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これまでなかなか片付けられなかった人に贈る、今度こそ減らすシリーズ。
今回は、リバウンド防止編です。
ある一定期間、熱心に断捨離をし、不用品をたくさん捨てても、知らないうちにまた物が増えることがあります。すると、いつまでたっても片付かない状況に逆戻り。
なぜこうなるのかというと、自分の思考や行動が以前と全く同じだからです。
自分の行動を変えるために、「なぜ、わたしの家にはあんなにたくさん不用品があったんだろう(今もあるんだろう)?」と理由を考えることをおすすめします。
そして、今度はそうならないように行動を変えるのです。
この記事では、死蔵品がたまるよくある理由を4つ紹介します。考えるヒントにしてください。
1.使わなくなったものをそのタイミングで処分しない
買ったときは、よく使っていてもそのうち使わなくなるものはたくさんあります。
ベビー服や子供服は、子供が成長すれば、もう不用です。子供の身体に入らなくなったら、その時、処分すべきです。
この処分をタイミングよくやらないと、「もう使わない物」が、タンス、クローゼット、押入れにどんどんたまっていきます。
ある程度、部屋が片付いたら、ぜひ、「使わなくなったらすぐに捨てるクセ」をつけてください。
タイミングよく捨てない理由
人は、どんな物でも手放すのが嫌いなので、もう使わないのがわかっているのに捨てないことが多々あります。
よくある思考(言い訳)と対策法を紹介します
●もしかしたらまた使うかもしれない⇒「いつか使うかもしれない」という呪縛から逃れ、断捨離できるようになる考え方
●(高かったから、まだきれいだから、新品同様だから)もったいない⇒もったいないから捨てられないという人へ。それは自分の人生で本当に大事なものなんですか?
●まだ充分使える⇒なぜまだ使える物を捨てるの?と家族に聞かれたら答えたい4つの理由。
もう使わなくなったものをさっさと処理しなかったから、部屋がぐしゃぐしゃになってしまったのです。今後は、もう使わない物が出たら、できるだけ早く手放してください。
2.すでに家にあるのに買ってしまう
すでに同じ用途の物が家にあるのに、新たに買って家に入れると、どちらかが死蔵品になります。
会社や小売店が在庫をかかえてしまう一番の理由は、その商品に対して需要がないという現実を受け入れないことです。
家庭でも、全く同じです。
1つあれば充分なのに、2つも3つも入れてしまうと、需要のない物がたくさん出て、それがガラクタとなり、押入れやクローゼットの中を占領していくのです。
こうして増えていくものには、衣類、雑貨、子供のおもちゃ、文房具などがあります。食料品などの消耗品ですら、たくさんストックしすぎると、だぶつきます。
中には、「私はTPOに応じて、衣類やバッグ、靴のコーディネートを変えるから、数はたくさんいるし、みんな需要があるのよ」と言う人もいるかもしれません。
ですが、たくさんある洋服をうまく使いまわしていくためには、それ相当の時間とエネルギー、管理システムが必要です。世間には衣装さんやスタイリストという、それ専門の仕事があるくらいです。
服をたくさん持って、着こなしていきたいと思うなら、スタイリストとしての仕事が増えることを覚悟しなければなりません。
この覚悟がないと、衣類の管理に手が回らなくなります。
その結果、たくさん服はあるのに、「着るものがない」とイライラしたり、どこに何があるのかわからなくなってしまったり、新品同様の服が、何年もタンスの中で眠って、次第に色あせたりしていくのです。
あるのに買ってしまう理由
家にあるのにさらに買ってしまうよくある理由は、
●買い物が大好きなので(あるいは完全に習慣になっていて)、何も考えず、どんどん買っている
●買い物のほかに、やることがない
●自分の物の量と内容を把握できていない(多すぎるせいだと思います)
●何でも、多ければ多いほどよい、と思っている
こんなところです。
もし心あたりがあったら、行動を変えてみましょう。
3.すでに家にあるのにもらってしまう
贈答品の交換をする機会が多い人は、もらうことによって家の中で物がだぶついていきます。
日本は本当に、景品、粗品、ノベルティ、おまけ、付録、サンプルといった、ちょっとした物をもらう機会が多いです。これは、一度、日本の外に出て暮らしてみるとわかると思います。
私の実感⇒モノをもらわないのも一苦労~不用品を「もらわない」ためのミニマリストの努力と工夫
ですが、気をつけていないと、もらい物がどんどんガラクタになっていきます。
