読書

ミニマリストへの道

愛読書? 持っているのがくせになっている本だと思う:ミニマリストへの道(107)

読書が趣味の人は、読み終わった本がたまってしまいますね。

私もその傾向がおおいにありました。

あまりにも本が増えすぎたので、断捨離を開始。何度か片付けを繰り返すうちに、「いま読んでいる本」「本当に読んでいる本」だけが入っている本箱に近づきつつあります。

この状態にするまでに、愛読書、つまり大好きな本や愛着のある本を捨てる過程がありました。



本と書類を捨てる日々

引越し前に片付けをがんばり、かなりのものを削ぎ落とした筆子。

引越し後の日々の片付けのターゲットは、本⇒お菓子作りの道具⇒書類⇒また本⇒またお菓子作りの道具…というサイクルを繰り返すようになりました。

とくにがんばって捨てていたのは本です。

引っ越し先に持ってきた「愛読書」もばしばし捨てていきました。

以前、断捨離してもこれは捨てない、とブログに書いた「すてきなあなたに」という本も4巻のうち、2~4巻の3冊を捨てました。

すてきなあなたに第4巻

「すてきなあなたに」について⇒何でも捨てる私が暮しの手帖社の『すてきなあなたに』は断捨離せずに持っているわけ

愛読書の「すてきなあなたに」を捨てた理由

捨てた理由はごく簡単です。

自分で「読み終わった本は捨てる」「半年さわらなかった本は捨てる」というルールを作ったから。

私の本を捨てるルール:

本を断捨離する7つのコツ。なかなか本を捨てられないあなたへ

本の捨て方。1年で320冊捨てました。

自分ではこの本を愛読書だと思っていたのですが、そのわりには全然手にとっていませんでした。

まだ1巻は持っています。1巻は「読んでいる」というよりも、ときどき英作文の練習に使っているからです。

たとえば、「おふろ場からきこえてくる、コトン、コトンという木の手桶の音は、ひびきがやわらかくていいものです」とか、「白い花って、こんなにも花やかでさわやかなものだったのかしら、とおどろきました」なんて文を英訳してみるわけです。

これがなかなか難しい。大橋鎭子の文章は、いかにも日本語的なので大変勉強になります。

べつに正解を出すことが重要なのではなく、考えてみるところにポイントがあります。

この意図で使う場合、本は1冊で充分なので、残りの3冊は捨てました。

捨てる前に、2巻から少し読んでみました。すっかり中身を忘れており、なかなかおもしろかったです。

どれも読めばおもしろいのです。本や雑誌はみんなそうですよね。

「読めばそれなりにおもしろい。だが過去半年間、1度も読んでいない。読まなくても生きてこれた」。

そんな本がまだまだ本箱にたくさんありました。

そこで、「読まないと自分の暮らしにさしつかえるほど大事な本」だけを残すことにしました。

その本がおもしろいかどうかを決めるのは、本の力というより、自分の感性や思考だと思います。

気持ちに余裕があれば、どんな本からも学ぶことはあるし、楽しみを引き出すことができます。

まあ、中には自分に合わない本もありますが。

読まない本を大事に取っておくよりも、自分の体調や気持ちを整えておくほうが大事。そのために、不用品を捨ててスッキリさせたい、と思っていました。





持っているのがくせになっているだけ

「スヌーピーのケーキ屋さん」という薄いレシピ本も捨てました。この本は、1980年代(だったと思う)に、スヌーピーのケーキタウンという名前で、さまざまな製菓道具が発売されたとき、一緒に出た小さな本です。

