鏡を見る人

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最終更新日: 2020.10.3

もう完璧を追い求めるのはやめよう:イスクラ・ローレンス(TED)

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コンプレックスが強すぎて、暗い毎日を過ごしていたり、余計な物を買ったりしている人に、自分を受け入れ、もっと前向きになれるTEDの動画を紹介します。

タイトルは、Ending The Pursuit of Perfection(完璧を追い求めることをやめること)。講演者は、イギリスのモデル、イスクラ・ローレンス(Iskra Lawrence)さんです。

イスクラはプラスサイズのモデルで、日本ではぽっちゃり系モデルと呼ばれています。

普通サイズの服のモデルをするには、太っていますが、ものすごく大きな服を着るモデルをできるほどは、太ってはいません。

彼女は、インスタグラムを通して、「無理にやせることなんてない、自分のあるがままの姿を受け入れて、ポジティブに生きていこう」と主張しています。

この動画では、イスクラが行っている簡単なセルフケアの方法も教えてくれます。



完璧を追い求めるのをやめること:TEDの説明

In this inspiring talk, model Iskra Lawrence asserts that we all need to be taught how to look after ourselves mentally, physically, and emotionally and encourages us to invest in ourselves right now.

She gives examples of self-care techniques like the mirror challenge and the gratitude list that work for anyone, any age, anytime.

If we learn self-care and practice self-care, then we can gift self-care to others.

モデルのイスクラ・ローレンスは、私たちはみな、自分自身を、精神的にも、肉体的にも、感情的にもケアする方法を教えてもらう必要があり、今すぐ、セルフケアを始めるべきだと主張しています。

イスクラは、ミラー・チャレンジや、感謝リストを書くといった、年齢にかかわらず、どんな人でも、いつからでもできるセルフケアの方法を紹介します。

私たちがセルフケアの方法を学び、実践すれば、他の人にも、セルフケアすることを教えてあげられます。

収録は2017年の1月。動画の長さは15分28秒。日本語字幕があります。動画のあとに抄訳を書きます。

自分と自分自身との関係はとても重要

私たちは問題をかかえています。

それは人の生涯でもっとも重要な関係である、自分自身との関係です。しかも、れについて誰からも教えてもらっていません。

自分自身をケア(セルフケア)する方法を教われば、もっと人生が豊かになります。

もっと幸せになり、自信のなさに負けたりせず、自分自身のちからを存分に発揮できます。

自分の身体つきに不満を感じたことはありませんか?

「うわあ、この服、とっても素敵。でも、着られないわ。私、お腹に肉がつきすぎているから」

「どうして彼が電話してこないのかわかってる。10ポンド(およそ4.5キロ)も太っちゃったもんね」。

ボディイメージの問題は、10代の女子のものと考えられがちですが、男性や男の子にもあります。

摂食障害や心の病気は、どんな年齢の人にも起こりうるのです。

だからこそ、自分をケアすることはとても重要なのです。そしてそのことを皆さんにきょう、お伝えしたいのです。





私も自分の身体つきが嫌いだった

いまやたくさんの男性がジムに通っています。ステロイドを濫用する人すらいます。

おなかの筋肉が6つに割れていれば、自分のセルフィーにもっとたくさん「いいね」がつくんじゃないかな、と思っているからです。

この気持ちはよくわかります。私も若い時、毎日鏡を見ては、そこにある姿を呪っていました。

なぜ、太ももの間にすきまがないの? どうして、片方の太ももがもう一方の太ももを食べたみたいに見えるの? ああ、またにきびができた。自分が大嫌い。

これはとても悲しいことです。自分を嫌って、カロリーのことばかり考えて、他人に嫉妬していたこの頃を、もう取り戻すことはできないのですから。

この体験から学び、自分と自分の身体との関係について、もっとよく理解しようと決めました。

そして、セルフケアを続け、人生を変えることができました。

みなさんにも、もしまだ始めていないのなら、自分を愛することを始めてほしいと思います。

SNSは幻想のライフスタイル

いまは、困った事態です。社会的プレッシャーが多く、ソーシャルメディアもあります。

SNSのおかげで、四六時中、セルフエスティームを攻撃されているようなものです。

みなさんも、SNSを利用していますよね。他人の生活をじーっと見て、1時間、2時間、3時間と人生の時間を無駄にしたこと、ありませんか?

