ストレスのある女性

ミニマルな日常

気持ちが穏やかになる~不用品を捨てる意外なメリット(その2)

断捨離をすることで得られる意外なメリットを紹介しています。

今回は、気持ちが穏やかになることについて。

不用品を捨てたからといって、いきなり満たされた気分にはなりませんが、心は穏やかになります。

少なくとも、捨てれば捨てるほど気持ちがささくれだっていくことはないでしょう。

前回も書いたように、さまざまなストレスがなくなるからです。

私が手放すことができたストレスを5つ紹介します。



1.視覚からくるストレス

部屋のごちゃごちゃ、つまり視覚的ノイズがなくなるので、その分、気持ちが穏やかになります。

視覚的ノイズ(見た目のごちゃつき)を極力なくすコツ(その1)~飾り物を減らす。

考えてみると、20代~30代ころの私の部屋は、ノイズだらけでした。

何度も書いていますが、カラーボックスを複数並べ、ボックスとボックスの上にべつのボックス横渡しにしていたこともありました。

もちろんカラーボックスの中は、本やら雑誌やら、引き出しや洋服ダンスに入らないものが、むき出しのままランダムに並んでいました。

「よくあんなことをしていたなあ」と遠い目になります。

しかも、その箱の中に入っていた物は、全部いらない物だったのです。

今、わたしの部屋はあまり物がないし、散らかっても、毎晩、お風呂に入る前に、きれいに片付けることができるので、スッキリした部屋で気分よく就寝できます。

物をためこむ夫の部屋に入ると、ものすごいストレスを感じて、長くいることができません。

圧迫感があるし(文字通り息苦しい)、形も色もさまざまなものが、いきなり視覚に入ってきて、脳が疲れるのがリアルにわかります。





2.買い物に追われるストレス

買い物に追われると書くと変なのですが、物がいっぱいあるときは、いつも、「次に買う物」について考えていました。

次は、あんな物を買いたい、こんな物を買いたいという気持ちがあったのです。

何かを買っても、そこで満足することは決してなく、いろいろな意味でまだ足りないので、次に買う物に意識が向いていました。

考えてみると、これは典型的な「足りないマインド」がベースになった生き方です。

足りないマインドとは?⇒こんな考え方が貧乏を引き寄せる。お金がたまらない恐怖のマインドとは?

持たない生活をしている今は、何かを買うことについて考える時間も、実際に買っている時間もとても少なくなりました。

化粧品やヘアケア製品など、使わなくなった物も多いので、「自分に合った商品」を商品を探して、リサーチする必要もありません。

買い物に追われると何がまずいか?

私の場合、「安く買うこと」がけっこう重要だったので、お得な物を探すのに、エネルギーと時間を使いすぎてしまいました。

以前、おまけが欲しくて、食べたい(食べる必要がある)以上のドーナツを買った話を書きましたが⇒ドーナツをたくさん食べて使わない弁当箱を集める不思議:ミニマリストへの道、番外編7

考えてみると、これはすごく馬鹿げた行動ですよね?

おまけの弁当箱が欲しくて、食べきれないほどドーナツを買い、本当においしく食べるのは、たぶん最初の1個か2個だけ。

あとは、プロ野球の消化試合のように、ノルマをこなすためだけに、なんとか食べる。

しかも、そうやって財布とおなかにダメージを与えながら獲得した弁当箱を私は全く使わず、ただしまっておいただけでした。

台所の棚の中で無駄にスペースを取っていた弁当箱は、後に断捨離しましたが、捨てる前に、「ああ、こんなにかわいいのに、捨てるなんてもったいない」と、いちいちネガティブな気持ちになりました。

一連の行動で得たものの中に、ポジティブなことがあったとすれば、弁当箱をもらったときの「わ~い!」というハッピーな気持ちだけです。

しかも、この気持ちは一瞬で終わります。

似たような失敗を「これでもか!」というほど繰り返し、今は、おまけや安さになびかない人間になりましたが、あそこまで同じ失敗を繰り返さないとわからなかった自分が情けない気もします。

3.選択肢の減少

使っていない物をせっせと捨てていると、物に使用に関する選択肢が減少します。

選択肢が減少すると何がいいか?

迷わないんです。どっちがいいか、考えなくてもすみます。

実は、選択はかなり脳に負担をかけ、ストレスをもたらします。

最善の選択をするため、それぞれの選択肢を比較し、判断するために脳が多くの情報を処理しなければなりませんから。

バリー・シュワルツに学ぶ『選択のパラドックス』(TED)~所持品をミニマムにすると生きやすくなる理由とは?

