ページに広告が含まれる場合があります。
読者の質問に回答します。
クローゼットを子供部屋にしたいが、夫が荷物をどけようとしない、どうしたら処分してもらえるか?
ありがちな問題ですね。
こんなときどうしたらいいのでしょうか?
まず、メールをシェアします。Iさんからいただきました。
夫の荷物が邪魔すぎる
件名:夫の荷物
夫の書斎(7畳)、クローゼット(5畳)、リビング(9畳)、リビングに隣接する和室(6畳)、キッチンとお風呂です。私の部屋はなく、長男(11歳)と長女(6歳)と一緒に和室で寝ています。
私の荷物は、たぶん小さな段ボール1箱もないくらい、服は夏・冬で7着くらいずつです。
着ない服は即捨てです。
夫の荷物は大きな段ボール15箱分くらいに、服は、書斎のクローゼット1つまるまる使用、クローゼットの半分に、さらにハンガーラック1.5m分を使っています。
Yシャツは25枚以上、背広は夏冬あわせて15着以上、私服のTシャツや服は30枚以上あります。その中で着ているのは数枚だけです。
夫の荷物の段ボール7つくらいが、会社の10年以上前の書類です。
相談内容は、長男の子供部屋を作る(現状クローゼット)にあたり、夫の荷物(特に絶対使用しない会社の書類)を処分してほしいのですが、どうしても説得できません。
会社の資料なので、会社に送りたいのですが、会社には場所がないと言ってそれもできず、処分も絶対ダメだといいます。
正直、ごみのようなものを保管しておくのがイヤでイヤで離婚も考えるくらいイヤなんです。それを何度も何度も言っても理解してもらえません。
どうしたら、処分してもらえますか?
ちなみに家のローンは頭金から毎月の支払いもきっかり二等分なので納得がいきません。
Iさん、はじめまして。お便りありがとうございます。
ご主人の物がいっぱいあるのですね。確かに、それはストレスがたまるでしょう。
我が家も似たようなものですから、お気持ちはよくわかります。
まず、おすすめしたいのは、ご主人を説得しようとしないことです。
人の思考と行動はコントロールできないので、本人がその気にならないと荷物は捨てません。
しかも、誰かに「捨てて!」と言われたときに、その気になるとは思えません。そんな人なら、とっくの昔に捨てています。
ご主人の説得をゴールにするのではなく、当面の問題の解決をゴールにしましょう。
当面の問題の解決:クローゼットをからにする
今、5畳のクローゼットに入っているご主人の会社の荷物がなくなれば、子供部屋を作ることができるのですよね?
ご主人はその荷物は何があっても、絶対捨てたくない、と言っています。
それらの箱が、クローゼットになければいいのですから、別の場所に移しましょう。
考えられる移動先
・ご主人の書斎
ご主人は嫌がるかもしれませんが、自分の荷物なんだから、自分の部屋に置くべきです。
・家の別の場所
書斎、居間、和室、キッチンなどに分散させて置きます。パズルの要領です。はっきり言って、見た目もよくないし、とても暮らしにくくなりますが、その箱を捨てたくないのだから仕方ありません。
・ご主人に別の物を捨ててもらって、場所をあけてそこに置く
ご主人は、資料を入れた箱について、「これは大事だから、絶対、絶対、捨てないんだ!」と言っているわけですよね?
では、ほかの物はどうでしょう?
書類以外で、捨てられそうな物はないでしょうか? ほとんど着ていない洋服や、昔の趣味グッズ、CDやDVD、そんなものが、ご主人の部屋にいっぱいありませんか?
そちらを捨ててもらい、空いた場所に、資料を入れた箱を置きましょう。
・ご主人の実家
もし、ご主人の実家が近いなら、実家に置かせてもらうのも1つの手です。
ふだん、私は、「実家を倉庫代わりにするな!」と書いていますが、これは、シンプルライフをめざしている人へのアドバイスです。
複雑な人生を歩み続けたいと思っている人は、実家でも、兄弟の家でも、好きに利用すればいいでしょう。
・外部の収納スペース
貸倉庫やトランクルームを、どこかに借りて、書類はすべてそこに置きます。
お金はかかりますが、それはご主人に払ってもらってください。
家の中に会社の資料があるなんて、ご主人は事業主でしょうか? それならば、トランクルームの代金は、会社の運営に必要な費用です。
「地代家賃」「支払賃借料」「保管料」などの勘定科目で仕分けすればいいですね。
ポイントは、ここに書いたようなアイデアを、ご主人にも出してもらうことです。お子さんの部屋づくりに主体的にかかわってもらいましょう。
「なるほど、大事な書類だから捨てたくないのね。そうかもしれないわねぇ。じゃあ、この箱をどこに置いたらいいのかしら? あなた、何かいいアイデアあったら教えてちょうだい」と、にこやかに言ってみましょう。
アイデア出しにおすすめなのはブレインダンプです⇒頭の中のガラクタを断捨離するブレインダンプのやり方
今からやっておくべきこと:話し合い
上の方法を使えば、クローゼットはからになると思います。
だから、息子さんの部屋を作ることはできるでしょう。しかし、あと5年もたてば、お嬢さんの部屋も必要になりますよね?
