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収支をチェックしたり、買い物を記録したり、予算を立てたりするのは面倒でできません。
でも、貯金はしたいんです。筆子さん、どうしたらいいですか?
そんな質問がある人に、お金が残る行動案を紹介しています。
これまで、
1.ゴーイングマイウエイ
2.少額で頻繁な買い物をコントロールする
3.ついで買いをやめる
4.弁当を持参する/家で食べる(食費の節約)
5.貯金を光熱費の支払いだと思う
以上の5つを提案しました。今回は、
6.感情と向き合う
この点について詳しく説明します。
感情の波がお金の使い方に反映される
人間は感情に左右されるので、あまり合理的な行動はしません。
特にお金に関しては、かなり感情の影響を受けます。
イライラするから買ってしまった、見栄で買ってしまった、店員さんに悪くて買ってしまった、いいところ見せたくてお金を使ってしまった、人に好かれたくてお金を使ってしまった。
こんなことがよくあります。
衝動買いは、感情的な買い物そのものです。
よって、自分の感情としっかり向き合って、感情に任せたお金の使い方をしなければ、今より、もっと貯金できます。
感情的になるのは避けられませんが、その感情のまま突っ走らなければいいのです。
何か感じる⇒店に行って買う/ネットショップでポチる
ではなく、
何か感じる⇒その感情に向き合う(自分の感情について考える、つまりメタ認知する)⇒必要に応じてお金を使う
こうなればいいわけです。
お金を使うことにつながる感情はたくさんありますが、特に、お金の使い方と強い結びつきのある感情を3つ紹介します。
恐怖
恐怖は人間の行動を動機付ける代表的な感情です。
・今買っておかないと、あとになって困る
・今買っておかないと、値段があがってしまう
・今買っておかないと、もう2度と手にはいらない
・きれいな服を着ていないと仲間に入れてもらえない
・毎日違う服を着ていないとみんなにバカにされる
こんなふうに恐れている状況があり、その状況を回避するためにお金を使います。
こうした恐怖は、たいてい「足りないマインド」に裏打ちされています。
足りないマインドとは?⇒貧乏人の「足りないマインド」から金持ちの「たっぷりあるマインド」へ変換する方法。
これだけじゃ足りない、私の持っている物は十分ではない、私自身があれこれ足りていないので、物を買って体裁を整えるべきだ、という気持ちは全部「足りないマインド」から来ています。
恐怖は、自分の身を守るために重要な役割を果たしています。
恐れを知らない人は、危険なことをどんどんやってしまって、命を落としたりします。
だから、恐怖は必要ですが、恐れなくてもいい部分ですごく恐れてしまい、無駄にお金を使ってしまうことがよくあります。
心配性は自分で克服できる。恐怖と向き合うことを学ぶ(TED)
罪悪感
うしろめたい気持ちも買い物につながります。
たとえば、
・仕事が忙しくて子供と時間を過ごしていないことに罪悪感を感じる親が、やたらと子供にプレゼントをする
・たいした仕事をしていないのに、高い給料をもらっていることに罪悪感を感じて、パーッと無駄遣いする
・環境にいい行動をしていないことに罪悪感を感じて、グリーン商品を山のように買う
人間はどんなことにも罪悪感を感じます。
先日、ファングッズ(アイドルを応援するための消費)にお金を使いすぎてしまう人から相談をいただきましたが⇒アイドルグループの応援にお金を使っているが、貯金もしたい。どうやって両立させればいいか。
好きなアイドルの応援も、ちゃんと応援できていないことに罪悪感を感じて、もっとグッズを買わなきゃいけないと義務感を感じて、いらないグッズをいっぱい買う人がいます。
罪悪感も、「足りないマインド」の影響を受けています。
最初は、純粋に、「この人を応援したい」という気持ちだったのが、いつのまにか、「私はあの人をしっかり応援できていない」とか、「私はあまりいいファンではない」と感じて、しっかり応援できていない自分に罪悪感を感じて、グッズを買うのです。
相手に申し訳ないという気持ちをなだめるために、物を買ってプレゼントしている人も多いのではないでしょうか?
