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汚部屋改善に関する質問に回答します。
お便りをくださった方は、一人暮らし。所持品は少ないものの、狭い部屋に住んでいます。
しかも収納場所が不便なところにあるため、物の置き場所が定まらず、どんどん汚部屋化し、もうにっちもさっちもいかなくなってしまった、その名もにっちもさんです。
にっちもさんはどうしたらいいのでしょうか?
今回は私の愛用品も合わせて紹介します。まずお便りを引用します。
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一人暮らしの家がカオス状態です
件名:助けてください
いつもブログにお邪魔したり、本を拝読して勉強させていただいております、にっちもと申します。
筆子さんにお知恵を拝借したく、メッセージを差し上げました。よろしくお願いいたします。
私は一人暮らしをする40代の女性です。
1年ほど前に引っ越しをしたのですが、それからずっと家がカオス状態なのです。
それまでも同じようなコンパクトな広さ(14㎡)・収納容量の部屋に住んでいました。
違いといえば椅子が必要なテーブルが作り付けであったくらいで、その時は物の置き場所も決まっており、物も少ないので快適に暮らしていました。
ですが、今の住まいでは作りつけの収納箇所が
・靴を履かないと届かない場所(25×35×170)
・台を使わないと届かない場所(吊り戸棚 100×45×40)
にあり、季節もの以外の、現在使うものを収納するには不便なのです。
そのため、部屋の床には頻繁に使うものが固定の置き場所もなく散らかっている状態です。
置き場所を決めるにも、どこがベストの場所なのかがわからず、試行錯誤で早一年…。
例えば、ミニ洗濯機(36×55×57)さえも置き場所が決まっておらず、(使う時はユニットバスに移動しますが、置きっぱなしにすると風呂・トイレの使用が困難)
必然的に洗濯洗剤・ピンチ・洗濯ネット等までさまよっている状態です。
家具・家電・トイレットペーパー1巻・マグネット1個等もカウントして856個のものを所有しています。
家具は、以前の作り付け机に合わせたキャスター付きビジネスチェア・ベッド・姿見です。
今の私はもっと物を減らす必要があるのだから、生活習慣を変えないとと思ったり、収納も含めた家具が足りないのだから買い足すべきだと思ったり…
(でも、選択ミスや捨てるときの大変さにおびえて行動に移せずにいます)。
私は長寿の家系なのであと50年は死にそうにないのに処分のことばかり考えるのは、いつか使うかも、と未来の心配をしている人と変わりないのでは?
という疑問もわき、もうどうしてよいやら、にっちもさっちもいかない状態になっております。
床の生活だったら物を減らせそうですが、高い収納箇所は届かないので空にする必要があります。(現在は季節外の衣類、下着、靴下等が30枚ほど入っています)
床の生活にするか椅子の生活かさえ決めかねているため、今は机も買えないので、書類等の処理を先送りするようになってしまいました。
先送りできる=必要がない作業、ならいいのですが、後で大きなペナルティが待っているものさえ手が付けられないのです。
障害物が多くて掃除も行き届かないし、苦しくてやけ食いまでして太るという悪循環です。
全くの停滞状態で、先送りばかりの人生にイライラしたり泣きたくなります。
答えが見つからない試行錯誤が苦しくて、これが本来の自分の姿なのかと落胆しています。
無駄のない動線を見つけ、物の管理が得意だと思い込んでいた自分が滑稽です。
先ほど収納箇所の寸法を測ろうとして、キャスター付きの椅子から転げ落ち、その勢いでPCが床に落ちて欠けてしまいました…泣きっ面に蜂状態です。
感情のコントロールが乱れまくって乱文・長文で申し訳ありません。
筆子さんでしたら、この状態を脱するためにどういう手を打たれますか?
