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捨てるものをさっさと決められるように決断力をあげるコツを書いています。
今回のテーマは、決断疲れ。決断疲れしないように心がけると、決断力があがります。
決断疲れとは?
決断疲れは、その名のとおり、いろいろなことを決めすぎて、脳が疲れてしまうことです。
6年前に説明しています⇒決断疲れを回避する方法。ミニマリストになるのが1番です
昔の人に比べて、私たちは豊富な選択肢に恵まれています。
100年ぐらい前は、移動する場所も住むところも、女性の就職先も、余暇に何をするかも今よりずっと限定されていました。
結婚だって、親が決めた人とすることが多かったから、自分で、「あの人にするか、この人にするか」と迷うことはあまりなかったでしょう。
もちろん、今みたいに、店にありとあらゆる物が豊富に並んではいなかったから、何を買おうか迷うことも、お金の使いみちを考えることも少なかったはずです。
選択肢の多さは、より自由な生活を意味しますが、あまりに選択肢が多く、決めなければならないことが増えたために、頭が疲れている人がたくさんいます。
決断すべきことには、ささいな決め事(会社に何を着ていくか)もあれば、重大な決め事(どこに就職するか)もありますが、どんなに小さな決め事でも、私たちの脳のリソースを使います。
特にいちいち迷う人は。
決断疲れに陥ると以下のことが起きます。
・選択肢に圧倒されて決められなくなる
バリー・シュワルツに学ぶ『選択のパラドックス』(TED)~所持品をミニマムにすると生きやすくなる理由とは?
・まずい意思決定や不本意な選択をしてしまう。
どうでもよくなって、適当な選択をします。
・周囲に合わせる
とりあえず、他の人と同じことをしておけばいい、自分で決めなくてすむから、と考え、そのようにします。
・感情に支配されやすくなる
論理的に考えることができず、衝動的な行動に出ます。
気づかないうちに疲れている
現代社会は、ふつうに生きていても、決断疲れに陥りやすい社会です。
ブティックにはいろいろな種類の服が売っています。色もデザインも豊富だから、どれを買おうか迷いますよね?
同じデザインの色違いやサイズ違いを、いつも一緒にを買う人は、決められないから両方買っているんじゃないでしょうか?
同じ洋服を色違いで買ったり似たようなアイテムを複数買いする心理とは?
Netflixなどのストリーミングサービスにアクセスすると、怒涛のように映画やドラマが出てくるので、何を見ようか迷ったりしませんか?
ゲームが趣味の人は、今晩、どのゲームをしようか迷いませんか?
こんなふうに疲れるようにできている社会ですが、2年前に、新型コロナウィルスが出てきてから、もっと疲れるようになりました。
いきなり決め事が増えてしまったからです。
レストランで食事をすべきか否か? 帰省すべきか否か? 忘年会をやるべきか否か?
対面授業にするかオンラインにするか? 子供を学校へやるべきか否か? ワクチンを打つべきか否か?
それまでは、病気じゃない子供を登校させるのはあたりまえのことでした。迷う余地なんてなかったのに、COVID-19のおかげで、迷うことや決めなければならないことが、一気に増えたのです。
しかも意思決定のベースになるはずの情報がころころ変わります。
「私は決断疲れなんてしてない」と思う人も、気づいていないだけで、しっかり疲れていますよ。
以下に、決断疲れを防止する方法を5つ書きます。
1.定番やルーティンを決める
毎回一から決めなくてもいいことは、定型(パターン)を決めてしまい、いつもそれに従います。
すると決め事が減るので、疲れすぎません。
たとえば、スティーブ・ジョブズや、マーク・ザッカーバーグは、服装を決めることに脳のリソースを使いたくないので、いつも同じ服装です。
着たきりミニマリスト主婦の普段着とよそ行きをご紹介~ワンパターンな服はストレスが少なく、生産性をあげる
食事も毎回同じかそれが嫌なら、ある程度パターンを決めてローテーションすると献立に悩みません。
化粧品やシャンプーなどもあれこれ種類を持たず、品物を決めてしまい、それだけを使うようにすれば、頭が疲れません。
ストック品の買い物も、「我が家でストックするもの」というリストを作っておいて、毎回同じタイミングで、同じ物を同じ店で買えば、迷うことが減ります。
2.ベストを追い求めない
何かを買うときに、ベストの商品やサービス、方法を追い求めないでください。
スマホやタブレット、その他のガジェットは新商品が出るサイクルが速いですが、毎回、「自分にもっともあった最高の品」のを追い求めていると、考え事が増えるの決断疲れが倍増します。
ふだん、私たちが考えていることは、たいてい、「これとあれとどっちにするか?」「次に何をするか?」という選択にまつわることだと思います。
まあ、時には哲学的な思索をしたり、自分と向き合ったり、人の気持ちの推測(あの人、私のこと怒ってる? とか)をしているでしょうが、日常生活の大半の時間、「これと、あれのどっち?」と考えているんじゃないでしょうか?
