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場当たり的に片付けるのではなく、最初にしっかり計画を立てて片付けていく方法をお伝えします。
前編は最初の3ステップです。
不用品を1000個捨てるチャレンジや、ワンインワンアウト(1つ物が入ったら、1つ何か捨てる)をやって、それなりに断捨離しているつもりなのに、いつまでたっても、部屋が片付かない。
すぐに汚部屋になる。
こんなときは、もう少し、系統だった片付けをするのがおすすめです。
物を捨てたい気分になったときに、ガーッと捨てて、スッキリ空間を保つことができればそれでもかまいません。
しかし、系統だてて片付けていくやり方のほうが性格に合う人もいます。
「片付けているのにスッキリしない」と思ったら一度試してください。
以下、ステップごとに手順を説明します。
1.問題エリアの特定
ごちゃごちゃしている部屋(それが家全体ならば、それぞれの部屋)を目視して、片付けたい場所やなんとかしたい場所を見つけます。
物が乱雑に積み重ねられている場所、すごく汚い場所、ごちゃごちゃスポットです。
『1週間で8割捨てる技術」ではプライムゾーンと呼んでいます。フライレディは、ホットスポットと呼んでいます⇒これならもうリバウンドしない、断捨離習慣を身につける7つの秘訣
それぞれの部屋について、3つぐらい問題エリアを見つけてください。
問題エリアの例
我が家の居間を例にとれば、夫のスペースはすべて問題エリアです。
これまで何度か紹介しましたが、正方形のテーブルの上に、斜めにおいたテレビのモニターの裏が、かなりのごちゃごちゃスポットです。
上から写真を撮ってみました。
このごちゃごちゃは、夫がテレビを見ているときは、テレビのモニターに隠されて、全く見えません。ですが、私が立っている場所(パソコンに向かっている場所)からは、とてもよく見え、見るたびにうんざりします。
ここまでひどいごちゃごちゃ空間はないかもしれませんが、「物が多すぎてカオスだなあ」という場所を見つけます。
例をあげますね。
居間
・マガジンラックから新聞や雑誌があふれている
・部屋の片隅に、雑誌やCD、その他よくわからない物の山ができている
・テーブルの上にリモコンや書類、飾り物がのっていて雑然としている
・本箱に本が乱雑に積み重ねられていて、1冊抜くと崩れ落ちそうである
キッチン
・食器棚にうんざりするほど、皿がある
・調理ツールを入れる引き出しの中に、いろいろなものが入っていて、引き出しにくい
・乾物など日持ちする物を入れる場所(パントリー)が、カオス。中に何があるのか、よくわからない
・フリーザーの中が食品でいっぱい
玄関
・たたきの上にやたらと靴が出ている
・下駄箱の中にたくさん靴箱がある
・下駄箱の脇に、通販の箱が積まれている
・玄関脇のフックに、コートやジャケットが幾重にも重なってかけられている
収納スペース
・何年も放置している物置状態の開かずの間がある
・ガレージに車や自転車に関係のない物がたくさんある
・寝室の押入れの一角に上から下まで、ざぶとんが重なっている
・自室の押入れに、中身がわからない箱がたくさん積んである
改めて見てみると、片付いていない場所が見つかると思います。
一見きれいでも、ごちゃごちゃが目につかないように、うまく隠しているところもあるかもしれません。
このような、「ここが片付いたらいいなあ」、「ここ、片付けたいなあ」「これがすごい目ざわりだ~~~」という場所を見つけます。
問題エリアを見つけたら、ノートにメモします。デジタルでメモするほうがやりやすい方は、デジタルで記録してもいいです。
付せんを使っていただいてもかまいません。写真を撮るのもおすすめです。
すべてを覚えておくことはできないので、ノート(付せん)にメモすることは、はしょらないでください。
2.今月片付けたい場所を決める
ノートにメモした問題エリアを見て、今月片付ける場所を決めます。
スッキリさせたい場所はたくさんあるでしょうが、一度に、何もかもきれいにするのは無理なので、今月きれいにする場所を決めます。
いわば、今月のターゲットエリアです。
週に1つ片付けるとして、4つぐらいでしょうか?