A5サイズぐらいで、イラスト満載。対象年齢は中高生という雰囲気でした。

レシピはそんなにたくさんなく、10個もなかったと思います。値段も200円ぐらい。

この本というより小冊子をなんとなくいつまでも持っていました。その理由は「かわいいから」。

本にあったレシピから、クリスタルなクッキー、というのを作ってみたことがあります。砂糖を散らして、きらきらさせます。ほかのレシピは使ったことがありません。

「クリスタルクッキー、また、作ることがあるかもしれないし」なんて思っていましたが、ふつうのクッキーに砂糖をふりかければいいだけなので、レシピなんて不用です。

私の本箱には、こんなふうに、なんとなく執着していた本が眠っていました。

自分ではすごく大事にしていると思っていたけれど、実のところ、これまでの流れで、なんとなく執着していただけなのです。

つまり、捨てる選択をしてこなかっただけ。

この「なんとなく執着している」「くせになっているだけ」という点を見直したら、愛読書だと思っていた本もかなり捨てられました。

愛読書ではなく、「くせで持っているだけの本」だったのです。

「持っているのがくせになっていた本」を探してみたら、奥さまは魔女の本や、マドモアゼルいくこの本など、「これはみんな大事だから捨てられない」と思っていた本もわりとあっさり捨てることができました。

捨てたあと、何の後悔もありません。

思い出は心の中に残っていますから。

ときどき環境を見直すと捨てられる

持っているのがくせになっている本は、周囲の変化を反映していない本といえます。

アップデートしていないオペレーティングシステムのようなものです。

昔は、よく読み、大事だと思っていて、自分の人生にそれなりの価値を与えてくれていた本や、役割や居場所を持っていた本たち。そういう本も、時の流れとともに、役割を失うことがあります。

読み終わった本がたくさんあって、本箱を圧迫しているのなら、その本と出会ってから、これまでに、自分や周囲の状況がどんなふうに変わっていったのか考えてみるといいでしょう。

私の場合でいえば、こんな変化がありました。

1)日本語の文章に簡単にアクセスできるようになった

インターネットやEリーダーのおかげで、以前は読めなかった日本語の新聞、雑誌、本を手軽に読めるようになりました。

私がカナダに来たのは1996年の春です。

当時は、日本語の文章を読みたかったら、街の図書館にいって、そこにある本(品揃えはバラバラ)を読むか、大学の人文科学の図書館に行って、日本の新聞か文学全集のようなものを読む、という選択肢しかありませんでした。

市立図書館の児童書のコーナーに、阿川佐和子の「おいしいおしゃべり」という文庫本があったのをよく覚えています。

表紙が和田誠のイラストなので、絵本か何かと思われていたのでしょう。

いまは、ネットのおかげで、いやというほど日本語の文章を読めますし、本もKindleにどんどんダウンロードできます。

日本語の本を所有する必要がなくなったのです。

2)お菓子を作らなくなった

お菓子を作るのをやめたので、レシピ本を持つ必要がなくなりました。

多いときは、お菓子のレシピ本だけで50冊近く所有していたことがあります。2010年ごろです。

レシピ本はけっこう場所を取るし、見ていれば、甘いものを食べたくなってきます。

50冊をまず半分の25冊に、次はその半分の12冊に、というように目標を決めて、レシピ本をどんどん捨てていきました。

いまは1冊も持っていません⇒料理本を断捨離(全捨て)した。いくらレシピがあっても料理上手にはなれない

3)自分でも文章を書くようになった

これまでは読む一方だった私ですが、子どもが幼稚園に入る直前の2003年の8月の終わりにブログを作って、自分でも文章を書くようになりました。

内容のよしあしはともかく、自分の考えていることを文章に書いていると、頭の整理ができるし、いろいろなことを思いつきます。

書くという作業は、読むのと同じぐらいおもしろいのです。

何らかの事情で、手元に1冊も本がなかったとしても、自分で書いたものを読んでおけばいいのかもしれない、と思うようになりました。

以上のような状況の変化が、本への執着を見直すきっかけを与えてくれました。

その後は、自分なりに本の捨て方を考えたり、捨てるプロジェクトや、本を買わない挑戦をしたりして、さらに数を減らしていきました。

古いオペレーティングシステムのままでいると、最新のプログラムが動かず、自由にパソコンを扱うことができません。

本箱の中身も、古いままだと、自分は成長できないのではないでしょうか?

ミニマリストへの道を最初から読む方はこちらから⇒何度も失敗したけど、今も前を見て進んでいます~「ミニマリストへの道」のまとめ(1)

この続きはこちら⇒衝動買いしたお菓子作りグッズを断捨離し、買わないルールを考えた日:ミニマリストへの道(108)

*****

体験から、「これは愛読書だから捨てられない」「これは大事な本」というのは、多くの場合、強い思い込みだとわかりました。

人は自分で自分を縛り付けているのではないでしょうか?