「見て、この人たち、すごく愛し合ってるわ」「ああ、とっても素敵な休暇を過ごしてる」「夢のような仕事についてるわね」「この人たちの人生、完璧だわ」「どうして、私の人生はこうじゃないの?」

恐ろしいことにSNSで見るものは本物ではありません。選別され、フィルターをかけられ、ときには修正されています。

それはしばしば、幻想のライフスタイルなのです。

学校でセルフケアについて教えるべき

だから、学校で、このプレッシャーについて教えてもらう必要があるのです。教育システムの中で、セルフケアについて教えることが、私のミッションになりました。

私たちは、精神的にも、肉体的にも、感情的にも、自分で自分をケアする方法を教えてもらうべきです。

ありがたいことに、私には300万人のフォロワーがいます。フォロワーに対しては、いつも自分自身であり、正直でいようと努めています。

写真の修正はしません。私は、自分を許すべきだと考えているから。

私は13年、この業界にいます。家族が、雑誌にのった私の写真を、見つけられないことがありました。そんな自分から本当の自分を取り戻したいと思ったのです。

雑誌の自分の写真を見て、こう思いました。

「腕の半分はどこに行ったのかしら? 足がものすごく細くなってるし。悪いところは1つもない。

こんなふうに見えなければならないの? こんな完璧な姿にならなければならないの?

自分だってそうなれないのに、それが私として雑誌にのっている。

何かが間違っているわ」。

自分に自信がない理由

そもそも、どうして、自分に自信がないのでしょうか?

それは、小さいときから、人の成功や幸せは、自分の魅力に大きくかかっている、と信じ込まされるからです。

王子様やお姫様を考えてみてください。やせていて、ひきしまっていて、背が高く、プロポーションがいいです。

雑誌では、体重をしっかり落とすことがよいこと称賛されています。これは、実際にはとても不健康なことですが。

20歳若く見せようとして、整形をがんばる人もいます。

自分に自信がなければ、買う気まんまんの消費者となります。

13歳の子に、シワ予防クリームを売りつけることができます。プッシュアップブラなんかも。

これ、すごくバカげた商品です。数年前、仕事で、ブラの下にブラをつけて、胸の谷間を無理やり作ったことがあります。

お尻パッドも似たようなものです。ジーンズの広告にはたいてい使われています。

完璧な身体とは?

私がアンバサダーをしているアメリカの摂食障害協会では、「ボディプロジェクト」というコースを行っています。

若者が摂食障害になるのを防止する、はじめて科学的に実証されたコースです。1時間のセッションを4回行い、とても効果をあげているので、その内容を、皆さんにお知らせしたいと考えました。

このコースで教えているメインコンセプトは、「理想の美の神話(beauty ideal myth)」です。

子どもたちに雑誌を渡し、完璧な身体を選んでもらいます。そして、検証していきます。

「じゃあ、完璧な身体ってどういうもの? 背が高いこと? 胸が大きいこと? ウエストが細いこと? ありえない腹筋? 日焼け? ストレートヘア? 欠点が何もないこと?

それって、ありえること?」

ありえません。

「手に入れられるもの?」

無理です。

完璧を追い求める弊害

ありえないものを必死で追い求めようとする裏で、どんな代償やコストを支払っているでしょうか?

それは、心や健康にひどく有害です。

この戦いに勝つのは、ブランドや雑誌、製薬業界です。

負けるのは、私たち。

私たちはもっと自分の身体を大事にしなければなりません。完璧を追い求めるのをやめるべきです。だって、もう充分それでよいのですから。

理想の美を再定義し始め、ほかの人がやりとげたことや、人格、倫理、価値観を称賛する。

私にとっては、これが美です。

最近、ビキニを着たがらない3人の女性にビキニを着てもらい、300万人が見るテレビに出てもらい、同時に、ロンドンの街頭で人々の前に立ってもらう、という企画がありました。

