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数年前、毎週火曜日は、買ったはいいがそのままになっている物、もらったけれど全く使っていない物を意識的に使う「活用日(かつようび)」に設定していました。
どんなふうに活用日を活用していたのか、死蔵品を無理に使おうとした結果、どんな気づきがあったのかお話します。
活用してよかったと思うもの
ある週の活用日に、買ったはいいが、ずっとそのままになっていた古いカセットテープを聞きました。
淀川長治「映画の旅」第5巻「ヨーロッパ編」を聞いてみた
淀川長治は日本の映画評論家の第1人者。
私が子どものころ、「日曜洋画劇場」というテレビで映画を放映する番組の解説をしていました。
淀川さんはラジオ番組も持っていて、そちらもよく聞いていました。独特の語り口でさまざまな映画の話をする番組です。
私が本屋でこのカセットテープを買ったのは、30代の頃。ようやくテープを聞いた日から20年以上前のことです。
いつもの悪いくせで、買っただけで安心して封も開けていませんでした。しかも、いつか聞こうと思ってカナダまで持ってきていたのです。
発売は1990年5月25日。外箱には「Walkman BOOK」とありました。
お若い方はウォークマンはご存知ないでしょうね。1980年代にはやっていた、携帯用小型カセットテープのステレオ再生装置です。
娘が中学生のとき、80年代について調べ、レポートを書く宿題がでました。そのとき、80年を象徴するものをいろいろ教えてあげて、ウオークマンの説明もしたのですが、まったくピンと来てなかったようです。
無理もないです。
そんな大昔のカセットテープ。20年の時を経て、ようやく日の目を見ました。初めて封を開け、聞いてみたのです。
カセットテープがわからない人はこちらで説明しています⇒捨てれば捨てるほど思い出が豊かになるカラクリとは?~カセットテープを断捨離して気づいた真理
活用日を作ったいきさつはこちら⇒家事の週間プランで綺麗部屋の住人へ~ミニマリストへの道(29)
懐かしの淀川節を堪能
「皆様、こんにちは。淀川でございます。」という冒頭の声で一気にタイムスリップ。
淀川さんは、独特のユーモアがあります。
「ブリキの太鼓」という映画の話では、蓮見重彦(はすみしげひこ・映画評論家)のことを、「蓮見さんという、お経みたいな原稿を書く、難しいことばかり言ってる人が…」と言っておられました。
蓮實重彦の映画評論、本当に難しくて私にもよくわからないので、一人クスクス笑ってしまいました。
「あ~おもしろかった」と聞いあと、さくっと寄付箱に入れました。
活用しそこなって捨てたもの
その昔、私は大量のレシピの紙切れをもっていました。
インターネットで見つけて印刷したものや、雑誌や料理本からぺりぺりとページを引きちぎったものです。
母が送ってくれた新聞の切り抜きもありました。いろんな場所に散乱していたレシピをかき集め、大きな紙袋に入れて、まとめて階下においていました。
この「一箇所にまとめる」までが、けっこう大変でしたので、まとめたあとは安心して、そのままずっと放置。
ある時「このレシピを使わないかん」と活用法を考えました。
レシピを活用するとは、すなわち、その料理を作ってみることです。
「台所から遠い場所においてあるから活用できないのであろう」と考え、近づけてみることにしました。
紙袋の中をがさがさとあさり、自分にも作れそうなもの、材料がそろいやすいレシピの中から、その週の「ターゲットレシピ」を決めました。
その週の火曜日に、試しに作ってみるレシピを1つだけ選び、クリアファイルに入れて、台所の物入れに入れておきました。
「こうすれば、作ることを忘れない。素晴らしいアイデアだ」と当時は思いました。しかし、こうやって調理場に置いたレシピのうち、実際に作ったのは1つだけでした。
今でも覚えています。
TANTOという料理雑誌にのっていた読者が投稿した「こしょう飯(めし)」というレシピ。
単にご飯を炊く時に粒こしょうを入れるだけという簡単なもの。ほかにも何か入れたかもしれませんが、詳細は忘れました。
技術的ハードルが低いし、そもそも私はこしょうが好き。ということで、作ってみました。
こしょうを入れすぎてピリピリしましたが、まあまあおいしく、口の中のヒリヒリを緩和するために、卵焼きまで作ってしまいました。
「ようやく活用できた」と満足しましたが、「ご飯にこしょうを入れるだけのレシピを15年も所持する必要があったのだろうか」とも思いました。そんなのレシピがなくたって作れます。
私が作ることができたターゲットレシピはこれ1つだけ。
ほかのレシピはハードルが高すぎて挑戦できませんでした。
レシピの袋はしばらくそのまま放置されましたが、結局、すべてごっそりと捨てました。
いきなり捨てたわけではありません。多少の変遷があります。
こんなことを考えて⇒どんどんたまるレシピや雑誌の切り抜きの断捨離と整理の方法はこれで決まり
最終的に全捨てです⇒料理本を断捨離(全捨て)した。いくらレシピがあっても料理上手にはなれない
料理に興味のない人間が、いろいろなレシピを使おうとするのは無理があると悟りました。
