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貯金や節約をしたいなら、日々、自分の感情をうまくコントロールすることが重要です。
感情的な人は、お金を貯められません。感情に支配されて、お金に関してまずい意思決定をしてしまうからです。
この記事では、なぜ感情的だとお金を失ってしまうのか、3つのポイントに分けて紹介します。
まず、感情的とはどういうことなのか、この点からお話しましょう。
感情的な人とは?
「感情的になる」とは、外界の刺激に対して、理性や論理は無視して、ダイレクトに反応してしまうことです。幼児性丸出し状態とも言えます。
赤ちゃんや、小さい子供を思い浮かべてみるとわかりやすいでしょう。
快、不快や好き嫌いがはっきりしており、怖いときは真っ赤な顔をして大声で泣き、怒っているときは、やはり真っ赤な顔で大声でわめきちらし、手をぶんぶんふりまわしたりします。
彼らに言って聞かせることは至難の業です。
本能的に行動しているから嘘がなく、喜怒哀楽がはっきりしていて、かわいいといえばかわいいのです。けれども、大人になっても、こんな反応をしていると、自分が損をします。
もちろん、人間は感情があるから、人間らしくてよい、というのは私もわかっています。
人に対して共感を感じたり、やさしくできたりするのは感情のおかげですし、怒りがあるから突き進めるときもあるし、恐怖があるから、あまりにリスクの高い行動には出ず、危険から身をまもることができています。
ですが、節約という観点から考えると、あまりに感情的だと、使わなくてもいいお金まで使って、ひじょうにもったいないです。
「わたしはそんなに感情的じゃないよ」と思っている人も、人間である以上、感情に影響をうけて、まずい意思決定をすることがたくさんあります。
「ちょっとしたことですぐに怒ってぷんぷんむくれる」なんていう子供っぽい人じゃなくても、感情のせいで、無駄遣いしてしまうのです。
たとえば、こんなこと、ありませんか?
1.自制心がなくなる
感情的になりすぎると、さまざまな問題が生じますが、一番まずいのは自制心がなくなることです。
自分を抑えられなくなるわけです。
会社でちょっといやなことがあって、不愉快な気分のまま退社し、帰りに、セールで服を買ってしまう、なんてことはないでしょうか?
夫とけんかして頭にきて、腹いせに、デパートの物産展で、食べきれないほど名産品を買ったり。
このような買い物は、すべて「頭に来たわね」「くやしい!」という感情をベースになされた意志決定の結果です。
感情には、このような攻撃的なものだけでなく、ただなんとなく気分が落ち込んでいる、というさほど破壊力はなさそうな、けれどもしっかりその後の行動に影響を与えるものもあります。
英語に、retail therapy (リテイル・セラピー)という言葉があります。retail は「小売り」という意味です。
リテイル・セラピーは、買い物によって、精神的苦痛(ストレス)をいやすことで、特に女性に人気のあるセラピーです。
買い物をすると、確かに気分がよくなります⇒買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。
私も、きょう歯医者へ行って、新たに深刻な問題が見つかり、ショックをうけました。痛い治療もほどこされました。
歯医者を出て、麻酔でしびれた口のまま、とぼとぼと歩きながら、「そうだ、ついでに本屋で買い物していこうかな。気分を変えるために」と思い、本屋に向かいました。
歯の問題を知ったことで生じた恐怖や悲しみという感情に負けて、いらない物を買いそうになったのです。
けれども、先日、「先のことを考えるからストレスが増える」という記事を書いたことを思いだし⇒7分で不安を解消する方法(TED)、「まあ、歯のことは実際に悪くなってから考えよう」と思い直し、結局、何も買わずに家に帰りました。
あとで歯の治療にお金がかかるのですから、今、ここで、よけいな物を買ってお金をつかってしまうことは、さらに自分を傷つける行為です。
その仕組はこちら⇒短絡的でお手軽な満足(インスタント・グラティフィケーション)のワナから抜け出すすすめ。
自制心をなくすと、無駄遣いする⇒後悔して、自責の念や罪悪感という感情にさいなまれる⇒また無駄遣いする⇒また後悔する、という負のループに入ってしまいます。
いまは、クレジットカードのせいで、手元にお金がなくても買い物ができてしまう世の中です。
財政的にも、負のループにはまり、悲惨なことになります。
自制心についてはこちらをどうぞ⇒人生で成功したいなら自制心を持て~マシュマロ・テストに学ぶ成功法則(TED)
2.興奮しすぎる
感情的になると人は興奮しがちです。怒っていても興奮しますが、何か楽しいことがあっても興奮しますね。
この手の興奮状態に入ると、人はどんどんお金を使ってしまいます。
興奮とは、冷静ではない状態だから当然といえば当然でしょうか?