私が相手をするのは、通常、学生ですが、この女性たちはもっと年上です。

パートナーを失くしたばかりの70代の肌のたるんだ女性、これまでずっと自分の見かけのことを悩み続け、摂食障害の経験もある母親、元パートーナーに身体について、ひどいことを言われてすっかり自信を失った女性です。

着替える前、全員泣きくずれそうになりました。無理もありません。

3人は鏡が1つとビキニが5つある部屋に連れて行かれ、ビキニを選んで着替えて、外に行きなさい、と言われたのですから。

すごいプレッシャーですよね。

セルフケア1:ミラーチャレンジ

私は3人に、私のセルフケアの1つであるミラーチャレンジを教えました。

鏡の前に立つと、人は不安になるものです。これを変えなければいけません。

ビキニを着た3人に、こう言いました。

「自分について、好きだと思うことを5つ見つけてください」。

いくつか例をあげたら、始めてくれました。

私は、パーティの人気者よ。とてもいい友達よ。私はクリエイティブ、自立している、努力家、勇気がある。

こんなことを言っているうちに、3人とも、「あら、私ってなかなかいけるじゃない」と思い始めました。

自分のことを誇れるようになったのです。

次に、「身体の中で、それが自分にやってくれたことのせいで、愛おしく思う部分を5つ見つけてください」と言いました。

身体の見かけだけにこだわるのをやめるべきですから。身体は素晴らしいものです。

3人はこう言いました。

このストレッチマーク(肉割れ線)は、好きじゃないけど、胃があるおかげで、子供を生むことができたし、いまは孫もいる。これは私の人生でいちばんいいことだわ。

両手に感謝しているわ。手があるから裁縫の仕事をし、家族を養うことができているから。

私は自分の足が好きよ。イギリスの田舎を走るのが大好きだから。走ると心が落ち着いて、とても幸せな気分になるわ。

3人は笑顔になり、自分の価値を感じて、自分のことを誇りに思っていました。

自分の身体を受け入れ、自信を持って外に出ることは、家庭で、同じように自信がなくて悩んでいた人を助けることになる、と私は伝えました。

この段階で、3人がビキニ姿で外に行くと、100パーセントの確信はありませんでしたが、外に出て、テムズ川のそばに立ったとき、3人ともバスローブを脱いで水着姿になり、自信をもって歩き始めました。

人生が変わる瞬間でした。このときほど希望を感じたことはありません。

これが、私のセルフケアの方法の1つです。

セルフケア2:感謝リスト

もう1つのセルフケアは、感謝リスト(gratitude list)を書くことです。

私自身、最近、この感謝リストに頼った経験があります。

ロスアンゼルスで恋人と買い物に行ったとき、すてきなデザイナージーンズを見つけ、奮発しようと思いました。

店の人が、「サイズはいくつですか?」と言うので、「えーと、30です」と言ったら、「一番大きいのは、この29ですが、ものすごくよく伸びます。どんな人でも入りますから」と言われました。

ジーンズを持って、フィッティングルームに行きました。ここは、世界でも最悪の場所ですよね。

狭苦しいし、暑いし、ライトは頭上にあり、鏡も変。悪魔が襲ってくるかのようです。

この部屋で私はジーンズとの格闘しました。「は、はいらない」とあせっていると、外から、店の人が、「きっとお似合いだと思いますよ」と大声で言います。

入らないジーンズを無理やり履こうとしながら思ったのです。「あきらめるしかないんじゃない?」。

泣きそうになりました。15歳の自分が舞い戻り、こう言うのです。

「あなたはこのジーンズを着る価値のない人間よ、太りすぎよ、いったい何、考えてるの?

