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毎日忙しくて、自分のニーズは棚上げにしている人に見てもらいたいTEDトークを紹介します。
タイトルは、Dear Overwhelmed Moms, Self-Care Isn’t Selfish(いっぱいいっぱいのママたちへ。セルフケアはわがままじゃありません)
ポッドキャスターの、Liz Carlile(リズ・カーリル)さんのプレゼンです。
セルフケアはわがままじゃない:TEDの説明
Self-care and self-love is the key to changing everything in your life. When her son was 6 weeks old, Liz found herself crying on the bathroom floor. Through some necessary internal work, she went from being an overwhelmed new mom to one that put her well-being first and as a result, positively changed her life and benefited her entire family.
セルフケアやセルフラブは人生のすべてを変える鍵です。
息子が生後6週間のとき、リズは、バスルームの床に座って泣き出してしまいました。
自分の内面を見つめるワークをし、リズはいっぱいいっぱいの新米ママから、自分のウェルビーイングを優先する人間になり、その結果前向きになり、人生が変わり、家族にもいい結果をもたらしました。
収録は2019年の5月、動画の長さは9分半。字幕はありません。動画のあとに抄訳を書きます。
☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
メッセージはシンプルで、短いトークだし、難しい単語も出てこないので、とっつきやすいプレゼンです。
すべては息子のために
7年前、妊娠がわかったとき、私の世界は、「私」から、「私たち」に変わりました。
妊婦用のビタミン剤やたくさんの水を飲み、一生懸命体を動かしました。
自分がすることは、すべて生まれてくる子どものため。そうすれば、自分も健康で幸せになれると信じていました。
でもそうじゃないんですね。
母親はもっとわがままになるべきなんです。
私は、わがままとはほど遠い母親で、自分のことはないがしろにしていました。私がすることはすべて息子のため。自分の気持ちやウエルビーイングは無視していました。
突然涙が出てきた
息子が生後6週間になったある夜、いつものようにお風呂に入れていたとき、パシャパシャと水をたたいていた息子が、私の顔を見ました。とてもきれいな青い目で微笑む息子を見ていたら、突然涙が出てきたんです。
「リズ、いったいどうしたっていうの?」と思いました。
なぜ、あなたは幸せじゃないの? 息子は健康なのに、なぜ、あなたはそんな暗い場所にいるの?
そのとき、母の言葉を思い出しました。「リズ、私はランニングや、ワークアウトのテープを聞かない日があったら、その日は自分ではいられないのよ」。
そして気づきました。こんな気持ちになるのも無理はない。だって、私は自分の世話を全然していなかったから。
私の父は、海軍に勤めており、よく遠くに出張したり、1日18時間働いたりしていました。
だから母は、1人で4人の子どもの面倒を見ていました。しかも、いつも明るく前向きに。
私は、「ランニングが母にとってよかったなら、私にもいいはず」と思いました。
その瞬間、セルフケアを優先する気になりました。自分を救うためにそうする必要があったのです。
ランニングをしてみた
翌日、スポーツウエアを着て、息子を夫に預けて、ドアに向かいました。
このとき、ものすごい罪悪感にさいなまれました。母親特有の罪悪感です。
母親の罪悪感ってどこにでもありますよね? それまで、子どもが自分の中に長い時間いたせいか、生まれたあと、ちゃんと子どもの世話をしないことに罪悪感を抱くのだと思います。
でも、バスルームで泣き出したことを思いだし、あんなことは2度とごめんだったので、意を決して外に出ました。
走り始めてすぐに疲れ、息もあがりましたが、歓びや幸福感を感じました。
走り始めた最初の呼吸から、最後の呼吸まで自分自身でいることができたんです。まるで魔法のように。
ランニングを終えて家に戻ると、私の幸せは、息子や夫にも伝わりました。
ジャーナリングをしてみた
翌日は疲れていたので、ランニングはせず、代わりに日記を書きました。
子どものとき、文章を書くのが大好きだったんです。
5分ほど書こうと思っていたけれど、結局、20分書きました。すると、「私はいい母親なのか? 十分なことをやっているのか?」という心配やストレスが、私の体から、ペンを通して紙の上に出ていきました。
日記を書いたあと、また身軽になりました。また歓びを感じたんです。
そして、いつもの育児や家事にタックルできる準備が整いました。
セルフケアは人それぞれ