片付けたい場所のごちゃごちゃ具合や、自分が片付けに使える時間や体力によって、数は変わります。
無理のないターゲットを設定してください。
我が家のテレビの後ろのごちゃごちゃぐらいの規模であれば、10分ほどで片付きます。ただ、夫は片付ける気なんて全然ないし、そこに置いてある物をしまう場所もないため、いつもこの状態なのでしょう。
ここにある物が具体的に何なのかよく知りませんが、これらの物体を使っているふしはまったくないので(引っ越してから6年以上この状態)、すべて捨ててしまえば、すぐに片付きます。
DVDプレイヤーのような物は、エコセンターに持っていくために、ひとまとめにして終わりです。
片付けたい場所が決ったら、ノートの別のページに、今月のターゲットとして、1ページに1案件ずつ、書いていきます。
私のように、字が大きく、太いサインペンやマジックで書きなぐる人は、見開き2ページに1つ書いていくといいでしょう。
3.ゴチャゴチャの原因を考えてみる
ターゲット、それぞれについて、なぜ、いつも、ここがゴチャゴチャなのか、考えてください。
「こんな理由で散らかるのかもしれないな」と思うことを、先ほど書いたノートに、それぞれの案件ごとに書いていきます。
ブレインストーミングする感じです。
もともとブレインストーミングは、複数の人たちで、意見を出し合う方法なので、家族や友達と一緒にやればベストですが、自分ひとりだけでも、かまいません。
正解、不正解にこだわらず、「こんな理由なんだろうな」と思うことを自由に出していきます。
何も思いつかない場合は、(そんなことはないと思いますが)、なぜなぜ分析をしてみるといいでしょう。
なぜなぜ分析はこちらで説明しています⇒捨てたら2度と手に入らない、と思うと捨てられない←質問の回答
汚部屋を作っているカオスは、自然に発生するのではなく、そうなる理由があって生まれます
散らかる理由の例
1)マガジンラックから新聞や雑誌があふれている理由は?
・読み終えた分をいつまでたっても捨てないから
・購読誌が多すぎる
・家族が、思い思いの入れ方で突っ込むから
・マガジンラックの下のほうに、古い紙やカタログが入ったままになっているため、新しいものがきれいにおさまらない
2)子供のクローゼットから服があふれている理由は?
・新しい服を買ったあと、用済みになった服(小さくなった服)を取り出さないから
・子供はハンガーに手が届かないので、すべて、床にたまっている
・自分のクローゼットに入らない分の服や、シーズンオフの衣類を、同居させているから
・お下がりでもらった服が多すぎるから
なぜなぜ分析の例
玄関先に靴がたくさんある理由を考えてみましょう。
「靴を脱いだら、脱ぎっぱなしで、下駄箱にしまわない人たちばかりが住んでいるから」。
こんな理由が考えられます。
さらに、なぜなぜ分析をしてみます。
なぜ、しまわないのか?
⇒1.そういう習慣がないから
⇒2.しまう必要性を感じていない
⇒3.しまいたくても、下駄箱がいっぱいで入らない
こんなことを思いつくでしょう。
もう一段階、なぜなぜ分析をすると
しまう習慣がないのはなぜ?⇒別のよくない習慣と行動がすっかり身についているから
必要性を感じていないのはなぜ?⇒たまりにたまったところで、いつも私(主婦)がだまって片付けてしまうから、気づかない
下駄箱がいっぱいなのはなぜ⇒靴が多すぎるから
こんなことに気づきます。
このように、考えつく理由をすべて出しましょう。
この続きはこちら⇒ちゃんと物を捨てているのに、部屋のごちゃごちゃが解消されないときの片付け方(後編)。
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今日お伝えした中で重要なポイントは、片付けたい場所をちゃんとノートにメモすることです。
「片付けたい場所や、散らかる理由をノートに書いてみよう」というと、「そんなめんどくさいことはしたくない」と反応し、何も書かない人がたくさんいます。
先日、買い物依存症の人からいただいたメールに、「医者に、買った物をメモすることをすすめられたのに、めんどくさいから書いていない」と書かれていました。
買い物が止まらなくて困っています。どうしたらやめられますか?←質問の回答。
この人は、「めんどくさいから書いてないけど、でも買い物を止める方法を知りたい」と私にメールしてきたのです。
医者にすすめられた方法は試さないけど、「買い物が止まる」という結果はほしいのです。
片付けに関しても、これと似たようなことをやる人はたくさんいます。
すすめられたことは、「めんどくさい」と言って何もしないのに、次から次へと「片付く方法」を探し続けます
書き出すことなんてほんの数分しかかかりませんが、絶大な効果があります。
脳で覚えておける情報量はそんなに多くありません(だからこそ、私たちはどんどん忘れます)。
ワーキングメモリ(作業記憶)をうまく使って目の前のゴールを達成する(TED)
きょう、5分使って、片付けたい場所を書いておけば、次のステップの片付け作業(きょう紹介したやり方で言えば、ターゲットエリアの選定をすること)をするとき、また一からやり直さなくてすみます。
きのうの続きに、さっと入れるのです。
片付けに時間をかけているわりには、部屋が片付かないのは、効率のいい片付け方(の情報)を求めるあまり、非効率な片付け方をしているせいかもしれません。
それではこの続きをお楽しみに。