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睡眠不足のせいで起きるあまりよくないことを5つお伝えします。最適な睡眠時間、睡眠不足の症状も合わせて紹介しますね。
幸せな人生を送るために睡眠はとても大切です。睡眠中は、からだは休息していますが、脳は記憶を整理したり、成長ホルモンを出して、昼間傷ついた細胞を修復したりと、いろいろやっております。
睡眠は脳と心のメンテナンスの時間なのです。人生の3分の1から4分の1寝ているといいますが、必要があって寝ているのです。
昼間の活動と夜の睡眠はセットで自分の人生なんだと受け止めるべきです。
ところが、多少睡眠不足でも、いきなり倒れたり、どこかから血が出たり、頭痛がガンガンしたりはしません。そのため多くの人が、わりと平気で慢性的睡眠不足に陥っています。
これは心身ともに危険な状態です。睡眠の影響をあなどるべきではありません。
何時間寝るべきか
睡眠時間の目安を書いておきます。学者によって言うことが違いますが、今のところ、一般的にこんな数字が妥当とされています。
子供:12時間
ティーンエイジャー:9時間
大人:7時間~8時間
高齢者:最低6時間
年をとってくると、成長ホルモンの出が悪くなりますので、少なくてもいいようです。
これはふとんに入っている時間ではなく、実際に寝ている時間です。睡眠不足が続くと、耐性がつくというか、それが「いつもの自分」と思ってしまいます。ですが、しっかり睡眠不足になっています。
たまに「私は5時間で大丈夫」、「6時間寝れば足りてます」という人がいます。
アメリカのカリフォルニア大学の研究によると、確かに、6時間の睡眠で普通に機能できる遺伝子を持っている人がこの世にいるそうです。しかしその率はとても低く、アメリカ国民の3%未満です。
こんな自覚症状があったらあなたは睡眠不足かも?
以下の現象がよく起きているなら睡眠不足の可能性が高いです。
●朝、さくっとふとんから出られない。
●朝起きるのに目覚まし時計が必要。
●スヌーズボタンを何回も押している。
●午後、疲労感がある。
●会議中、授業中、講義中に眠くなる。
中身が退屈だったり、空調が悪かったり、室温が高すぎれば睡眠不足でなくても眠くなるかもしれません。
●運転中や重めの食事をしたあとに眠くなる。
●昼寝をしないと、疲れて1日をやり過ごせない。
●テレビを見ている間に居眠りしてしまう。
●週末に寝だめをする必要がある。
●ふとんに入って5分以内に寝てしまう。
たぶん多くの人が睡眠不足になっていると思います。
睡眠不足の5つの弊害
睡眠不足だと、イライラしたり、疲労感を感じます。それ以外にもこんなリスクがあることがわかっています。
1.病気になったり死亡率が上がる
睡眠不足はさまざまな病気を引き起こしますが、特に心臓によくありません。
寝ているあいだ、脳はいろいろ仕事をしていますが、心臓は休息をする時間です。血圧がさがって安定しています。
この時間をしっかり取らないと、心臓は毎日残業を強いられているようなものです。当然残業しない心臓に比べて早く痛みます。
睡眠不足はからだにとっては危険な状態ですから、脳はからだを守るためにアドレナリンを放出します。
アドレナリンは「闘争か逃走ホルモン」(fight-or-flight hormone )と呼ばれる副腎髄質(ふくじんずいしつ)から出るホルモンです。
危ない目にあったとき、相手と戦うか、あるいはさっと逃げることができるように出るホルモンです。これが出ますと、血糖値があがり、心拍数も増加します。
心臓はよけいに働くことになります。
慢性睡眠不足だと、心臓病一般、動脈硬化、高血圧、糖尿病にかかりやすくなります。死亡率があがるという研究もあり。
またホルモンのバランスもくずれるし、免疫力も低下します。さらに「うつ」も引き起こします。ろくなことがありませんね。
アドレナリンはカフェインからも出ます⇒コーヒー中毒になっていませんか?カフェインの依存性をわかりやすく解説 夜遅くまでコーヒー飲みながら起きていると、二重に心臓に負担をかけていることに。
2.事故を起こす
睡眠不足で起きる事故と聞くと、車の居眠り運転が代表的です。
寝るところまで行かなくても、集中力、判断力が落ち、とっさに反応する力も落ちるため、運転中や、日常生活のいろいろな状況で、事故を起こす可能性があがります。
睡眠不足状態でしている運転は、血液中に0.1%のアルコールがある状態でしている運転と同じ、という研究結果があります。
つまり睡眠不足で生活しているのは、はんぶん酔っ払ったまま生活している、と呼べなくもないのです。