手にしてしまうと、「使わなくちゃ」という義務感が発生するので、いまはレシピは全く集めていません。
活用しようとせずにすぐによそに回すべきだった物
活用日は家で眠っている物なら、なんでも使ってみる日です。
娘が着なくなった服や、母からもらった服を着てみようとしたことがあります。
娘には小さくなってしまったジャケットを、何度か着てみました。
私は小柄なので、子供服でも大丈夫なのです。ただし、太っているので、幅にゆとりのないものや、ストレッチしないものはだめです。
寒い冬の朝、娘のパープル色のジャケットを着て、走ってみましたが、脇や胴回り、首周りがきついので、着用感はよくありませんでした。
それに娘の好みで選んだ服だから、自分が着ると微妙な違和感があります。
着るものにあまりこだわらない私ですが、「やはり自分で選んだ服じゃないと、楽しんで着れないな」と思い、ジャケットは寄付しました。
「自分で選んだ服じゃないと嫌だな」と決定的に感じたのは、母からもらったTシャツを着てみたときです。
薄いピンク色に、ラインストーンで花模様があしらってあるTシャツでした。
母は自分用に買ってみたものの、ちょっと小さかったらしいのです。そこでほぼ新品が私のところにまわってきました。
私の母はピンクや黄色などのパステルカラーが好きです。私はその手の色の服は苦手で、自分では絶対選びません。
私の好みはこちらを見ればわかります⇒ミニマリストの服全14着公開~非おしゃれ系50代主婦の場合(写真あり)
自分の好みではないピンクのTシャツを、ある活用日に着てみました。
強い違和感を感じ、数時間で脱いで、寄付箱に入れました。
これ以前にも、友だちからプレゼントしてもらった服を、しばらく着たことがありますが、違和感が続き、結局着なくなりました。
服はその人が、「人にどう見られたいか」を表すものなので、自分らしい服を着ていないと、しっくりしないのです。
これは服の値段やブランドには関係ありません。
「自分の着ない服を、娘や孫が着るかもしれない、と取っておいても、まず着てもらえない」と私が当ブログに書いているのは、この体験からきています。
自分が着る服は自分で選ぶべきなのです。
活用日に死蔵品を使ってみてわかったこと
何年か活用日をやってみて、以下のことがわかりました。
– 使わない物には使わない理由がある
– 無理に使おうとするとストレスになる⇒無理して使っている物を捨てる(プチ断捨離18)
– 買ったりもらったりして、物が家に入ったらすぐに使わないと死蔵品になる⇒物をためないコツ。「買ったらすぐに使おうルール」のすすめ
– 本当に必要になるまで買うべきではない
– 消耗品は活用日に使ってみるといいかもしれない
淀川さんのテープのように、活用日があったからこそ、楽しめたものもあります。ですが、何年も使っていない物、新品の物は、自分で使おうとせず、さっさと使ってくれそうな人にあげたほうがいいです。
活用日に効果的に使えそうなのは、消耗品です。ただ、数が多すぎるなら、5分の1ぐらいに減らしてから、活用を試みたほうがいいでしょう。
私は、お香や文房具を活用しようと思ったことがありますが、数が多すぎてうまくいきませんでした。
結局、お香は断捨離⇒お香の収集癖を断捨離するまで~ミニマリストへの道(36)
文房具は大幅に捨ててから残りを使い切りました⇒大量に文房具を断捨離したあと、筆記具は手持ちのものを使い切る方針へ
今はボールペン1本+鉛筆シャープ2本(黒と赤)+蛍光ペン2本の全部で5本生活ですが、ここまで来るのにそれなりに時間がかかっています。
ただ、活用日という日をもうけて、デッドストックを使ってみようとしたことはよかったと思っています。
これがあったから、「使わない物はやっぱりいらん。捨てるしかない」とわかったのですから。
☆ミニマリストへの道を最初から読む方はこちらから⇒なぜ私は断捨離をしてミニマリストになったのか?(1)~物がたくさんあっても幸せではなかった
☆この続きはこちら⇒ゼロになって引っ越したいと思ったけれど叶わず:ミニマリストへの道(94)
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手持ちの物が少なくなったいまは、特に火曜日に、何かを使ってみることはしていません。
私が現在、意識的に消費しているのは、読まずにキンドルに入っている電子書籍や、使っていないフランス語の参考書です。
本箱チャレンジと名づけています⇒本や雑誌を捨てられないあなたに、本箱チャレンジのススメ。
溜まりすぎた食材を食べるパントリーチャレンジもしています⇒パントリーチャレンジのススメ~ズボラ主婦だからできる究極の節約方法
この2つをやることにより、少しずつですが死蔵品が減ってきています。
ただ、これもあまりに量が多いと手にあまるでしょう。
自分の生活環境は少しずつ変化しています。
自分が買った本や食品でも、いまの自分の生活には合わない物はいくらでもあります。
買ったからといって、すべてを自分で消費しようとすると、なかなか物の少ない暮らしになりません。特に、意識的に買物をしていない場合は。