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部屋の片付けをしている時や、買い物をしている時に、自分にとって本当に必要なものがわらかなくなる、そういうものはどうやって選んだらいいのですか、と聞かれました。
この質問に回答しますね。
私が大切なものを選ぶポイントを5つ紹介します。
1.自分の価値観について考える
まず、自分の価値観を見極めます。
そのために、毎日少しでいいので、何かについてじっくり考えたり、自分の気持ちを掘り下げる時間を持ってください。
忙しすぎて、目の前のことに反応するだけの日々を送っていると、感性がにぶって、しだいに自分を見失います。
すると、自分が本当は何を求めているのかわからなくなります。
自分にとって大事な人って誰だろう、私は何を大事にしたいと思って生きているんだろう、といった、簡単に答えがわかりそうにない問いや、人によっては、そんなこと考えるのめんどうだ、と思うことや、
答えがわからなくても、とりあえず、ふつうに毎日暮らせる問いについて、あえて考えてください。
そうすることで、自分の価値観が見えてきます。その価値観にあった暮らしをするのを助けてくれるものが、大事なものです。
自分の価値観に沿った暮らしをするには?:心を満たす方法(その2)
考えるというのは、やたらと迷ったり、心配したりすることとは違います。
心の中にガラクタがいっぱいあると、ものごとを考える気持ちの余裕を持てません。
もっと幸せになるために今すぐ捨てたい5つのもの(心の断捨離)。
考えてもしかたのないことを考えるのに時間を使うのをやめて、考える価値のあることを考えてください。
2.それなしで暮してみる
なくてもいいものは、大事なものではありません。
スッキリ空間を実現するコツは、なくてはならない物だけを持つこと。
けれども、それがなくていいものか、どうかわからないことがあるかもしれません。
その場合はテストしてください。
思い切って捨てたり、どこか手の届かないところに置いたりして、しばらくそれなしで暮してみるのです。
その結果、著しい不便を感じたり、ものすごく辛かったりしたら、当面、それはあったほうがいいもの、必要なものと言えるでしょう。
テストするときは、2,3日で答えを出さず、数ヶ月様子を見てください。
人間は習慣の動物なので、何かがほんの少し、きのうと違うだけで、大きなストレスを感じます。
いつも使っているポータルサイトがリニューアルされ、ボタンの位置がちょっと変わっただけで、「え、何、これ? 使いにくいじゃん。前のほうがよかった」と思うものです。
しかしそのうち慣れます。
人はたいていのことに順応します。まあ、なかには、ちょっと何かが違うだけで、プチパニックになり、それが長引いてなかなか順応できない人もいます。
こういう柔軟性のない人は、すべてを自分でコントロールしたい、思い通りにしたいという完璧主義的傾向があるので、
何かが違って「あれ?」と違和感を感じたら、コントロールフリーク(周囲のできごとをすべて自分で支配したいと強く願い、そうなるように行動する人)である自分を改善するチャンスです。
3.人生によい影響があるか?
日々の暮しがよい方向に変えてくれるものは大事なものです。
それを持ったところで、自分の人生に何の影響ももたらさないものは、導入する必要も、持っている必要もありません。
自分の持ち物を、「これは、私の人生を変えたか(変えつつあるか)?」という視点で見てください。
たとえば、Kindleは私の生活を大きくよい方向に変えました。
もしKindleなどのE-リーダーがなかったら、和書を読むのにものすごい苦労を強いられます。
私がカナダに来た1996年、インターネットはありましたが、Kindleはありませんでした。
日本語の本を読みたいときは、市の図書館に行って、人の寄付した本で構成されたバラバラの貧弱な蔵書から、暮しの手帖社の『おそうざい十二ヵ月』みたいな本を読むか、大学の図書館に行って、新聞を読むか、図書館の一番上のフロアにある昭和の文学全集みたいなものを読むしかなかったのです。
ところが、今は、Kindleやタブレットのおかげで、その気になれば、日本語の新聞や雑誌をタイムリーに読むことができます。
また、Kindleがあるから、私はお風呂で読書ができています。入浴タイムは私の貴重な読書時間ですが、老眼になったため、紙本を読むのが難しくなってきました。
老眼鏡やハズキルーペをかけたら、湯気でレンズがくもって本を読めません。Kindleは文字の大きさを好きに設定できるので、裸眼でどんどん読書できます。
4.よい行動を促すものか?