たくさん買った女。本当に賢い買い物は思い込みを捨てることから始まる。前のページ

いま汚部屋でも大丈夫。捨てられない理由を解決して確実に捨てていく。次のページ捨てられない理由を考える人

ピックアップ記事

  1. ムック本・第2弾『8割捨てれば、お金が貯まる』発売のお知らせ:11月15日です。…
  2. 筆子の新刊『買わない暮らし。』(6月16日発売)著者による内容紹介。現在予約受付…
  3. 新刊「50歳からのミニマリスト宣言!」3月14日発売のお知らせ(現在予約受け付け…
  4. 新刊『本当に心地いい部屋』4月14日発売のお知らせ:現在予約受付中。
  5. いつか使うかもしれない、と思うものを本当に使う方法、あるいは見切りをつける方法。…

関連記事

  1. オフィス

    ミニマリストへの道

    私の浪費が止まったきっかけとは?~ミニマリストへの道(6)

    27歳で会社をやめて、物を大量に断捨離。失業しているときは、買い物をす…

  2. 雑誌を見る人

    ミニマリストへの道

    何度も通販で失敗したのになぜやめられないのか?:ミニマリストへの道、番外編2

    私、筆子が無駄に物を増やした過去の失敗を紹介しています。今回は…

  3. お片づけする女性
  4. ガラクタを片付ける

    ミニマリストへの道

    ミニマルライフは1日にしてならず:棚の整理と紙の断捨離に奮闘~ミニマリストへの道(28)

    50歳になろうとしていた主婦筆子は、アメリカのお片づけ自助グループ、F…

  5. 土産物屋に並ぶマグネット

    ミニマリストへの道

    意味もなくなんとなくマグネットを集める人:ミニマリストへの道、番外編10

    無駄な物をたくさん集めて、部屋を散らかしていた過去を振り返っています。…

  6. 白いTシャツを着た若い女性

    ミニマリストへの道

    体は1つなのにTシャツを集めすぎて収納に悩む人:ミニマリストへの道、番外編9

    若い頃、私が無駄に買った物を振り返っています。今回はTシャツを…

新刊「50歳からのミニマリスト宣言!」

ムック:8割り捨てて二度と散らからない

ムック・8割捨てればお金が貯まる

書店かセブンイレブンで買ってね。

 

8割捨てればお金が貯まる・バナー

ムック本・8割捨てればお金が貯まる、発売のお知らせ

「本当に心地いい部屋」

「買わない暮らし。」売れてます(第7刷)

筆子のムック(第5刷)

筆子の本、『書いて、捨てる!』

更新をメールで受け取る

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,813人の購読者に加わりましょう

新しく書いた記事を読む

  1. コスト高で悩み中
  2. あきらめモード
  3. 車のキー
  4. パントリーから食品を取り出す
  5. クローゼットから服を取り出す。
  6. タイニーハウス
  7. 黒いバッグを持つ人
  8. 庭いじりする人
  9. コーヒードリンク
  10. 電子書籍を読む女性

筆子の本・10刷決定です

オーディオブック(Audible版)も出ました♪ 捨てられない人は要チェック

 

1週間で8割捨てる技術
 
⇒筆子の本が出ます!「1週間で8割捨てる技術」本日より予約開始

 

実物の写真つき紹介はこちら⇒「1週間で8割捨てる技術」筆子著、本日発売です(写真あり)

大好評・特集記事

小舟バナー

 

お金を貯める・バナー

 

実家の片付けバナー

 

ファッションバナー

 

フライレディバナー

 

湯シャンバナー

 

ブックレビューバナー

 

TEDバナー

 

歯の治療バナー

今日のおすすめ記事

  1. スマホで買い物する人
  2. 冷蔵庫
  3. リラックスタイム
  4. 海を見る若い女性
  5. スタートを切る
  6. アヒルのフィギア
  7. ネットショッピングをする女性
  8. サンキュ2024年1月号表紙
  9. ジョギング
  10. 緑色の葉っぱ

過去記事、たくさんあります♪

PAGE TOP