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貯金できる人になるために、今日にでも捨てたほうがいい習慣を3つお伝えします。
無駄遣いや衝動買いではありません。
もっと日本人の心の奥底にすくっている根強い習慣です。
1.新品信仰
日本人は新しい物を手にいれることに強いこだわりがあるように思います。
日本にいたときから、薄々そう感じていましたが、カナダに来て、それは確信に変わりました。
日本人はキレイ好きですよね?
ヤフオクで、30円で古本を買うと、すごくきれいな新品同様の本が届きます。出品者は本のカバーをきれいに拭いて、OPP袋(クリスタルパック)に入れ、さらに新品の封筒に入れて送ってくれます。
「購入ありがとうございました」とお礼の手紙やメモが入っていたりします。
たった30円で、こんなに手間をかけていただいて、申し訳ないほどです。
私はアメリカやカナダのeBayを利用していたことがありますが、本を買うとそのまま、普通の封筒に入れて、ぼんと送ってきます。
表紙がよれていたり、しみがついているのが届きます(出品画面にはそんな記載はなく、「そこそこいいコンディション」と書かれています)。
付箋にメッセージを書いて、本の上に貼っている人もいますが少数派です。
中古の子供服を買ったら、明らかに使いまわしているくしゃくしゃの封筒(紙ではなくて破れない素材の袋)に入って届きました。
子供むけのアニメのビデオテープを何本かまとめて買ったら、コーヒーメーカーの箱(つまりリサイクル)に入れられて届きました。
日本人的には、オークションの発送用に、他の箱を使いまわすことは少ないと思います。
最近は、環境に配慮して、簡易包装しているネットショップも多いので、「リユースしてます」と明記しているお店も増えているでしょうが。
北米では、決して美しくはない封筒や箱で送ってくることがごく普通なのです。
日本では、たとえオークションで人のお古を買っても、外装は美しあってほしいという期待があるのかもしれません。
セット物信仰もあるように思います。化粧品は同じ銘柄でセットで使わなければだめだ、というように。
イベントがあるごとに、靴、バッグ、洋服のどれかを新調する人も多いです。
私も昔は軽い新品信仰がありました。
旅行、結婚式、パーティ、入学、卒業、謝恩会。イベントがあるたびに、新しいものを買わなければいけないかな、と考えていました。
新品じゃなきゃだめ、ピカピカ光っていなきゃだめ、というこだわりを捨てると、ずいぶんお金が残るのではないでしょうか?
新品を信仰しても何のご利益もありません。かえって家計を圧迫します。
日本では、新品好きが多いため、開封したものや誰かが1回だけ使ったものは、どーんと値下がりします。そういう物を買えばいいのです。
確かに新品を使うほうが気持ちいいかもしれません。
そこを何とかこらえて、新しいものをおろすのはお正月だけにし、ほかの日は中古品を買うようにすると必ずお金がたまります。
2.やたらと多い贈り物の習慣
日本では贈り物をする機会が多いです。これまた、お金がたまらない習慣です。おまけに、贈り物の交換は、よけいな物を増やします。
日本人の贈り物好きは、もはや完全に文化になっていますね。
まず季節の贈り物があります。
お正月のお年玉、バレンタインデーのチョコレート、ひな祭りのちょっとしたプレゼント、子供の日のお祝い、お中元、暑中見舞い、残暑見舞い、クリスマスプレゼント、お歳暮など。
最近はハロウィンにも子供にお菓子をあげたりするようです。
季節の贈り物に加えて個人的なプレゼントがあります。
誕生日のプレゼントや成人式のお祝い。入園祝い、入学祝い、それぞれのお返し、卒業祝いとそのお返し。
就職祝いとそのお返し。結婚すると、結婚祝い、引き出物、結婚祝いのお返し。出産すると出産祝い、内祝い。初節句や七五三のお祝い。
結婚記念日に夫から妻、妻から夫へプレゼント。
栄転祝いとそのお返し。定年退職祝いとそのお返し。開店祝いとそのお返し。新築祝いとそのお返し。病気のお見舞いと全快祝い。引っ越しのご挨拶のちょっとした贈り物。
なぜこんなに贈り物が多いのでしょうか?
ほかにも旅行土産や、何の理由もないのに、「先日お世話になりましたので」とか「口利きしていただきありがとうございます」という印の贈り物もあります。人の家に遊びに行く時は手土産を持ってきます。
そういえば、私が初めて勤めた会社では、女子社員が退職するとき、ほかの社員に「お世話になりました」と言って、ちょっとしたものを贈る習慣がありました。
全員にですよ。
まあ、小さな会社でしたから、そこまで大変ではなかったのですが。
女子社員には、それぞれちょっとした雑貨を送り、男子社員には、お菓子(各部署に箱に入ったお菓子を1個渡し、皆に食べてもらう)というパターンでした。
私は同じ部署の先輩が寿退職(結婚のため会社をやめること)したとき、ハローキティのついた青いハンドタオルをもらったことを今でも覚えています。
なぜ覚えているのかというと、もったいなくて、長年使うことができずしまいっぱなしだったからです。
もちろん、最近はすたれてきた習慣もあります。引っ越しの挨拶をしない人もいますね。
しかし、贈り物が好きな国民性は変わっていません。
バレンタインのチョコレートは、最初は男性だけにあげるものだったはずなのに、義理チョコ、友チョコ、ホワイトデーの贈り物とどんどんスピンオフしました。
最近は、自分に贈り物をする人も多いです。⇒お金を貯めたいなら自分へのご褒美という名の浪費はやめる。
会社によっては、3時にお茶菓子が配られるところがあります。差し入れという名のプレゼントです。
誰かのお土産であることもありますが、わざわざみんなで食べるために、調達されていることもあります。
同じおやつを食べて、連帯感を高めているのでしょうか。
ダイエットしたい人には迷惑な習慣です。
さて、日本の贈り物文化には4つの特徴があります。
●とにかく回数が多い
●現金を包む習慣がある
●お返しをしなければいけない(と皆、考えている)
●贈り物の外側(包装紙やパッケージ)にもこる
どれも家計の負担になり、物を増やします。
お金をあげるのは物が増えないではないか、と思うかもしれませんが、お金を入れる封筒にこだわっていると思いませんか?