ご指導いただけましたら大変ありがたいです。よろしくお願いいたします。
にっちもさんに、記事で回答するからお待ちいただくよう返信したところ、さらに詳しい事情を書いたメールをいただきました。
物の数はエクセルを使って管理しています
件名: ご返信いただきありがとうございます。
お忙しい中ご返信をお願いしてしまい、申し訳ありませんでした。記事に取り上げていただけるとのこと、大変ありがたいです。
今は、自分の恥を晒して公開処刑を待つ気分ですが、私はもう片付けられない人間なんだと現実を受け止めて、いただく言葉の一つ一つをしっかりと心に刻み、すぐに行動に移します。
あと、筆子さんにアドバイスをいただく上で、要不要の判断がつきかねたのですが、とりあえず所有物の数について訂正・補足させてください。856個とご報告しましたが、685個の間違いでした。
カウント方法ですが、スーツと下着は上下別々にカウントしています。
あと、食材・調味料も決まったものしか買わないので、種類ごとにカウントしています。
例えば、人参が3本あっても1カウント、豚こま1キロを10個に分けて冷凍しても1カウントとしています。
現在切らしていても必ず補充するので、1カウントとしています。
今は冷蔵庫の中だけが、コントロールできている唯一の場所です…。
また消耗品は、ボックスティッシュ等は残り1箱になったら5箱入りを購入するので、6カウントとしています。
なので最高の状態で685個の物を所有しており、現状はそれよりも常に少ない状態です。
4年前にミニマリストの方をならって、持ち物をエクセルにまとめ、それを随時更新しています。
以前は収納箇所ごとにまとめていたので、万一の時、他人に説明するのに役立つと思ったのですが、今はその使い方はできません…。
もっぱらミニマリストの方のブログなどを見て刺激を受け、その表を使って不用品チェックをしたりしています。
本日の記事を拝読し、私は完璧主義者…?(汗)と思いました。不便に対する耐性がなさすぎるとは思ってはいましたが。
今日、筆子さんからご返信をいただけて、希望が見えただけでなく、心がとても落ち着きました。
恥ずかしくて、誰にも相談できなかったのです。
それに、日を追うごとに暖かくなり、害虫が隠れ放題の部屋が恐怖で仕方ありませんでした。
住居環境はあくまで人生の土台。土台にばかり気を取られて、上に何も築けない状態からやっと抜け出せると思うと本当にどうお礼を申し上げてよいかわかりません。
一方的な都合でメッセージを送りつけてしまったことをどうかお許しください。
お手間をとらせてしまい大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
にっちもさん、お便りありがとうございます。
実際にお部屋を拝見していないので、そこまで具体的なアドバイスはできませんが、私ならこうする、という点をいくつかお伝えします。
木ではなく森を見ること
一番にお伝えしたいのは、本当に大事なことにエネルギーを注ぐべきである、ということです。
いまのにっちもさんは、木を見て森を見ず、という状態です。
2つめのメールに、「自分は完璧主義ではないか」と書かれていましたが、そのとおりですね。完璧な部屋じゃないといやだから、新しい家具の導入ができないのでしょう。
しかも融通がききませんね。床に座る生活か椅子の生活か決めかねているそうですが、日本の家屋は、おしなべて和洋折衷です。そんなこと心配するには及びません。
おまけに、とても几帳面な方です。
豚肉を1キロ買って、10等分し冷凍庫に入れ、しかも数を数えています。私にはとても真似できません。
まあ、几帳面なのはいいのです。問題は、その几帳面さや完璧主義的傾向が、にっちもさんの幸せに全く貢献していないことです。
私なら、エクセルで物の数を管理する時間があったら、やらないとペナルティがあるという書類(税金の申告書でしょうか?)の作成をしますね。
なぜにっちもさんが、物を減らしたり、カウントしたり、ミニマリストをめざしたり、部屋の動線を研究し始めたのかわかりません。ですが、そういうことをする究極の目的は、自分らしく楽しく暮らすことですよね?
