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こんなときは、いったん、片付けを休んだほうがいい、と思うケースを4つ紹介します。
不用品を捨てると、通常、生活の質があがるし、気分も軽くなります。
ところが、どんどん暗い気持ちになる人がいます。
そういうときは、無理に捨てることを続けないでください。
まずこの記事を書くきっかけになったメールを紹介します。Mさんからいただきました。
1000個捨てている最中なんだけど
件名:先日ブログで回答をいただいた者です。
先日は私の質問にお答えくださり、ありがとうございました。
1000個捨てチャレンジに取り組み中で、昨日200個を達成しました。まだまだこれからです。今は手紙や写真などを捨てています。
友達が少なく社交的ではない私ですが、それでも旅先から届いた絵葉書や誕生日のお祝いカードも含めて手紙の山が積み上がりました(他の人達は私の比ではないと思いますが)。
また、古い写真の中の私は今とは違って笑っていました。自分の外見に自信のない私ですが、それでもこの頃は楽しげで消極的な感じはしません。
大切に保管するもののほとんど読み返したり見返したりすることのなかった私が大切にすべきだったのは、私のことを思ってくれていた友達や新しい機会だったんじゃないかと泣けてきました。
情けない自分と向き合いながら手紙や写真を捨てています。
1000個捨て終わっても情けないままだろうなぁとも思います。
でも、またとない機会ですしこれが何かの機会になるかもしれません。私の住む愛知県はまだまだ暑いのですが、涼しくなる前に達成することを目指しています。
Mさん、こんにちは。メールありがとうございます。
前回のお便りは、思いの残る物を捨てられない、という内容でしたね⇒昔の物を捨てると自分の人生が消えてしまいそうで捨てられない←質問の回答。
前のお便りもそれなりに暗かったのですが、今回はさらに暗くなっているので(少なくとも私の回答が意図した方向には行っていないので)、物を捨てるのはやめて、もっと自分が楽しいと思うことや、やっていて楽しいこと、充実感を感じられることをやってください。
フロー状態に入れるものなら、なおいいです⇒人を幸せにするのはお金ではなくフロー状態。ミハイ・チクセントミハイ(TED)
Mさんは、失業したショックがまだ癒えていないのかもしれません。
断捨離や1000個捨てチャレンジは修行ではありません。つらいなら無理にやらないでください。
気持ちを立て直してから取り組んだほうがいいと思います。それと、いちいち人と自分を比べるのもやめましょう。
Mさんに限らず、以下の状態にいる人は、いったん捨てるのをやめてください。
1.捨てることのみが目的になっている
片付けは、最終ゴールではありません。
あくまで、もっと暮らしやすくしたい、こんな変化がほしい、こんな問題を解決をしたいと思ったときに取り組むプロジェクトの1つです。
捨てることが最優先事項になってしまっていたら、スローダウンしてください。
たとえば、家族(他人)の物まで捨ててしまったり、本当はまだいる物を無理やり捨ててしまったりするのは、捨てることが最優先だからです。
この場合、達成されるのは、「物を捨てること」のみであり、生活をよくすることはないがしろにされます。
2.片付けが競争やレースになっている
他の人と比べて、自分はまだこれだけしか捨てていない、とか、こんなに捨てたぞ、と一喜一憂している場合も、捨てるのをやめてください。
特に、数にこだわる人が、この傾向がみられます。
何かが100個以上だから、だめ、100個以内だから、セーフ、というように。
以前、持ち物の数にこだわって、自分の首をしめている方のメールを紹介しました⇒物の置き場所が決まらず部屋がカオスです。どうしたらいいですか?
「この人は特に数にこだわっている特殊なケースだ」と思うかもしれません。
しかし、何でも数字にするとわかりやすくなるため、誰でも、簡単に数字にこだわります。
たとえば、体重。
体重の数字だけでは、その人の健康の度合いはもちろんのこと、人生の充実度も測れませんが、そういうことは全部無視して、「とりあえずあと5キロやせよう」と決めたりすること、多くないでしょうか?