違うのは酔っ払っているときは、たいてい、いい気分になるのに、睡眠不足だと、イライラしたり、心配ごとが増えたり、不安でうつうつとしたネガティブな感情に襲われることです。
3.肥満になる
睡眠不足のメリットの記事で書きましたが、睡眠が足りないと、レプチンという、「もうおなかいっぱいです」というシグナルを出すホルモンの放出が減り、グレリンという「もっと食べてください」と食欲を促すホルモンの放出が増えます。
そこで、身体的にはそこまで食べ物が必要でもないのに、睡眠が足りてないがゆえに、たくさん食べてしまい、太りやすくなります。
グレリンとレプチンについて、詳しくはこちら⇒見逃しがちな睡眠の7つのメリット。若さを保ちたいなら夜はしっかり寝よう
しかも、睡眠不足の時に人が食べたいものにはパターンがあります。野菜が食べたくなる人はあまりいません。
脂っこいものや、炭水化物を欲することになっています。
というのも、もともと脂質の高いものや炭水化物は人間の生存にとって大切なものだったので、からだがディフェンスモードになると、こういうものを食べたくなるようにできているのです。
繰り返しますが、足りないのは睡眠であり、すでにカロリーは足りているので、カロリー過剰になって太るのです。
ダイエットをしている人は、特に睡眠をしっかりとったほうがいいです。
4.覚えたいことを忘れ、忘れたいことを忘れられない
睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠というのから成っています。ノンレム睡眠はとても深い睡眠で、脳が休んでいます。休んでいるのですが最近の研究では老廃物を出していると言われています。
同じノンレム睡眠でも、目覚める前のほうにある(つまり、睡眠のおしまいのほうでする)睡眠は浅いです。
最も深いノンレム睡眠のとき、脳は自分にとって「いやな記憶」を消しているそうです。
比較的浅いノンレム睡眠のときは、昼間覚えた情報を整理して、いろいろな生活技術を覚えています。海馬にある短期的な記憶を新皮質に移して、長期的な記憶にしているのです。
生活技術とは、たとえばパソコンの使い方とか、スマホの使い方とか、逆上がりの仕方とか、恵方巻きの食べ方とか電車の乗り方とか、スーパーへの行き方などです。また、脳は昼間いろいろ覚えたことを関連づけることもします。
私たちが夢を見るレム睡眠のときも、いつどこでどんなことがあったか記憶しています。
夢には昔あったことがよく出てきますよね?私も今朝、学校にいる夢を見ました。先生はスティング。宿題をやってなくて、教室の後ろで必死に宿題をする夢です。
私はいまだに学校や宿題の夢をよく見るのです。よっぽどトラウマになっているようです。しかし、こういう夢を見ることによって、昼間はわりとハッピーでいられるのかもしれません。
従って、ちゃんと睡眠をとらないと、昼間、自分の力を100%発揮することができません。
よく、「年のせいで覚えられない」という人がいますが、実は睡眠が足りてないだけなのかもしれませんよ。
5.お肌によくない
これは有名な話です。睡眠不足だとコルチゾールが出すぎます。コルチゾールはストレスがかかると副腎皮質から分泌されるホルモンです。
似たような名前のホルモンにコルチゾンというのがあります。コルチゾンはコルチゾールの前駆体(前の段階の物質)です。ほとんど同じものと考えていいと思います。
コルチゾールは体内の炎症を修復したり、血糖値や代謝を整えるなど大切なホルモンです。大切でないホルモンはないと思いますが。
サーカディアンリズム(体内時計)に影響をうけ、分泌されるので、変則的な睡眠時間を取っていると、バランスがくずれます。
本来ならいいことをしてくれるコルチゾールですが、ホルモンは多すぎても少なすぎてもだめです。
ホルモンの話はこちらに書いています⇒知っているようで知らない、ホルモンとは何?わかりやすく解説しました
コルチゾールが作られるとき、活性酸素がたくさん出ます。この活性酸素がコラーゲンをこわします。
コラーゲンはご存知のように、お肌をのはりやきめを整えて、きれいに保つタンパク質です。よって睡眠不足は美肌に全くよくありません。
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昔は、睡眠を削って仕事に励むことがえらいと思われていましたが、今は睡眠をしっかりとることがステイタスになる時代です。
一昔前は、実際仕事がたくさんあって、寝ずに働く必要があったかもしれません。しかし、現代は計算を代表とした、たくさんの単純作業を全部パソコンがやってくれます。
今、人に求められているのは創造性だと思います。クリエイティビティやアイデアは睡眠不足の頭からは生まれません。