なぜ、店で一番大きなサイズのジーンスが入らないのよ?」

このとき、「ほら、イスクラ、しっかりして、セルフケアの出番よ」と自分に言い聞かせ、感謝できることを考えました。

皆さんにも、今晩から感謝リストを作ってほしいと思います。

あの瞬間、私を救ってくれましたから。

「よし、私はいま休暇中。ちゃんとした恋人がいる、いまのサイズの私を愛してくれているのは、とてもいいこと。

イギリスからロスアンゼルスに来たのもすばらしい。健康で、ちゃんと生きていて、きれいな水も飲める」。

こんなふうに感謝しているうちに、「ただの布切れのジーンズに、押しつぶされそうになるって、いったいどういうことよ」と思えるようになりました。

「ジーンズなんかに、1日を台無しにされるなんてとんでもない、ジーンズのせいで、みじめな気持ちになるなんてお断りよ」、と。

こんなふうに感謝リストを使いました。感謝リストのことを知っていてよかったと思います。さもなければ、最悪な気持ちになっていましたから。

セルフケアが大切な理由

セルフケアなんて、たいしたことじゃないと思う人もいるかもしれませんが、とても重要なんです。

12歳の女子は、ほかの病気にくらべて、摂食障害のせいで命を落とす可能性は12倍です。

アメリカだけでも3000万人以上が摂食障害になっています。自殺する子供のうち90パーセントは心の病にかかっています。

はじめに言ったように、ソーシャルメディアはどんどん盛んになり、その分、プレッシャーは大きくなっています。

52パーセントのアメリカのティーンエイジャーはサイバーいじめにあっています。

私自身、ネットでずいぶんひどいことを言われたことがあります。この問題も話し合うべきです。

これも、セルフケアにかかわっていますから。

いじめる人は、自分の不安な気持ちを他人にぶつけているだけです。誰かが私にひどいことを言うのは、その人の心の中にあるものの現れにすぎません。

いじめる側にもいじめられる側にも、教育が必要です。いじめを止めるために。

ネガティブなできごとをポジティブなものに変えた

無視する、報告する、ブロックする、削除する、何もなかったかのようにふるまう、というのも1つの対処法ですが、もっといい方法もあります。

最近、おもしろいコメントをもらいました。私は笑えるコメントだと思いましたが、フォロワーの中には、とても不愉快に感じた人もいたようです。

その人たちは「医療保険制度の問題はあなたのせいだ。マクドナルドのハンバーガーやポテトチップスを食べるのをやめるべきだ」と言うのです。

馬鹿げています。

私はたまたま下着姿で撮影しており、まわりにはポテトチップスがありました。

ポテトチップスの袋でからだを覆い、ポテトチップスを食べている写真をとり、「これでも、私のことをおとしめるつもりなの? 私はポテトチップスが大好きだから、これからも食べ続けるわよ、もっとたくさんね」と意思表示しました。

力強くありたかったから。ネガティブなできごとを、ポジティブなことに変えたかったのです。

私の動画は1800万回以上、再生されました。人が見たいと思うものだったからです。お互いに、協力しなければなりません。支え合わなければなりません。

もっと自分の身体を愛してほしい

この場に立って、皆さんにお話することができて本当によかったです。皆さんにすぐにでもやってほしいから。

セルフケアについて学び、練習すれば、ほかの人にもセルフケアという贈り物をあげることができます。大事な人たちに、自分を愛するというギフトを贈ることを想像してください。

自分の身体に愛のある言葉をかけてください。それはあなたが持っているただ1つのものであり、あなたの根拠地(home)です。もっと大事にしなければなりません。

自分自身を傷つけている人をみつけたら、元通りにしてあげてください。自分の人生を前向きな光の中で見て、完璧を追い求めるのをやめてください。

本当の理想の美しさは、「不完全な自分でいること」にあるのですから。

単語の意味など

insecurity   不安、自信のなさ

6-pack of abs  シックスパック、むだな脂肪がついておらず、腹直筋がきれいに6つに割れて見える状態

self-esteem  自分を愛する気持ち、自己肯定感
詳しくはこちら⇒セルフエスティーム(自分を愛する気持ち)が高い人の12の特徴

nip and tuck  整形手術をする

cleavage  胸の谷間、乳房の間のくぼみ

myth  神話、広く信じられているが根拠のない説、作りごと

life of the party  明るくておもしろい、パーティで注目をあびるような人物

What’s wrong with you?  いったい、何考えてるの? バカじゃないの? 相手をあざけりつつ非難する表現

cyber-bullying   サイバーいじめ、ネットいじめ。ネット上でいじめられること。

hate online  ネット上でものすごくひどいことを言われること

trolling online = internet troll  荒らし

crisp  ポテトチップス イギリス英語

自分を大事にすることをすすめるほかのプレゼン

もっと自分を好きになろう。ラディカル・セルフ・ラブのすすめ(TED)。

キャメロン・ラッセルの「ルックスはすべてじゃない」に学ぶ本当の幸せ(TED)