以前、私が指導した捨て方で、実際に読者が自分の家にある物を捨てる、という企画の仕事を複数の雑誌でさせていただきました。
できあがった記事(捨てたものの写真つき)を見て、主婦が洗面所や、キッチンにためこんでいる物の中に、かなりの割合で「もらった物」が入っているのを知り驚きました。
何かのおまけでもらった食器やタッパー、調理雑貨、コスメのサンプル、子供の雑誌の付録などです。ほぼ新品のノベルティが、ものすごくたまっていたのです。
こういう企画のときは、ふだん捨てない人が、読者モデルになるので、たまたま、もらい物をためこみすぎる人ばかり見たのかもしれません。
それでも、もらった物をなかなか捨てない傾向は誰にでもあります。
もらうことで、ガラクタを増やしていた人は、今後はもらわないようにしてください。
ついもらってしまう理由
すでに家にあるのにもらってしまう理由は2つあります。
●もらったほうが得だと思っている(物をもらうと、自分の生活の質があがると無意識に思っている)。
●断らない/断れない
昔の私は、「もらったほうが得」だと思っていました。
懸賞に応募して、積極的に物をもらっていたし、頒布会で買い物するときは、おまけがもらえる注文額まで注文しようとがんばったりしていました。
そうやって半端な物をたくさんもらうことに何年もエネルギーを注いだ結果起きたことは、後になって、たくさんの物を断捨離することに、これまた何年もエネルギーを注ぐ生活でした。
もらい物が好きな人は、物をいろいろもらったことが、本当に人生の質の向上につながったのか、考えてみるといいでしょう。
もらい物を断る話は過去記事を参照してください⇒いらないサンプルや販促品を店で上手に断るには?
4.収納してしまう
物を収納するくせがついているせいでで、ガラクタが増える人もいます。
日本人は、いろいろな物を小さなところに、整理整頓してきれいにしまい込むのが好きな国民だと思います。
箱庭、盆栽、幕の内弁当など、小さなスペースに物を美しく配して、愛でる文化があります。おせち料理もそうですね。
国土が小さくて、スペースが限られているから、ミニチュアを楽しむ文化が生まれたのだろう、と想像しています。
箱庭はもともと 1620年、桂離宮(かつらりきゅう)を作るまえに、桂宮(かつらみや)が庭師にひな型を作らせたことから始まったそうです。
いきなり大きな庭を作らせず、先に模型で、全体像をデザインさせたわけです。
その後、江戸時代中期ごろから、庭を持てない庶民が、箱庭を作って楽しむことが流行り、箱庭文化が花咲きました。
いまは、箱庭作りはわりとマニアックな趣味で、精神療法で箱庭療法として使われるほかは、あまり見かけないと思います。
ところが、この小さなスペースに小さなものを美しく配したいという欲望や、そうすることはよいことだという気持ちは、日本人のDNAに入っているらしく、収納するのが好きな人がたくさんいます。
近藤麻理恵さんが、服を小さくたたんで立たせて収納したり、たたんだ服を手前から奥に向かって色が薄くなるように、グラデーションを意識して配する方法を紹介すれば、多くの人が、「なんてすばらしい」「美しい」と言って賛同します。
美を追求することは悪いことではありません。
茶道や武道では、美しい所作を心がけると、それは無駄のない動きになって、効果を発揮します。
けれども自分がやっていることの意味を深く考えないまま、あらゆる物(いる物もいらない物も)を美しく収納することに血道をあげるせいで、家の中にガラクタがたまっているのも事実です。
関連記事⇒片付かない理由は、収納という名の「決断の先延ばし」をするから
いくら美しく収納して、押入れやクローゼットにしまいこんだとしても、不用品は不用品のままです。きれいにしまっても、有用な物にはならないのです。
需要のない物まで、きれいにしまうクセがついている人は、収納しすぎないように気をつけてください。
今度こそ減らす!シリーズ、これまでの記事もどうぞ
今度こそ物を減らすコツ(何度も失敗した人向け):行動開始編。
片付けに疲れたときの立ち直り方(今度こそ減らす、スランプ脱出編)
いったん片付いたのにまた散らかってきたら?:今度こそ減らす、現状見直し編
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今回は、自分の家にいらない物がたまってしまう理由を4つ紹介しました。
キャラ弁作りも、箱庭文化の流れでしょうね。ふつうのお弁当でも、すでにかなり彩りきれいでおいしそうなので、これ以上がんばらなくてもいいと思います。