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断捨離を始めたが、いらない物を捨てれば捨てるほど体調が悪くなるため、物を捨てるのがとても怖くなった、というメールをいただきました。
以前も似たようなメールをいただいたことがあります。
はっきり書きます。物を捨てたから病気になっている、なんて断定すべきではありません。この点をしっかりわかってもらいたいので、今回記事に取り上げました。
メールは引用しないでほしいとのことなので、要点を箇条書きします。メールの送り主はKさんです。
捨てれば捨てるほど体調が悪くなるのは好転反応なの?
●私は実家で一人暮らし(年齢は不明)
●母が亡くなり、いらない物を捨て始めた
●母は何でも取っておく人間だった
●自分も物を捨てないほうだが、たまに捨てようとすると母に「もったいない!」と止められたので捨てずにいた
●だから家には物があふれかえっている
●決心して夏から断捨離を始めたが、その後どんどん体調が悪くなっていった
●病状は以下のとおり:耳の詰まり、耳鳴り、風邪、虫歯、手足の違和感、顎関節症(がくかんせつしょう)など。耳や脳の検査をしたが異常はなかった。
●平日は働いているので、休日に弟に手伝ってもらいながら断捨離していた。業者に頼みたい気もしたが、お金がかかるので自力でがんばっていた。
●整理整頓すると体調不良になるのは好転反応だと言われているようだが、いつまでこれが続くのかと思うと気が遠くなりそうだ
以上です。
わりと短いお便りで、詳しいことはわからないのですが、かなり物がたくさんあるようです。
これを読んで一番に感じたことは、「なぜ、断捨離したから病気になった、という発想をするのか?」ということです。Kさん以外にも、「まだ使える物を捨てたからバチがあたった」「物にたたられた」とメールに書いてくる人がいます。
まるで、不用品(いまは使っていない物)を捨てることは悪行であり、人の道からはずれているから、天や神仏から報いを受けている、と考えているかのようです。
物を捨てたから病気になるわけではない
物を捨てることと、病気になることに直接、因果関係はありません。
もちろん、先日お便りを紹介した方のように、アレルギーがある人が汚部屋を片付けると、アレルギーがひどくなります。
先日のお便り⇒そのうち、いつか、と思っているうちに深刻なゴミ屋敷ができあがる。
汚部屋にはほこりやダニ、カビの胞子がたくさん飛んでいるはずですから、それらを吸引して体調が悪くなることは充分考えられます。
重い物を運びすぎて、四十肩やぎっくり腰になったり、疲労がたまって免疫が落ち、風邪をひくこともあるでしょう。
ですが、これ、好転反応じゃないですよね?
当然の結果です。環境の悪いところで、休息もとらず、重労働をしているから体調が悪くなるだけです。
断捨離のせいにする前に考えたい、人が病気になる理由
病気によっては、発症の原因がはっきりしないものもありますが、たいていの場合、以下の状況が複数そろうと人は病気になります。
1.栄養バランスの悪い食事
人間の身体は食べたものでできています。栄養バランスの悪い食事・不規則な食事をしていたり、加工食品ばかり食べていたり、砂糖を取りすぎていれば、病気になりやすくなります。
砂糖の害⇒砂糖の害について書いた記事のまとめ
タバコやお酒など身体に悪いものを大量に摂取していても健康が損なわれます。
2.水をしっかり飲んでいない
水の摂取が不十分だと病気にかかりやすいです。
水について⇒こんなに水はからだにいい~今すぐ水を飲むべき7つの理由~ミニマリストへの道(32)
3.睡眠不足
睡眠不足も身体によくありません⇒睡眠不足はとっても危ない。寝足りないと起きる5つの弊害 しっかり寝ることはとても大事です。
4.手が汚い
人は1日中、両手で外界にある細菌にべたべたとさわりまくっています。手洗いが不十分だと、もろに細菌を取り込み病気を引き起こしやすいです。
特に汚部屋に住んでいる人の手は人一倍汚れているはずです。
5.ストレスが多い
大きなストレスも人を病気にします。その仕組みはこちら⇒ストレスを感じると、腹痛が起きたり太ったりする理由。
Kさんはお母さんを亡くしたのですよね? いつ亡くなられたのかはわかりませんが、親をなくすことは相当な心的ダメージになります。
そんなところに、大量の物を断捨離するという大仕事も加わり、ストレスが増え、それが体調不良を引き起こしたとは考えられないでしょうか?
