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部屋のぐしゃぐしゃは心の混乱を表している、とよく言います。確かに、私も部屋が汚かったころは、遅寝遅起きで、家事も行き当たりばったり。あまり心穏やかに暮らしてはいませんでした。
今回は、部屋の中にあるものが、あなたのどんな気持ちを表しているのか3つの具体例を紹介します。
多くのガラクタは、自分の気持ちの混乱の表れなので、断捨離は心の整理にもつながります。まず、なぜ部屋のガラクタが持ち主の心を表しているのか少し説明しますね。
部屋にあるものはこれまでの選択の結果
あなたの部屋にあるすべてのものは、あなたがそこに運び込んだもの。
「引っ越したら最初からあった」という物もあるかもしれませんし、「いや、これは家族のものだから」というのもあるかもしれません。けれども、それをそこに置いたままにしているのはその部屋の主(あるじ)の選択なのです。
私は一時期、懸賞でもらったサンプルや、会社の名前のついたボールペンなど、細かいどうでもいいもので、棚の中や引き出しがぐちゃぐちゃだったことがあります。
懸賞でものを増やした話はこちら⇒筆子の物を増やした3つの危険な習慣とは?~ミニマリストへの道(10)
古着屋さんで娘の服を買いすぎて、子供部屋の引き出しの整理に悩んでいた時期もありました。
マニアックな収納にはまった話⇒収納や整理整頓にはまって断捨離の遠回りをする日々~ミニマリストへの道(16)
「やたら物持ちの家族の家をそのまま相続することになってしまった」など、避けるのが難しい事情もあるかもしれません。
ですがほとんどの場合、ガラクタはその部屋の住人が選択して部屋に入れたもの。心の奥底にある、こんな気持ちがガラクタを増やしてしまいます。
1.現在の暮しを大切にしていない
過去の思い出の品や、記念の品をしまいこみ、住空間を悪化させている人は、今の生活を大事にしない傾向があります。
今の暮しに不満があるから、過去の思い出にこだわるのか、過去にしがみついているから、今の生活がぱっとしないのか。たぶんその両方でしょう。
過去にこだわりすぎる心はこちらの記事に詳しく書いています⇒考え方のクセを変えて「捨てられない人」から「捨てられる人」になる方法 「1.これは記念の品だから捨てられない」のところです。
また、先の心配ばかりして、今使っていない物をためこみすぎている人も、現在の暮しを優先していません。
たとえばこちらの記事で紹介したふとんやタオルを捨てられないお母さんがそうです⇒物をためこむ母親にスッキリ断捨離してもらう方法。実録・親の家を片付ける番外編
将来寝たきりになる心配を今してもしょうがありません。からだのことが心配なら、よけいなタオルやふとんを捨てて、部屋にスペースを作り、腕立て伏せやスクワットをしたほうがよっぽどましです。
脳のアンチエイジングには運動が1番いい話はこちら⇒脳の若さを保つ7つの方法~アンチエイジングは頭から
別の読者の方からも、実家に物がありすぎて、お母さんが部屋で物につまづき、足の付け根を骨折した話を聞きました。
こうなってくると、完全に本末転倒です。何のために自分の家を倉庫にしてしまうのでしょうか?
時間の観念があり、記憶力や想像力を持つ人間は、過去の遺産を引き継ぎ、未来へ夢をはせることができます。
しかし、やはり1番大事なのは、生きている今この時、現在の生活なのです。
2.ケチくさい気持ち
まとめ買いをした清涼飲料水、バーゲンで買ったのに全然着ない服、福袋に入っていた使いみちのない雑貨、店でもらったサンプル、ホテルからもらってきたアメニティグッズ、雑誌のおまけのポーチやバッグ。
こうしたもので部屋がいっぱいなら、それはその部屋の住人の「得をしたい」という欲望を表しています。
二束三文のガラクタが象徴しているのは、少しでも「得したい」「ただで何かをもらいたい」「できるだけ安いお金で、たくさんの物を買いたい」というケチくさい心。
実はこういうものを集めても全然得にはなりません。というのも使いもしない物を部屋に入れると、コストがかかるばかりですから。
その理由はこちら⇒節約ではお金はたまらない。お金持ちになりたいなら、買わない暮らしが1番いい
人間はもともと「損をするのはいや」という気持ちが強いです。損をすることをすごく恐れているのです。
この気持ちを損失回避と言います。詳しくは⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる
そういう気持ちが「とにかく何でもいいから1円でも得したい」という強い衝動を産み、安物をたくさん買い、部屋にガラクタを蓄積するのです。
こういう傾向のある人は、「1円でも安い品物を買うために奔走することが本当に得なのか?」「福袋を買うことが本当に私の人生を豊かにしてくれるのか?」と冷静になって考えるべきです。
「負けるが勝ち」という言葉があります。どんな行動や現象にも正と負の2面があります。
物ごとを一方からばかり見ていると、もう1つの意味に気づくことができません。
「サンプルをもらわない」という行動は損をすることではありません。家の中を綺麗に保ち、無駄な行動を生み出さないという面では、とても得なことなのです。
3.決断力のなさと先送り精神
部屋にある多くのガラクタは住人の「決められない気持ち」を表しています。
日本のお店で買い物すると、商品が、しばしばきれいな箱や紙袋に入っています。この箱と袋を後生大事にとっている人が多いです。
箱と紙袋は商品ではありません。包装資材です。家に持ち帰ったら、もう役目は終わっていますから、捨てるべきです。
でも捨てないのです。「あとで何かの役に立つかもしれない」と思って。この気持ちは、1番でお話しした、未来のある状況を恐れてふとんやタオルをためこむ気持ちとは違います。
「この箱と紙袋を捨ててしまうと、あとで困るかもしれない」なんて、ふつうの人は思いません。ただ、「箱や紙袋は何かに使えるかもしれない」と思うのです。
ここには2番の「ケチくさい心」もちょっと入っています。しかし、何より、こうした行動を生むのは「決断力のなさ」です。
用途が終わったものを「あ、これはもういらない」とさくっと捨てられないのです。
スクラップブックや、洋裁、編み物、手芸など、何か作りかけて放置し、それがガラクタになっているのは、「私はもうこの作品を完成させることをあきらめる」という潔さがないからです。
英会話の教材もそうです。教材なら、今やればいいのに、いろいろ事情があってやれない。なぜか今すぐやる決断ができないのです。
捨てる決断もできない、使う決断もできない、そんなどっちつかずの物で部屋はどんどん汚くなっていきます。
捨てるか使うかどちらかに決めるべきです。
人間は1度に1つの行動しかできません。スマホがある現代は、自分まで多機能になった錯覚を持つかもしれませんが、脳はそういうふうには働きません。
その理由はこちら⇒マルチタスクが脳に負担をかけ仕事の効率を落とす理由。1つのことに集中しよう
決断を保留しているものが、少しぐらい部屋にあるのはかまわないと思います。人間はコンピュータと違い、あいまいさや矛盾を持つファジーな生命体。だから、そんなに何もかも白黒はっきり決められないでしょう。
しかし、ガラクタが自分の優柔不断な気持ちのゆえにここにある、ということは知っておくべきでしょう。
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このほかにも物に執着しすぎるとか、日々流されるままに生きていて考えることを避けているとか、人に見せびらかすためにいろいろ並べているなど、部屋にある物はさまざまな心理を象徴しています。
ガラクタ整理の手が止まったら、「なぜそこにそれがあるのか」考えてみるのも、汚部屋改善の有効な方法です。