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断捨離が進むと焦りや不安を感じる人がいます。
それは片付けがゴールだと思っているからです。
不用品を捨てることはゴールで、そのゴールを達成すれば、幸せになるんだ、と思っていると、「あれ、おかしいな?」と違和感をいだくものです。
物を捨てることはスタートなのです。
本当の自分に向き合う準備ができて、ようやくスタートラインに立てたのです。
断捨離中に、不安にかられたら以下のように考えてください。
1.重要なのは物を減らしたあと
不用品を減らす作業は、自分が自分らしく生きるために邪魔になるものや、気を散らすものを取り除く作業です。
それまでは、次々と物を買うことや、買ったものを管理することに、時間とエネルギーを使っていました。
ミニマルライフにすると、そういうことに使う時間とエネルギーが浮くので、それを自分のために使うことができます。
人によっては、ここで、「何をしていいのかわからない状態」になります。
しかし、この時こそ、自分が本当にやりたいことや、生きる指針や目的を考えるチャンスです。
物を捨てたあと、からっぽに感じる人は、それまで、物を消費することで、心を忙しくさせ、考えることを先延ばししていたのではないでしょうか?
ようやく、問題と向き合う時が来たのです。
向き合うべき問題に向き合わないでいると、いくら物を捨てても、心の中はすっきりしません。
自分自身に向き合うのは、時にはつらい作業です。しかし、これをやらない限り、前に進めません。
向き合う心の余裕ができるからこそ、ミニマルライフは素晴らしいと私は思います。
2.優先順位を考えながら捨て続ける
ほぼ物を捨て終わっても、片付けは一生続きます。
何も考えずに暮らしていると、物はどんどん家の中に入ってくるし、ゴミもどんどん出ます。
よって、常に片付け続けるのですが、このとき、優先順位を考えながら片付けると、ひととおり断捨離が終わったあと、不安になることはありません。
物理的な物に対するスペースも、物やサービスを買うお金も、それらを時間もすべて有限です。
すべてを手にすることができないからこそ、優先順位をつけ、自分が大事だと思うものをそばにおき、大事だと思う活動に時間をあてなければなりません。
先日、ご自身の休日の過ごし方に不満のある方の相談にお答えしましたが⇒休日の過ごし方を決められなくて困るときはこうしよう
あれもこれもやろうとがんばると、重要なことは何1つできずに終わります。
「もっと、もっと」という気持ちになりがちな世の中ですが、余計なものはバッサリ切り捨てて、重要なことに集中したほうが、満足感が得られます。
3.自分にとって物とは何か?
いったん断捨離が終わっても、知らないうちに、またたくさん物が増えて、また大々的に断捨離をする、するとまた物が増えるので、また前と同じような断捨離をする、という生活を繰り返す人がいます。
これは物に対する意識が変わっていないからです。
「物はたくさんあればあるほどいい」という気持ちのままでいたり、大事な物を選び取らないまま生きていたりすると、捨てても捨てても、また新しい物を家に迎え入れてしまいます。
同じことを繰り返していると思ったら、自分は物に対してどんなふうに感じているのか、一度考えてみるといいでしょう。
私は、レス・イズ・モアだと思っているし⇒レス・イズ・モア(Less is more)の真の意味とは?何もない部屋に住むことがミニマリストの目的ではない
ゴミはできるだけ出さないでいたいと思っているし⇒ゼロ・ウェイストな暮らしの始め方。ふつうの人向けの現実的なプラン。
物を集めても幸せになれないと思っているし⇒少ないほうが幸せ。なんでも多ければいいという考え方が人を不幸にする(TED)
これからも、少ない物を持つ暮らしをしたいと考えています。
価値観は人それぞれなので、正解、不正解はありません。ただ、自分にとって、物は何なのか、考えてみるのは大事なことです。
物に対する考え方を変えないと、物がたまる一方の生活から抜け出すことはできません。
4.買い物に対する意識を変える
買い物は、物に対する価値観が如実に反映される行為です。
何かを買うときや、何かを家の中に入れるときは、どうして買うのか、どうして家の中に入れるのか、立ち止まって考えてください。
まあ、こういうことするのはめんどくさいですよ。筆子はいちいち理屈っぽい、と思う人もいるでしょう。
「ごちゃごちゃよけいなことを考えず、ぱーっと衝動買いしたほうが楽しい」という人もいます。
ですが、そういう衝動買いなら、これまでにもう何回もやってきたはずです。
その結果、何が起こったか?
ぱーっと買った楽しさは、すぐに消え、あとは、使わない物で部屋が埋め尽くされただけ。
そして、部屋にあふれるガラクタを捨てるのに、多大なエネルギーと時間を費やしている。
ぱーっと買わなかったら、こんなことは起きなかったのです。
もし、これからはミニマルライフをめざしたい、と思うなら、自分なりに、考えながら買い物をしたほうがいいです。
たまにはガス抜きも必要なので、月に1度ぐらいはぱーっと買ってもいいですが、それ以外は、買ったあとのことも考えるべきです。
その買い物で、一生が終わるわけではありません。
その後も生活は続くのだから、その生活をよくしたいと思ったら、「これを買ったらどうなるか」と考えるのは重要なことです。
意識的な買い物とは?⇒もう2度と物を増やさない。意識的に買い物をする5つの方法。
5.時間の使い方に注意する
「これを捨てるとあとで後悔しそうで怖い、だから捨てたくない、でも捨てたほうがいいと思う、どうしようかな」。
こんなふうに捨てることを迷う物も、捨ててしまえば、すぐに忘れます。
それに、物は、なくしてしまっても補充することができます。また買ってくることができます。
しかし、迷っている時間はもう2度と返ってきません。
迷うのではなく、考えてください⇒これって、捨てていいのかな? 迷ったときのための5つの捨て基準。
物も大事かもしれませんが、本当は時間のほうが大事なんだ、と考え方を変えると、物に対する見方も変わります。
時間は自分の命そのものですから。
持ち続けるということは、その物のために、自分の時間を使うことです。
時間は大事なので、本当に大事なものやことのために使うことを意識したほうがいいです。
災害にあって、物を全部なくしても、人は生きていくことができます。なぜなら、まだ時間が残っているから。
最初のショックがいえた後は、すぐにまた、そばにある何かと自分を結びつけ、新しい物語を作りながら生きていきます。
自分のしたいことに、時間を使うほうを優先すれば、変な焦りや不安はなくなります。
6.消費ではなく生み出す
人が与えてくれるものを、ただただ消費する生活はむなしいものです。
なぜなら、人間はみな、他の人や社会のために役立ちたいと思っているから。
自分の部屋やキッチンに、お気に入りの物をあつらえるのは楽しいかもしれませんが、それだけでは、たぶん、充実感を得られないでしょう。
物を揃えることより、生活をクリエイトしていくことに焦点を当てると、もっと楽しくなるし、そうするためには、別にそんなに物はいらない、と気づきます。
むしろ、多すぎる物は邪魔になります。
量より質。
レス・イズ・モア。
物より体験。
消費より作り出すこと。
悩むより行動。
こうしたことを意識しながら、物を捨てると、それは単なる片付けではなく、自分の生活をデザインしたり、クリエイトすることになります。
それは前向きな行動なので、楽しいはず。
受け身の生活から抜け出すためにも、何かを生み出すことにフォーカスしてください。
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断捨離がそろそろ終わるけど、何かが違う。
そんなふうに思ったら、この記事に書いたことを思い出してほしいと思います。
結局、人は、精神的な喜びが得られないと満足できないのです。
どんなに極上の物を集めても、精神的な喜びの代用にはなりません。