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生きていると、調子のいい時と悪い時があります。
断捨離にしても、始めたばかりのときは、どんどん捨てることができて、楽しいものです。思わぬお金が出てきて喜んだり、「これはすごい、絶好調だ、もう何でもできる!」と無敵になった気分がしたり。
ところが、楽しいのは最初の数ヶ月だけで、そのうち、ちょっとしたことがきっかけでスランプに陥ります。
せっかく捨てているのに、家族がいらない物を買ってきた、スケジュールを決めて捨てていたのに、ゴミの収集日が変わった、隣に座っている同僚が病気になり、仕事が増え残業続きで、家事すらできない、など。
はりきって捨てすぎて、四十肩やギックリ腰になる人もいます。
たいてい、外的状況のせいで調子が狂いますね。
こんな時、やけにならず、ペースの乱れを最小限におさえる方法を4つ紹介します。
その4つとは
1)紙に状況を書いてみる(事実 VS 自分の思っている事実)
2)視点を変える
3)眼の前のできごとを大事にする
4)自分の選択パワーを忘れない
外的状況をいかに対処するかが鍵になります。
1)紙に状況を書いてみる(事実 VS 自分の思っている事実)
紙に状況を客観的に書いてみると、心の整理ができて、思わぬ解決策を思いつきます。
このさい、客観的な事実と、自分が思っている事実の2つのバージョンを書いて、見比べてください。
何か嫌なこと、困ったことがあると、家族や友達に話して、ストレス解消をする人も多いと思います。人と話して気分転換を図るのも悪い方法ではありません。
ですが、思い込みの激しい人や、被害妄想の強い人は紙に書いたほうがいいです。
誰かに話をしているときに、どんどん、自分の都合のいいように、脚色することがありませんか?
たとえば、会社で、同僚ともめたとき、中立の立場ではなく、自分が優位になるように、「被害者は私だからね」「悪いのは私じゃないからね」と強調しながら、話してしまうことが。
そうした話は、たいてい、「もう! ねえ、ちょっと聞いてよ、今日、会社でね…」と始まります。
話した相手も、「そうそう、きみはちっとも悪くない!」と同情を向けることが多いでしょう。
このような会話をすると、偏ったものの見方のまま、そのできごとを解釈してしまいます。
そこで、紙やノートに、起きたことをできるだけ客観的に書いたほうがいいです。次に、自分の思っていた事実(自分のバージョン)、余裕があれば、相手の目から見た事実も書くといいでしょう。
これだけ書くと、「夫のせいで片付かないのよね」とか、「義理母のせいで、物が増えるのよね」と人のせいにしてしまうワナに、はまりません。
人のせいにしていたら、自分で状況を改善できないのは、過去記事に何度も書いているとおりです。たとえばこの記事⇒自分の家を好きになる6つの方法:汚部屋にしてしまうのは愛情が足りないから
2)視点を変える(問題にばかりフォーカスしない)
「ああ、人生って、思い通りにいかないわね(ためいき)」とストレスを感じているときは、問題のみに意識を向けています。この視点をべつのことに向けると冷静になれます。
断捨離をさくさく進めているとき、家族が100均で変な物を買ってきて、せっかくあいたスペースに置いた。
・・・よくあるできごとです。実際、似たような相談をいただいたこともあります。
こういうとき、とても頭に来ます。私の夫も相変わらず、キッチンに荷物を入れた箱を置いたままなのでよくわかります。
以前、バルコニーにご主人が板を出しっぱなしにして困るという質問をもらったことがあります⇒後片付けをしないだらしない夫とケンカせず仲良く暮らす3つの秘訣。
新聞紙をためこむから困る、というメールもいただきました⇒夫がためこんだ古新聞を捨ててはいけないの?←質問の回答
こういうときはバルコニーにある板切れや、部屋にたまっている古新聞のことで頭がいっぱいになりがちです。
実は、それぞれのご主人には、会社で働いている、ゴミ捨てやらの家事を手伝ってくれる、子供を遊園地に連れていってくれる、など、人間として、ほかの行動もたくさんしています。
ところが、問題にばかり目がいっているときは、自分の頭の中は、木や新聞紙を放置するご主人の姿で占拠されてしまい、これが、とてもストレスになるのです。
そこで、意識して、別のことに目を向けてください。
「思いどおりにいかん」と思っていることではなく、何か別のことに。たとえば、うまくいっていることや、うれしいと思っていること、楽しみにしていること、などを考えてみてはどうでしょうか?
