ページに広告が含まれる場合があります。
人はお金に関して、あまり合理的ではない意思決定をします。
無駄遣いをやめたい、節約したい、と思うなら、反射的にお金をつかうのではなく、少し意識的になって考える必要があるのです。
老後に備えて、できるだけ貯金をしたい、と考えている私が、気をつけているポイントを5つ紹介します。
5つのポイントは以下のとおり。
1.お金を区別しない
2.迷うことに時間を取りすぎない
3.大きな金額の買い物に注意する
4.安い物探しにフォーカスしすぎない
5.お金の使いどころを見極める
1つずつ説明しますね。
1.お金を区別しない
「お金を区別しない」とは、一生懸命働いて手にしたお金も、たなぼた的に手にしたお金も、同じように、大事に、考えながら使う、ということです。
お金はニュートラルなメディア(媒体、あるいは手段)で、名前も書いてありません。
きつい仕事をしてようやく手に入れたお金も、たまたま宝くじであたったお金も、使う時の価値は変わりません。
きれいなお金、(犯罪で手にいれた)汚いお金、あぶく銭、というのは、人間が意味付けをしています。たまに、本当に物理的に汚いお金もありますが。
悪いことをしてお金を手に入れろ、と言いたいのではなく、予想していなかったソースから、あたかも贈り物のように到来したお金も、大事にしたほうがいい、と言いたいのです。
人は、期待していなかったお金を手にいれると、うれしくなって、ぱーっと、無計画に使ってしまう傾向があります。
期待していなかったお金とは、たとえば、不用品をメルカリに出品したら、予想以上に高く売れて、手にしたお金、臨時ボーナス(ふつうのボーナスも、ごほうび的なうれしさがあるかもしれません)、宝くじで当たったお金、予想していなかった株の配当金、税金の還付金、遺産などです。
このようなお金をもらうとうれしいものです。
喜ぶのはかまいませんが、ひとしきり喜んだら、働いて得たお金(給料)と同じように、予算をベースに、冷静に使うことができれば、無駄遣いが減ります。
息抜きとしてぱーっと使うお金は、ふだんのやりくりからそれ用に計上しておいたほうがいいです。
後先考えず、ほしい物を買ってしまうと、お金ももちろん消えますが、新しく買ってしまった物がきっかけになって、ほかの物を買う結果になったりもします⇒止まらない買い物を止める方法。ディドロ効果のワナを知れ。
臨時収入が多い人は、それ専用の口座を作ったり、貯金箱を用意して、とりあえずそこに入れ、頭を冷やして検討する時間を設けてはどうでしょうか?
2.迷うことに時間を取りすぎない
物を買う前に、迷いすぎないほうがいいです。
何かを買う前にすごく迷う人がいます。
まあ、家や車など、大きな買い物をする前は、それなりに検討するべきですが(4番に書きます)、小さな物(プチプラの衣類とか)も、迷って、迷って、迷いまくってから買うこと、ありませんか?
色やちょっとしたディテールの違いが気になって。
そういう人に限って、家には着ていない服がたくさんあるものです。
迷うことにエネルギーを使いすぎると、理性的な意思決定をするほうに使うエネルギーがなくなります。これを決断疲れといいます⇒決断疲れを回避する方法。ミニマリストになるのが1番です
・使っていない物がたくさん家にあってごたついている。
・自分は何を買うときも、やたらと迷う方である。
この2つの条件がそろっている人は、迷いすぎるほうに、リソースを使いすぎて、賢い買い物をすることができていないのかもしれません。
迷ってしまったら、何のために自分は迷っているのか考えてください。迷うことで得たいゴールは何なのか? と。
自分は無意味に迷っているのか、それとも、合理的な意思決定をするために、思考しているのか?
こんなふうに考えてみると、あまり迷わず、さっさと決められるんじゃないでしょうか?