そのとき、どう対応するのか、今からご夫婦で話し合ってください。
ご主人は物持ちで、大事な居住スペースを、ふだん使わないもので埋め、妻や子供を和室に追いやっています。
一見、ご主人にとっては、家族より物のほうが大事であるかのように見えます。
しかし、これは物をたくさん持っている人によくあることですが、自分にとって大事なものの優先順位が変になっているだけなんです。
ご主人も、子供や家族は大事だと思ってるんじゃないですか?
子供には、学校生活を楽しんでほしい、こんなことを勉強してほしい、こんな人生を歩んでほしい、という夢や思いみたいなものを、ご主人はもっているでしょう。
子供の幸せを願わない親はいませんから。
この点についても、Iさんも同じだと思います。
父親も母親も子供に幸せになってほしいと思っています。これは、2人の共通のゴールです。
このゴールに向かって、今、どうすべきかを話し合ってください。
ゴールは同じなんです。ただ、やり方が違うだけ。
やり方が違うから、すり合わせが必要です。
こう考えると、家を占拠しているご主人の荷物を見ても、そこまで強烈な憎しみは感じないんじゃないでしょうか?
「星の王子さま」の著者、サン・テグジュペリの有名な名言に、「愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」というのがあります。
この精神で行きましょう。
話し合いをするときのポイント
最後に実のある話し合いをするちょっとしたコツを書いておきます。
感情的にならない
話し合いをするときは、感情的にならないのがコツです。感情的になると、相手も感情的になって話がややこしくなります。
たとえ、ご主人が柔和な方でも、自分のストレスレベルは確実にあがり、やけ食いなどが増えて、自分のためになりません。
自分の気持ちを正直に話す
思っていることは正直に的確に伝えましょう。
Iさんが、どれほど、会社の資料が入った箱を、ねたましく思っているのか、ご主人は気づいていないのかもしれません。
こちらをお読みください⇒人を説得する方法はあるか?断捨離を邪魔する家族との対話の進め方。
折半して払っている住宅ローンの代金の大半が、ご主人の不用品に使われてしまうのは不愉快ですから、この点についても、正直な気持ちを話しておいたほうがいいですよ。
ご主人の考えに耳を傾ける
ご主人の考えもしっかり聞きましょう。ご主人にも言いたいことがたくさんあるはずです。
相手の立場に立たないと、交渉は決裂します。
小言を言わない
脅したり、強制したり、わめいたり、ごちゃごちゃ小言を言ったりしても、効果はありません。
疲れるだけです。
こんな言い方をすると、めざすゴールからどんどん遠ざかります。
それでは、Iさんの息子さんの部屋が、無事できあがることを祈っています。どうぞ、お元気で。
家族の物が邪魔な問題、過去記事もどうぞ
たくさんありますが、7つだけピックアップします。
夫の物が気になる人に伝える、他人の思考や行動をコントロールしようとするのをやめる方法。
夫の汚部屋にほとほと困っています。どうしたらいいですか?←質問の回答
物を捨てない夫の本や資料を何とか片付けたい、というお悩みメールへの回答。
夫の物が多すぎて整理できない。どうしたらいいの?:断捨離の悩みに答えます
せっかく片付けても夫が散らかすから腹が立つ。この問題の解決法。
****
70平米だと、間取りにもよりますが、家族4人の中に、物持ちの人がいると、手狭かもしれませんね。お子さんの性別が違うから、それぞれ個室を持ちたいだろうし、友人を呼びたいと思うだろうし。
Iさんのところは、Iさんの所持品が少ないから、これまでなんとか回っていたのかもしれません。
それでは、あなたも質問や感想などがありましたら、お気軽にメールください。お待ちしています。