるデジタル大辞泉には、「はいたりふいたりして、ごみやほこり、汚れなどを取り去ること」とあります。
掃除する場所は、家だけでなく、庭やガレージがあればそこもします。ゴミの分別やゴミ出しもここに入るでしょう。
掃除用品の購入や管理もここに入れるといいかもしれません。
掃除用品が多すぎると、掃除用品の掃除という余計な家事が生まれます。
2)炊事
日々の食事を食卓の上に並べるまでにするすべての作業と、食べ終わったあとの洗い物や片付けです。
食材の買い出し、チラシのチェック、献立を考えること、料理番組を見て練習することなどもここに入ります。
食器や調理ツールの管理もここに入れるといいでしょう。
3)洗濯・衣類の管理
衣服や、身につけるもの(帽子とか)の汚れを洗って落とすことです。
干して取り込む、たたんで所定の場所にしまう、クリーニングに出す、衣替えなど、衣服の管理に関する仕事は全部ここに入れてしまうといいでしょう。
すると、衣服の購入も、ここに入りますね。
4)育児・介護
まだ幼かったり、病気だったりして、自分の世話を自分で焼けない人の生活を助け、自立に導く作業です。
育児は子供を育てるためにするすべてのこと。介護は病人の看病や介抱と、介護を実現するために必要なすべての仕事。
家族の中には、すでに大人で、病気でもないのにやたらと世話の焼ける人もいるかもしれません。
たとえば、外出から戻ったあと、着ていたものを、自分でタンスや、ランドリーバスケットに戻すことができない人です。
私は、小津安二郎監督の映画が好きで、よく見ていますが、彼の映画に出てくる女性は、夫(またはお父さん)の着替えをよく手伝っています。
夫が出かける前に、ネクタイ、背広などをセッティングしたり、帰宅した夫が、部屋着の着物に着替えるときに、脱いだ背広を受け取ったり、袖に腕を通しやすいように、後ろから着物をあてがったりするのです。
小津監督が映画を作っていたのは昭和初期から昭和37年までですから、「これもありだろう」と思います。でも、今こんなことはありえないですよね。
大人なら、着替えは自分でするのがあたりまえだし、今の主婦は、仕事もしている人が多いから、大人で元気な人の世話を焼く余裕なんてありません。
しかし、家庭によっては、これと似たことがあるかもしれません。
5)家計管理
生活を維持していくために必要なお金の管理です。
家計簿をつけたり、予算を立てたり、貯金したり、ATMからお金をおろしたり、家賃や光熱費、子供の授業料を払ったり。
お金を扱う、という点でほかの家事と大きく違うので、この家事もわかりやすいでしょう。
人によっては、ここに買い物を入れてもいいかもしれません。
6)住宅・什器の保守・メンテナンス
日常生活で使っている家や機器の状態をできるだけ正常に保つ仕事です。
切れた電球の交換や、こわれた家具の補修や買い替え。ペンキが剥げた壁にペンキを塗る、ふすまや障子に紙を貼る、畳の交換など。
今、ふすまや障子のある家は少ないかもしれませんね。
私のブログの読者が日々行っている、物の整理整頓や不用品の片付けも住宅の保守作業だと思います。
家や部屋を正常に使えるようにするための作業ですから。
部屋の換気も保守作業です。お風呂場のカビ取りも、掃除というより、保守という気がしますが、分け方は自由です。
7)交際
社会的に孤立しないためにするコミュニケーションにかかわる仕事です。
地域やコミュニティの仕事、学校の役員の仕事(これは育児に入るかも?)、親戚づきあい、近所づきあい、友達づきあい。
町内会の行事への参加、法事、葬式、結婚式の準備、そういう儀式への出席、お歳暮やお中元を贈る、年賀状を書く、母の日、父の日にプレゼントをする、毎日、LINEで親族の安否をチェクする、回覧板を回す、など意外にいろいろあります。
私の母は、弟や義理妹が出かけるとき、よく、弟の犬(もう死にましたが)をあずかっていました。こういう仕事もここに入ります。
8)その他の家事
どこに入れていいかわからない家事を入れるカテゴリーです。
たとえば、郵便受けから郵便物を取ってきて、仕分けして、所定の場所に入れる、ためこんだ写真を整理してフォトアルバムを作るなど。
花瓶の水を変える、プラントの水やり、庭の草取りなんかも、どこに入れていいか迷うかもしれません。草取りは庭の保守作業だから、6番に入りますかね。
年末の仕事(クリスマスパーティの準備、おせち料理を作るなど)も、ここに入れてしまうか、そういう作業がたくさんあるなら、「季節限定の家事」というカテゴリーを作ればいいでしょう。
現状把握の重要性
現状把握をしないと、問題点や改善点を見つけることができません。
家事をリストアップすると、ふだんの行動を振り返ることがきるし、無意味な家事や、やらなくてもいい家事を見つけやすくなります。
「書き出すなんて、面倒だ」と思うかもしれませんが、1日ですべて書き出す必要はありません。1日15分かけて、ちょこちょこ書けばいいのです。
デジタルでやっていただいてもかまいません。
そして、このリストは完璧である必要はありません。現状をチェックしてみようとすることが重要なのです。
すべての家事を書き出すのは大変なので、まずは、自分がもっとも問題を感じているカテゴリーや、効率化したいカテゴリーについて、ざっと書き出すといいでしょう。
家事に関する過去記事もどうぞ
料理が大嫌いな主婦。どうしても作る気になれず夕方うつうつとします←質問の回答
汚れた食器をシンクにためこまない4つの方法。洗い物が嫌いでも大丈夫。
まとめ記事もあります⇒シンプルな家事のコツ:家事に関する記事のまとめその1。
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後編では、やりすぎている家事やムダにやっている家事をどうやって捨てるか、捨てないまでも、いかに効率化していくかについて考えています。
⇒やらなくていい家事はやめてしまう~時間をやりくりするための家事の見直し術(後編)。
負担になっているタスクや、問題を感じる家事から見直してください。