にっちもさんは、本来の目的をないがしろにして、物の数を数えるといった目先のことに血道をあげすぎている、といわざるを得ません。
ミニマルライフの本質は物を減らすことではなく、不用なものを手放して、より自分らしく、幸せに生きることなのです。
物の数が少なければいいというものではありません。
この記事をごらんください⇒レス・イズ・モア(Less is more)の真の意味とは?何もない部屋に住むことがミニマリストの目的ではない
まず、ご自身の優先順位を正すことから始めてください。
筆子ならどうするか? - コンパクトな家具を導入する
次に、具体的に私ならどうするか、ですが、基本は床に座る生活にします。
14平方メートルというと、3メートルx4.6メートルぐらいですね。8畳よりちょっと狭いぐらいです。
我が家のリビングルームより少し小さいぐらいです。この中に、キッチンやバス、トイレ、玄関があるのだと思います。
いま、自宅のリビングルームを一望して、このスペースだけで自分は暮らせるだろうか、と考えてみました。
決して広くはありませんが、充分ゆったり暮らせると思いました。
しかし、以下のような工夫が必要です。
できるならベッドは手放す
私はベッドは使いません。床に寝てます⇒床にじかにシーツをしいて寝てみたら、グッスリ眠れて健康によいみたい
ベッドはものすごく場所を取ります。
ベッドを持ち続けるのなら、かなり手狭になることを覚悟してください。
踏み台を買う
床の生活にしたら、高い収納場所は使えない、と書かれていますが、そんなことはありません。靴をはいて届くところなら、充分使えます。
下に踏み台を置くだけです(常設します)。
私はとても小柄なので、踏み台は必需品です。
これはイケアで6ドル未満で買ったものです(1ドル100円と考えれば感覚的に近いかと思います)。
チープなものですが、踏み台としては充分機能しています。探せば、木製でインテリア的にもおしゃれなものはたくさんあります。
こんなのとか(以下、商品画像をクリックするとアマゾンに飛びます)。
これをキッチンのカボード(食器棚)の下にいつも置いています。必要なときは別の場所に持っていき使います。踏み台があれば、そこに乗るだけなので、気軽に出し入れできるでしょう。
折りたたみのテーブルを買う
いま、デスク(テーブル)をお持ちでないようですが、食事はどこでしているのでしょう? 台所のカウンターの前に椅子を持っていって食べているとか?
それでもいいのですが、机として使えるものを1つ買うことをおすすめします。
私は折りたたみの机を持っており、上にiPadを置いて動画を見たり、塗り絵をしたりしています。
これはカナダのアマゾンで、ノートパソコン用として売られていたものです。机の面の大きさは54センチX34センチ、高さはもっとも高くした状態で(脚の長さを3段階ぐらい調節できる)30センチほどです。
大きさの感じがわかるようにノートパソコンをのせてみましたが、この机の上でノートパソコンを使うことはありません。
このように折りたためるのでふだんは場所を取りません。
テーブルの脚を一番高くした状態のまま、折りたたんでいるので、ぴったりおさまっていませんが、脚の高さを一番低くしてしまえば、脚は机の裏側にぴったり入り込みます。
日本のアマゾンで見たところ、この製品が似ています。
私は床にじかに座っても平気ですが、冬場、壁にもたれて座っていると背中が寒くてしょうがないので、座椅子ふうのチェアを買って使っています。
座椅子はずっと置きっぱなしにしていますが、2つに折りたたんでコンパクトに収納することもできます。
椅子に座る生活にしたいなら、立ったままでも、椅子に座ったままでも使える、こんなデスクを買ってみては?
デスクとして使える物を1つ買えば、そこが自分の定位置になるので、日常必要なものはおのずとそのまわりに収まっていくのではないでしょうか?
日常使うものを入れる収納ボックスを買う
日常、よく使うものはこのようなボックスを1つ買い、入れておくとよいです。
私は塗り絵グッズが散乱するので、ここにまとめています。
ボックスの大きさは、幅が40センチ、奥行きが26センチ、高さが20センチほどです。塗り絵グッズ入れとしてはちょっと大きすぎるのですが。
素材は外側がかなり分厚いリネンで、内側がコットンです。
この箱は、巾着袋みたいな、布の口に糸を通したふた(ほこりよけのカバー)がついています(言ってる意味わかりますかね?)。ですが、これを使うと出し入れが面倒なので、巾着部分は折込んで使い、画板をふた変わりに置いています。
この商品も折りたたむことができます。
日本のアマゾンではこちらの商品が近いです。素材は違いますが。
以上紹介した雑貨は、場所をとらないし、コンパクトなので、収納も引っ越しも、廃棄もそんなに大変ではありません。
このような雑貨を導入してはどうでしょうか? もちろんちゃんとしたテーブルや洋服ダンスを買っていただいてもかまいません。
今の家には、クローゼットのような、洋服をかける場所がないですよね?