自分をブスだと思うことがなぜ悪いのか? ありのままの自分を認めるために(TED)

本当の自分に出会う:セルフエスティームをあげるマニュアル(TED)

セルフコンパッション(自分にやさしくする)の実践で人生を変える(TED)

不安な心(ヴァルネラビリティ)に秘められたパワー:ブレネー・ブラウン(TED)

他人と比較する文化を超越して生きろ(TED)

本当はすごいのに、なぜ私たちは「だめだ」と思ってしまうのか?(TED)

自分は大丈夫と思えればよけいな買い物は減る

朝、鏡を見たとき、「うわっ、きょうも絶好調、あっちもこっちもいいとこだらけ」と思えれば、化粧品はほとんど売れなくなるでしょうね。

衣料品など、身体に身につける物や、コスメなど、見かけをよくするための物は、結局のところ、私たちのコンプレックス(insecurities, 自信のなさ、不安な気もち、もっときれいになりたい気持ち)をつく商品です。

メイクするコスメは、使えば明らかに外見が変わりますが、基礎化粧品なんて、使ったからといって、効果があるのかどうか、はっきりとはわかりません。

なんとなくきれいになっている気がするのは、高いお金を出して買ったコスメだから、きれいになるべきである、あの人もこの人もきれいになったと言ってるし、と思うからであり、

買い物に失敗したことを認めたくないがゆえに、その化粧品を使ってよかったと思う点を、必死になって探しているからです。

肌が荒れるなど、明らかに事態が悪くなっていても、その化粧品のせいだと認めたくない人はたくさんいます。

人間は自分が見たいものだけを見ますから⇒間違っているのに、自分が正しいと感じてしまうのはなぜなのか?(TED)

先日、しばしば財布やバッグを買い直す読者の質問に回答しました⇒どうしたら、同じ物を長く大事に使えるようになるか。

「ベストの財布」を追い求めるのも、完璧な財布を手に入れれば、完璧な人生や理想の暮らしに近づけるという気持ちがあるからだと思います。

もう充分すぎるほどたくさんの物を持っている私たちが、さらに物を買うのは、何かを買って、もっと完璧な暮らしに近づきたい、と考えているからです。

ですが、どんな状態なら完璧なのかわかっていないので(そもそも完璧なんてないですし)、買っても、買っても、買い続けます。

その裏にあるのは、「いまは完璧ではない、いまは足りない、いまはまだだめ、いまは許しがたい状態」という心理です。

つまり「足りないと思う気持ち」です⇒足りないもの探しをやめればそれだけで豊かになる

足りないと思う気持ちは、心にしっかり植え付けられていて、人によっては、相当強力です。

それは、読者の方からいただく質問メールを読んでいるとわかります。

ミニマリストをめざしている人ですら、「おしゃれで完璧なミニマリストになりたい」なんて思います。

イスクラのすすめるセルフケアは、ボディイメージだけでなく、自分自身を認めるのに有効だと思います。足りない気持ちが強い人はやってみてください。

*****’

摂食障害で思い出すのは、カレン・カーペンター(カーペンターズのボーカルの人)です。

カレンは美しい声の持ち主で、すばらしい歌を歌う稀有の才能があった人なのに、自分の容貌にコンプレックスがあったそうです。太りやすい体質だったとか。

あそこまで圧倒的な才能があり、世界中でたくさんの人に称賛されていたのに、そっちに目がいかず、見かけの物足りない点(自分でそう思っているだけ)に目がいき、自ら寿命を縮めました。

カレンのことを思うと、人間の思い込み、特に、怒り、うらみ、嫉妬、後悔、焦り、劣等感といったマイナス感情は、かくも強く、恐ろしいものなのだ、と改めて感じます。





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