恥の気持ち
恥の気持ちは罪悪感とよく似ていますが、
罪悪感:自分の特定の行動に対する自責の念。自分のしたことに対する不快感。
恥の気持ち:自分自身を何かとくらべて(または、絶対的に)至らないと恥じること。自分自身に対する不快感。
こんな違いがあります。
詳しくは⇒不安な心(ヴァルネラビリティ)に秘められたパワー:ブレネー・ブラウン(TED)
恥の気持ちは、いろいろな感情の中でもとくに、お金の使い方や管理方法に影響を与えます。
・うちが貧乏で恥ずかしい、私はお金がなくて恥ずかしい
・ちゃんとお金を管理できない自分が恥ずかしい
・お金を使いすぎる自分が恥ずかしい
・くだらないものばかり買う自分が恥ずかしい
こんな気持ちを感じる人も多いでしょう。
恥ずかしいと思うなら、もっと建設的な行動を取ればいいのですが、恥の気持ちは、そうした前向きな行動にはなかなか結びつきません。
自分に対する不快感を感じるのは嫌だから、感じなくてすむように、人は、逃避行動に出たり、気持ちを麻痺させたりするのです。
嫌な気分でいたくないから、ますます買い物をして、一時的にドーパミンレベルをあげて、楽しい気分になったり、
買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。
お金を管理できない自分や、貯金のない現実に向き合うのが嫌だから、「私ってどんぶり感情なんですぅ」と苦笑いして、ネットショップで、3000円ぐらいまでのものを後先なく、何度も買ったり(かつての私です)。
恥の気持ちに向き合うのを避けるためにする行動が、べつの恥の気持ちをうむので、負のサイクルが続きます。
ほかにもお金の使い方に影響を与える感情はたくさんあります。ねたみ、見栄、人と同じでいたい気持ち、さみしさ、空虚感など。
貯金できないのは見栄を張るから。よく見せようとすることの恐ろしさとは?
それらは、どれも複雑にからみあっています。
感情をコントロールするには?
お金の使い方に悪影響を与える感情に対処するのはそんなに難しくありません。
1)自覚する
まず、自分の特定の感情が、無駄遣いに結びついていることに自分で気づいてください。
自覚しなければ、改善できません。
自分の気持ちに正直に向き合えば自覚できます。
向き合う方法としておすすめなのは、書くことですが、
ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
家族や親しい友人に話をしても、気づくことができます。
人と話すと、思わぬフィードバックがかえってくるので、書くことに抵抗がある人は、話すことをためしてください。
もちろん、カウンセリングなどを受けてもいいです。
買い物依存症の治療をするとき、自助グループを作ってミーティングをしますが、同じ悩みを持つ者同士でしゃべるのもいいと思います。
2)ストレスマネジメント
ふだんはわりと穏やかな気持ちで暮らしていても、ストレスがあると、変な買い物をしてしまいます。
そこで、一般的なストレスマネジメントをしてください。
おすすめは、瞑想、深呼吸、定期的な運動、リラクゼーション、美しいものを見る、好きな音楽を聞く、本当に好きなことをする、しっかり寝る、仲のいい人と過ごす、感謝する、このあたりです。
いつもストレスや不安でいっぱいですか? あなた自身があなたの最良の医者です(TED)
不用品を捨てることも、ストレスをやわらげる効果があります。
自分の持ち物を自分でコントロールしている、という意識が生まれるからです。
3)負担の少ない振り返り
記録取るのは面倒でいやだ、予算なんて考えたくない、という人は、自分でもできるどこまでも負担の少ない振り返りをしてください。
たとえば、1週間分のレシートを全部、袋か箱に入れておき、日曜の朝につらつら眺めて、反省ポイントを1つだけ出す、とか。
「この買物は、大失敗だったなあ」とか、「感情的な買い物だ」と思うものを1つだけ見つけて、レシートに赤で印をつける、とか。
おやつにお金を使いすぎている人は、日々のおやつを写真にとってインスタグラムやブログに上げて、月に1回、過去ログを見る、とか。
クレジットカードの明細をプリントアウトして、失敗した買い物にマーカーで印をつける、とか(プリントアウトできない人は、スマホで明細を見て、失敗した買い物を1つだけ選んで、紙きれに書いてください)。
そのような「失敗した買い物」は、何らかの感情のせいで起きているはずです。
その感情について考えてください。
「ああ、私、あのとき、あんなことがあってイライラしてたんだ」「あのときすごく急いでいたんだ」「なんだか無性にさみしかった」と気づくはずです。
イライラのせいで買っているのなら、2)のストレスマネジメントをすれば、来月(来週)は、似たような買い物をしなくてすみます。
感情にふりまわされない秘訣は自分の感情に向き合うこと(TED)
この続きはこちら⇒知らないうちにお金がたまる行動案(その4)~物を使わず自己表現をする。
■これまで書いた記事です。
お金が貯まりやすくなるためのざっくりした行動案~予算とか考えたくないあなたへ(その1)。
知らないうちにお金がたまる行動案(その2)~やりくりが嫌いなあなたに。
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お金がたまりやすい状況を作るために、感情をコントロールすることをおすすめしました。
感情をうまくコントロールできると、お金の管理だけでなく、人間関係も持ち物の管理も今よりましになりますので、やる価値ありますよ。
「あんなことや、こんなことがあって、ものすごくつらい、私はかわいそうすぎる。だから、お気に入りに入れてあるあのワンピース買ってもいいよね」と思って、ワンピースを買ってしまってもいいのです。
ただ、その購入に至るまでの自分の気持ちの流れを客観的に見るくせをつけてください。
それができるようになると、もっと冷静に買い物できるようになります。
恐怖、罪悪感、恥の気持ちは、すべて「足りないマインド」がベースになっているので、本当にお金をためたいなら、たっぷりあるマインドで暮らすことをおすすめします。