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ガラクタの種類ごとに、捨てられる考え方を紹介しています。
今回取り上げるガラクタは、今の生活に関係のないもの、過去の遺物、思い出があって大事な気がしているだけのもの。
こんなものを見ていきましょう。
今の生活に関係があるかどうか?
物がたくさんあって、部屋が狭くなっている人は、所持品を
A。今の生活に関係のあるもの
B。今の生活にもう関係のない過去のもの
この2つに分けてください。そして、関係のないものを手放します。
もし、今の生活に関係のあるものだけを持てば、収納スペースはそんなにたくさんいりません。
「収納が足りない!」と思うのは、今の生活や今の自分に関係のないものまで、たくさん持っているからです。
昔、どこかで買った土産物や記念品、かつて使ったノートや教科書、買い替え前に使っていた家電、数年前にもらって全然使っていない食器セット、若い頃よく着ていたけれど、今はほとんど着ない衣類、子供が幼いときに描いた絵。
過去に入手したものは、自動的に、「大事な思い出の品」となって、箱や押入れにしまいこまれます。
実家の押入れには、そういう、母の今の生活とは、全然関係のないものがたくさんありました。
数が多すぎるせいか、母はろくに中身を把握していませんでした。
箱を開けてみて「あ~、こんなのがあった!」と驚いたりして。
もし、あなたが、今の自分に関係ないものを、たくさん持っているのなら、過去ではなく、今の生活に意識を向けることをおすすめします。
関係ないのになぜ持っているのか?
今の自分とは関係ないのに、なぜいつまでもそれを持っているのでしょうか?
部屋が狭くなるし、管理に時間やお金、手間がかかるし、見た目がぐしゃぐしゃで、ストレスになるし、物に押しつぶされそうになって安眠できないし、紙ものだったら虫を引き寄せるというのに?
こんなにマイナス要素がいっぱいあるのに、なぜ、いつまでも持っているのか?
終わったのに捨てないよくある理由をあげます。
・もう終わったものを捨てる発想がない
「使っていようと、使っていまいと、いったん家に入ってきたものは、捨てるべきではない」。そういう考え方のもとに生きているなら、その考え方を疑ってください。
その考え方、あなたのためになっていますか?
・何も考えていない。自動的にしまいこむ
役目がおわったもの、今の生活に関係のあるもの、ものと自分とのかかわり、理想の生活、私が大事にしたいこと。
そのようなことはいっさい考えず、何でもかんでも自動的にものをしまいこむ人もいます。
この場合は、ものの役割や、自分がものに求めること、これからしていきたい生活などについて、考え始めてください。
考えるヒントは過去記事にたくさん書いています。
・みんな大事だから
大事なものだから、意図的にしまいこんでいる。引っ越しのたびに、次の住居に持ち込んでいる。
多くの人が、今の生活に関係ないのに、古いものをたくさんもっているのは、みな、大事だと認識しているからでしょう。
もし、あなたもそうなら、次の項目を読んでください。
大事なのはものじゃない
思い出の品や、古い品物をひっぱりだして、じっくり見てみると、自分がいつまでも持っていたいと思うのは、ものではないことがわかります。
それが想起させる人々、できごと、時間。そうしたものをずっと持っていたいと思っているのです。
特定の記憶を忘れたくないわけです。
記憶をキープしたいなら、箱に詰めて、押入れに入れておく以外の方法がいくつもあります。
・デジタル写真にして、時々見る
・実際に毎日使う
・飾って毎日見る
・思い出を文章にしたためる(ブログや日記アプリに書き込んでおくと、参照しやすいので、思い出したいときにすぐに思い出せます)
・捨てる
「え、捨てると、記憶が残るの?」と思うかもしれませんが、ずっとしまいっぱなしにしておくより、取り出して、処分したほうが、思い出が鮮明になるし、心の中に残ります。
この点については、こちらをお読みください⇒捨てれば捨てるほど思い出が豊かになるカラクリとは?~カセットテープを断捨離して気づいた真理
かかわるから大事になる
私の娘は、5歳ごろから10年以上、バレエを習っていました。
小さいときは、薄いピックのバレエシューズをはいて練習していましたが、子供の足はすぐに大きくなるから、きれいなまま、はかなくなってしまったシューズが何足か出ました。
娘の通っていたスクールは年度末(5月ごろ)に、お古だけどまだ使えるシューズやレオタードを売ることができるバザーが行われていたので、サイズアウトした衣類や服は、せっせとバザーに出したものです。
ですが、一足だけ、きれいで、小さくて、かわいいシューズがあり、これは売らずに、何年も、階下の棚に入れていました。
この一足だけは、ずっと記念品として持っていようかな、と思っていたのです。
しかし、持たない暮らしが好きな私は、ある時、「やっぱり、靴は人が履いてなんぼだよね?」と思い、結局バザーに出しました。
汚れて使い込んだ靴の中で、その靴は、ひときわ、きれいで輝いていました。
このように、もう捨てた靴のことを、私はいつまでも覚えています。
使うのも、捨てるのも、そのものとかかわる行為だからです。
しまいっぱなしにしているだけだと、そのものと全くかかわることができません。文字通り放置です。
本当に忘れたくないなら、もっとかかわるべきではないでしょうか?
