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いま、実家に滞在しております。今回の里帰りの目的は、断捨離ではありませんが、それでも、目についた「明らかなゴミ」は母に捨ててもらっています。
4年前、里帰りしたとき、かなり一緒に捨てました。しかし、もとの物の量が多いので、数週間やそこらでは、片付きません。
相変わらず物の多い実家で気づいた、高齢の親に典型的な、「物をためこむ仕組み」をお伝えします。
この逆をすれば、物はそんなにたまらず、もっとシンプルに暮らせます。
物をためこまないくせは、できるだけ若いときにつけておいたほうがいいです。そうしないと、先々しんどいことになります。
1.もらい物を自動的に引き出しにしまう
物がたまる第一の要因は、もらい物を、そのまま自動的に引き出しや棚にしまうことです。
母はもらい物を断らないし、自分が使わなくてもしまいこみます。そのため、キッチンには、いただき物がたくさんあります。
もらい物といっても、いわゆるギフトではありません。まあ、そういう物もありますが、ほとんどが、おまけやサンプルのたぐいです。おみやげもあります。
たとえばティーバッグとか(トップの画像参照)。
お客さんが来る予定があるので、今朝、お客さんをもてなすためのお茶が家にあるかどうか、聞いてみました。
私は柿の葉茶を持参して飲んでいるし、母も、健康にいい桑の葉茶や血糖値を下げるというコーヒー(ストレートで飲むなら、どんなコーヒーでも血糖値はあがらないと思いますが)といった、やや特殊な飲み物を飲んでいます。
柿茶について⇒柿の葉茶はここがすごい、ビタミンC効果で美容と健康の救世主
お客さんには、ふつうの紅茶や緑茶がいいですよね? そういう、「ふつうのお茶」があるのかどうか、聞いてみたのです。
お茶やコーヒーの入っている引き出しをガサガサ探して母が取り出すお茶はすべて賞味期限をすぎていました。
それも3年ぐらい前に。
わりとましなのが、今年の9月に切れたほうじ茶のティーバッグです。
お茶や紅茶はたくさんあるのに、すべて古い。べつに賞味期限が切れていても、お茶類は飲めますが、保存が悪いと味が落ちます。
聞けば、いま飲んでいる特殊なコーヒー以外は、みんなもらい物とのこと。
通販で何かを買うとおまけでついてくる物が多いそうです。
おまけは、家に届く通販の箱に入っているので、断りようがないのかもしれません。
けれども、そういう物が家に入ったら、その次点で、「これ、私飲むのかな、飲まないのかな?」と判断し、飲まないならよそへ回すべきです。
お年寄りが1人~2人の世帯では、食品の消費はゆるやかです。
「1人だからどんどんたまっちゃって」と母は言います。
消費が追いつかないことは自分でもよく知っているのです。それならば、意図していない物が家に入ったその瞬間に、さっさと処分しなければなりません。
母は、何も考えず、お茶をもらうと、自動的にお茶類を入れる引き出しにしまうので、どんどん古いお茶がたまるのです。
日本は、粗品やおまけ、到来物、おみやげをもらう機会がとても多いです。実家には、ティッシュ、シャンプー、洗剤のもらい物もたくさんあります。
贈答品が多い日本⇒お金を貯めたいなら今すぐ捨てたい、日本人ならではの3つの習慣。
「予期せぬ物が家に入ったら、24時間以内に、処分を考える」ぐらいのシビアなルールを作ったほうが物の増殖を防げます。
2.使わなくなった物を捨てずにしまう
母はもう使わなくなった物や、使いにくくなった物も、そう簡単には捨てません。
捨てずにしまいこみます。ごれがガラクタを増やす仕組み、その2です。
私は1リットル用のティーバッグを使って柿の葉茶を作っています。そこで、1リットルのお湯を入れることができるポットかやかんはないか、母に聞いてみました。
母はサントリーのウォーターサーバーを使っています。このサーバーはボタンを押すだけで、水もお湯も出る便利な商品です。わざわざお湯をわかす必要はなく、母はふだんはやかんを使っていないようです。
「前に使っていたやかんがある」と言うので、出してもらいました。
高い場所にしまってあって危険です。収納場所はこの記事で紹介している天袋です⇒収納場所の多すぎる台所の悲劇~実録・親の家を片付ける(12)
実は、4年前、やかんを1つ断捨離したのですが、それとは違うやかんのようです。
取り出してもらったやかんのふたを開けると、ぎゃーーーっ。こんなふうに錆びついたやかんを見たのは初めてです。
「何、これ、なんでこんなの持ってるの? もう、捨てて、捨てて!」と母に頼みました。さすがの母も、こんなやかんは使わないほうがいいと思ったらしく、「うん、次の燃えないゴミの日に出す」と言いました。
天袋にしまう前から、錆びていたのか、しまっている間に錆びてしまったのか、定かではありません。
使わなくなったものを、何気なくしまってしまうと、こんなふうに簡単に劣化してしまいます。
誰も住んでいない家がどんどん痛むのと同じです。
物はちゃんと使っていないと、傷んでしまうのです。
もう使わなくなった物は、捨てるか使ってくれる人にあげたほうがいいです。そのほうが、寿命を全うできて、物もうれしいのではないでしょうか?