女性にとって一番身近なのは、「今日着ていく服を決める」選択肢でしょう。

服、靴、バッグが多ければおおいほど選択肢が増えるので迷います。

化粧も含めて、トータルコーディネートしたいという気持ちが強いと、選択肢はどんどん増えるため、ますます大変になります。

私も、OL時代は、たくさん服を持っていたため、着るものを決めるのに迷い、電車の時間がせまってくると焦っていました。

このときの体験がトラウマになっているのか、私は今でも電車に乗り遅れる夢を見ます。

学生のときも、社会人のときも電車を使って通勤通学していたので、「電車に乗り遅れてはいけない」という気持ちが、相当自分を苦しめていたと思われます。

シンプルに暮らし始め、服は大幅に減らしたので、着るものに迷うことは、文字通りなくなりました。

春夏と秋冬の2シーズンで、それぞれ2パターンしかないので、迷う余地がありません。

日本にいたときは、春夏秋冬の4シーズン、違う服装をしていたはずですが、今は2シーズン、いえ、かなりアイテムがかぶっているので、1シーズン(通年)と言ってもいいぐらい同じ服装をしています。

衣類だけでなく、ほかのものも、ほとんど1種類しか持っていないので、使うものを選ぶ必要はなくなりました。

選択肢がたくさんあって、そこから選ぶために、比較検討にものすごく時間がかかり、結局、満足できない選択をしてしまうと、「あ~、時間とエネルギーを無駄にした」と、気分が暗くなりますよね。

不用品を処分したら、この種のネガティブ感情とはほぼ無縁になりました。

まあ、今でも、Netflixなどのストリーミングサービスで、見るものに迷うことがないとは言えませんが、迷って疲れ果てるのは無駄だとわかっているので、迷わないルールを作り、時間を無駄にしないようにしています。

4.整理整頓へのプレッシャー

物がたくさんあったときは、常に整理整頓しなければならないというプレッシャーがありました。

そんなに大きなプレッシャーではなかったのですが、「たいしたことない」と言えるほど小さなプレッシャーでもありませんでした。

若い頃、よく母親に「部屋を片付けなさい」「掃除しなさい」と言われていて、それがきっかけで言い争いをしました。

もし私の心が、いつも比較的平静で穏やかであり、ストレスの元が、整理整頓できないことだけだったのなら、たまに母にそう言われても、「はい、はい」と言って片付けるか、無視するかできていたと思います。

ところが、私、は多くの人と同じように、他にも大小さまざまなストレスを抱えていました。

仕事のストレス、クレジットカードの支払いをどうするか問題から来るストレス(買い物しすぎていつもお金がなかった)、将来に対する漠然とした不安、ちゃんとできない自分に対する自己嫌悪など。

ほかにもストレスがたくさんあったので、母に「部屋を片付けなさい!」と言われると、とても腹がたちました。その結果、口喧嘩になり、ますますストレスが増えるという悪循環。

大半の物を捨ててしまった今、部屋を片付けてきれいにしなければならないというプレッシャーはまったくなくなりました。

なぜか、ふだんからまめに片付けるようになったし、散らかってもきれいにするのにたいして労力がいらないし(物が少ないと片付けるのはとても簡単)、今はむしろきれいに片付けるのが好きになり、娘に、「ママ、掃除サービスでも始めたら」と言われるほどです。

5.物への執着

不用品を捨てているうちに、「物は物にしかすぎず、本当に大事なものはほかにある」と思うようになったので、物全般に対する執着がなくなり、執着から生まれていたストレスとも無縁になりました。

前はインテリアや物に多少は関心があり、古くは『私の部屋』という雑誌、栗原はるみさんの『素敵レシピ』、『天然生活』といった雑誌を見ることがありました。

『天然生活』にあこがれながらも、捨てる道を選んだ理由とは?ミニマリストへの道(11)

20年ぐらい前は、石黒智子さんのサイトも見ていました。

石黒智子さんの台所にあこがれたが:ミニマリストへの道(52)

ところが、今は、そういう素敵な部屋とか、使いやすい道具なんかは、どうでもよくて、一番重要なのは、必要なものが過不足なくあることだと悟りました。

そのおかげで、あまり物も買わないし、おまけももらわないし、雑誌やSNSで他人の生活ぶりをしげしげ見るのに時間を使うこともありません。

人によっては、物にこだわりがあるせいで、楽しく暮らせているかもしれません。

しかし、そうしたこだわりが強すぎると、自分が今使っている物になかなか満足できません。

「今、持っている物は、こういう点で不足しているから、こういう物を手に入れなければならない」と足りないマインドに陥りやすくなるし、物や道具を探すのに時間を使い、買い揃えることにお金を使いすぎて、肝心のことに使う時間やお金がなくなります。

物に執着しなくなったせいで、考えることもやることも減ったので、かなりストレスが減りました。

■このシリーズの初回はこちら⇒人生の棚卸し~不用品を捨てる意外なメリット(その1)

*****

若い頃、頒布会でよく雑貨を買っていて、おまけをもらえる金額(3000円だったと思う)まで、注文をしていましたが、指定の金額に足りないとき、どれを買うか決めるのに、ものすごく時間と頭のエネルギーを使っていました。

ネット通販で送料サービスになる額にするためにも、似たようなことをしていました。

額を揃えるためだけに買ったものは、その時、不用な物だから、頭を使ったわりには、活用できず、捨てることになりました。





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