感謝すると、うまく焦点を変えることができます⇒幸せになる最強の方法、感謝する気持ちがうむ7つの効果
別のことに目を向けると、「意外と私の人生、いいところもあるわ」と気づき、穏やかな気持ちになります。
ストレスが減るので、ご主人をいきなり怒鳴りつけるとか、自暴自棄になって買い物に走る、なんて行動をせずにすむでしょう。
3)眼の前のできごとを大事にする
「思い通りにいかない」と思っているできごとではなく、今、目の前に起こっていることに意識を向けてください。
すると、不満を感じたり、くよくよ悩んだりすることで占拠されていた脳内に、べつのことを考えるスペースができます。
人間は、過去のことを思いわずらい、これから起きる未来のできごとを心配することに時間を使うものです。意外と、「今この時」、「きょうという1日」のことを考えていません。
子供の学芸会で、あとで見る予定の動画を撮ることに熱中し、その瞬間、子供が見せてくれている芸を楽しんでいない、という状況です。
こういうこと、私にはよくありました。おまけに、後日、撮りためた写真や動画を楽しんだとも言えません。それらを管理することにエネルギーを注いでいましたから。
その話はこちら⇒デジタルなガラクタをためこむ恐ろしさとは?:ミニマリストへの道(61)
今、起こっていることに意識を向けることをマインドフルネスと言います⇒マインドフルネスで実現する。今この瞬間を生きて幸せになる4つの方法。
過去のことは変えられないし、未来のことは誰にもわからない、自分の影響が及び範囲は、今なのだから、今、起きていることに目を向けよう、という考え方です。
実は、今、やっていることを充実させようとすると、過去も未来も変わる、と考えることもできます。
今が、楽しい瞬間なら、「今」という時間を実現するのに役立ってくれた過去のできごとは、ありがたいできごとになるし(過去が再定義される)、今日、やることは、明らかに自分の未来に影響を与えるのですから。
そう考えると、今や今日はとても大事なものなのです。
大事なものを大事にできる暮らしは、人を幸せにする、と私は考えています。
4)選択パワーを忘れない
人間にはコントロールできないことがたくさんあります。そういう意味では、世の中、思い通りに行かせようと思うほうが無理です。
ですが、わりと思い通りにいくこともあります。それは、できごとに対する自分の反応です。
先日、夫がキッチンに置いているダンボール箱の中をちょっと見てみました。娘に、「私のグルーガン、どこにあったっけ?」と聞かれたからです。
箱の上のほうに、もう誰も使っていない、ボードゲームや、もう家にはない、プリンターの替えのインクカートリッジが入っていました。
私なら「即捨て」するものばかりです。
以前の私であれば、「もう使わない物はとっとと捨てたら?」と言うところですが、このときは何も言いませんでした。
「不用品は何でも捨てて、シンプルに生きている自分は偉い。あなたは本当にだめな人ねえ」というふうに受け取られる恐れがあるからです。
相手をなじることは、相手の生き方を否定すること。
本人に「いらない物がないほうが生活の質があがる」ということを自発的に気づいてもらうほうがよいです。
そこで私は、何も言わず、自分の断捨離をがんばるほうを選択しました。
最近、このように、夫の物に対しては、あまり何も言わないようにしています。寄付センターに出したいと思ったものは、廊下に出しているので、それらを持ち込むとき、夫も自分の不用品を出しています。
家全体としては、物の数は減っているような気がします。
自分は無力だ、思い通りにはいかない、と思うできごとはたくさんあります。
けれども、起きたことに対する考え方や解釈、それに対して起こす行動は、自分の影響下にあります。
「自分には選択する力がある」と思っていれば、被害妄想に陥ったり、自暴自棄になったりせず、マイペースで、暮らせるのではないでしょうか?
煮詰まったときの考え方はこちらの記事に書いています⇒何もかもうまくいかない時期を乗り越える3つの方法。
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「なかなか思い通りにいかないなあ」と悲しくなったときにやってみるといいことを4つ紹介しました。
一言でまとめると、「思い通りにいくはずがないことを、コントロールしようとしてがんばるのではなく、思い通りになることに意識を向ける」となります。
断捨離だけでなく、ダイエットや運動、節約などにも使える考え方です。
調子のいい時に、機嫌よく、前向きに行動し、周りの人にもやさしくできる、というのは当たり前のことです。
真価が問われるのは、調子のよくない時の過ごし方や態度ではないでしょうか?