服選び

ファッションをミニマルに

しまい場所があるからべつに捨てなくてもいいよね:服を捨てない理由とその対策(その6)。

着ない服をいつまでも捨てない理由を考察しています。

7つめの理由は、

しまう場所があるから、

です。

– 収納スペースはたっぷりあるし、きれいにしまってあるから、別に捨てなくてもいいんじゃない?

– 私は整理整頓や掃除が得意だから、床に服なんて落ちていない。部屋は(目に見えているところは)とてもきれいで、そこそこ快適に過ごせているよ。

こんな理由から、不用な服をいつまでも捨てないことがあります。

いくらきれいにしまってあっても、不用品は手放したほうがいいですよ。

その根拠を5つ紹介します。



1.いつかは捨てることになる

「しまう場所があるから、べつにいいよね」、と思っている不用品も、いつかは捨てるときがきます。

ある日、ある時、たくさんある服をまとめて処分することになるでしょう。

若い人は、自分が年をとることなんて想像できないでしょうが、今のまま、ずっとその部屋に住み続けることはできません。

生活環境が変わって、不用な服を手放すときが必ずます。

自分が片付けるのか、ほかの人が片付けるのか、それはわかりません。

わかっているのは、処分するのが誰であろうとも、あとになればなるほど、作業は大変になる、ということ。

体力のあるうちに、片をつけたほうがいいですよ。

服は消えたりしませんから。

どんなに長く、クローゼットやたんすに服を寝かせておいても、活用できる服に変わることはありません。

自分が、「活用しよう」と決めて、何らかのアクションを起こさない限り、服は収納スペースの中でじっとしています。





2.不衛生(健康被害)

着ない服をためこんでいると健康によくありません。

ふだん掃除をしない場所や、ずっと放置している場所は、ものすごくほこりがたまります。

ほこりはカビの餌です。まあ、かびは何でも食べて生きていますが。

カビはなぜ生える?対策する前に知りたいカビの基礎知識

掃除をしているとき、クモの巣や、ひからびた虫の死骸を見たことはありませんか?

自分では、「ちゃんとしまってある」と思っているでしょうが、実際は、風通しが悪い、物が循環しない場所で、古着に虫がたかり、かびが生えているのです。

明らかにカビがはえている服を見たことがある人は少ないでしょうが、なんとなくカビ臭いと感じたことがある人は、たくさんいるのでは?

カビ臭かったら、しっかりカビが繁殖しています。

誰も着ない服を、タンスや押入れ、クローゼットに長期間入れているのは、カビを培養しているようなものなのです。

毎日使っているならいざしらず、全然使っていない物のせいで、わざわざ、カビを繁殖させることはないでしょう。

日本は湿度が高いから、カビの活動がさかんです。

ずっと日本に住んでいると気づかないでしょうが、本当に湿度が高いですよ。

私、24年前に、はじめてカナダに来たとき、乾燥した空気のせいで、ほほが痛くなりました。

ふだん、かかとがひび割れていますが、日本に帰ると2週間で、かかとがすべすべになります(カナダに戻るとまたひび割れる)。

近年、アレルギー体質の人が増えているから、よけいな物のせいで、ほこり、虫、カビを増やすのはやめたほうがいいでしょう。

3.消費の習慣が改まらない

着ない服を収納しっぱなしの生活をしていると、大量に買って、大量に消費する、というライフスタイルが続きます。

着られる服をたくさん持っているのに、シーズンが変わったら、新しい服を買う生活です。

たんすや押入れにある、あなたが着ていない服は、自分が買いすぎた分や、あまり考えずに買ってしまった服だと思います。

自分の行動のせいで、家の中に、大量の不用品があるわけです。

そうした不用品を、「しまっておけばいい」と、目の前からどけて、タンスの中に押し込んでしまうと、過去の消費活動をふりかえることができません。

つまり、今後も、服をたくさん買って、着ない分は、とりあえずしまっておく、という生活をしてしまうのです。

いまの生活に満足しているのならいいけれど、多少なりとも変わりたいと思っているなら、ためこんでいる不用な服と対峙すべきです。

たいてい、買いすぎているのだから、服を買いすぎない生活に変わりたいとは思いませんか?

