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物はけっこう捨てて、家の中は片付きましたが、人間関係の悩みがつきません。
こんなお便りをいただくことがよくあります。
家族(親)が物をためこむから説得したい、というメールもよくいただきます。
そこで、今回は、人間関係の整理の記事を書くことにしました。
人間関係の断捨離と聞くと、すぐに離婚や決別を考えるかもしれませんが、まずは、かかわり方を変えることをおすすめします。
物との関係を人間関係に応用する
物をちゃんと捨てることができた人は、その方法を、人間関係の整理に応用するといいかもしれません。
シンプルライフやミニマルライフを実践するとき、物とのつきあい方が変わっているはずです。
これまで⇒後先考えず、どんどん物を買う。何もかも家に置きっぱなし、めったに使わない、目もくれない、ときどき並べ直す(惰性でやっているだけでそこに明確な意図はない)。
シンプルライフ⇒余計な物は家に入れない。1つひとつの物と向き合って、必要か必要でないか見極める。不用な物は手放し、必要な物は、ちゃんと使う。
人間関係についても、
これまで⇒その場その場でなんとかしのぐ、どちらかが一方的に方向性を決める、うまくいかず、こじれたまま。
これから⇒今までとは違うかかわり方をする
こうすればいいわけです。
「今までとは違うかかわり方」を、4つ提案します。
1.自分の思いをしっかり表明する
人間関係で悩む人の多くは、自分の意見をしっかり相手に伝えていません。
もらいものを断れない、相手の傍若無人な行動をいつもがまんしている。こんなことが続いて、ものすごく大きな不満をかかえます。
それは本当に大きな不満で、いつしか、相手に対する恨みや怨念に変わっています。
タイミングよく相手に自分の気持ちを伝えておけば、このようなネガティブ感情は持たずにすみます。
今まで、自分の気持ちをあまりはっきり言っていなかったのなら、今後は、どんどん伝えるようにしてください。
不満や心配事は、相手の耳に入れる、自分が求めていること(ゴール)をしっかり伝える。
こうすることで、もっとポジティブな関係になります。
2.話し方を変える
「私は、ふだんから自分の意見をはっきり相手に伝えています」という人でも、相手に伝わっていないことがあります。
試しに、伝え方(話し方)を変えてください。
先日、自分の気持ちを伝えるには、話す内容より、伝え方が重要である、という主旨のTEDトークを紹介しました⇒説得力を増すための意外な方法(TED)
いかに伝えるか、というのは、意志の伝達においてとても重要なのです。
以前も書いたことがありますが、高齢の親に片付けをしてもらいたいとき、「片付けたほうがお母さんのためなのよ」と恩着せがましい言い方をしてはいけません。
「片付けてくれると、私が安心だから、片付けてもらいたいなあ」と言ってください。
これを、I(アイ)メッセージと言います。Iメッセージは自分が主語の文章です。
詳しくはこちら⇒人生の主役は自分だ。自分の気持ちをはっきり伝える人になる秘訣。
言い争いになったときに、「あんたって、いつもそうだよね」とか、「どうしてあなたは、こんな簡単なこともできないの?」「あんたって本当に、物をためこむね」と、相手(ユー)を主語にした文章を言いがちですが、あえて、自分を主語にすると、もっと建設的な話し合いに発展します。
あんたっていつもそうだよね⇒約束を守ってくれないと私が悲しいよ
なぜこんな簡単なこともできないの?⇒うまくいかないなら、私が手伝おうか?
あんたは、すごいタメコミアンだ⇒ここに物があると、私がつまづいてあぶないから、片付けてくれない?
日本語では、主語を言わずに話すことが多いので、Iメッセージと言われてもピンと来ないかもしれません。
ふだん、相手と言い争って終わることが多いなら、とりあえず、何かを言うとき、「私は」から始めることを心がけてください。
3.軸をぶらさない
言うことがころころ変わる人とは、健全な人間関係を築きにくいので、できるだけ、主張には一貫性をもたせます。
人間は矛盾をかかえた生き物ですし、気分にも左右されるから、きのうと今日で、言いたいことが変わる可能性は多分にあります。
しかし、一番大事なことを自覚していたら、軸はぶれません。
一番大事なこととは、その人間関係の本質的な部分です。
相手が親であれば、愛情があるし、恋人であれば基本的に好きだろうし、友人ならば友情があります。
一番大事なことを大事にする方向に進めば、気分で言うことが変わることもないでしょう。
もし、あなたが、気分屋なら、感情のアップダウンは直す方法がありますので、お試しください。
感情にふりまわされない秘訣は自分の感情に向き合うこと(TED)
瞑想すると、気分の大きな浮き沈みがなくなりますし、他にもいいことがいろいろあるので、やってみてください。
もし、自分が先週言ったことと、真逆の考えに変わったのなら、その理由を丁ねいに相手に伝えましょう。
4.時間をかける
ママ友がいないとか、ママ友との付き合いで悩んでいる人も多いのですが、普段、ほとんど交渉のない人たちから、いきなり信頼してもらおうとか、いきなり仲良くなろうと、思わないでください。
何か大きなできごとを一緒に体験してくぐり抜けると、短時間で仲良くなれますが、そういう事件が起きるのは、ドラマや映画の世界の話で、日常では、そんなにドラマチックなことが次から次へと起きたりはしません。
誰かと信頼関係を築くには、それなりに時間がかかります。
すぐに仲良くなろうとは思わず、時間をかけて、いろいろな体験を共にしてください。
子供は学校ですぐに友達を作るように思えますが、平日は、毎日会って、給食をはさんで、同じ教室で同じ授業を6時間ぐらい受けているから、嫌でも友達になってしまうのです。
場合によっては、行き帰りも一緒だし、クラブ活動も一緒かもしれません。
時間を測ってみると、ものすごく長い時間、お互いに接触しています。
子供のメインの活動は学校へ行くことですし、学校以外の世界は家庭をのぞけばさほどありません。
しかし、大人はいろいろな場所で多岐に渡る活動をしています。
いい人間関係を築きたいと思っている相手と、どれだけ接触しているか、またはどのぐらい言葉を交わしているか、時間を出してみると、そんなに時間を使っていなかったりします。
時間をかけてじっくり付き合う覚悟をし、実際にそうすると、今よりストレスが減ると思います。
人間関係に関する過去記事もどうぞ
人間関係の見直し方~突然リセットしないほうがいいと思う理由。
捨てることを検討したほうがいい、自分のためにならない人間関係。
人間関係を断捨離するという考え方に違和感を感じる、というメールに回答します。
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これまでとは違う、人とのかかわり方を4つ紹介しました。
コミュニケーションにはいろいろな形があります。
子供と向かい合うのがめんどくさい、しんどい、時間がない、という理由で、物とお金だけを与えて、子供との関係に、自分の時間をほとんど投資しない親がいます。
この「物とお金だけを与えること」もコミュニケーションの1つの方法です。
一方的に叱りつけるのも、ふだんはあまり何も言わず、遠くからじっと見守っているのも、コミュニケーションの形です。
あなたが悩んでいる人間関係には、どんなコミュニケーションが発生しているか考えてみて、そのコミュニケーションを少し別の形にしてみると、もっといい関係になるでしょう。
後編で残り5つのかかわり方を紹介します。