6.運動不足
運動不足も身体によくありません。人間は動物、つまり動き回る物体ですから。
運動不足の弊害⇒運動をしないとどんなことになるのか。運動不足の6つの弊害
7.過労
疲れがたまると体調が悪くなります。Kさんは平日は仕事、休日は断捨離とフル回転で働いたので疲れがたまっていたのでは?
8.免疫低下
上に書いた、食事、睡眠、運動など、健康な身体をキープするために大切な要素がそろっていないと、免疫が低下します。免疫が低下すれば、いろいろな病気が出てきます。
虫歯になったということは、口腔内があまり健康でない、ということです。私も歯が悪いのですが、口腔内が健康でない場合、からだの至るところで炎症を引き起こす可能性があります。
免疫とは?⇒免疫力を上げるために手放したほうがいい6つの習慣
9.生活環境にある毒物を過剰に取り込む
身の回りには身体に悪いものがたくさんあります。
先日紹介した電磁波⇒電磁波の健康リスクが気になるあなたへ。日常生活で簡単にできる基本的な対策。
環境ホルモン⇒環境ホルモンとは何か、その影響など基礎的なことをわかりやすく解説
重金属⇒私が森修焼(しんしゅうやき)のマグを使うわけ~安全にこだわった食器です
身体によくない化学物質。たとえばこれ⇒フタル酸エステル(環境ホルモン)の毒性とは?プラスチック、ヘアケア製品、化粧品に入っています
大気汚染がすすみ、大気中にある放射能も増えています。
10.体質・持ってうまれた遺伝子
どんなに健康に気を配った生活をしていても、生まれつきの体質のせいで病気になることがあります。
尚、年齢を重ね、細胞が古くなってくれば、若い人より病気になりやすいのは周知の事実です。さらに、理由は何も思い当たらないけど、病気になってしまった、ということもあります。
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以上のように、人を病気にしてしまう要因はたくさんあります。安易に「不用品を捨てたから病気になった」と判断するのではなく、上に書いた、健康でいるために必要な要素が満たされているかどうか、一度チェックしてください。
生活環境や習慣のせいで病気になることがよくあります。改善すべきポイントが見つかったらできることから対策してください。
今後はどうするか?
物を捨てるのが怖くて、断捨離を中断しているそうですが、捨てないでそのままでいても、決して健康的な環境とはいえません。体調が回復するまではゆっくり休むべきですが、調子のいいときは、また少しずつ断捨離したほうがいいと思います。
メールを読んだだけの判断ですが、Kさんの体調がくずれた原因は以下の4つではないでしょうか?
●ストレス
●物を捨てると病気になるという強い思い込み
●慢性的な疲労
●一気に片付けようとした(全出しとか)
まず、物を捨てるから病気になる、という思い込みを捨てるべきでしょう。そんなふうに思う確かな証拠、ありますか? 人間、断捨離してなくても体調が悪くなることはいくらでもあります。
物がたくさんあるとストレスになるので、むしろ捨てたほうがいいくらいです。
その後は、疲れすぎないように、毎日少しずつ、コツコツ捨てるといいと思います。一気に捨てず、長期的に捨てていくのです。
作業の細分化をするといいのでは? 小さな目標を立てて、1つずつクリアしていく、というのはどうでしょうか?⇒確実に汚部屋から抜け出す方法。小さな行動目標を立ててクリアしていく。
こちらの記事も参考になるかもしれません⇒忙しい日は1日5分の断捨離を~5分で片付けられる10の場所
業者に頼むのはお金がかかりますが、自分の健康のことを考えたら、必要な投資かもしれません。一度見積もりを取ってもいいかな、と思います。健康はお金より大切です。
いずれにしろ、早く体調がよくなるといいですね。お大事に。
★以前耳鳴り予の原因を書いています⇒耳鳴りが止まらない7つの原因。ストレスに要注意
予防法はこちら⇒耳鳴りの治し方6つ。家庭で手軽にできる方法
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今回は、「物を捨てたから、体調が悪くなる」という考え方が誤っている理由を書きました。
物を捨て慣れない人ほど、捨てることに抵抗があるため、いろいろと捨てない理由を作り出します。そんなとき、「この理由って、客観的にみて道理にかなっているのかな?」と考えてみてください。
自分で軌道修正できます。