特に買い物が好きな人は、常に、「次に何を買うか?」を考えています。
これは、たくさんある選択肢の中から、どれを選ぶか決めることなので、買い物すればするほど決断疲れに陥ると思います。
買い物するだけで疲れるのに、さらに、「もっともかわいい物」「自分にどんぴしゃりな物」「今ある中で最高の物」を追い求めると、ますます考え事が増えて疲れますよ。
ほどほどのところで手を打つようにしてください。
こちらのスマホとあちらのスマホの機能に、大差なんてありません。どちらもちゃんと使えます。
3.タイムリミットをもうける
何かを決めるときに延々と迷わないでください。
迷えば迷うほど疲れます。
以前、お子さんのフォトブックに入れる写真が決まらないとうご相談をいただきました。
子供のフォトブックを作っているけど、どの写真も大切に思えて選べない。そんなときはこう考えよう。
この方は、「1日中、フォトブック作りをしていても、ほとんど進まない」とメールに書いていました。
1日中、迷っているから進まないんです。
何か決め事をするときは、状況に応じて、「今から15分で決めよう」、「30分だけ迷ってもいいことにしよう」と自分でタイムリミットを作ってください。
私は、1回15分の断捨離をおすすめしていますが、何時間も延々と、「捨てる? 捨てない?」と考えていると、疲れて、何も決められなくなります。
「15分で27個捨てましょブギ」を続けて気づいた「捨てる」最大のコツとは?~ミニマリストへの道(30)
4.何度も同じことを迷わない
一度決めたら、その決断に従ってください。
完璧な決断などありません。
そのために、捨てると決めたものはさっさと捨てることをおすすめします。
「メルカリに出した売れ残りの服を着ることが増えたけど、これは、捨てないほうがいいものなの?」というメールを読者からいただいたことがあります。
服を減らすためにメルカリで出品しているうちに、捨てるべき服がわからなくなった。
この人は、処分しようと決めた服をいつまでも手元に置いているので、一度捨てると決めたのに、また「捨てるか、どうしようか」選択する状況になっています。
さっさと捨てれば、頭が疲れなかったはずです。
一度、選択して、生活に導入したものが、今ひとつ使いにくいので、また新たに選択しなおすことはあるでしょう。
アンドロイドを買ったけど、3年ぐらい使っているうちに、iPhoneのほうが自分の生活に合っていると気づいた場合。
このとき、アンドロイドにするかiPhoneにするか選択することになりますが、これは最初の決定をやり直すこととは違うので、選択しなおす価値があると思います。
同じ選択をぐるぐる繰り返していないか、時々、自分で振り返ってください。
5.質のよい睡眠をとる
決断疲れは脳が疲れること。適切な睡眠を取って、脳の疲れをふせいでください。
「一晩寝るといい知恵が浮かぶ」とよく言いますが、寝る前の一番脳が疲れているときに、むずかしい決断をしないほうがいいです。
まあ、捨てる物を決めることはそんなにむずかしい決断ではありません。
失敗しても、たいして態勢に影響ありませんから。
しかし、中には、捨てて後悔する人もいるし(後悔するくせがついているからだと思いますが)、1つひとつの物に大きな思い入れを持っている人もいるし、
このシリーズを書くきっかけになった読者えむこさんのように⇒自分で管理できる量まで、物を減らす近道とは?
すごく苦しみながら、捨てている人もいます。
そういう人にとっては、捨てる物を決めるのは、難題と言えます。
捨てるのを決めるのに、苦労する人ほど、睡眠をばっちり取って、朝、頭がクリアなときに決めるのがいいでしょう。
断捨離中も、無理をしないで休息をはさみながら決めてください。
☆この続きはこちら⇒完璧主義を手放せばいい:決断するコツを教えます(その3)
☆初回の記事はこちら⇒捨てられないのは決められないから。決断するコツ教えます(その1)
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決断疲れを防ぐ方法をお伝えしました。
小さなことにいちいち迷う人は、迷えば迷うほど、脳のリソースが消費され、肝心のことを決められなくなると覚えておいてください。
迷う価値のあることは迷ってもいいのですが、どうでもいいことは、先にルールを決めて迷わないようにしておいたほうが、リソースを温存できます。
尚、ルーティンや定型パターン、ルールは、時々見直してください。