ぽち袋とか、のし袋とか。別にふつうの封筒で充分なのに。
「それが文化だ」と言われればそれまでなのですが。
私は、昔、お年玉をあげる予定もないのに、東急ハンズで可愛いぽち袋を何種類か衝動買いし、数年前まで、捨てられずに持っていました。結局寄付センターに出しました。
こうした贈り物をする習慣を手放すと、お金が残ります。
周囲が全員そうしている中で、自分だけあげないのは勇気がいるかもしれません。ですが、貯金したいなら余計な贈り物はやめるべきです。
プレゼントの交換を完全にやめろ、と言っているわけではありません。財布と気持ちの負担になるなら、無理に贈らなくてもいいのではないか、と提案しています。
こちらの記事も読んでください⇒お金をかけず、物を増やさず、シンプルにクリスマスを祝う方法
3.ブランド信仰(高級品信仰)
日本人はブランド物が好きだと言って差し支えないでしょう。
日本語と日本文化を学ぶテキスト(英語ネイティブむけ)に、日本人女性は、ブランド物を好む傾向がある、と書かれていたのを見たことがあります。
著者は日本人です。
香水ならシャネルかゲラン。ハンドバックならグッチやルイ・ヴィトンという具合。ちょっと古い本なので、現在人気のブランドは違うかもしれません。
もちろん、海外にもブランド物が好きな人はいます。
たとえば、私の娘(18歳)は、ルールーレモン(lululemon)というバンクーバーに本社のある、お高いヨガパンツやスポーツウエアを売っているブランドが好きで、ここのパンツをたくさん持っています。
それがまあ、びっくりするほど高いわけです。ただの運動着なのに。確かに、質はいいようです。丈のお直しは無料でやってくれるし、アフターケアも手厚いとのこと。
けれども、もしこの高い運動着にルールーレモンのマークがついていなかったら、娘は買わないでしょう。
ルールレモン好きの娘ですが、ヨーロッパのブランドのバッグは買いません。娘の友だちも持っていません。そんなもの、このへんに売っていないと思います。
娘はバックパックはHerschel(ハーシェル)というカナダのメーカーのものを使っています。これもブランド物と言えばブランド物ですが、高級ブランドではありません。量販店で買うよりは高いぐらいの値段です。
財布はGUESS(ゲス)ですが、別に高い品ではありません。GUESSはアメリカンカジュアルのブランドだから、ヨーロッパの高級ブランド品みたいに高くはないのです。
2年前に東京に行く機会があり、日比谷や銀座のあたりを歩きましたが、イタリアやフランスの有名ブランドの店がたくさんあってびっくりしました。
まあ、東京ってそういところなんでしょうね。名古屋だって街中にいけばそうなのかもしれません。
ずっとカナダの地方都市に住んでいる私は、ギャップがあって驚いたわけです。
イタリアやフランスのブランドのバッグは、お金持ちのためにありますが、日本では10代や20代の若いお嬢さんが買います。
主婦になると、生活が苦しくなるので買えなくなるという不思議な現象が起きています。
代わりに、主婦はアンカーホッキングやファイヤーキングのマグを買い集めたりします。
ブランド物は皆、高いですが、必ずしも、値段に見合った質なのか、というとそうともいえません。
ブランド品の中には中国で製造されている品がたくさんあるのは有名な話です。イタリアのブランドバッグは、7割ぐらい中国で作って、残りをイタリアで作れば、メイド・イン・イタリーの商標をつけることができる、と言われています。
コーチのバッグがほとんど中国で作られているのはこの動画から推測できます⇒中国の出稼ぎ労働者の考えていることを知って買い物グセを改める(TED)
フランスやイタリアの職人が作ろうと、中国の女工さんが作ろうと、できあがった物はふつうに使えるから、別にいいです。
しかし、中国で作らせたら、当然原価は安いわけです。それをあんな高い値段で売るのって、どうなのかな、と考えてしまいます。それもこれも需要があるからなのでしょうね。
いずれにしろ、ブランド物だから、という理由で買物をしていると、貯金する分が少なくなります。
ブランド物を買うのは、本当のお金持ちになってからにしたほうがよいのではないでしょうか?
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以上、日本社会に根強くあるお金がたまらない習慣を紹介しました。
すっかり習慣になっていると何の疑問も持たないかもしれません。けれども冷静に考えると、浪費につながっています。
タックルしやすい習慣から変えていくと、次第に、貯金できる人になります。