生活に必要なものは買うべきだと思います。物を床に置くと汚部屋になっていきます。
いずれにしろ、いまの収納をもっと利用しやすくする方法を考えてください。
いま、収納しにくいから、しまうことができないのですから、収納しやすいよう状況にすればいいのです。
うまくしまえない理由をこちらに列記しています⇒物をしまいやすい収納にする5つのコツ。片付け方を変えて汚部屋脱出。
この記事も参考になります⇒物の定位置を決める5つの原則。現実的な収納をめざしストレスをためない。
問題をすべて書き出す
いま、どうしていいかわからないそうですが、そういうときは、とりあえず、自分が問題だと感じていることを、すべてノートに書き出してください。インテリアに限らず、不満に思っていることすべてです。
机がないと書けない、と思うかもしれませんが、私は表紙が分厚いノート(コンポジションブック)をモーニングページとして愛用しており、ひざの上に置いて書いています。
そんなノートはない、と思うならクリップボードを買えばいいのです。高くありません。
クリップボードはこなんのです。
塗り絵を始めたとき、私も娘のお古のA4サイズぐらいのクリップボードの上に塗り絵本をおき、膝の上で塗っていました。しかし、ちょっと手狭だったので、もっと大きい画板を買いました。
問題をすべて書き出したら、もっとも重要なこと(自分の生活に一番インパクトのあること)から解決していきます。
物の数をカウントすることは重要ではありません。
私にメールをしたら、心がやすらかになったそうですが、自分で問題点や頭の中のごちゃごちゃを書き出すだけで、同じ効果が得られます。
いくら人からアドバイスを受けても、自分で納得できない限り、行動に移すことはできません。
人から聞いたことを有効活用するには、先に頭の中の混乱した考えをすべて紙の上に出しておいたほうがいいです⇒頭の中のガラクタを断捨離するブレインダンプのやり方
頭の中が混乱したままだと、どんなにすばらしいアイデアを聞いたとしても、うまく取り入れることができません。その情報は、新たなごちゃごちゃの素になるだけです。
問題を解決するときは、できないことではなく、できること、すでにある物に目を向けてください。
たとえば洗濯グッズ(洗濯バサミやら)は、洗濯機の槽(洗濯ものを入れる場所)の中に入れておく、というのはどうでしょうか?
問題解決するときは、以下の記事が参考になるでしょう。
制限があるからこそ素晴らしい物が生まれる:震えを受け入れる(TED)
物が少ないメリット:足りないからこそクリエイティブになれる(TED)
問題を解決するために、まずはトーストの作り方を描いてみる(TED)
にっちもさんは、片付けられない人ではありません。片付けよりも、物の数をカウントしたり、エクセルで管理するほうが優先順位が高い状態になっているだけです。
また、新しい部屋に引っ越したのですから、以前の部屋でのやり方にこだわらず、新しいアプローチをするべきです。
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まとめると
◯完璧主義は手放す(失敗を恐れすぎない)⇒完璧主義を克服する7つの具体的な方法。
◯柔軟に対応する(生活状況はどんどん変わります)
◯本質を大事にする(大事な問題にフォーカスする)
◯できていることに目を向ける
◯一つひとつ、順番に問題を片付ける
こうなります。
ミニマルライフを目指しているからといって、物を買ってはいけない、増やしてはいけない、なんてことはありません。
必要な物を導入しないせいで、頭の中にゴミがどんどんたまるほうが問題ではないでしょうか?