私がやかんならそう思います。
ピカピカのウォーターサーバーが届いた日に、お役御免になったとしても、「これまでありがとう。これからは別の場所で活躍してね」と、別の誰かのところに送られ、そこで、やかんとして活躍できれば、やかんとして生まれた甲斐があったというものです。
「あ、これ、もういらないわね」と、よく拭いてもらわないまま、そのへんのビニール袋に突っ込まれ、暗い天袋に押し込まれて、何年もすごす。
ようやく出してもらえたと思ったら、あばたのようにできてしまった錆にギョッとされ、「捨てて、捨てて!」と邪険にされるやかん。
かわいそうすぎます。
3.本当に着る服じゃない服まで買う
自分が心底着たいと思う服、必ず着るんだという確信のない服まで買ってしまうと、衣類が増殖します。
母は服をたくさん持っています。数えたことはないので何着あるのかわかりませんが、着物を含めて、私の衣類の30倍~50倍といったところでしょうか?
洋服ダンスが3つあるし、押入れの中には、衣類を入れる複数のケースがあるし、裏の部屋にも、収納ケースがあります。バーに吊り下げてある服もあります。
2014年の捨離前に比べたら、かなり数は減りましたが、それでもまだまだ多いです。
私が家に戻った次の日、母は、服を2着持ってきて、「これ、あんた着る?」と差し出しました。
1着はこれ。
「は、なんで? いらんよ。着る服はちゃんとあるからね(それに全然趣味じゃないし)。どうして?」と聞いたら、「買ったけど気に入らん」とのことでした。
「気に入らない服なら、さっさと断捨離しなよ。というか、最初から買わなきゃいいのに」と思いつつ、「もう着ないなら寄付やバザーに出したら?」とすすめました。
黒柳徹子さんは、番組(徹子の部屋)で、同じ衣装(すべて自前)は2度と着ないそうです。着用した衣装をオークションで売って、そのお金を親のいない子供たちを助ける団体に寄付しています。
衣装が毎回違うのは、自分がおしゃれしたいわけではなく、ゲストに合わせた服装をして、視聴者を楽しませるためです。
そういう目的があるなら、山のように服を買ってもいいと思います。
けれども、家にためこむためだけに、服を買い込むのは、自分にとっても、服にとっても、家にとってもよくありません。
喜ぶのはメーカーや小売店だけじゃないでしょうか。
自分が本当に着る服がちゃんとわかっていれば、服はそうそう増えないものです。
大事なのは、服をたくさん所有することではなく、自分が着る服を所有することなのです。
2014年の実家の断捨離記事はこちらから読んでください⇒「実録・親の家を片付ける」のまとめ
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里帰りして3日以内で気づいた、実家に物がたまる仕組みを3つ紹介しました。
このほかにも、テレビショッピングが趣味、もう使わない物でも捨てない、おまけや付属品(食品についている調味料やチーズの入った小袋)を捨てない(ヨーグルトの空き容器に入っていた調味料やらのパウチをたくさん捨ててもらいました)、といった生活習慣も、実家の物が増える要因です。
さらに、高齢になると、片付けや物を捨てることそのものが肉体的にしんどい、というのもあります。
母は私の本、「1週間で8割捨てる技術」を読み、時々物を片付けているそうです。ですが、根本的な考え方を変える必要がある、と感じました。
「物が少ないほうが、暮らしやすい」ということにまだ気づいていないのかもしれません。