あるいは、洋服や靴のサイズ。自分のサイズは無視して(ありのままのサイズを受け入れられずに)ちょっと小さめを買って、きついのを無理して着用する人、本当にいます。
セールで物を買うことにしても、総合的なお得度など何も考えず、「6000円が2980円になってるから」という理由で買ったりします。
最近のことはわかりませんが、私が子供のころは、テストの点や通知表の評価(1~5)にこだわる親や先生がたくさんいました。
よって、「あまり実態の伴わない数字に、異様にこだわる態度」は、幼いときから養成され、大人になってもなかなか抜けません。
断捨離プロジェクトにおいても、存分に発揮されてしまうのです。
1000個捨てチャレンジは、捨てることを日々の習慣にできるし、達成度がわかるので、よいチャレンジですが、数に一喜一憂しすぎる人にはあまりおすすめできません。
3.悲しみや不安、イライラを引き起こしている
物を捨てるときは、程度の差こそあれ、みな、恐怖、不安、心配、痛みなどを感じますが、捨てたあとは、開放感や安堵を感じます。
捨てたあとも、自己嫌悪や不安、イライラなどが続くなら、捨てるのはやめましょう。
最初にも書きましたが、やっていて楽しいと思うことをしてください。
ちょっと前のメールに私の夢を書きましたが⇒めったに着ないけど、必要な服。買うべきか否か?←質問の回答。
私は自分の生活の中にあるガラクタ(目に見えるものも見えないものも)を探して、それを取り除く作業が好きなのです。
何かを捨てると、たいてい、喜びを感じており、情けない気持ちになったことなんてありません。
Mさんにも、捨てることより、もっと喜びを感じられる何かがあるんじゃないですか?
4.捨てて、また買うの繰り返し
ある程度捨ててから、新しい物(新品でも中古品でも)をまた買って家に入れ、飽きたらそれらを捨ててまた新しい物を家にいれる。
こうした行動を繰り返していたら、捨てるのをやめてください。
新しい何かを買うために、捨てたり、人にあげたりしている状態が続いているのなら。
飽きたら捨てて新しいのを買う、を繰り返す生き方をするのはその人の勝手ですが、不用品の片付けが目指すところではありません。
私は、自分の人生の邪魔をする物(自分のエネルギーやリソースを無駄にうばうもの)を捨てて、本当に大事にしたいものを大事にすることをおすすめしています。
は一番大事なものではない、とも思っています。
「捨てて、また買う」を繰り返していると、いつまでたっても、大事なものを大事にすることができません。
まとめ:表面的な「捨て」にとどまらない
物を捨てさえすれば、さえない自分の人生もバラ色になるかもしれない、という期待感を持つのは悪くありませんが、ただ表面的に捨てているだけでは、何も変わりません。
多少、部屋はスッキリするでしょうが。
なぜ、私は毎日、不用品を片付けているのだろう、どんな生活をめざしているのだろう、と自分なりに考えながら、日々の片付けをしてください。
本当は、べつのところに解決すべき問題があるのに、その問題に向き合うのが嫌だから、1000個捨てチャレンジや、断捨離をがんばってしまうことがあります。片付けに逃避するわけです。
この場合、片付けは、代償行為にすぎないので、1000個捨てようが、2000個捨てようが、その人の問題は解決しません。
私も、昔、本当の問題について考えたくないので、趣味(語学)をがんばることで、自分をごまかしていたことがあります。
ごまかすといっても、心の底ではわかっているので、常に居心地が悪かったです。
本当の問題を解決しないかぎり(または、解決に向かって進まないかぎり)、この居心地悪さは続きます。
Mさんも、一度、ご自身の本当に求めていることについて、考えてみてください。
Mさんが解決すべき問題は、押入れの中にある写真や手紙ではないと思います。
先日紹介したTEDトークが参考になるでしょう⇒静かな時間を大切にすることを学ぼう(TED)
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断捨離をいったんストップしたほうがいい場合を4つ紹介しました。
不用品をどんどん捨てるのは、気分がよく、人によっては、「断捨離ハイ」みたいになります。
これは、買い物でドーパミンが出ているのと同じです⇒買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。
快感をもとめて、人の物まで捨てないようにしてくださいね。