それを持つことで、自分がよい行動、望ましい行動をしてしまうものは大事なものです。
物理的な物ではありませんが、たいていの親にとって、子供は大事なものだと思います。
その理由はいろいろありますが、1つには、子供は自分の行動をよい方向に変えるからです。
独身のときや、結婚してもまだ子供がいないときは、無責任に刹那的に生きてきた人も、子供ができると考え方が変わります。
長期的な展望をもつようになるし、子供を守ろうという気にもなります。
自分勝手な面が減り、自分の行動が変わります。
さらに、子供がいると、自分一人のときには持てなかった新しい視点を持つことができます。そのおかげで、自分は成長できます。
物理的な物でも、このように、自分をよい方向に導いてくれる物は大事な物です。
これがあるから、きょう1日がんばろうと思える、とか、毎日元気に暮らせるのはこれのおかげだわ、と思う物は、価値ある物と言えましょう。
5.長くつきあっているか? そうする気があるか?
何かを店から買ってきたからといって、いきなり大事な物にはなりません。
人によっては、買ってきた物を包装をしたまま、そのまましまいこむこともあります。
このような物はあまり大事ではありません。あるいは、持ち主にとって、「あんたは大切じゃないよ」という判定をくだされた物です。
何かに、自分の時間やエネルギーを注いで、世話をしたり、メンテナンスしたり、苦労をともにしたりすると、それは大事なものになります。
つまり、自分が誠実に長くつきあってきたものや(惰性やくされ縁ではなく)、そうする甲斐のあるものは大事なものです。
これからも、ずっと大事にしていこう、という気になれない物はもう捨てたほうがいいです。
なお、大事にするとは、しまいこんだまま放置することではありません。
番外:バランスを取ること
何が大事で、何がもういらない物かは、自分の感情次第で変わります。
思い込みが強すぎると、判断をあやまるので、バランスを取ることをこころがけてください。
たとえば、ある物が確かに自分の人生に影響を与えていても、その影響にはいいもの、悪いものがあります。
スマホやSNSのように、よい影響ばかりとは言い切れないものもあるでしょう。
その場合は、ポジティブな影響とネガティブな影響の両方をだしてみて、よりポジティブな恩恵を得られる、使い方をしていきます。
物そのものに「いい・悪い」はありません。
使い方によって、薬にもなれば、毒にもなります。
短期的な喜びや快楽と、長期的な幸せを比較することも重要です。
「これ、かわいいし、買えばうれしいし、私の毎日、明るくなる」と思える物でも、長期的に見ると、貯金がなく経済的不安にさいなまれる老後を引き起こす物かもしれません。
短絡的でお手軽な満足(インスタント・グラティフィケーション)のワナから抜け出すすすめ。
さらに、便利を優先するか、エシカルな生き方を優先するかという問題もあります。
何かを楽に、早く、簡単にできるようにしてくれる物は、たいてい環境によくない物です。
ほかにも、バランスを考えるべき状況はたくさんあります。
大事なものに関する過去記事もどうぞ
大事なものとガラクタの区別がつかない人に伝える、12のガラクタリスト。
本当に必要なものと、欲しいだけのものを区別する方法を教えて。
捨てられない人は、物を大事にするとはどういうことなのか考えてみよう。
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本当に大事なものを選ぶヒントを紹介しました。
今回は書きませんでしたが、自分が大事だと思うものを選んでください。
雑誌に、「30代の兼業ママにおすすめの〇〇」などと書いてあっても、それが自分の大事なものであるとは限りません。
30代で、仕事をしていて、子供がいるとしても、自分ってそれだけじゃないですよね?
自分を自分たらしめているものは、そういう表面的な属性ではありません。
心の中にある考えや感情が自分を作っています。