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学ぶことに興味がある方におすすめのTEDトークを紹介します。
この春、新しいことを学びたいと思っている人も多いかもしれません。
でも、「もう年だから」「時間がない」「どうせ続かない」と思ってためらってしまうことがありますよね。
このトークでは、何かを学ぶのに必要な時間は、思っているよりずっと短いと教えてくれます。
タイトルは The first 20 hours — how to learn anything(何でも学ぶ方法、最初の20時間)。
スピーカーはビジネス書『The Personal MBA』の著者、Josh Kaufman(ジョシュ・カウフマン)さんです。
新しいスキルを最短で身につける方法
カウフマンさんはこのトークで、学ぶのに必要だと言われる1万時間は正しくないとし、スキルを最短で身につける4つのステップを紹介しています。
公開は2013年、動画の長さは19分半。日本語字幕もあります。
◆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
カウフマンさんはとても明るい方ですね。
以下に、トークのポイントを紹介します。
1万時間の練習が必要なのは、プロになる人だけ
カウフマンさんが最初に取り上げるのは、10,000時間ルールです。
これはマルコム・グラッドウェルの著書『Outliers(天才! 成功する人々の法則)』で広まった考え方で、どんな分野でも一流になるには1万時間の練習が必要だというものです。
この数字が頭にあると、何か新しいことを始めようとしたとき、気持ちが萎えます。
1万時間。1日8時間練習しても、5年かかります。
カウフマンさんはここで重要な質問をします。あなたは世界レベルのプロを目指しているのか、と。
たとえばギターを始めたとして、プロになるわけではありません。多くの人が求めているのは、弾けなかったものが弾けるようになるという変化です。
1万時間はそのレベルには必要ない。カウフマンさんの研究によれば、ゼロの状態から合理的に上達するまでにかかるのは、たったの20時間です。
1日45分の練習を1か月続ければできます。
新しいことを始められない本当の理由
トークでは学ぶ障害は感情的なものだと説明します。
何かを始めたばかりのとき、人はひどく無能に感じます。弾けないギター、片言の外国語、うまくいかない料理。その状態がつらくて、やめてしまうのです。
カウフマンさんの言葉を借りれば、バカみたいに思えて、ちっとも楽しくないのです(Feeling stupid doesn’t feel good)。
この序盤の苦しさを乗り越えられるかどうかが、習得できるかどうかの分かれ目です。
裏を返せば、この感情的なバリアを外すことができれば、あとは練習の問題です。
うまくなる4つのステップ
トークでは、実際の学び方のステップを4つ提案しています。
1. スキルを分解する
私たちがスキルと呼ぶものは、実際には多くの小さなスキルの集まりです。
ギターを弾くなら、コードの押さえ方、ストロークのリズム、コードチェンジ、楽譜の読み方などたくさんの要素があります。
まず、自分が最終的に何をできるようになりたいかを決め、そのゴールに必要な要素を洗い出して、いちばん重要なものから練習します。
2. 自分で修正できるだけ調べる
独学の落とし穴は、間違ったやり方を繰り返してしまうことです。
それを防ぐために、参考になる本や教材を3〜5冊ほど手元に置いておきます。
ただし、教材集めで時間を使いすぎるべきではありません。
本を読んでいれば勉強した気になりますが、実際には練習していません。教材はあくまでも、練習中の確認に使うものです。
3. 練習の邪魔を取り除く
学ぶとき、物理的な障害もあります。
練習しようと思ったのに、スマートフォンを手に取ってしまった。テレビをつけたらそのまま見続けてしまった。こうした状況を作らないために、練習中は気が散るものを目の届かないところに置きます。
意味のある練習にするために、環境を整えることが必要です。
4. 最低20時間は続ける
どんなにつらくても20時間はやりきります。
はじめのうまくできない状態でいることが、いちばんつらい時期ですが、そこを超えると変化が実感できます。
カウフマンさんはトークの中でウクレレを実際に演奏して、20時間でここまでできるようになったと言っています。
■ジョシュ・カウフマンの著書です。
Amazonへ⇒たいていのことは20時間で習得できる 忙しい人のための超速スキル獲得術 Kindle版
■マルコム・グラッドウェルの著書です。
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学びを阻む最大の壁は感情(私も同じです)
このトークで私がいちばん共感したのは、学びを阻む最大の壁は感情だという指摘でした。
新しいことを始めるとき、恥ずかしさ、めんどうくささ、年齢への不安、うまくいかないことへの恐れなど、能力ではなく気持ちがブレーキになります。特に年齢を重ねると、今さら始めても、と思いがちですよね。
忙しさだけでなく、AIがあるから自分でやらなくていいという気持ちも、ブレーキになりがちです。
こんなとき、本当に学びたいことがあるなら、まず20時間だけ集中してみる価値があると思います。
この時間内でマスターできるかどうかは、あまり重要ではありません。
まず20時間やりきること。それだけで、できない自分に向き合うときの心理的な壁を乗り越えられます。
学びたいことがあるのに先延ばしになっているとしたら、うまくならなければという気負いが邪魔をしているかもしれません。
楽しみながら続けるつもりで取り組めば、プロセス自体が充実した時間になります。
私も語学を長く続けてきましたが、どんな言語も最初はまったくわかりませんでした。それでも続けることが大事だと思います。
実際には長い時間勉強してきましたが、集中の質を考えると、カウフマンさんが言うような密度の高い時間を本当に費やしてきたかどうかわかりません。
最近、私が20時間の法則を試したのは、韓国ドラマを字幕なしで見ることです。
最初はほとんど理解できず、もどかしくて、時間がもったいないかもしれないと感じました。それでも見続けているうちに、少しずつ耳が慣れてきました。
最初のつらい時間をがまんしてよかったと思います。
やりたいことは、早めにやったほうがいい
20時間と聞いて、そんな簡単にマスターできないと思う人もいるでしょう。
ただ、カウフマンさんが伝えているのは心理的なハードルを乗り越えて、スキルを分解し、とにかく練習を続けることです。
20時間続ければ、全くできなかったことが、少しはできるようになります。
やりたいことリストに書いたまま何年も経っているものがあるなら、さっそくやってみてください。
1万時間をかける覚悟をするのは、始めてからでも間に合います。














