パチンコやゲームセンター、カジノ(は日本にありますかね?)を思い浮かべてください。このような場所はうるさくて、ライトがキラキラしていてまぶしいです。
パチンコの機械もスロットマシーンも、音や光がさかんに出ます。
パチンコをしない私にしてみれば、「あんな疲れる機械と何時間も対面するなんて、お金をもらってもいや。座りっぱなしは身体に悪いし」と思う代物です。
パチンコ屋さんでは、刺激的な音と光で、楽しい気分にさせている、などと言われますが、人の脳をまひさせることを狙っていると思います。
特に理性を司っている、新しい脳の部分(大脳辺縁系、だいのうへんえんけい)がやられてしまいます。
だんだん理性的に考えられなくなり、お金をどんどん使ってしまうのです。
パチンコ屋さんもカジノも利潤を追求している以上、客にお金をたくさん使ってもらうよう、いろいろ策を練っているはずです。
そもそも、売れない店や閑古鳥が鳴いている店は、「お通夜みたいだ」と言われ、「もっと景気よくいかんかい」とばかりに音や光、さらには人間のさくらなどを導入し、にぎやかさを演出しようとするでしょう。
ブティックで、アップテンポのユーロビートがかかっているのも、そのほうが客がお金をつかうからです。
景気がよい店、流行っている店は、にぎやかな店であり、人がどんどんお金を使う場所なのです。
興奮したまま、店に行ったり、ネットショッピングをするのは危険です。
音楽を聞きながら、通販サイトを見る人もいるかもしれませんが、できるだけ気分が落ち着く音楽を選ぶべきでしょう。
3.ネガティブな気分にふりまわされる
興奮とは反対の状態にあるうつうつ状態の人は、お金を使わないだろう、と思うかもしれません。
ですが、ネガティブな感情のせいで、無駄遣いをしてしまうのは、過去記事にたくさん書いたとおりです。
ここでは3つの感情を取り上げましょう。
心配のせいで、まずい決断をする
以前、老後のお金は充分あるのに、それを失ったらどうしようと心配になり、投資に手を出して損をした、という読者のお便りを紹介したことがあります⇒ちゃんと貯金はあるのにお金の心配ばかり。その結果、投資で大損してしまった←質問の回答
この人は、心配や不安というネガティブな感情に動かされて、投資をするという決断をし、その結果、お金を失いました。その後も、わりと暗い気持ちだったので、メールで相談されたわけです。
嫉妬心から無駄な買い物をする
人と自分を比べて、「負けたくない」とか「世間並みにしなければ」と考えて、本当は欲しくない物を買うことがあります。
やっかみとか、うらやましいといった暗い情念のせいで、いらない物にお金を使ってしまうのです。
これもネガティブな感情のせいで、理性的な決断ができない状況です。
見栄を張るのも同じです⇒貯金できないのは見栄を張るから。よく見せようとすることの恐ろしさとは?
自暴自棄になって買い物に走る
自暴自棄(じぼうじき)とは、読んで字のごとく、自分に暴力をふるい、自分を捨てることです。やけくそになることですね。
この言葉は、孟子の「自ら暴(そこな)う者は、ともに言(かた)ること有るべからず。自ら棄つる者は、ともに為すこと有るべからず」という言葉から来ています。
自分で自分を損なう人とは、ともに語ることができないし、自分で自分を捨てる人とは、一緒に行動できない、ということです。
人から嫌われる、嫌われない以前に、自分が大損します。
やけくそになっている人は、感情のままにふるまっていますね。
するとどうなるか?
1番と2番で説明した状態になります。自制心を失っているし、興奮しています(深刻な自暴自棄になったことがないのでわかりませんが、たぶん怒っていると思います)。
自制心がなく、興奮していると、お金を使ってしまうのは、先に述べたとおりです。
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今回は、適切なお金の管理をはばむ感情について説明しました。
貯金や節約というゴールがあるとき効果がある行動は、1円でも安い店を探すとか、送料無料サービスの店を探すとか、無印良品週間やアマゾンのプライム・デーに買い物をすることではありません。
日々、自分の感情に注意をむけること。そして、感情のせいでまずい意思決定をしないように自分の気持ちをうまく管理していくことなのです。