『星の王子さま』という小説の中で、王子さまが、地球の庭にたくさん咲いているバラを見て、ショックを受けるシーンがあります。
彼は、自分の星に1本だけ咲いていたバラが、唯一のバラだと思って大事にしていたのですが、そのバラは、こんなにたくさん(5000本くらい)あるバラの1本にすぎなかったのか、とがっかりしたのです。
しかし、その後、キツネと出会って、いろいろ学んだので、ここにあるバラを全部合わせたよりも、自分のバラは大事なことに気づきます。
彼は、自分のバラのために、水をやり、風よけとしてガラスの鉢をかぶせたり、ついたてを立ててやったり、毛虫を退治してあげたからです。
自分のバラに時間とリソースを費やして、大いにかかわったから、すごく大事なバラとなったのです。
「これは大事な思い出の品よ」と思っても、箱に入れっぱなしで、かかわることをやめてしまったら、それはもう大事でも何でもありません。
かかわることができないし、かかわる気もないなら、あなたにとっては、もう大事なものではないのです。
たくさんはいらない思い出の品
「大事な思い出の品」はそんなに数はいりません。
たくさんあるとすべてが、ガラクタになりさがります。
私は、大事な記憶は、ふだんは忘れていても、必要があれば、勝手に浮かんでくると思っているので、記憶のトリガー(引き金)として、物理的なものをキープしたいとは思いません。
ですが、たいていの人は、いくつか「記念品」を持って、ときどき見ては、ノスタルジーにひたりたいと考えているでしょう。
私も、YouTubeで古い曲やドラマを見ると、「わ~、懐かしい」とほっこりするので、そういう行為は否定しませんし、人生において、大事な記念品はたしかにあると思います。
たとえば、小説『二十四の瞳』も出てくる写真とか⇒古い手紙を捨てる決心をしたら、今の生活に意識が向いた。
ですが、そういうすごく大事な記念品は、ごく少数です。
幼かった頃の子供を思い出すのに、写真が何百枚もいりません。
子供とは、それこそ、毎日のようにかかわるから、写真なんかなくても忘れませんよ。
☆このシリーズを最初から読む方はこちらから⇒ガラクタのタイプ別、ものを捨てられるようになる考え方(その1)。
過去の遺物を捨てる・関連記事
思い出の品で家を倉庫にするな。たまりすぎた古い物を捨てるコツを書いた記事のまとめ。
山のようにある思い出の品から意味のあるものだけを残すすすめ。
昔の物を捨てると自分の人生が消えてしまいそうで捨てられない←質問の回答。
思い出がある服だから:着ない服を捨てない理由とその対策(その8)
箱に入れっぱなしの記念品をさっさと手放す5つのコツ。執着していてもいいことありませんよ。
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私たちにとって、一番大事なのは今の生活です。
というか、今、この瞬間にできることしか、できません。
思い出の品や過去の遺物をたくさんもって、過去を重視して生きるより、今の生活の充実をめざしたほうが、暮らしの質があがります。
古いものを全部捨ててしまったとしても、昔あったことは、みな自分の中に残っていますよ。