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物をいっぱい持っていると、持っていないのと同じ状態になります。だから、たくさん所有することは、自分が思うほどいいやり方ではありません。
むしろ無駄に物を持って、よけいな仕事を作っているだけです。
この点について、詳しく説明しますね。
0.こんな経験ありませんか?
必要以上に物をたくさん持っていると、「あ、あれがいる!」と思ったときに、さっと取り出せませんよね?
そもそも、それが本当に自分の家にあるかどうかも、はっきりしません。
その存在を忘れてしまうし、それが「ちゃんとある!」と覚えていても、すぐに探し出せません。
なぜそうなってしまうのか?
いくつか理由をお伝えします。
自分の家でもそういうことが起きていないか、考えてみてください。
1.視覚情報が多すぎてわけがわからなくなる
物が多すぎると、視覚から入る情報や刺激が増えるので、脳がそれらを処理しきれなくなると思います。
実際はなんとか処理をしているでしょう。
でも、以下のような状況ではないでしょうか?
狭いキッチンのカウンターの上のあそこにあるのはコーヒーメーカー、ここにあるのはフードプロセッサー、向うにあるのは先月おまけでもらった皿、そっちにあるのは、食べかけのポテトチップス、手前にあるのは、図書館に返す本と雑誌…
こんなふうに、いろいろなものがカウンターにのっていると、脳は1つ1つのものをちゃんと認識せず、「よくわからないごちゃごちゃしたもの」と理解します。
だから、図書館に返す本がそこにあっても、見えません。
本も雑誌も視覚的ノイズの要素になってしまうので、返却を忘れて延滞金を払うことになるでしょう。
いつもの光景の一部になっている物の見直し:視覚的ノイズを減らす(その5)
2.スペースがなくなって詰め込む結果になる
物が多すぎると、すべてをとても限られたスペースに押し込むことになります。
すると、1つ1つの物にアクセスしにくくなります。
押入れのように奥行きの深い場所だと、奥に入れてしまったものは、手前の物をどかさないと発見できません。
私たちは、目に見えないものはすぐに忘れます。
そこにあるかどうかわからないし、手前の物をどかして探すのも本当に大変。
忙しいあなたはそんなことはやりたくない。
だけど、今、あれがいる。
なんとか気力を振り絞って探し始めても、床の上にいろいろな物が散らかって、げんなりします。
結局あなたは、「ああ、ここにはないっぽい。もういいや、明日、百均で買ってこよう」と思うのです。
3.心理的な圧迫感に負ける
物がうわ~っとたくさんある中で、何かを探すのって大変ですよね?
押入れの扉を開けても、すぐに、バシーンと閉じたくなるんじゃないでしょうか?
「見てはいけないものを見てしまった」と言いながら。
探すのが物理的に大変ということもありますが、そもそも、気持ちが負けてしまうんです。
「あんなガラクタの山と対峙したくない」という気持ちです。
物がどっさり入っていそうな実家の納屋や、自宅の開かずの間の掃除を延ばし延ばしにする人はたくさんいます。
「とてもあんなに片付けられない」と思うからです。
このように、物がたくさんある家では、物を探すこと自体がかなりのストレスになります。
その結果、ろくにトライしないで探すのをあきらめてしまうのです。
4.家にあるのかどうかわからない
あなたは同じ本を2度買ったことはありませんか?
私はあります。
似たような服を何枚も買ったことがありませんか?
これも、私はあります。
どちらも物が多すぎるせいだと思います。というのも、大々的に断捨離したあと、私は、同じものや似たようなものを何度も買うことがなくなりましたから。
たくさん物があると、多くの人は、箱やケースにしまいます。
でも、いったん箱の中にしまいこむとその存在を忘れます。
透明ケースに入れてもたいして事態は変わりません。なぜなら、ケースの表面から目視できないものは、確認できないからです。
それにケースにいろいろなものをごちゃーっと入れてしまうと、先にも書いたように、視覚情報が過剰になって、単なる「ぐしゃぐしゃなもの」と認識してしまいます。
物が少なければ、どこに何があるかは、何も見なくても把握できます。頭の中で覚えておけますから。
たとえば、私はゴミ箱に入れる用のまだ使っていないゴミ袋(英語ではliner ライナー と言いますが、日本語でもそう言うんでしょうか?)は、すべて流しの下に置いています。
流しの下に、一般ゴミ用のゴミ箱と、生ゴミ用のゴミ箱があるから、その奥に、それぞれのゴミ袋を置いているわけです。
しかし、同じゴミ袋でも、リサイクルできるゴミを入れる青い透明の袋(ブルーバッグ)は、洗濯機が置いてあるエリアに置いています。
ふだんここにブルーバッグを置き、段ボールが出たら、その都度どんどん投げ込んでいるからです。
同じゴミ袋でも、使う場所が違うから、それぞれのゴミ袋の置き場所が違うわけです。
これは、2種類/2箇所だから把握できると思います。
しかし同じ種類だけど、使う場所や使う機会が違うものが、何種類もあり、それぞれ置き場所が違うと、もはや私の頭では把握できません。
新しいゴミ袋をおろすたびに、あれは、どっちだったっけ? こっちだったっけ? そもそも、ストックあったっけ? と考えることになるでしょう。
物をいっぱい持っている人は、システマチックな収納をしているつもりでも、それが複雑になりすぎていて、把握していないんです。
何かが必要になっても、はたしてそれがあるのかどうかわからないから、同じものや似たようなものを何度も買ってしまうのではないでしょうか?
5.使わないので存在を忘れる
物が多すぎると特定の物をひんぱんに使うことが難しくなります。
まず、どこにあるのかよくわからない。
わかっていたとしても、物の山に埋もれているため、非常に取り出しにくい状態にある。
引っ張り出すのが大変だから、使いません。
基本的に人間はとてもものぐさです。自分のエネルギーを節約しようとします。
たぶん、これは、進化の過程で生き延びるために、本能として発達したのでしょう。
エネルギーを無駄に使いたくないから、可能な限り効率的に行動しようとします。
客観的に見て、その行動が本当に効率的かどうかは別にして。
雑誌にもインターネット上にも、効率的に生きるためのライフハックがあふれています。
人が無料で何かをもらうのが好きなのも、もう使わないものをいつまでも捨てないのも、たぶんエネルギーを節約したいからです。
何かを手に入れるには、まず、働いてお金を得る必要があります。働くためには自分のエネルギーを使わなければならない。
私達は、ラクして簡単にお金やものを手に入れることができるなら、そちらを選ぶし、そういう機会を常に探しています。
いずれにしろ、すごく労をいとうのが人間ですから、ちょっと取り出しにくい場所にあると、取り出して使うことはしません。
使わないから、存在そのものを忘れてしまいます。
今日の結論
以上の理由からたくさん物を持っていても、それは持っていないのと同じこと。
むしろ、持ちすぎているせいで、以下の悪影響が生じています。
・時間の浪費
・お金の無駄
・精神的ストレス
この問題を解決する方法は簡単です。今すぐ、余計な物を捨てればいいだけです。
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物がたくさんあっても、持っていないのと同じ。むしろよけいな考え事や仕事が増えるので、持っていないほうがましである。
これが、私の伝えたかったことです。
この記事で書いたようなことが、自分にも起きているなら、たくさんの物を持つことが、本当に自分のためになっているのか考えてみてください。
いくら物があっても、それをちゃんと使うことができないのなら、処分してしまったほうが自分のためになると思います。