ページに広告が含まれる場合があります。
4月から職場が変わって不安になっている方から相談のお便りをいただきましたので、新しい環境に対する不安をに対処するコツを5つお伝えします。
まず、メールを紹介します。差出人は松子さんです。
部下が増えて不安がいっぱい
件名:4月になり新たな職場になりました
昨年10月頃メールをした松子です。
これから私がやってみたいこと~ストレッチ、プールで泳ぐ、服を買わない。
ブログでお返事して下さり、ビックリしてとても嬉しかったです。ありがとうございました。
この4月に職場が異動になり、新たな環境に移り、筆子さんにメールをしたくなりました。
これまでは部下が40人位のラインの管理職でしたが、次は部下が100人位の規模の職場になり、自分が管理職としてマネジメントしていけるか不安が一杯です。
以前、職場で部下による、そのまた部下へのパワハラスメントが起き、職場の環境調整に奔走しました。
問題を起こした方の部下は、1年後に部署が異動になり、職場はすっかり落ち着きました。
しかし、私は管理職として、当時、なかなか中立に対応できなかった反省があります。
ハラスメントを受け心身の体調をくずした数人の部下は守れましたが、問題を起こした部下に対しては、うまく指導や対応ができませんでした。
本人は、自分の言動がどれほど人を傷つけ、部下の士気を下げているか最後まで気づくことができませんでした。
本人には人事部からも指導がありましたが、本質的に本人の内面が変わることはありませんでした。
上司の私も半年近く挨拶も無視をされ、関係の構築ができず、長く仕事をしていますが、これほどの方は初めてでした。
まだ私もマネジメントの上で力不足だったと反省もあります。
しかしあれ以上、対応は難しかったという思いもあり、いまだに時々考えます。
経験は今後に生かすしかないとも考えていますが、筆子さん、避けられない仕事上での対人関係で、周囲とトラブルを抱えやすい人への関わり方について、何かアドバイスがあればよろしくお願いします。
松子さん、こんにちは。お便りありがとうございます。
部下の数が倍以上になったということは、昇進されたんですね。おめでとうございます。
いまから、「こんな変な部下がいるんじゃないか」と先回りして心配する必要はないですよ。
人間は、探しているものを見つけるので、「また変な部下にあたりそうだ」と思っていると、本当にそういう人の担当になる可能性があがります。
「みんな、いい人ばかりで、売上がどんどんあがってしまう、こんなことや、あんなこともしてみたいなあ、楽しみだ」と考えておいたほうが自分の体のためにいいんじゃないですか?
そんな考え方はあまりにもわざとらしい、と思うなら、無理にポジティブに考える必要はありません。
ですが、わざわざネガティブに考える必要もないですよね?
間をとって、ニュートラルに考えておくのはどうでしょうか? 「何が起きるかなんて誰にもわからない。起きたときに考えよう」というように。
職場のトラブルは、自分一人の力でどうにかできるわけではありません。トラブルがあってから、対応方法を考えるほうが現実的です。
以下に、新しい職場に対する不安の対処法を書くので、参考にしてください。
1.わざわざ不安を倍増させない
新しい職場に出向く時は、多かれ少なかれ、誰でも不安を感じます。他の人も一緒なんだ、これはふつうのことなんだ、と考えておくと気がラクになるでしょう。
誰でも不安になりますが、その不安をわざわざ倍増してしまうのは誰でもない自分自身です。以下の思考は避けてください。
・先のことがわからないことに対する不安を拡大
松子さんのはこれですね。まだ起きていないのに、何かまずいことが起きると思っています。
・コントロールできないことに対する不安を拡大
人間誰しも、状況をコントロールしたいものですが、コントロールできることとできないことがあります。
松子さんは、過去に起きたことまで、何とか変えようとしているみたいですが、そんなこと誰にもできません。
過去のできごとから学んで次に生かすのが、ベストの方法です。
・自信のなさを拡大
松子さんは、管理職としてのご自身の能力に自信がないようですが、松子さんを管理職にしたのは、会社の執行部ですよね?
会社は伊達や酔狂で、人事をしていないと思いますから、「この人なら任せられる」と思って、管理職にしたんじゃないですか?