変わらないのは消費の仕方だけではありません。

先延ばしするクセも変わりません。

着ない服をいつまでもしまっているのは、決断や処分を先延ばししているだけですから。

片付かない理由は、収納という名の「決断の先延ばし」をするから

4.いまを生きられない

着ないままずっとしまってある服は、いまの自分の生活には必要のない物です。

しまう場所があるからといって、いまの生活に関係のない物を、部屋に置いておくと、現在の生活に集中することができません。

ふだんは忘れていても、「あそこに手つかずの物が、たくさんあるはず」という意識は、どこかにあるんじゃないですか?

押入れやたんすを開けるたびに、着ていない服が目にはいって、「たまには着ないとね」とか、「いい加減、捨てたほうがいいかな」と、思うことはないですか?

こんなふうに、ちらちら考えることが、自分のエネルギーを奪います。

きちんとしまっていても、使わない服がそこにある限り、自分の意識は、使わないものに、注がれてしまうのです。

人が物事に向けられる意識は有限なので、関係ないものに気を取られていると、もっと大事な物事に集中できません。

着ない服の管理に、手間、お金、時間を取られているのも問題ですが、意識を持っていかれてしまうこと(気が散ること)のほうが、問題だと思います。

現代は、人の気を散らせるものが多いですから。

5.誰のためにもならない

着ない服をしまっておいても、誰のためにもなりません。

ここまで、自分のためにならない話は書きました。

家族のためにもなっていないでしょう。

休みのたびに、お母さんは、物の整理に明け暮れて、自分の相手をしてくれない、と、子どもたちは思っているかもしれません。

もちろん、自分が死んだあと、片付けてくれる人のためにもなりません。

親の残した物を喜々として片付ける人はそんなにいないものです。

実家の片付けで苦労している人から、それがいかに大変か訴えるメールを何度ももらっています。

この先、「あれを私がみんな処分するのか」と親がまだ元気なうちから心配している人もいます。

遺産相続でもめて、大きなトラブルになることがありますが、残す側が、しっかり準備して、行き先をきっちり指定しておいたら、もめなかったかもしれません。

しまっておかれる服のためにもならないでしょう。

服は人が着るために開発・製造されるのですから。

さらに、もし、あなたがその服を手放せば、役立てることができたかもしれない人のためにもなりません。

着ない服をずっとしまっているのは、自分は着ていないのに、自分以外の誰にも使わせないことですから。

服をきれいにしまっておいても、それを使わない限り、誰のためにもなりません。

喜ぶのは虫やカビぐらいじゃないですか?

☆この続きはこちら⇒捨てるべき服がわからない:着ない服を捨てない理由とその対策(その7)

着ない服なのに捨てない理由・これまでに書いた記事

着ていない服を捨てたい。でも、捨てるのはむずかしい。そんなときはこう考えてみる(その1)

理由1:捨てるメリットを感じていない

理由2:捨てるのが面倒だ

捨てるなんてもったいない、持っていればそのうち何かに使える~服を捨てたいけど捨てられない理由とその対処法(その2)

理由3:捨てるのはもったいない

心が痛むから捨てられない~服を捨てない理由とその対策(その3)

理由4:心が痛むから

これを着るべきだ、という義務感が服を増やす:服を捨てない理由とその対策(その4)

理由5:「私はこれを着るべきだ」「この服を持っているべきだ」という義務感。

いただいた服を捨てるのは相手に悪くて:服を捨てない理由とその対策(その5)

理由6:人からもらった服だから

******

家を建てるとき、「収納スペースがたっぷりある家にしたい」と思う人がたくさんいます。

片付ける場所があると、部屋が散らからず、スッキリ片付いた空間を維持できる、と考えるのでしょう。

ですが、収納する場所があると、「しまっておけばいい」と思ってしまうため、物が増えます。

収納スペースが多い人は、そうでない人より、家に持ち込む物をシビアに選定すべきです。そうしないと、あとでしんどいことになります。





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