迷っているその時間が、もったいないです。時間は人生そのものですから。
ネット通販で、送料無料にするために、「380円ぐらいの物でほしい物はないかな~」と、商品を見てまわったり、レビューを読んだりするのも、相当時間がもったいないですよ。
私は実際、送料無料にするたびに、ぐるぐると迷い続ける経験を何度もしました。しかもそうやって迷ったあげく買ってしまった物のせいで、後の生活がよくなったか、といったら現実はその逆です。
後の生活でよけいなことに時間を取られるはめになりました。詳しくはこちら⇒その買い物は本当にお得? 節約したいなら知っておきたい3つの販売戦略 「2.送料無料サービス」のところです。
迷わない方法⇒断捨離中にいちいち迷わない3つの方法
3.得することにフォーカスしすぎない
無料の品物、お得な商品、良い出物が好きな人はたくさんいます。私もそうです。
しかし、得することに意識を向けすぎると買い物で失敗します。きのうも書きましたが、意識を向けるとは、自分のリソースとエネルギーを使うことです。
きのうの記事⇒物をちゃんと使い切る生活をする7つのコツ。
優先する、とも言えます。
買い物は、自分の生活に必要なものを、お金と交換して手に入れる作業です。
この交換作業が、そこそこ適正に終われば、あとで、「ああ、またいらない物買っちゃった」とか「ああ、また無駄遣いしちゃった」とは思わないでしょう。
ところが、得をすることにフォーカスしてしまうと、優先順位が入れ替わって、順当な交換ができなくなります。
得することに意識を向けすぎている人にとっては、
もっとも大事なこと:得をすること(できるだけ値引き幅の大きいものを買うこと。セール商品ラックに入っているものを買うこと、複数あるスーパーのうち、もっとも安い値段のついている店で買うこと、など)。
その次に大事なこと:必要だと思っていた物を手に入れること。
こんなふうになります。
その結果、本当はそんなに欲しくなかったものや、欲しいと思っていたものとは、ちょっと違うものが家に入ってしまうのです。売り場で、得することにフォーカスしすぎたから、当然の結果と言えます。
セールで物を買うと、強い満足感を覚え、人に自慢する人がいます。
その人の真の目的が、「お得商品を買うこと」や「得をして、自慢すること」なら、いいのです。しかし、「賢い買い物をすること」がゴールなら、フォーカス先を間違えないようにしたいものです。
セール商品のワナ⇒安売り好きに伝えたい、セールで物を買うとお金が貯まらない4つの理由。
4.大きな買い物に注意する
ふだん節約を心がけている人でも、大きな買い物をするとき、詰めが甘くなる人がいます。
「もう、これだけ払うのだから、1万や2万円の違いなんて大差ない」と思ってしまうのです。
ですが、大きな買い物をするときこそ、考えどころです。
1番に書いたように、お金に差をつけないほうがいいです。1万円は1万円ですから。
節約の近道は、固定費を見直すことですが、これは、固定費が大きな出費だからです。
節約をしたいのなら、金額の大きな買い物をするときほど、冷静になって、考えるべきです。
家、家のリフォーム、旅行、車、美容歯科にかけるお金、子供の留学費用やおけいこ代など、どーんとお金を費やすものはいろいろあります。
金額が大きすぎるとイメージしにくいせいか、こういうところで適当になる人ってわりといます。
こんなに払うんだから、オプション代なんて微々たるものだ、と余計なオプションをつけたりします。
こうした買い物で、無自覚にお金を使い、ふだん、できるだけ安いティッシュペーパーを買おうと奔走しても意味がありません。
5.大事なものにお金を使う
自分が大事だと思うことにお金を使うことができれば、それは無駄遣いではありません。
どんなものにも、それなりにエネルギーを注がないと、大事にすることができませんから。そのエネルギーは、時間かお金のどちらか、あるいは両方です。
無駄遣いをしたくないなら、自分が大事だと思うものをしぼりこんでおいたほうがいいです。
手当たり次第、目に入った物を買うのではなく、「ここは私がお金をかけたいところだ」というものを自覚して、そこにお金を費やすのです。
たとえば、私は、本はどちらかというと自分で買って読むほうです。図書館で借りれば、ゼロ円ですが、お風呂で読むことが多いので、自前で用意しています。
自分の本なら、書き込みも、折り込みも自由にできます。
私にとって、読みたいときに、読みたいように本を読むことは大事なので、本にはお金を使うわけです。
逆に、本は図書館で借りて、その分のお金でべつの物やサービスを買う、という人もいるでしょう。本なんて買うことも、読むこともしない、という人もいるでしょう。
人それぞれ、大事にしたいものやことが違います。
自分は何を大事にしたいのか、自分で決めて、そこにお金を使えば、後悔したり、罪悪感を感じることはありません。
☆人はお金に関して、合理的ではない決断をすることを書いた過去記事もお読みください。
我々は本当に自分で決めているのか?ダン・アリエリーに学ぶ、選択のミス(TED)
無駄遣いの原因は心理的な思い込み。認知バイアスを知って上手な買い物を。
****
今回は、お金を賢く使う方法を紹介しました。
目先の節約にとらわれず、考え方(マインドセット)を変えたほうが、自分の価値観にあったお金の使い方ができると思います。