つまり、周囲は松子さんの能力を認めているわけですから、その評価を素直に信じておいたほうがいいですよ。
自信をつける方法は過去記事を参考にしてください⇒自分に自信がない?自信を持つことはスキルの1つ(TED)
2.気持ちを書き出して不安な状況を受け入れる
心のガラクタ問題に対する回答にいつも書いていますが、不安な気持ちは、取りあえず紙に書き出して、「あ~、私は今、こういうことが不安なんだなあ」とそっくりそのまま受け入れるとラクになります。
モーニングページや、ブレインダンプをしていただいてもいいし、思いついたときに、気持ちをだーっと書き出すというのをやってみてもいいでしょう。
ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
おすすめの本⇒筆子の新刊『書いて、捨てる! 』3月11日発売。著者による内容紹介。
書き出すときは、感じている気持ちをそのまま書き出すだけでよく、その感情に対して、ジャッジをしないでください。
3.コントロールできないことは手放す
過去に部下をうまく指導しきれなかったことは、今さらどうこうできませんので、そのことについてうじうじ考えるのはやめましょう。
どうしても考えてしまうなら、なぜ、いつまでもこだわっているのか、考えてみてください。
過去に起きたことが、どうなったら松子さんは満足なのでしょうか。
誰かに、「きみはできるだけのことはやったよ。あれでよかったんだよ。僕だって同じようにしたと思う。きみはまれにみる優秀なマネージャーだよ」と承認してもらえば満足するのか。
問題行動をした部下が、改心して、心あたたまるお詫びの手紙に菓子折りを添えて松子さんに送ってくれたら、満足するのか。
この2つとも、自分ではコントロールできませんから、あれこれ考えるのはエネルギーの無駄です。
そういう筋書きの小説でも書くと、気持ちを昇華できるかもしれませんね。
4.できる準備をしておく
コントロールできないことをうじうじ考えることに使っているエネルギーを、コントロールできることに注いでください。
たとえば、
・新しい仕事内容に関する勉強をする。
・職場が変わるなら、通勤ルートをしっかり調べておく。どこでランチを食べるか、職場付近にめぼしい店を見つけておく。
・洋服をきれいさっぱり断捨離して、職場に着ていく定番服を決めてしまう。
自分のユニフォームを決める12のヒント。おしゃれミニマリストになる道もある
服と仕事は関係ないと思うかもしれませんが、多くの人は、「仕事ができる人に思われない」と思っており、そういう人に思われるような服を買い揃えています。
だから、自分が着ていて気分よくいられる定番服や、歩きやすい靴を用意しておくと、新しい環境でも、自分を見失わないし、前向きな気分になると思います。
髪型が決まらないだけで、仕事のやる気を失う人もいますからね。
このような小さな準備をとおして、コントロールできることを、コントロールしていくと、自信が生まれます。
何かトラブルがあったときも、自分ができることを、具体的に積み重ねていくと、状況に振り回されることがなくなるでしょう。
5.デイル・カーネギーの本を読む
対人関係で悩むことが多い人には、デイル・カーネギーの本をおすすめしています。
こちらは心配しすぎない方法です。
カーネギーの記事に関しては、何回か過去記事でふれています。
1つだけリンクしておきます⇒友達が欲しいけどできない。だって傷つきたくないから←質問の回答。
私の本ではこちらがおすすめです⇒新刊「それって、必要?」本日発売です。読み方、使い方案を紹介。
あとは、マインドフルネスを心がけ、今の生活を大事にしたり、家族や仲のいい友人に話をしたりするのもいいでしょう。
具体的なことはこちらの記事をごらんください⇒新生活が怖いあなたへ。環境の変化にうまく対応する12の方法。
それから、人の評価を気にするのをやめると、不安が軽減すると思います。
「いい上司だと思われたい」「皆に、好かれたい」、「仕事ができる人だと思われたい」。こんな気持ちがあると、必要以上に状況をコントロールしようとして、ストレスがたまります。
それでは松子さん、新しい職場でのご活躍をお祈りしています。
******
新しい職場に対する不安の解消法をお伝えしました。
職場や役職が変わるのは、不安かもしれませんが、気持ちが改まるし、ポジティブなできごとです。
新しい人と出会い世界が広がるし、新しい習慣の構築もしやすいです。
だから、職場が変わるのは、チャンスなんです。