私のポッドキャストでインタビューしたジョーは、べつのセルフケアをしていました。
ジョーは16歳のとき妊娠して、家から追い出されたんです。
新生児と2人きりでした。大変なことを乗り切るために、ジョーは独自のセルフケア法を見つけました。
瞑想し、毎日ポジティブなアファーメーションをし、運動をしました。
ジョーの息子は成長して、もう家から出ていきましたが、ジョーは、こうしたセルフケアも今も続けています。そして、周囲の人にとって、光、前向きさ、寛容さの源(みなもと)になっているんです。
私が言っている「わがまま」とはこういことです。
つまりそれは、セルフケアなんです。
ほんの短い時間があればいい
セルフケアをするために、人生をまるごと変える必要はありません。5分もあればできます。
1週間のヨガのリトリートに行く必要はないし、マッサージに大金を払う必要もないし、スーパーで出会った素敵な人と駆け落ちする必要もないんです。
必要なのは、ごく小さい、意図的な活動です。
自分に合うものならなんでもかまわないので、毎日やってください。そうすればすべてが変わります。
子どもは親がすることをいつも見ていて、手本にしています。
親がいつも自分自身を大切にしている姿を見ていれば、子どもたちも同じことをします。
セルフケアをする時間がないと思うかもしれませんが、ちゃんとありますよ。
5歳の自分に愛を注ぐ
目を閉じて、この世界の何よりも愛している人を思い浮かべてください。その人の顔を思い描いて、その人に感じている気持ちを感じてください。
次に、5歳の自分自身を思い浮かべてください。その子は、この劇場の通路を走り回っているかもしれません。
その子を呼び、膝に乗せましょう。そして、今、大好きな人に感じていた愛をその子に送ってください。そして、一緒に呼吸をしましょう。
3回しますよ。深く息を吸って、吐いて、また深く息を吸って、吐いて。もう1回、吸って、吐いて。はい、目を開けてください。どんな気分ですか?
このワークをする前とは、少し違う気分になったんじゃないですか?
そうなんです。複雑なことをする必要はありません。シンプルです。
このワークの恩恵は、ママじゃなくても受けられます。父親や、両親を介護している人にも必要なワークです。きつい仕事をしている人もやるべきです。
セルフケアをすれば、共感や創造性、幸せな気分を、周囲の人にあげることができます。同僚やクライアントにも。
そうすれば、キャリアが変わります。瞑想をしたり、日記を書いているときに出てきたアイデアが、思いがけず仕事につながるでしょう。
忙しい毎日を送っていても、1日5分でいいから、膝の上に、自分の中にいる子どもの自分とつながってください。
自分に愛を送りましょう。自分自身の呼吸とつながりましょう。
本当の自分とつながってください。セルフラブやセルフケアは、人生のすべてを変えます。だから、そうする許可を自分に与えましょう。明日ではなく、今日始めてください。
//// 抄訳ここまで ////
補足
*retreat リトリート、数日の間、日常から遠い環境に身をおき、いつもとは違う体験をすること。
リズ・カーライルさんの著書です。
ペーパーバックのほうにリンクしましたが、Kindle版は、現在読み放題対象です。
セルフケアに関連のある過去記事
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自分とつながる時間をもつ
育児で大変な思いをしている人はもちろん、ストレスのせいで、やたら買い物して汚部屋を作っている人にも、セルフケアをおすすめします。
私は、セルフケアをしろ、自分を優先しろとよくブログに書いていますが、ずっと家族や子どもを優先してきた人には抵抗があると思います。
読者からも、「セルフコンパッションとかは甘えではないですか?」「わがままではないですか?」というお便りをいただきます。
そういう人にとっては、自分を優先することは、コンフォートゾーンを出る行為でしょう。
だから、自分を優先したくない気持ちもよくわかります。
そのほうがとりあえず楽ですから。
他の人に奉仕する生活を続けていれば、わざわざ自分と向き合うなんてめんどくさいこともしなくてすみます。
ですが、自分の本当の気持ちをないがしろにしていると、どこかに歪みが出て、ストレスがたまります。
過剰に買い物をしてしまったり、たくさん物を買えば幸せになれると信じ込んでしまったりするのは、この歪みのせいではないでしょうか?
本当は、やってみたいことがあるのに、そうできないから、物を買い集めることでとりあえず自分の機嫌を取る。
その結果、貯金ができず、汚部屋になる。
物が増えすぎても、捨てれば、ある程度リセットできますが、自分はいつまでたっても不幸なままです。
自分に厳しくしないと、どんどんなまけてしまう。そんなときは、厳しくすればいいと思います。それは自分の成長につながりますから。
しかし、自分の本当の気持ちを押し殺して、他人に奉仕する生活を続けるのはおすすめできません。
運動もセルフケアになりますが、私のおすすめは何と言っても、紙に気持ちを書き出すこと。
お金も時間もかからないし、使いかけのノートも消費できます。
まだやっていなかったらぜひやってみてください。